「今日はフラフープやフリスビーやスーパーボールで楽しく遊びました。次に買い物に行きましたがお店のエスカレーターから降りるときに転んで膝を擦りむいてしまい、バンドエイドを貼りました。その後、戦車のキャタピラーに轢かれてしまいましたが、イソジンで消毒したので大丈夫でした。」
……という以上の文章のカタカナの部分は、全て元々は特定の企業の商標である。
ある製品ジャンルについて、特定の商標が有名となりすぎて普通名称として扱われる、つまり「その類の製品全部がその名前で呼ばれてしまう」ことがある。有名な例としては「ホッチキス」など。
また、「ある事物に関して有名となった特定の固有名詞(人物名や地名)が、そのままその事物を指す普通名詞として定着してしまう」ことがある。有名な例としては「サンドウィッチ」など。
本記事ではそういった言葉を一覧として掲載する。
ただし上記の例で挙げた「ホッチキス」や「サンドウィッチ」のように「完全に普通名称化していて商標や固有名詞であると意識することの方が少ない」ものだけではなく、「普通名称として使われることも少なくない」程度のものも掲載している。
また、時代の流れで「もうその名称がそのジャンルの事柄を代表するものではなくなったため、その呼び方は廃れた」ものも、歴史の記録として記載する。
「特定の地名などに由来する普通名称だが、語の響きが変化していて通常は使い分ける」ような言葉は掲載を控える。(例えばドイツの「ハンブルク」に由来する料理名「ハンバーグ」など)。
また「由来する地名や人名などが頭に付くだけ」のものも、挙げれば切りがないので掲載は控える(例えばオペラ歌手の「フョードル・シャリアピン」に由来する「シャリアピンステーキ」など)。
さらに、元素・単位・学名・スポーツの技名のような、「発見者・考案者・地域などの名前から命名することが慣例化しているもの」も切りがないので除く(たとえば、科学者の「ブレーズ・パスカル」に由来する圧力の単位「パスカル」、フィギュアスケート選手の「イナ・バウアー」に由来する「イナバウアー」など)。
なお、法律上の概念として「商標の普通名称化」(trademark genericization)というものがある。これは「一般化しすぎて、既に固有のものを指す商標として機能しなくなっている」ことをも含意することがあるので、商標の権利保持者にとっては不利なものであり、避けるべきとされる。訴訟で争われることすらある(下記の「エスカレーター」や「正露丸」の節を参照)。
しかしこの記事では、法律上でどう扱われているかはさておいて「普通名称として使われることも少なくない」ことにのみ注目して一覧に掲載している。よって「未だ商標として十全に機能している」ものも含まれることに注意されたい。「この記事に載っているから商標としての効果は失われているのだ」と勘違いしないように。本記事でいう「普通名称化している」とは法的な意味合いではない。
上記のように商標の権利を保持する者としては、法的な「普通名称化」は基本的には避けるべきものである。つまり、ここに載っている言葉の中には、普通名称として公の場で勝手に使用するとその企業から訴訟を起こされるリスクがあるものも含んでいる。
ニコニコ大百科に記事が有る言葉は太字で記載する。
商標 | それ以外の表現 | 解説 |
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アクアラング | 自給式水中呼吸装置 | スキューバダイビングなどで用いられる水中呼吸装置。フランスのアクアラング社の登録商標。 |
アフターバーナー | 推力増強装置 | ジェットエンジンの推力を一時的に増強するための装置。アメリカのゼネラル・エレクトリック社の登録商標。 |
アンツーカー | 赤褐色の人工土、全天候型コート | 野球場やクレーコートなどに用いられる赤褐色の人工土。フランス語で「晴雨兼用の傘」を意味する言葉から名付けられた。フランスの会社が商標を有しているが、日本では一般名称化している。 |
