参議院 単語

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参議院とは、衆議院とともに日本国会を構成する議院である。上院に相当する。定数は248人。
較第一党は2013年 第23回通常選挙より自由民主党で、参議院議長は2022年8月3日より秀久(自由民主党より選出。しかし、議長という立場に立つと所属扱いとなる)。

便宜上大日本帝国憲法下での上院で、現在の参院の流にあたる貴族院についても取り扱う。

大日本帝国憲法下における貴族院

戦前大日本帝国憲法の下では、衆議院議員選挙で選ばれたのに対し、貴族院議院は選挙で選ばれるのではなく天皇によって任命された。皇族や族、侯爵伯爵などが選任されたほか、学者・高額納税者などといった者たちが天皇の任命を受けた。その中には10人程度、朝鮮台湾出身の名士などが含まれていた。
2ちゃんねらーがこよなくするみずぽたんは残念ながら旧憲法下では議員にはなれなさそうである。

日本国憲法下における参議院

終戦布された日本国憲法の下では、戦前貴族院に代わり参議院が設置された。
ちなみにマッカーサーは最初は一院制(衆議院のみ)を考えていたようである。
参議院議員の任期は6年(但し、憲法の規定により3年ごとに半数改選)で、解散はない。憲法の規定により一部衆議院の優越が認めているが、基本的に両議院は対等な関係にある。
参議院には貴族院の流れをくむ「良識の府」として政争の加熱しがちな衆議院チェックすることが望まれている。だが例代表制などの導入で参議院は衆議院同様の政党同士がしのぎを削る場に堕ちてしまった。
前述のチェックも即断即決が要される場面では邪魔な場合もあり、小泉純一郎首相は参議院で郵政民営化関連法案が否決されたため衆議院を解散して民意を問うという行動に打って出た。

ねじれ国会(2007-2013年)

上項の通り、良識の府としての面を失い、衆議院と同様に政争の場としての色合いが強くなった状態では、参議院が存在する意義が揺らぎかねない。
参議院の必要性、デメリットが浮き彫りになったのが、2007年第20回参議院選から2009年第45回衆議院選挙までの期間に発生したのが記憶に新しい、ねじれ国会である。

2007年参議院選挙では民主党が圧勝し、民主党を中心とする複数の党で過半数の議席を獲得した。
しかし、その前年に行われた衆議院選挙、いわゆる『郵政解散総選挙』では、自民党が圧勝しており、結果、
衆議院では与党が過半数を獲得し、参議院では野党が過半数を獲得しているという特異な事態に陥った。

上院下院の勢力が異なることは、諸外ではよくあることだし、日本でも衆議院と参議院の勢力が違うことは過去に何度かあった。
しかし、いわゆるこのねじれ国会の状態においては、「良識の府」としての参議院の役割は無視され、衆議院通過した与党の立法を参議院で野党が否決し、衆議院での再審議において可決……という非効率的な立法体制を生み出してしまった。参議院は、衆議院の決断を別の面から考え、審議するという本来の役割は失われ、単に衆議院の決定へ対抗するだけの場になってしまうのである。

立法そのものに関しては、参議院で否決されても衆議院において再可決し成立させられるため、問題ない。
しかし、この場合問題となるのは立法にかかる時間である。
遅かれかれ通過するはずの法律を、駄に参議院で否決した場合、結局その再審議のために時間だけが浪費されることとなる。そうすると、国会審議の効率が落ちると共に、円滑な政策執行が妨げられるのだ。
それだけでなく、衆議院(もしくは参議院)で可決し送付した法案を参議院(もしくは衆議院)で60日間議決しないことを「みなし否決」というが、送付された議院が法案を審議せず、みなし否決となると、60日間も法案が宙ぶらりんとなる。
2007年参院選後の与党(自民党など)からすれば、野党民主党など)が反対する法案を可決するためには、衆議院の審議に加え、参議院でみなし否決となる60日を待つ必要があった。

結果、国会では与党と野党の足の引っり合いだけが熱し、肝心の政策や立法が非常に非効率的になってしまい、「良識の府」としての参議院の意義は皆無となり、ただ時間を浪費して政治を妨するだけの存在にさえなってしまう。審議して否決するならともかく、2ヶ近く法案を放置し、参議院での否決(みなし否決を含む)の後に衆議院で再可決というのは、どう考えても時間の無駄ではないか?

