―愛も、法も、嘘がすき❤―
―愛に抱かれ、法に濡れる❤―
リーガル・ハイとは、フジテレビ系列放映のテレビドラマである。
2012年春ドラマの一つで、火曜21時枠にて4月~6月の間放映された。全11話。
また、2013年4月13日にスペシャルドラマが放映され、
2013年10月〜12月の間水曜22時枠にてセカンドシーズンが放映された。全10話。
そして2014年11月22日、スペシャルドラマ第二弾が放映された。
概要
第1期
人間性が最悪だが腕は確かな敏腕弁護士と、それに仕える正義感の強い熱血弁護士が衝突しながらも協力し、あらゆる訴訟を勝利に導いていく法律ドラマで、“弁護士ドラマ史上、最も笑える”の謳い文句が示すように、随所に散りばめられたギャグが特徴のコメディドラマである。ちなみに原作なしのオリジナル作品。
また、本作品の内容には現代社会に対する強烈な皮肉とメッセージがこれでもかと言うほどに込められている。作中で主人公たちが絡む人物・組織には、天才音楽ヒットメーカー、テレビにひっぱりだこの天才子役、利益の為に中身の無い訴訟を起こす市民が含まれていたり、あげくはどこかで見た事がある超大物政治家やどこかで聞いた事がある超巨大企業までもが隠す気ゼロで堂々と登場したりと、ギャグパートにおいても遊び心というにはおふざけが過ぎるような、ヤバい内容である。
実のところ、コメディドラマの皮を被って方々にケンカを売るようなドラマであり、制作陣の手の込んだ自殺である。
そんな痛快な内容を支えるのが主演・堺雅人の怪演である。台本の4~10ページに及ぶほどの長台詞を早口でまくし立てるマシンガントークや、要所要所を無駄に洗練された無駄のない無駄な動きでトリッキーに立ち回ることで主人公のキャラクター性を強く引き立てている。これまで比較的温和でシリアスな役柄を多く演じて来た堺が、飛び跳ね、変顔を繰り出し、敵に向かっててへぺろ☆をキメる光景は衝撃的であろう。一方、第9話終盤においての、「絆」を理由に訴訟を笑顔で降りようとするお年寄りたちを弾劾しつつも鼓舞した5分間に及ぶ大演説シーンは圧巻で、放送直後からネット上に大反響を巻き起こした。
その他の役者陣も大御所・新鋭共に実力派が揃い、一人一人のキャラクターが実に濃く、個性を主張しまくっている。
また、テンポの良さ、先の見えない語り口、そしてやりたい放題の内容にも関わらず話の本筋が破綻していないなど脚本の完成度も高い。「準備稿を受け取ったとき、演じ方を考えることも忘れ夢中で読み耽ってしまった」とは堺氏の弁。
これらの要素が人気を呼び、雑誌「オリ★スタ」読者による満足度ランキング1位を獲得。6月11日までの視聴率ランキング3位に輝く、ソネットの調査による「録画率」は春ドラマぶっちぎりトップに輝いているなど、高い支持を受けた。第1期の視聴率は平均12.5%。
第2期
第2期は第1期の高い評価に加え、記録的ヒット作となった前クールのTBSドラマ『半沢直樹』からたまたま連続主演となった堺雅人にも大きな注目が集まったことが追い風となり、第1話から視聴率20%越えのロケットスタートを決める。しかもその第1話では『半沢直樹』をおちょくるようなパロディ(→sm22009920
リンク先は音源差し替え版)を連発し、視聴者の度肝を抜いた。第2話以降もネジ工場出身の原告が登場したり堺が机バンバンするなど『半沢』ネタがいくつか見られただけでなく、某生きる扉の会社をモデルにした時代の寵児が登場したりとパロディ要素はさらにやりたい放題(繰り返すが、フジテレビのドラマである)。挙句、後期には自社の代表作すらもネタにしてみせた。
また、シリーズを通じての平均視聴率も18.4%と第1期を6%近く上回る高水準をキープしただけでなく、「トルネ」の録画率ランキング(月間トルネ番付)では第1話から右肩上がりでの高い予約率を記録し、特に某世界的アニメ監督をパロディにした第7話では約1万400トルを記録。これは、「半沢直樹」が記録した約1万200トルを抜き去る数字であり、年間でもドラマ部門2位という好成績だった[1]。
登場人物
古美門法律事務所
- 古美門研介(38→39歳) 演:堺雅人
- このドラマの主人公で、敏腕弁護士。詳しくは古美門研介の記事で。
- 黛真知子(25→27歳) 演:新垣結衣
- 若手の熱血弁護士。ひたすら真面目で「六法全書を丸暗記した」と言われるほどの勤勉家。
他者をいたわり、思い遣る心を持ち、弁護士になった理由も“弱者を救いたい”という自らの正義に燃えてのことであるが、正義感が強すぎるあまりに融通が利かない一面もある。しかも、それを周囲に対して必要以上に押しつけようとする傾向が強く、自分の信念と違えば相手も構わず、理由も考えずにケンカを売るなど、暴走することも多い。