イソジン | ポビドンヨード液 | ポビドンヨードを主成分とするうがい液や消毒液として商品「イソジン」が著名だったため、他のメーカーのポビドンヨード液も「イソジン」と呼ばれることがある。 なお「イソジン」の名称は2021年現在ではムンディファーマ株式会社が商標権を維持している。 |
糸ようじ | デンタルフロス | 歯間を掃除するための道具。小林製薬株式会社から「小林製薬の糸ようじ」のブランド名で販売されている。 |
ウインドブレーカー | 防風用ジャケット | 防風・防寒を目的としたジャケット。アメリカのJohn Rissman company社が商標登録したものだが、現在は製法・素材の違いから一般名称化している。 |
ウーマナイザー | クリトリス吸引バイブレーター、吸引式バイブレーター、「吸うやつ」など多様 | このジャンルの製品を開拓した先駆者のブランド名が「ウーマナイザー(Womanizer)」。 2014年に最初の製品が発売されたばかりで歴史が浅いことから「普通名称としての表現」が定まっておらず、「ウーマナイザー」で総称されることも少なくないのが現状。 ちなみに「womanizer」とは元々は「女たらし」という意味の英語の俗語。 |
ウォークマン | ポータブルオーディオプレーヤー、携帯型音楽プレーヤー | ソニー製のポータブルオーディオプレーヤー。現在ではiPodやスマートフォンの普及により、ウォークマンが商標であることは認知されているものの、当初はポータブルオーディオプレーヤー=ウォークマンだった。なお、オーストリアではウォークマンが普通名称化しているため、商標が認められていない。 |
ウォシュレット | 温水洗浄便座 | TOTO株式会社が販売する洗浄便座。株式会社LIXILではシャワートイレで商標登録されているが、知名度ではウォシュレットが勝る。 |
エアロバイク | フィットネスバイク | 自転車型の健康器具。後述のトレッドミルの自転車版といったところ。「エアロバイク」はコナミスポーツの登録商標であり、2021年には普通名称化を危惧した同社がニュースリリース![]() |
エスカレーター | 自動階段 | アメリカ合衆国のオーチス・エレベーター社の商標「エスカレーター(Escalator)」から。 「この名称が商標として有効なのか、既に普通名称化しているのか」が1950年に訴訟沙汰となり、「オーチス・エレベーター社自身も「エスカレーター」を普通名称として使っていた」という証拠が提出された等の理由からオーチス・エレベーター社が敗訴してしまった。 ちなみに「徐々に増大する」「段階的に高まる」と言った意味の英単語「エスカレート(escalate)」やその名詞形「エスカレーション(escalation)」は、この製品「エスカレーター(escalator)」から逆行して産まれた言葉であるとされる。 「escalateっていう動詞が先にあったわけじゃないなら、商標の「Escalator」はどういう意味合いで名付けられたの?」と気になる人もいるだろう。これには諸説あるらしい。 |
エネマグラ | 前立腺マッサージ器具 | アメリカ合衆国の日系泌尿器科医ジロー・タカシマが医療目的の前立腺マッサージ器具を1996年に開発、「HIH」社と言う企業を創業して販売を始めた。この時は「プロステート(Pro-State)」という商品名だった。 1998年にこの商品が日本に上陸した際、「浣腸」を意味する「エネマ(Enema)」と勃起不全治療薬「バイアグラ(Viagra)」の名前を組み合わせて「エネマグラ(Enemagra)」の名称が付けられた。この「エネマグラ」が日本での前立腺マッサージ器具の先駆けとなったため、「エネマグラ」という名称が前立腺マッサージ器具の総称/代名詞のように使われることがある。 なおHIH社純正の商品は「エネマグラ」ではなく「アネロス(Aneros)」の名称に移行している。「エネマグラ」の名称の権利についてHIH社とかつて販売代理店契約を結んでいた日本企業の間で裁判となり、その日本企業の方が勝訴してしまったため。 |