このため、上記の期間には「参議院不要論」すら一部の極端な論者から飛び出し、衆参二院制の可否について問題となった。
とはいえ、参議院を止することは事実不可能と考えられる。なぜなら、参議院を止するためには、憲法を改正する必要があるが、そのためには、衆参各議院の3分の2以上の賛成による発議と投票で過半数の支持を得ることが必要である。
自分のクビを切るために、3分の2以上の参議院議員が、参議院を止する憲法修正案に賛成するだろうか?

2009年衆議院選で民主党が圧勝し与党となったのでこの状態は解消されたが、2010年の参議院選で民主党が敗退し自民党を中心とする野党が過半数を握った為、更にこの時点での与党であった民主党および国民新党は他の政党とも連立しなかった為、再びねじれ国会に陥った。なお、この状態では今度は衆議院での再可決ができない。

2012年衆議院選挙で再び自民党に政権交代したため参議院の多数党が民主党であるという中途半端なねじれ国会が再度出現したが、こちらは2013年参議院議員通常選挙自民党勝利した事により解消。

2010年以来のねじれ国会が解消され、これ以降2020年までの第二次安倍晋三政権下ではねじれ国会は生じなかった。

参議院通常選挙の結果一覧

党名下の数字は、「非改選と合わせた議席数/改選議席数」を意味する。

第1回 1947年(昭和22年)4月20日 ※参議院開設に伴う初の参議院選挙

【施行時内閣】 第1次吉田茂 (日本自由党)  【定】250
選挙制度】 選挙区制・全区制 / 20歳以上日本国

自由
38
社会
47
民主
28

9

4

13
所属
111

( 自由日本自由党 社会日本社会党 民主民主党 協:民協同党 共:日本共産党4 )

第2回 1950年(昭和25年)6月4日 ※日本国憲法102条の規定により任期3年とされた議員の選挙

【施行時内閣】 第3次吉田茂 (自由党)  【定】250 【改選数】125
選挙制度】 選挙区制・全区制 / 20歳以上日本国

自由党
76/52
日本社会党
61/36

50/9

29/9

22/19

( 民:国民民主党 小党は左から、労働者農民党5/2 日本共産党4/2 諸3/3 )

第3回 1953年(昭和28年)4月24日 

【施行時内閣】 第4次吉田茂 (自由党吉田)  【定】250 【改選数】125
選挙制度】 選挙区制・全区制 / 20歳以上日本国

自由党吉田
93/46
社会
26/10
社会
40/18

34/16

22/19

( 社会右:右社会党 社会左:左社会党 小党は左から、自由党鳩山2/0 労働者農民党2/0 日本共産党1/0 諸1/1 )

第4回 1956年(昭和31年)7月8日 

【施行時内閣】 第3次鳩山一郎 (自由民主党)  【定】250 【改選数】125
選挙制度】 選挙区制・全区制 / 20歳以上日本国

自由民主党
122/61
日本社会党
80/49

31/5

14/9

( 会 所属 小党は左から、日本共産党2/2 諸1/1 )

第5回 1959年(昭和34年)6月2日 

【施行時内閣】 第2次岸信介 (自由民主党)  【定】250 【改選数】125
選挙制度】 選挙区制・全区制 / 20歳以上日本国

自由民主党
132/71
日本社会党
85/38

11/6

18/10

( 会 小党は左から、日本共産党3/1 諸1/1 )

第6回 1962年(昭和37年)7月1日 

【施行時内閣】 第2次池田勇人 (自由民主党)  【定】250 【改選数】125
選挙制度】 選挙区制・全区制 / 20歳以上日本国

自由民主党
142/69
日本社会党
66/37

15/9

11/4

( 政治連盟 民:民主社会党 小党は左から、参議院同志会7/2 日本共産党4/3 所属5/3 )

