とりあえず、「とりあえず」について書いてみる。
とりあえず(取り敢えず)とは、副詞の一つである。
これは「取る物も取り敢えず」(=『取ろうとする物も充分に取り切れないで』→『他の為すべき事は差し置いて』)の前半が略されたもので、『1.【いろいろな選択肢の中から第一に。差し当たって。まず始めに】、2.【すぐに。直ちに】』という意味合いがある。なお同源の言葉に「取りも敢えず」があるが、こちらは『(取ろうとする物も充分に取り切れないほど)急に』という意味になる。
「とりあえず、これからやろう。」という書き方であれば、本来の意味であれば『(やる事はたくさんあるけれど、今はそれらを後回しにして)最優先事項としてすぐにこれをやろう』という事であり、つまり現段階において可及的速やかに行える最大限の物事を示す。
さて、この最優先事項というのは複数の並立した事象の内の特定の事象を指す場合が専らだったが、最近では最優先事項が単一の事象内の特定の段階を指して「とりあえず」全体としては『応急処置的にある段階まで』といった意味合いで言われる事が多く、これが『時間や労力を用いず楽に。ちょちょいと片手間に。中途半端に。』といった後ろ向き・否定的な捉えられ方をされる事が少なくない。
例えば何か仕事を頼んだ相手から「とりあえず○○しておきました。」といわれた時にどのように感じるだろうか。おそらくはその仕事振りに関して万全を期待する事はないだろう。上記の「とりあえず、これからやろう」という例文も、その裏に『簡単そうだから。適当に。それなりに。』といった類の後ろ向きな思考の存在が見え隠れしてくるのである。
これは周囲からの捉えられ方の問題なので、それを本人が『後回しにした事については後程きちんと補完する』ことを意図していたとしても誤解は生じうる。そのためビジネスの現場など公の場ではあまり推奨されない言葉とされている。なお、ニコニコ動画やニコニコ大百科上でも「とりあえずやってみた」「とりあえず作成した」という表現は溢れているが、それらの多くは意識的に『楽に。片手間に。半端に。』と捉えられるのを企図したもので、一種の韜晦(曖昧にぼかした表現)として機能している。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/10/07(月) 11:00
最終更新:2024/10/07(月) 10:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。