エレクトーン | 電子オルガン | ヤマハ株式会社の電子オルガン。 |
オービス | 速度違反自動取締装置 | アメリカのボーイング社製の速度違反自動取締装置。日本ではボーイング社から特許権・製造販売権を東京航空計器株式会社が取得している。名前はラテン語で「眼」を意味するものが由来。 |
オーロラビジョン | 大型映像装置、巨大スクリーン | スタジアムやコンサート会場などに設置されている巨大スクリーン。三菱電機株式会社の登録商標。 |
オセロ | リバーシ | 白と黒の2種類の石を使い、相手の石を挟むことで自分の石に変えていき、その石の多寡を競うボードゲーム。メガハウスの登録商標。 |
音姫 | トイレ用擬音装置 | 洗浄音を擬似的に流すことで、排泄音をかき消す装置。TOTO株式会社の登録商標。 |
ガシャポン(ガシャ) / ガチャ | カプセルトイ、(ビデオゲーム内の課金システムの呼称として)ランダム型アイテム提供方式 | カプセルにはいった小型玩具、ならびにその自動販売機。ガシャポンは株式会社バンダイ、ガチャは株式会社タカラトミーアーツが商標を持っている。またビデオゲーム内の課金システムとしてのガチャは、韓国のNHN Entertainmentが商標を有している。しかし他社のゲーム内でも普通にガチャの文言が使用されている。 |
カッターシャツ | ワイシャツ、ドレスシャツ | 元はミズノの商品名。主に西日本で一般名詞化している。 |
亀の子たわし | 棕櫚たわし、パームたわし | 棕櫚やパームの繊維を切りそろえて、針金で楕円形に成形したたわし。発明した西尾正左衛門が興した亀の子束子西尾商店の登録商標。 |
カラーコーン | パイロン、三角コーン、ロードコーン | 工事現場などでおなじみの円錐形のあれ。「カラーコーン」は工事用保安用品を扱うセフテック株式会社の登録商標。 |
キックボード / キックスクーター | キックスケーター | スケートボードにハンドルを取り付けたもの。「キックボード」はアメリカのK2社とスイスのMicro Mobility Systemsが共同開発したもので、K2社が商標を有している。一方で「キックスクーター」は台湾のJD社が商標を有している。 |
キャタピラー | クローラー、無限軌道、履帯 | 戦車とかブルドーザーとかショベルカーとかが動くときに使う、タイヤの代わりに輪っか状の帯が回っているあれ。アメリカ合衆国の建設機械企業「キャタピラー(Caterpillar)」社の建設機械が有名だったために、その建設機械の足回りだった無限軌道もまた「キャタピラー」と呼ばれるようになったようだ。 |
QRコード | 二次元コード | 3隅にある四角が特徴的な、マトリックス型二次元コード。商標は株式会社デンソーウェーブ(開発当初は株式会社デンソー)が所持している。当初はバーコードで部品を管理していたものの、バーコードは横方向にしか情報を持たず、一度に複数のバーコードを読み取る必要があった。そのような煩雑な作業を1回の読み取りで済むようにしてほしいとの要望を受け、開発が始まった。休憩中に打っていた囲碁が開発のヒントになったという。 |
巨峰 | 石原センテニアル | 葡萄の品種のひとつ。開発された伊豆の研究所から見える富士山にちなんで命名された。日本巨峰会によって商標登録されている。 |
クリネックス(Kleenex) | ティッシュ(tissue) | ティッシュペーパーを開発したアメリカのキンバリー=クラーク社の商標。アメリカ本国で普通名称化している。 |
クレパス | オイルパステル、パステルクレヨン | 株式会社サクラクレパスが製造・販売する文具。クレヨンとオイルパステルはしばしば混同されるが、サクラクレパスの公式サイトにて詳細に解説されている![]() |
ごきぶりホイホイ | ゴキブリ駆除器 | ゴキブリの駆除用品の一つ。アース製薬株式会社の登録商標。商品名は「ゴキブリホイホイ」ではなく「ごきぶりホイホイ」とひらがななので注意。 |
