中野宗時とは (ナカノムネトキとは) [単語記事]

「中野宗時」（なかの・むねとき 1501 ～ 1570）とは、奥州伊達家三代に仕えた重臣であり、参謀として伊達家中で権勢を振るったものの持ち前の野望の高さゆえに伊達家に謀反をおこして敗れ、最期は餓死してしまった人生流転の大きさに定評のある野心家。

概要

伊達政宗の曽祖父・伊達稙宗の代より伊達家に仕えて家老を務めた人物で、伊達稙宗が得意の姻戚外交により子・伊達実元を上杉定実の養子にしようとして起こった天文の大乱の際に、次代の伊達家当主である伊達稙宗の子・伊達晴宗（伊達政宗の祖父）について伊達稙宗の計画を阻止させた上に、伊達稙宗を隠居に追い込んで伊達晴宗に家督相続させた功績で、伊達晴宗より重用されて多大な所領を得て伊達家中にて権勢を振るう存在となり、次男を伊達家の宿老・牧野家に養子入りさせて牧野久仲を名のらせる等、さらに家中での勢力拡大に勤しむ野心家ぶりを発揮した。

持ち前の政治力で伊達晴宗の左京太夫任官と、足利義輝より「輝」の字を伊達輝宗に拝領させてついでに子の牧野久仲を守護代にする等、さらなる勢力拡大を行っていたが、重用してくれていた伊達晴宗が隠居して、子の伊達輝宗（伊達政宗の父）が家督を継ぐと、家中に勢力を持ちすぎている事を恐れられたのか、野望の高さを見抜かれたのか家政から遠ざけられ、伊達家中の最大勢力の親玉としての自信からか子の牧野久仲や新田義直らと謀反を計画した。

しかし計画は中野宗時の家臣であった遠藤基信らにより伊達輝宗に露見し、新田義直の父・新田景綱や小梁川宗秀らの追討軍を送られ、居所の小松城を落とされてしまう。

城からの脱出に成功した中野宗時だったが、相馬氏を頼って落ち延びた後、伊達晴宗や伊達実元を頼って帰参の赦しを伊達輝宗に訴えたが赦されず、最期は蘆名氏を頼って会津に落ち延びる際に、餓えと寒さで餓死してしまったと言われており、伊達家中に大勢力を築くという頂点から流転の末に餓死と言う最下層へとジェットコースターな人生を送ったのだった。