藤木くんとは、大概「ちびまる子ちゃん」の藤木茂を指すあだ名である。本項では藤木茂を解説する。
概要
2009年になって相談室を始めたらしいが・・・
ちなみに、90年代後半ごろに「ひきょう者」という歌を歌い、後にCDでリリースされている。
家族構成
共働きの両親との3人暮らしで典型的な核家族。そのため一家団欒で夕食を食べる機会があまり無いらしく、普段は店屋物を取って一人ぼっちで夕食を食べている。家は平屋(持ち家か借家かは不明)で藤木は自分の部屋を持っている。
藤木の母親。顔は藤木と瓜二つで口調もそっくりである。料理の際には割烹着を着ている。本作品では珍しく専業主婦ではなく、働いている。藤木がマラソンの授業をサボるために仮病をつかった際には、二つ返事で見学を許しており、息子に少々甘い。普段は温厚で優しい母親なのだが、藤木が預けたお年玉を無断で使い込んだり、藤木からクラスで卑怯者呼ばわりされている件を相談された際には「茂が卑怯者に育ったのは父親が躾を怠ったからだ!」と旦那に責任を丸投げしようとしたりと黒い一面も見せる。
藤木の父親(本名不明)。まさえ同様、顔は藤木とそっくりだが性格は藤木と違って物腰穏やかで堂々としている。担当声優がチョーさんという事もあってやたら貫禄のある声が特徴的である。普段は温和で頼りがいのありそうな父親なのだが、息子がクラスの皆から卑怯者呼ばわりされている事を知るや否や「お前がちゃんと育てないから茂が卑怯者に育ったんだ!」と妻・まさえに責任をなすり付けようとした。その結果、夫婦喧嘩が始まり、終いにはお互いに顔を真っ赤にしながら卑怯者と罵倒し合うという日曜夕方6時のアニメとは思えない修羅場を引き起こした(この現場の一部始終を見ていた藤木は「両親が2人とも卑怯なのだから僕は卑怯者になる運命だったんだ…」と悲観に暮れていた。)
余談だが本作品に登場する保護者はまる子のクラスメイトの担当声優が役を兼ねている事が多い(例:たまえの父=丸尾末男の担当声優/飛田展男、はまじの母=山田笑太の担当声優/山本圭子)。しかし何故か藤木の父に関しては兼役ではなく、大した出番も無ければ、見せ場も無いにも関わらず、大御所のチョーさんが担当している。
卑怯エピソード
作中での”卑怯”の定義は非常に曖昧であり、逃げる・嘘をつく・虚勢を張る・言い訳をする等、卑怯と呼ぶべきか疑問符の付くものや 人を庇う・励ましの言葉をかける・率直な自分の意見を述べる等の明らかに卑怯でない行動にまで”卑怯”と評されることがある。クラスメイト(とりわけ永沢・まる子)から「卑怯だ!」と指摘された時点で、藤木の言動は全て卑怯な行為として扱われる。
一見するとまともな行動にも思えるが、結局戻ってこなかったため、小杉やその場に居たクラスメイトからは逃げたと見なされた。小杉はこれにひどく傷つき、「あの時の藤木くんの(逃げる)後ろ姿は一生忘れないぞ!」と怒っていた。
これも一見すると普通の行動に思えるが、実は仮病である(熱は無く、少し咳きが出る程度)。仮病がバレないようにマスクをし、教室に着いた途端、わざとらしく咳きをしながら戸川先生に授業見学を伝えに職員室へ向かった。特筆すべきはこの一連の行動を見ていたクラスメイトが皆、藤木を軽蔑と疑いの眼差しで見ており、風邪をひいていると誰も信じていなかった事である。
怒ったハチの顔を見るため好奇心からハチの巣に石をぶつけた山田をクラスメイトが皆で責め立てた。その際、涙ぐむ山田に同情した藤木が庇い立てする。藤木からすれば山田に助け舟を出してあげたつもりだったが、永沢から「さっきまで皆と一緒に山田に対して非難の声を上げていたにもかかわらず、山田が泣きそうになった途端、正義面して庇うのは卑怯だ」と怒られた。