コロコロ | 粘着クリーナー | 筒状の粘着テープを転がすことで、カーペット上のホコリを吸着する掃除用具。株式会社ニトムズの登録商標。 |
サインペン | マーキングペン、フェルトペン、マーカー | 水性のフェルトペン。ぺんてる株式会社が「PENTEL Sign PEN」で商標登録しているが、一般名称化しているため他社の文具メーカーもサインペンの名称を使用している。 |
サランラップ | ラップ、ラップフィルム、ポリ塩化ビニリデン | 食品保護用の透明なラップフィルム。日本では旭化成とアメリカのダウ・ケミカル社の登録商標。元々はダウ・ケミカル社が軍事用(防虫、火器・火薬の湿気保護など)に開発したものだった。のちにフィルムメーカー従業員であるラドウィックとアイアンズがピクニック用のレタスを包装するのにラップを使ったところ、これが妻に好評。2人の妻の名前サラとアンから、「サランラップ」と名付けられた。 |
シーチキン | マグロ/カツオの油漬け/水煮、ツナ缶 | マグロやカツオを油漬け・水煮にしたもの。はごろもフーズ株式会社の登録商標。マグロが「海の鶏肉」と呼ばれることから、その名がついた。 |
ジープ | 四輪駆動車、4WD、クロスカントリー車、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル) | 悪路でも走れるよう改良された四輪駆動車。当初はアメリカのウィリス・オーバーランド社が商標を有していたが、2021年現在はステランティス N.V.社が商標を有している。 |
ジェットスキー | 水上オートバイ、水上バイク、パーソナルウォータークラフト | 川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニー(カワサキ)が製造する水上オートバイ。 |
ジッパー | ファスナー、線ファスナー | 元々はアメリカの「B・F・グッドリッチ(B. F. Goodrich)」社の商標「Zipper」であった。使用時の音を「zip」という擬音で表現したことから来た名称だという。 線ファスナーが付いた靴を「Zippers」として宣伝している1920年代の同社の広告が多数残されている。ただしそれらの広告を見ると、「Zippers」は「線ファスナー部分の名称」というよりも「線ファスナーが使われている靴」の名称として使用されているようにも見える。 |
ジッポー(Zippo) | 金属製オイルライター | アメリカの「ジッポー・マニュファクチャリング・カンパニー」が製造・販売している金属製オイルライター。同社の商標にもなっている。1933年に初期型が発売され、1936年には特許を取得。第二次世界大戦中には米軍にも納入された。非喫煙者の中にもコレクターがいる。 |
ジップロック | 保存袋、フリーザーバッグ | プラスチック製のファスナー付き保存袋。SCジョンソンが製造・販売、日本国内では旭化成ホームプロダクツが販売している。 |
ジャグジー | ジェットバス、噴流式泡風呂 | 気泡を含んだお湯を噴射する風呂・浴槽。アメリカのJacuzzi社製のジェットバス。 |
シャチハタ | インキ浸透印 | シヤチハタ株式会社が製造する、インクが本体に内蔵された印鑑。同社からは「Xスタンパー」という商品名で販売されている。なお、社名の方は「シヤチハタ」と「ヤ」が大文字なので注意。 |
写メ | 携帯電話/スマートフォンで写真を撮る/送る | 携帯電話キャリア・J-PHONEが開発した、メールに写真を付ける機能「写メール」の略称。転じて、メールに写真を付けて送受信するサービス全般、ならびに携帯電話やスマートフォンで写真を撮ったりその写真を送受信したりすること。ただし現在の携帯電話・スマートフォンは写真撮影機能・写真送受信機能がついていることが当たり前なため、死語と化している。 |
