概要
投手が登板したイニング数を指す。アウトカウント一つにつき1/3を加算していき、1増えると1イニング分投げたことになる。
端数については分数で0/3、1/3、2/3のように表記する場合もあれば、.0、.1、.2という表記を使う場合もある。例えば先発登板した投手が6回1死で降板した場合、投球回は5.1となる。
シーズンや通算の記録としての.0は単に端数が出なかったという意味合いとなり、媒体によっては表記が省略されることもある。一方で個々の試合での投手成績としては、媒体によって「登板したがその回でアウトを取れずに降板した」ことを明確にするために.0という表記が使われる。
この場合、例えば先発登板した投手の投球回が「3.0」となっていれば、「3回を投げ切り4回にも登板したが1アウトも取れずに降板した」ことを表している。 NPBの公式サイトでは.0の代わりに「+」マークを使い、「3 +」と表記される。
日本プロ野球における投球回の歴代最多は金田正一の5526.2、シーズン最多は林安夫の541.1だが、プロ野球黎明期はごく一部の優れた投手が頻繁に登板していたため、ずば抜けて多い傾向にあった。優秀な投手が増加し先発投手が整備された後は、1シーズンで多くても200投球回ぐらいとなる。
最優秀防御率を獲得するために必要になるのが規定投球回であり、試合数×1.0(1シーズン143投球回)となっている。メジャーリーグベースボールの場合は162試合のため162投球回となるが、161.1、161.2では表彰対象にならない。
記録
シーズン記録
- (2023年終了時点)
日本プロ野球 | メジャーリーグベースボール | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 選手名 | 投球回 | 年度 | 順位 | 選手名 | 投球回 | 年度 |
1 | 林安夫 | 541.1 | 1942 | 1 | ウィル・ホワイト | 680.0 | 1879 |
2 | 野口二郎 | 527.1 | 1942 | 2 | チャールズ・ラドボーン | 678.2 | 1884 |
3 | 真田重蔵 | 464.2 | 1946 | 3 | ガイ・ヘッカー | 670.2 | 1884 |
4 | 野口二郎 | 459.0 | 1939 | 4 | ジム・マコーミック | 657.2 | 1880 |
5 | ヴィクトル・スタルヒン | 458.1 | 1939 | 5 | パッド・ガルウィン | 656.1 | 1983 |
6 | 亀田忠 | 456.2 | 1940 | 6 | パッド・ガルウィン | 636.1 | 1891 |
7 | 別所昭 | 448.1 | 1947 | 7 | チャールズ・ラドボーン | 632.1 | 1883 |
8 | 白木義一郎 | 440.0 | 1946 | 8 | ジョン・クラークソン | 623.0 | 1995 |
9 | 石原繁三 | 439.1 | 1942 | 9 | ジム・デフリン | 622.0 | 1876 |
10 | 白木義一郎 | 439.0 | 1947 | 10 | ビル・ハッチソン | 1892 |
通算記録
日本プロ野球 | メジャーリーグベースボール | ||||
---|---|---|---|---|---|
順位 | 選手名 | 投球回 | 順位 | 選手名 | 投球回 |
1 | 金田正一 | 5526.2 | 1 | サイ・ヤング | 7356.0 |
2 | 米田哲也 | 5130.0 | 2 | パッド・ガルウィン | 6003.1 |
3 | 小山正明 | 4899.0 | 3 | ウォルター・ジョンソン | 5914.1 |
4 | 鈴木啓示 | 4600.1 | 4 | フィル・ニークロ | 5404.0 |
5 | 別所毅彦 | 4350.2 | 5 | ノーラン・ライアン | 5386.0 |
6 | 梶本隆夫 | 4208.0 | 6 | ゲイロード・ペリー | 5350.0 |
7 | ヴィクトル・スタルヒン | 4175.1 | 7 | ドン・サットン | 5282.1 |
8 | 東尾修 | 4086.0 | 8 | ウォーレン・スパーン | 5243.2 |
9 | 山田久志 | 3865.0 | 9 | スティーブ・カールトン | 5217.2 |
10 | 稲尾和久 | 3599.0 | 10 | ピート・アレクサンダー | 5190.0 |
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