さくら家の庭で花火大会をしていたクラスメイト一同。花火の煙にあぶられて庭にあったハチの巣から大量のハチが出現した。この時、藤木はクラスメイトがハチの襲撃を受けて右往左往しているのを尻目に自分だけ屋内に避難していた。後日、この件について永沢・山根から卑怯だと責められるが「あれは卑怯じゃなくて臆病だ!」と主張し、これからは自分を臆病者と呼ぶように求めて一同を呆れさせた。
「藤木くん、君は臆病者なんかじゃない!君は卑怯者だ!!」
藤木のひきょうを直す会
DVD『ちびまる子ちゃん さくらももこ脚本集 「藤木のひきょうを直す会」の巻 』に収録されているので興味を持った方は御覧下さい。
■ 藤木のひきょうを直す会の全容
ある日、藤木の卑怯に心底うんざりしていたまる子・永沢・小杉・山根の4名は、藤木の卑怯は子供のうちに直しておいた方が良いと考え、「藤木のひきょうを直す会」を旗揚げし、放課後に藤木の卑怯の直し方について真剣に議論することを取り決めた。
ちなみに関連動画にある”藤木のテーマ「卑怯者」”は会の旗揚げが決定する直前に藤木が心の中で歌っているもので卑怯な自分に対する嫌悪と半ば開き直っているかのような歌詞が秀逸である。
話し合いの前半戦は永沢主導の下、卑怯について各自で調査・研究した事を発表し、それに対しての意見を述べ合うというグループディスカッション形式がとられ、小学3年生にもかかわらず大学のゼミ顔負けの本格的な議論が行われた。
しかし…
話し合いが後半戦に差し掛かると当初の議題から大きく脱線し、何故か個性を生かした自分の将来像についてが議論され始めた。というのも卑怯は他人に迷惑をかけるものではあるが、本人からすれば危険な状況下に直面した際に、己の身を守る事のできる才能であり、個性として受け入れるべきではないか?という流れになったためである。
いつしか小杉はメタボを生かして相撲取り、山根は胃腸の弱さを生かしてモデル、永沢は玉ねぎのような頭を生かして玉ねぎおじさんのお店のマスターという短所ともいうべき個性を一種の才能であると前向きに考え、将来に想いを巡らせ始めた。
結局、藤木の卑怯を直す方法は見つけられなかったが、この話し合いを通して子供たちが、お互いの個性を尊重し合い、自らの将来の可能性を模索する事ができたという点では、決して無駄ではなかったのである。
■ 会員一覧
藤木の親友。会の結成当初は面倒臭そうであったが、話し合いが始まってみると、自ら進んで司会・進行役を務める。話し合いの場では卑怯者についての自説を展開し、藤木のために高そうな『人相の本』をわざわざ購入して持ち寄り、一同を驚かせた(小杉からは「さすがは藤木くんのひきょうを直す会の中心人物だな~」と感心された)。 しかしこの本に描かれていた卑怯な人相のイラストがまるで藤木に瓜二つであり、藤木はまず顔をどうにかしない限り卑怯は直らないという絶望的な事実を知らされる羽目になる。
話し合い後半戦で議題が”個性を生かした自分の将来像”に変わった際には、玉ねぎ頭を生かして「玉ねぎおじさんのお店」という小粋なカフェを経営したいと語った。胃腸の弱さは何の役にも立たないと嘆く山根に対しては「胃腸が弱い=あまり食べないので太らないのだからモデルになったらどうか?」と助言し、彼を勇気付けた。
このように司会・進行を務めつつ、常に議題の中心で発言を行い、時には他の発言者に助言を与える等、この会のリーダー的存在である。
藤木のクラスメイト。話し合いの場では、司会の永沢から藤木の卑怯に関する意見を一番最初に求められるが、「本人の前では言いにくい。」、「他の奴からにしてくれよ。」と発言を渋った。これに永沢から卑怯だとクレームが付き、「藤木くんの前にまず、君のひきょうを直す会を結成したらどうだい?」と嫌味を言われ、危うく小杉のひきょうを直す会になりかけた。