この危なっかしい正義感を古美門に「朝ドラのヒロイン」と揶揄され、事ある毎に対立をしては論破され、ついでに大馬鹿にされている。しかしどんなに罵倒されようと、へこたれずに立ち上がるなど強い精神力も持ち合わせる。また非常に怪力の持ち主であり、古美門を腕だけで持ち上げたり、大の大人二人を投げ飛ばしたりもしている。
黛なりの思いがあって古美門法律事務所の門を叩き、不倶戴天の敵と言えるほど仲の悪い古美門と衝突を繰り返しながらも共に法廷で戦い、やがて「自分の手で古美門を倒す」という目標を打ち立てる。
ちなみに当人に自覚はないようだが、かなりの音痴。あと、ぺったんこーらしい。
- 服部(不詳)[2]演:里見浩太朗
- 古美門法律事務所の事務員兼古美門のパパお世話係。とてもおおらかな性格で、衝突しがちな古美門と黛の仲介に回ることが多い。
司法に関しては素人であるが、それ以外のことに関してはやたらと万能で、特技が多い。その過去には何かと謎が多いが、「昔、~していたもので」が口癖で海外の色んな国に滞在した経験があるらしい。旅をしていたのは国内だけじゃないんですね。古美門が唯一心を許す人物で、服部もまた古美門を慕い、尽くしている。でも時々さらっと辛いことを言う。
弁護士としての使命に燃える黛のことも応援しており、「古美門先生には、深いお考えがある」という言葉とともに激励を送り、何度か黛を窮地から救い出している。
余談だが特定の人物と並び立つシーンなどでは何故か本作とは関係ない曲が流れる。
- 加賀蘭丸(23歳) 演:田口淳之介(KAT-TUN)
- 金で雇われている、古美門の密偵。相手の弱点を探るなどして裁判に有利となる情報を得たり、相手側を攪乱するなどの裏仕事を引き受ける。服部の料理が好きだが、食いっぱぐれることも。
本職は俳優だが、あまり売れていないらしい。まあ影が薄いし。
三木法律事務所
第1期およびスペシャルドラマにおけるライバル事務所。かつて古美門と黛、それと磯貝が所属していた。
- 三木長一郎(50歳) 演:生瀬勝久
- 三木法律事務所所長。元検事で黛の元上司。かつては古美門も彼の下で働いていた時期があったが、次第に手のつけようがないほどの実力を身につけ、遂には自らにとって重大な危険因子と化した。そしてあるきっかけにより完全に袂を分つこととなり、解雇。それ以来古美門を敵視し、彼を法曹界から追放すべく、あらゆる手段を講じているが、悉く失敗している。
三木の事務所は超高層ビルに構えられた大きな施設であるが、その所長室の床には「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」のような落とし穴が設けられ、その下にはどう猛な人食いザメを放したプールがあるらしい。趣味はロシアンルーレットごっこ。
- 沢地君江(35歳) 演:小池栄子
- 三木の秘書。妖艶な雰囲気を漂わせる美女で、古美門曰く“フェロモンが違う”。また知性にも長け、蘭丸を返り討ちに出来るほどに格闘能力も高い。三木の右腕として、陰から様々な手段で妨害工作を行う。
- 井出孝雄(26歳) 演:矢野聖人
- 所属弁護士。若手でありながら三木のアシスタントを担っているように高い実力を持つが、それ以上にプライドも高い。三木を師と仰ぎ尊敬するが、井出自身に何かしらの信念があるわけではなく、彼の三木に対する忠誠は半ば盲信に近い。
空気を読めない、熱すぎる、気合が空回りする点が目立ち、そのせいか物語中盤からは三木や沢地にとっての格好のいじられ役に。やがては(石を持ったまま)足だけ出して露天風呂に沈められるシーンも何だか似合ってしまうヘタレキャラになっていった。ただ、汚れ仕事を押しつけられては失敗し、その度に背筋が凍るようなお仕置きを受けてもなお、負けずに2人について行く精神力は黛に通じる部分があるかもしれない。それかただのマゾ。
入場料無料のゆとりの国NEXUS Law Firm
第2期におけるライバル事務所。勝訴にはこだわらず双方ともに丸く収めることを重視している。古美門研介をして「入場料は無料で遊び場のようなゆとりの国」だが、パパドラに言わせると職場環境は最高。
- 羽生晴樹(25歳) 演:岡田将生
-
「サウジアラビアにこういう諺があります・・・パチッ!」
- NEXUS Law Firm代表弁護士。元検事で帰国子女。検事時代に職務経験制度で古美門法律事務所で弁護士実習を経験している。非常に柔らかい物腰で天然の人たらし。「裁判に勝者も敗者もいない」という信条を持ち、「両者Win-Win」な結末を常に求めているため、必ずどこかで和解に持ち込もうとする。黛にやたらとアプローチをかけているが……。