ジャンボジェット(ジャンボ機) | 大型旅客機 | アメリカのボーイング社製「ボーイング747型機」の愛称。転じて、日本では大型旅客機全般を「ジャンボジェット」、または「ジャンボ機」と呼ぶ傾向にある。 |
ジュラルミン | アルミニウム合金 | ドイツの冶金学者アルフレート・ヴィレムが開発した合金。彼が勤めていたDürener Metallwerke社から発売され、商品名として会社の位置する街「デュレン」と「アルミニウム」とを組み合わせて名付けられたとされる。 |
松竹錠 | 松竹鍵、風呂屋錠、下駄箱錠 | 考案した松竹錠工業は既にないが、広く浸透した名前であるため未だにこの名称が使われている。 |
数独 | ナンバープレース(ナンプレ) | 9×9の正方形のマスに、一定のルールで1~9の数字を入れていくパズルゲーム。株式会社ニコリが「数独」の商標を有しているが、「数字は独身に限る」が正式名称である(「数独」はその略称)。 |
スーパーボール | ビックリボール、ゴムボール | 反発係数がとても高い、おもちゃ用のゴムボール。1964年に発明され、アメリカ合衆国のおもちゃ会社「Wham-O」が「スーパーボール(Super Ball)」の名称で売り出したところ全米で大ヒット。「Wham-O」社以外から出ているこの種の製品も「スーパーボール」と呼ばれることが多い。 |
スクリーントーン | トーン | 主にモノクロの漫画・イラスト制作で使われる、パターンの入ったフィルム。もとはイギリスのレトラセット社の商標。 |
ステディカム | カメラスタビライザー | 映像のブレなどを抑えるために、カメラを安定させる撮影機材。アメリカのTiffen社が商標を有している。 |
SPAM(スパム) | ランチョンミート | 挽き肉を型に詰めたもの。アメリカのホーメルフーズ社による缶詰が特に有名で、同社が商標を有している。日本では特に沖縄の米軍基地周辺で食されている。 |
正楷書体 / 正楷書 / 正楷 | 楷書体 | 中国の「漢文正楷印書局」という活字会社による楷書体の商標「漢文正楷」。日本の活字会社複数がこれを輸入して無断で覆刻、思い思いの仮名を当てがいつつその名前のまま売り出した。転じて関係のない楷書体も「正楷書体」といわれることがある。 |
正露丸 | 日局クレオソートを主成分とした胃腸薬 | 「大幸薬品」の製品が「ラッパのマークの正露丸」のキャッチフレーズで有名。 「大幸薬品」の商標として一時は登録されていたが、1970年代に他の製薬メーカーとの間で裁判で争われた結果として大幸薬品が敗訴して商標無効となり、普通名称化が法的に確定した。 なお「元々は1904年に始まった日露戦争の時代に付けられた「征露丸」という名称だった」事もよく知られるが、「征露丸」の名称が「商標が先だったのか、あるいは軍などで名付けられた普通名称が先にあったのか」は調べてもよくわからなかった。後者であれば、この一覧に掲載するのは厳密には正しくないことになる。 |
セスナ(セスナ機) | 小型飛行機、軽飛行機 | アメリカのセスナ・エアクラフト・カンパニー社が製造している軽飛行機。日本では軽飛行機の代名詞として「セスナ」の名前が用いられることもある。 |
ゼムクリップ | なし? | 針金を長円形に巻いた一般的なクリップ。イギリスのゼム社が発明したとされる。 |
ゼロックス | 複写機(コピー機) | ゼログラフィ(乾式複写技法)を用いたコピー機のことであり、アメリカのゼロックス社が世界で初めて商品化した。かつてはコピーをとる意味で「ゼロックスする」などとも使われたが、ゼロックス社のシェアの減少などによって死語となりつつある。 |
セロテープ / スコッチテープ | セロハンテープ、セロファンテープ、メンディングテープ | 下記のセロハンに接着剤を塗布した接着用テープ。「セロテープ」はニチバン株式会社の登録商標。「スコッチテープ」はアメリカの3M社のブランド名。 |
