この記事は新約とある魔術の禁書目録12巻のネタバレが含まれます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
加納神華(かのう しんか)とは、ライトノベル『新約とある魔術の禁書目録』に登場するキャラクターである。
新約12巻の主人公、ヒーローポジション。
…ぼくは藍花悦だ
超能力者「藍花悦」を名乗る小柄な少年。誕生日は12月1日。
整った中性的な顔立ちに茶髪セミロング、それを黒系の可愛らしいフード付きジャケットで上から覆っている。水色のインナー、黒色のショートパンツを着用しており、どこか幼い女の子の容姿を思わせるが歴とした男である。
要するに「男の娘」に分類される。禁書目録としては異例の「男の娘」である。(大事なので二回)
一人称は“ぼく”だが、激情時は“おれ”に変わる。地はやはり“ぼく”であり、新約12巻のラストでは元に戻っている。
彼は突如消えた友人を捜索していた。手掛かりとして、以前友人が口にしていた巨大複合商業ビル「ダイヤノイド」の上層部に、彼女の秘密基地があるというのだ。
ダイヤノイドには、彼では立ち入れないような区域があり、目指すのはそこだった。
だが彼には何の力もない。そうして弱いまま学園都市の「裏」の世界に飛び込もうとしたところ、ある不良から助言を得て、素性も姿も一切分からない超能力者「藍花悦」を名乗る。以後、彼は友人を助け出す為、行動を開始した。
その友人とは、かつて社会の裏の小組織「アイテム」に所属していたフレンダ=セイヴェルンであった。
ヒーロー
上条当麻はいわゆる「ヒーロー」である。言葉にすれば陳腐な表現だが、作中では明確にカテゴリー分けされており、敵であっても味方であっても片っ端から救い上げる性質を持つ存在をヒーローという。
新約4巻、新約7巻ではカテゴリーとしてのヒーローを題材にしたエピソードが執筆されている。御坂妹、右方のフィアンマ、そして直近の巻では魔神オティヌス。過去彼が救ってきた者達も、多くは彼の性質によるものが大きかったと。
しかし、当然ながら上条ですら救えない者もいた。間に合わなかった、もしくは不在だったのだ。例えば旧15巻では科学サイドの暗部にて多くの者達が悲惨な末路を遂げたが、あれはまさに「上条の不在は地獄のような惨状を生む」と、まざまざ見せつけられた事例でもある。
オティヌス、オッレルス、ベルシなどはその性質に気付き、まるで上条の手の届く範囲は全てが安全地帯であるかのように評している。
だが、それを知ってしまえば残された者達はどう思うのだろうか。もっと早く彼が駆け付けていれば、何故間に合わなかったのか、そうした逆恨みに近いことを考えるのではないか。
サンジェルマンはそこを突いた。“フレンダの死は上条がいないせいでもあった”と吹き込んだ。因みにフレンダを殺害したのは麦野なのだが、そうした体制を生み出す者への復讐や、上条を確かめるという理由付けがされている。
だがサンジェルマンの目的はその先にあった。要は魔神の目的を妨害する為に、上条に誰かを殺させることで性質の変化を促したかったのだ。
故に、『藍花悦』を利用した。本当は利用できるなら誰でも良かったし、『藍花悦』自体にさして執着していたわけでもない。まして自らの王などと、思ってもいない。
黄金の盾の真実は、サンジェルマンの生み出した虚像、偽の霊装だった。
ではサンジェルマンがなぜこんな事をしたのかというと、要は能力者が魔術を扱えない、拒絶反応を覚える体であることを利用したのだった。
能力者は魔術を使用するたびに体の器官、細胞が一つずつ壊れていくが、運が悪ければ即死する。実際、土御門元春も、魔術を使用する毎に、常に命の危機に晒されていたわけである。
新約10巻のラストを思い起こして欲しい。そもそも何故オティヌスは隠世の魔神に生かされたのか。全ては上条の性質の変化を懸念した為である。
上条は魔神の計画には必要な存在であるらしく、魔神に敵意を抱く(?)サンジェルマンは、その妨害となり得る手段の中で、最善手をうったという事になる。
しかし、ことはサンジェルマンの思い通りに運ばなかった。
誕生日
「ハッピーバースデーッ!! へい、へい、へい。結局、この私から加納ちゃんへサプライズプレゼントなわけよ!!」
彼が当初求めていたフレンダの遺産とは、彼に向けたフレンダのメッセージ、クリスマスプレゼントであった。
その日は12月1日。彼の誕生日でもある。
生前、フレンダは彼の為にプレゼントを残していたのであった。
フレンダのとあるメッセージを受け取った『藍花悦』は『加納神華』という自分を取り戻した。
そして…?
彼女が何と発言し、少年を成長させたかについては、本編を参照して貰いたい。
「どういたしまして、フレンダ」
……思い出したよ、サンジェルマン
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