概要
鼎は、耳が立っていて対になっており、足が3つ付いた容器で、物を煮るのに用いた。陶製、または金属製(青銅製)である。口が丸い物、四角い物がある。神秘的な文様が射込まれていることが多い。牛をまるまる煮ることができるほどの大きさのものもあり、刑として人を煮殺すのにも用いられるものもあった。
神への犠牲を煮るのに用いたことから神聖視され、祭器・礼器として扱われ、占いにも用いられた。また王侯の象徴として扱われた。鼎の軽重の話は有名である。
その他の意味
- 鼎 - 六十四卦の一つ。☲☴
- 山本鼎(1882年 - 1946年) - 日本の版画家
- 波多野鼎(1896年 - 1976年) - 日本の経済学者、政治家
- 曹鼎(? - ?) - 後漢末の政治家
- 趙鼎(? - ?) - 高麗の政治家
- 長野県飯田市の地名
- 鼎駅 - JR東海飯田線の駅。↑の地名から
漢字として
鼎
- Unicode
- U+9F0E
- JIS X 0213
- 1-37-4
- 部首
- 鼎部
- 画数
- 13画
- 意味
- 煮るための器具、祭器、宝器、三脚のもの、三対のもの、という意味がある。
- 〔説文解字・巻七〕に「三足兩耳、五味を和するの寶器なり」とあり、また「昔、禹、九牧の金を收め、鼎を荆山の下に鑄る。山林川澤に入るも、螭魅蝄蜽、能く之れに逢ふもの莫し。以って天の休(さいは)ひに協承す」と、禹が九鼎を鋳た説話が載っている。ただ青銅の鼎が作られるようになったのは殷代に入ってからで、夏の時代に金属の鼎は無かった。
- また当と通じて、まさに、あたる、貞と通じて、正しい、という意味がある。
- 字形
- 鼎を横から見たところの象形。
- 音訓
- 音読みはテイ(漢音)、訓読みは、かなえ。名のりに、かね、がある。
- 規格・区分
- 人名用漢字である。2004年に人名用漢字に採用された。JIS X 0213第一水準。
- 部首
- 鼎は部首である。鼎に関する字が属する。
- 語彙
- 鼎位・鼎運・鼎革・鼎業・鼎言・鼎甲・鼎峙・鼎食・鼎俎・鼎足・鼎談・鼎鼎・鼎沸・鼎分・鼎立
異体字
- 貞はもともと鼎の略字。〔説文〕には鼎は貞の籀文とある。
- 㫀は、〔康煕字典〕に引く〔捜真玉鏡〕に「鼎に同じ」とある異体字。
- 𣂰は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。〔康煕字典〕に〔篇韻〕を引いて「三足兩耳」とある。
- 𣂨は、〔竜龕手鑑〕に「俗」、〔康煕字典〕に〔篇韻〕を引いて「𣂰と同じ」とある異体字。
- 𣃊は、〔康煕字典〕に引く〔捜真玉鏡〕に「鼎に同じ」とある異体字。
- 𣃒は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。〔五音篇海〕に「音、鼎」とある。
- 𥅀は、〔字彙補〕に「漢碑の鼎字」とある異体字。
- 𥇴は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。〔竜龕手鑑〕に「正。音頂。三足兩耳。亦た鎗。」とある。
- 鼑は、〔集韻〕に「古、鼑と作す」とある異体字。貞の異体字でもある。JIS X 0212補助漢字。
- 𪔂は、〔正字通〕に「俗鼎字」とある異体字。
- 䁀は、〔碑別字新編〕に引く〔隋暴永墓誌〕にある異体字。
- 𣇄は、〔漢辞海〕にある異体字。JIS X 0213第三水準。
- 鐤は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。
𣇄
- Unicode
- U+231C4
- JIS X 0213
- 1-85-26
- 部首
- 日部
- 画数
- 11画
互換文字
関連静画
関連項目
- 3
- 0pt