- (第2期最終話ネタバレ)最後の最後でまさかのゲイ返し展開。半沢直樹の黒崎とは対照的であった。その際、実況やここの掲示板が「アッー!」や「リーガル♂ゲイ」といった単語で埋め尽くされたのは言うまでも無い。
古美門曰く「ペーペー」「ゆとりの国の王子様」。ちなみに引用される諺は適当なのでググっても出てきません。
- 本田ジェーン(33歳) 演:黒木華
- 所属弁護士で元検事&元鳥取県民。検事時代は眼鏡を掛け黒い服装で声が小さい地味な女性だったが、羽生についていく決意をした途端メガネを外しヒッピー姿に変身する。ただし法廷などでは正装。古美門のことを「古美門っち」と呼ぶ。古美門曰く「ニセヒッピー」。
- 磯貝邦光(45歳) 演:古舘寛治
- 所属弁護士。元々は三木法律事務所の所属弁護士だったが、後述の安藤貴和と関わった男性が不審死する事件をきっかけに退所し、同事務所に入所する。三木法律事務所所属時代には刑事部門のエースと称されていたが、実際は勝ち目の無い敗戦処理ばかり担当させられていた。弁論中に噛みまくる癖がある。第1期で言う井出ポジションであり、すべての手がことごとく裏目に出る「ポンコツ弁護士」。自ら考えたキャッチコピーは『磯貝・タフガイ・ナイスガイ』。
- スペシャル版第二弾では多少ポンコツが治り有能になったのか黛が相手の「インチキ手話裁判」で見事勝訴を勝ち取っている。
その他
- 傍聴マニア(清掃員) 演:大槻一人(SU (RIP SLYME))
- 第1期から登場。第1期では古美門の裁判に度々訪れ、絵を描きながら傍聴していたが、第2期ではNEXUS Law Firmの清掃員として働いていた。
- 安藤貴和(35歳) 演:小雪
- 第2期に登場。結婚歴のある男性がことごとく不審死を遂げており、遂に夫の殺人容疑で死刑判決を受けた「世紀の悪女」。本人は無罪を主張しており、古美門と黛の共同弁護を受け入れているが、何か隠している様子。古美門をはじめありとあらゆる男を手篭にしており、死刑囚にも関わらず拘置所生活がどんどん豪華になってゆくのがお決まりのギャグ。揺れる古美門や黛の相談相手でもあり、互いに的確なアドバイスをしてゆく。
- 別府敏子(35歳) 演:広末涼子
- テレビスペシャル、第2期4話・8話に出演した裁判官であり、事実上の準レギュラー。性格は「超ドS」であり、裁判中の秩序を保つためならば監置(投獄)も辞さない。常に氷のような無表情を貫いているが、その存在は裁判所の中でも問題児扱いされているらしい。バカンス先のフランスで古美門と最悪の初対面をしており、古美門を度々目の敵にしている。他方、第2期では「現場検証」と称して事件現場に皆と出向き、車中で古美門としりとりをする、虫眼鏡片手に証拠を探して無表情ではしゃぎ回るなどのギャップ萌えを披露しており、視聴者からは劇中セリフより我らが別府ちゃんと呼ばれることも。
- 古美門清蔵 演:
木枯らし紋次郎中村敦夫
- ネット民の通称はパパカド。古美門の本当の父親で、現在は鹿児島在住の元検事。
素振り等で心身の鍛錬を欠かさない厳格な人間。検事たるその素性からか、「疑うならば、明確な根拠を示せ」と幼き古美門に教育したもんだから、すっかり古美門のトラウマになってしまった。
古美門にとっては紛うことない天敵の一人であり、素振りに代表されるように、正面からの正論を以て相手を律する人。その接し方は威圧的ではなく、実は温和だったりする。詭弁や奇策などで勝利を得ようとする古美門も彼に対しては、「演技は必要ない、小細工なしでぶつかるしか無い」と、ある意味黛の方法論でぶつかっていった。
息子の事はかなり気にかけていて、旧知の仲の服部を事務所に送り込み、常に連絡を取り合っている。検事の繋がりから羽生に対して何らかの糸を引いている模様。
中の人繋がりからか、服部の携帯着メロや、パパカド登場時は、木枯らし紋次郎の主題歌である「だれかが風の中で」が流れるが、多分気のせいである。
- 黛素夫 演:
ヤクザ兼イカ星人國村隼
-
「酔っ払っちゃった、何処かで休みたい、だからな!」
朝ドラの親なのでパパドラ。この作品におけるもう一人の親バカ。古美門の事は…多分本当に嫌いっぽい。
主要スタッフ
主題歌
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関連項目
関連リンク
脚注
- *1位が「ガリレオ(第2期)」、3位が「半沢直樹」。
- *番組公式サイトでは50歳と表記されていたり、公式BOOKでは65歳と表記されていたりしていたが、後に出版されている脚本および現在の公式サイト表記では「不詳」となっている。