商標 単語

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ショウヒョウ

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商標とは、商品やサービス印(標)となる名称・デザインのことである。

トレードマーク」というと人やものの徴となるわかりやすい部位のたとえで言われることがあるが、元々トレードマークは商標のことを言う。

概要

商標法第一条的)
この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを的とする

商標の定義・権利その他もろもろは商標法という法律で定められている。ざっくり言うと商品のパッケージに記載するロゴマークや、ウェブサイト名前などが商標である。「この商品といえばこのマーク!」というようなものと思ってもらえれば分かりやすいと思われる。

商標の確認の仕方

登録された商標及び出願された商標は「特許情報プラットフォームexit」というサイトでも検索することができる。

なお、このデータベースにはには未発表である商標も登録さえされていれば閲覧することができる。つまりネタバレになりうる可性があり、特に継続的に新シリーズが展開される作品(「仮面ライダーシリーズ」「スーパー戦隊シリーズ」「プリキュアシリーズ」など)の名称が商標登録からバレてしまうケースが毎年発生している。これらは俗に「商標バレ」と呼ばれる。Twitterには「商標速報bot」などのアカウントで新たな商標登録(正確には出願段階であることもあり注意)を自動捕捉してツイートされることがあり、予期せぬネタバレを受ける可性がある。

商標権

日本の場合、特許庁の審により商標登録が認められた商標には「商標権」が与えられる。商標権が発生することで商標を所有する企業や事業者はその登録した分類内において権利をすることができる。

たとえば「ニコニコ動画」というサービス株式会社ドワンゴが商標権を所有しており、分類は「コンピュータを利用したメッセージ及び映像による通信」などがある。この分類に該当する範囲において、ドワンゴ以外の企業が勝手に「ニコニコ動画」という名前を商品やサービスに使うことはできず、「ニコニコ動画」というサービスを法的に守ることができる。とはいえ商標としての名称が広く一般に浸透し、商標だと知られずに使われるパターンも多く、いわゆる普通名称と化した商標も多く存在する。こうなると商標としての効を失い、裁判で一般名詞であると判断される、というケースもある。
普通名称化している商標や固有名詞の一覧

逆に元から国語辞典に載っているような一般的な名詞・動詞などの言葉も商標登録されているものがある。株式会社バンダイは「変身」という言葉を商標登録している。もちろん「変身」という言葉を使うだけで侵というわけではなく、悪質な企業・個人による商標の独占を防ぐために商標権を持っている、という見方がある。

企業の商標登録には一つの商品・サービスに対して一つだけというわけではなく、似たような名前を同時に出願するケースもある。例えば腕時計ブランドG-SHOCK」で知られるカシオは、「A-SHOCK」から「Z-SHOCK」まで26種類すべての商標を登録している。また、「ポケットモンスターシリーズバージョン名に色や宝石名前などが使われることがあるが、実際に商品として発売されたもの以外にも要な色・宝石名前をつけた商標も数多く登録している(「ポケットモンスター ムーンストーン」「ポケットモンスター ヴァーミリオン」など)。これもネタバレ対策や偽物対策の一環であると思われる。

中には日本国外の商品が内で発売される際に商標権の存在が原因で名称が変わったものもある。アップルより販売されているスマートフォンの「iPhone」が内で展開される際に、日本インターホンメーカーである「アイホン株式会社」の商標と紛らわしいということでちょっとしたトラブルになった。
最終的には「iPhone」の商標の名義をアイホンが所有することになり、その後アイホンからアップルに「iPhone」の使用許諾を与えることで日本でも「iPhone」の名前カタカナ表記「アイフォーン」で発売できることになった。iPhoneの外には「商標『iPhone』は、アイホン株式会社の許諾を得て使用しています」の表記がある。

商標権にまつわるよくある誤解

1. 登録されていない商標に商標権があると思い込む

商標権とは、「商標登録を特許庁に対して出願」し「特許庁が登録商標にふさわしいかを審」し「審に合格して登録料を納付」された「登録商標」に対して発生するものである。したがって、登録商標ではない商標には商標権は発生しない(その場合でも全く保護されないわけではないが本項では割愛)ので、商業的に使われているからと言ってなんでもかんでも「商標権ガー」と口にするのは誤りの可性がある。