第7回 1965年(昭和40年)7月4日 

【施行時内閣】 第1次佐藤栄作 (自由民主党)  【定】251 【改選数】125
選挙制度】 選挙区制・全区制 / 20歳以上日本国

自由民主党
140/71
日本社会党
73/36

20/11

( 明:公明党 小党は左から、民主社会党7/3 日本共産党4/3 所属7/3 )

第8回 1968年(昭和43年)7月7日 

【施行時内閣】 第2次佐藤栄作 (自由民主党)  【定】250 【改選数】125
選挙制度】 選挙区制・全区制 / 20歳以上日本国

自由民主党
137/69
日本社会党
65/28

24/13

10/7

( 明:公明党 民:民主社会党 小党は左から、日本共産党7/4 所属7/5 )

第9回 1971年(昭和46年)6月27日 

【施行時内閣】 第3次佐藤栄作 (自由民主党)  【定数】249 【改選数】126
選挙制度】 選挙区制・全区制 / 20歳以上日本国

自由民主党
131/63
日本社会党
66/39

22/10

13/6

10/6

( 明:公明党 民:民社党 共:日本共産党 小党は、所属7/2 )

第10回 1974年(昭和49年)7月7日 

【施行時内閣】 第2次田中角栄 (自由民主党)  【定】250 【改選数】126
選挙制度】 選挙区制・全区制 / 20歳以上日本国

自由民主党
126/62
日本社会党
62/28

24/14
共産
20/13

10/5

10/8

( 明:公明党 共産:日本共産党 民:民社党 所属)

第11回 1977年(昭和52年)7月10日 

【施行時内閣】 福田赳夫 (自由民主党)  【定数】249 【改選数】126
選挙制度】 選挙区制・全区制 / 20歳以上日本国

自由民主党
124/63
日本社会党
56/27

25/14

16/5

11/6

13/7

( 明:公明党 共:日本共産党 民:民社党 小党は左から、新自由クラブ3/3 社会市民連合1/1)

第12回 1980年(昭和55年)6月22日 ※衆参同日選挙

【施行時内閣】 第2次大平正芳 (自由民主党)  【定】250 【改選数】126
選挙制度】 選挙区制・全区制 / 20歳以上日本国

自由民主党
135/69
日本社会党
47/22

26/12

12/7

11/6

14/10

( 明:公明党 共:日本共産党 民:民社党 小党は左から、新自由クラブ3/0 社会民主連合2/1 )

第13回 1983年(昭和58年)6月26日 

【施行時内閣】 第1次中曽根康弘 (自由民主党)  【定】252 【改選数】126
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 20歳以上日本国

自由民主党
137/68
日本社会党
44/22

27/14

14/7

12/6

( 明:公明党 共:日本共産党 民:民社党 小党は左から、新自由クラブ民主連合3/2 諸7/7 所属8/1 )

第14回 1986年(昭和61年)7月6日 ※衆参同日選挙

【施行時内閣】 第2次中曽根康弘 (自由民主党)  【定】252 【改選数】126
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 20歳以上日本国

自由民主党
143/72
社会
41/20

24/10

16/9

12/5

( 社会日本社会党 明:公明党 共:日本共産党 民:民社党 小党は左から、社会民主連合1/0 諸9/4 所属6/6 )

第15回 1989年(平成元年)7月23日

【施行時内閣】 宇野宗佑 (自由民主党)  【定】252 【改選数】126
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 20歳以上日本国

自由民主党
109/36
日本社会党
66/46

20/10

14/5

12/11

15/10

( 明:公明党 共:日本共産党 連:連合の会 小党は左から、民社党8/3 諸8/5)

第16回 1992年(平成4年)7月26日

【施行時内閣】 宮澤喜一 (自由民主党)  【定】252 【改選数】126(他に欠員補充の合併選挙による1議席あり)
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 20歳以上日本国

自由民主党
107/69
日本社会党
71/22

24/14

11/6

11/0

( 明:公明党 共:日本共産党 連:連合参議院 小党は左から、民社党9/4 日本新党4/4 諸6/4 所属9/4 )

第17回 1995年(平成7年)7月23日

【施行時内閣】 村山富市 (日本社会党)  【定】252 【改選数】126
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 20歳以上日本国