話し合い後半戦では、永沢の勧めで相撲取りになる決意を固める。
話し合い前半戦では目立った発言も無く、意見を求められても拒否する等、やる気を疑われるような言動が多かった。しかし自分の将来像を語る後半戦では、自ら進んで発言するようになり、積極的に議論に参加していた(食べ物以外で小杉が積極性を見せるのは稀である)。
藤木のクラスメイト。話し合いの場では、特に意見を求められることも無ければ、自ら発言することも無く、影が薄かった。
話し合い後半戦では、永沢の勧めでモデルの道に想いを馳せる(モデルの自分を妄想した際には、両脇に女性を侍らせたり、豪快にポーズを決めたりとノリノリであった。)
話し合い前半戦では目立った発言も無く、さながら背景であった。しかし自分の将来像を語る後半戦では、欠点である胃腸の弱さを長所として活かせば、モデルとして大成できる事を永沢から教えられ、己の胃腸と未来に希望を見い出す。かつて「こんな胃腸なんか捨ててやる!」と自暴自棄になる程、胃腸の弱さにコンプレックスを抱いていた彼だが、その胃腸を肯定するようなエピソードは後にも先にも、この回だけである。
藤木のクラスメイト。藤木の卑怯を直す会を提案した張本人。当初は肝試し大会での一件から藤木を「卑怯者」として強く批難していたが、母・さきこ からの「大して卑怯じゃない」、「その程度で卑怯なんて言ったら可哀想だよ」という大人の冷静な意見を聞いて考えを改める。
それ以降の話し合いの場では藤木に味方をする発言が多く、自分の卑怯は人相と親譲りのせいだから直りようが無いと絶望する藤木に対しては、「私のまぬけ面と親譲りのおっちょこちょいに比べれば卑怯の方がよっぽど良い」と自分を蔑んでまで藤木を励ました。
自分の将来像を語る後半戦では、皆が個性を活かして成功した将来の自分を夢想する中、まる子だけ何も思いつかず、周りに助言を求めた。しかし、永沢からは「(まる子の個性である)おっちょこちょいは何の役にも立たない。」とあっさり否定された上に、野口からも「できるだけ直した方が良い。」とやんわり拒絶された。
結局、まる子のおっちょこちょいは、ただの欠点であり、どんな場面でも長所には絶対ならず、その上、先祖代々の親譲りであるため、直すことも不可能という救いようの無いオチで締めくくられた。
■ 会に関わった人物
まる子の親友。まる子から会の結成を聞かされた際に「嫌な会だね…」、「また変なメンバーの一員になってる…」と呆れていた。勧誘されなかったため会員にはならず、話し合いにも参加しなかった。
● 大野 けんいち (CV.沼田祐介) & 杉山 さとし (CV.真山 亜子)
藤木のクラスメイト。下校途中にまる子から会の結成を聞かされた際には「くだらない話だな」、「ひきょうを直す会を作るなんてどうかしてる」と一蹴した。肝試し大会での一件から藤木の事を快く思っておらず、「藤木なんてどうでもいい」、「まともに相手にするほど魅力のある奴じゃない」と酷評しており、当然、話し合いには参加しなかった。
まる子の母親。藤木の事を卑怯者として罵らず、庇い立てしてくれる数少ない人物(他のさくら家の人間は平気で藤木を卑怯者と蔑む。)まる子から藤木の卑怯に関する愚痴を聞かされた際も、感情的になっていたまる子を諭し、卑怯者呼ばわりするのをやめるように注意した。
● 野口 笑子(のぐち えみこ)
● キートン山田
本作のナレーションを担当する人物。
まる子が、自分の個性であるおっちょこちょいは何の役にも立たない欠点であると思い知らされ、絶望していた際に、「まる子は先祖代々引き継いだ役に立たないものを一生引きづっていくのであった。」という身も蓋もないナレーションで、まる子に追い討ちをかけた。
関連動画
関連項目
- 7
- 0pt