例えば『ウマ娘プロジェクトにおいてCygames馬主名の使用許可を得ているのは有名な話であるが、これは直接的には商標権とはあまり関係のない話であったりする。JRA顕彰馬レベルの名名であっても、商標登録されているのはむしろ少数に属するので、商標権の話になりようがないのである。

そもそも、次の「2」で述べるように、ゲームの中だけで名を使っている限りにおいては、かつて『ダービースタリオン』や『ギャロップレーサー』が馬主と訴訟になってゲーム側が勝訴したように、の利関係者に断で行っても法的な問題は一切ない。しかしゲーム内にとどまらずキャラクター商品を二次展開するビジネスモデルを取る『ウマ娘』では、海賊版製品対策において名を自ら商標登録できないというリスクを抱えている(法的にはもちろん可だが、それをすれば「ゆっくり茶番劇」になりかねない)。また、キャラクタービジネス上では、の利関係者がいつ商標登録をするかわからないというリスクも大きい。それらの意味においては「利関係者と事前に話を通しておく」ことがビジネス上極めて重要であるには違いないが、「名に商標権があるから事前に許諾を得ておく」という話ではないことに留意したい。

2. 商標権を「言葉の使用禁止権」だと思い込む

「登録商標は創作内では使えない」と思い込んでいる人も多いが、これも誤解である。上述の通り、商標権の機とは「商品・サービスの出所の識別の保護」である。つまり、商標権者が商標出願時に「このジャンルを保護したい」と定したジャンルに限って、かつ、「一般の消費者がその商品・サービス出所を認識できる方法で使用された」場合に限って、商標権が機する。したがって、一般的に言ってその商品の出所の識別に使われるとは思われない漫画アニメゲームの「作品内」に登録商標があったからといって、それは商標権の侵とはならない。じゃあなんでわざわざそうした作品内で実在の登録商標を使用しないのか、というと、まあ「大人の事情」あるいは「単なるお約束」なんでしょう。商標権には著作権と違って商標権者人格権のようなものはないので、どんなに下品で低俗な作品の内部に登録商標が使われても、少なくとも商標権上の問題はない。ただし、登録商標が同時に「著作物」でもある場合(誤解を避けるためにいうと「著作物のタイトルが登録商標」という意味ではなく、「非常に凝ったロゴマーク」のような登録商標それ自体が創作物である場合)は、商標権とは別に著作権への配慮が必要となることは忘れてはならない(著作権と著作物についても世間一般の誤解は多いが本項では割愛)。

日本国内では最高裁判決で否定された「物のパブリティ権」について、特に日本国外の広告業界では、あたかも存在するものとして扱ってような業界慣習があるため、インターネットを介したボーダレスコンテンツ流通ではそこに別途留意する必要があるかもしれない

3. 作品のタイトルに商標権が及ぶと思い込む

前項で触れた「作品内での使用」と異なり「作品のタイトル」とはまさに消費者が店頭で大々的ににするものであるため、いかにも商標権が働きそうに誤解されがちである。しかし、商標権とはあくまでも「その商品・サービス出所」を識別するための機である。さて、作品の「出所」とはなんだろう、と考えてみると、一般的にはそれは「タイトル」ではなく、「作者」や「出版社・アニメ会社」ではないだろうか。

実際の例として、「音楽が収録されたCD」を定商品として「UNDER THE SUN」という商標を登録していた人物が、井上陽水1993年リリースしたアルバム『UNDER THE SUN』を商標権侵だとして裁判に訴えたことがある。これに対して裁判所は「このCDの出所を識別する機井上陽水名前にあって、アルバムタイトル名ではない」と訴えを一蹴している。また、戦略シミュレーションゲーム三国志シリーズ開発元であるコーエーテクモは「電子計算機用プログラム記憶させた磁気ディスク」を定商品として『三国志』を商標登録しており、この商標権に基づいて『三国志武将争覇』というゲームの販売の差止をめる仮処分を提起したことがあるが、裁判所は『三国志武将争覇』の「三国志」は、ゲーム内容が歴史小説三国志演義」を題材としたことを示すためのもの、すなわちゲームの性質を表す表示であって、出所識別機を有するものではないとして商標権の侵を否定している。

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