自由民主党
111/46
社会党
37/16
新進党
57/40

14/8

11/0

13/9

( 共:日本共産党 明 小党は左から、新党さきがけ3/3 諸6/4 )

第18回 1998年(平成10年)7月12日

【施行時内閣】 第2次橋本龍太郎 (自由民主党)  【定】252 【改選数】126
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 20歳以上日本国

自由民主党
103/44
民主党
47/27
共産
23/15

22/9

13/5

12/6

28/20

( 共産:日本共産党 社:社会民主党 自:自由党 小党は左から、新党さきがけ3/0 諸1/0 )

第19回 2001年(平成13年)7月29日

【施行時内閣】 第1次小泉純一郎 (自由民主党)  【定数】247 【改選数】121
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 20歳以上日本国

自由民主党
111/64

23/13
民主党
59/26
共産
20/5

13/3

( 明:公明党 共産:日本共産党 小党は左から、保守党5/1 社会民主党8/3 自由党8/6 )

第20回 2004年(平成16年)7月11日

【施行時内閣】 第2次小泉純一郎 (自由民主党)  【定数】242 【改選数】121
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 20歳以上日本国

自由民主党
115/49

24/11
民主党
82/50

( 明:公明党 小党は左から、日本共産党9/4 社会民主党5/2 所属7/5 )

第21回 2007年(平成19年)7月29日

【施行時内閣】 第1次安倍晋三 (自由民主党)  【定数】242 【改選数】121
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 20歳以上日本国

自由民主党
83/37

20/9
民主党
109/60

12/7

( 明:公明党 小党は左から、社会民主党5/2 国民新党4/2 新党日本1/1 日本共産党7/3 )

第22回 2010年(平成22年)7月11日

【施行時内閣】 菅直人 (民主党)  【定数】242 【改選数】121
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 20歳以上日本国

民主党
106/44
自由民主党
84/51

19/9

11/10

( 公明党 み:みんなの党 小党は左から、国民新党3/0 日本共産党6/3 社会民主党4/2 たちあがれ日本3/1 新党改革2/1 諸2/0 所属2/0 )

選挙時与党⇒議席数順

第23回 2013年(平成25年)7月21日

【施行時内閣】 第2次安倍晋三 (自由民主党)  【定数】242 【改選数】121
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 20歳以上日本国

自由民主党
115/65

20/11
民主党
59/17

18/8

11/8

( 明:公明党 み:みんなの党 共:日本共産党 小党は左から、日本維新の会9/8 社会民主党3/1 生活の党2/1 諸2/0 所属3/2 )

第24回 2016年(平成28年)7月10日

【施行時内閣】 第3次安倍晋三 (自由民主党)  【定数】242 【改選数】121
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 18歳以上日本国

自由民主党
121/56

25/14
民進党
49/32

14/6

12/7

11/4

( 明:公明党 共:日本共産党 維:おおさか維新の会 小党は左から、日本のこころを大切にする党3/0 社会民主党2/1 生活の党と山本太郎となかまたち2/1 諸2/0 )

第25回 2019年(令和元年)7月21日

【施行時内閣】 第4次安倍晋三 (自由民主党)  【定数】245 【改選数】124
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 18歳以上日本国

自由民主党
113/57

28/14
立民
32/17

21/6
維新
16/10

13/7
N
17/9

( 明:公明党 立民立憲民主党 民:国民民主党 維新日本維新の会 共:日本共産党 小党は左から、れいわ新選組2/2 社会民主党2/1 NHKから国民を守る党1/1 )

第26回 2022年(令和4年)7月10日

【施行時内閣】 第2次岸田文雄 (自由民主党)  【定数】248 【改選数】124(他に欠員補充の合併選挙による1議席あり)
選挙制度】 選挙区制・例代表制 / 18歳以上日本国

自由民主党
119/63

27/13
立民
39/17
維新
21/12

11/4

10/5
N
12/5

( 明:公明党 立民立憲民主党 維新日本維新の会 共:日本共産党 国民民主党 小党は左から、れいわ新選組5/3 社会民主党1/1 NHK党2/1 参政党1/1)

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