セロハン / セロファン | セルロースフィルム | 「セロハンテープ」等で有名な、セルロースでできた薄くて透明な膜。 綴りは「cellophane」で、「セルロース(cellulose)」と「ディアファン(diaphane。「透明な」の意)」を合わせた合成語。 スイスの「ジャック・E・ブランデンベルガー(Jacques E. Brandenberger)」によって開発されて数年後の1912年に「Cellophane」が商標登録され、1917年には彼の会社「La Cellophane S.A.」(セロファン株式会社)が設立されている。 |
ソノシート | フォノシート、シートレコード | レコードプレイヤーで再生できる、ビニールなどでできた薄い録音盤。雑誌の付録などによく利用された。「ソノシート」の名前は日本においては朝日ソノラマが商標を持っていた。 |
ターレ / ターレー / ターレット | ターレットトラック、ターレット式構内運搬自動車 | 卸売市場などで走り回っている運搬車両。元々は株式会社朝霞製作所の商標だったが、「ターレ」などと一般名称化。2012年には同社が自己破産したことにより、商標も取り消されている。 |
タイラップ / インシュロック | 結束バンド、ケーブルタイ | 電子機器のケーブル等を結束するためのバンド。「タイラップ」はアメリカのトーマスアンドベッツ社の、「インシュロック」はイギリスのヘラマンタイトン社の商標。 |
ダクトテープ | ダックテープ、パワーテープ | ガムテープより粘着力・強度の強い粘着テープ。配管(ダクト)工事によく用いられることからその名がついた。商標はアメリカのAlbert Arno社が有しているが、他社メーカーも「ダクトテープ」の名称を用いている。 |
宅急便 | 宅配便 | ヤマト運輸株式会社の宅配サービスの名称。児童書、ならびにその映画化作品『魔女の宅急便』はヤマト運輸の登録商標を侵害しているのではないかと一時懸念されたが、ヤマト運輸が『魔女の宅急便』の正式なスポンサーになることで問題は解決している。 |
タッパー | プラスチック製密閉容器 | タッパーウェア社が製造・販売しているプラスチック製密閉容器。社名・製品名は同社の創業者であるアール・サイラス・タッパーに由来する。日本国内でのタッパーのCMでは一時期「タッパーと呼べるのはタッパーウェアだけ」の文言が添えられていた。 |
タバスコ | チリペッパーソース、ペッパーソース | ピザやパスタなどに用いられる辛味調味料。メキシコ・タバスコ州で採れたタバスコペッパーを加工したもので、アメリカのマキルヘニー社が商標権を持っている。 |
タンサン | 炭酸飲料、ソーダ | 炭酸ガスを用いた飲料水。商標はウヰルキンソン・タンサン鉱泉株式会社が取得後、現在はアサヒ飲料・アサヒビールが所持している。 |
チャッカマン | 点火棒、多目的ライター | 株式会社東海が製造・販売する柄の長いライター。「着火」+人を意味する「マン(man)」を組み合わせたもの。 |
チャック | ファスナー、線ファスナー | 1927年に「チャック印」の商標を用いた、線ファスナー式の財布が広島県で生産されたのがこの呼称の始まりとする説がある。その「チャック」とは「巾着」に由来するとも。 |
チューペット | ポリエチレン製容器包装詰清涼飲料水 | 真ん中が細くすぼまったポリエチレン製のチューブにジュースが注入してあり、凍らせるとシャーベット状になる。そして真ん中のすぼまったところで「ぽっきん」と折りちぎって2本に分離し、ちぎり目からチューチュー吸って食べる。 1975年から2009年まで大阪府の食品企業「前田産業」がこの「チューペット」の商標で生産しており、テレビCMなども打っていたため大阪府を中心とした関西圏での知名度が高く、その地域ではこの種の製品は他社製品であっても「チューペット」で総称することがある。ただし前田産業は2009年で「チューペット」の生産を打ち切っているため、徐々にこの呼び方は廃れていく可能性がある。 ただし地域差があり、「その地域でメジャーな製品」の名前で総称されるようだ。東北では宮城県の企業「アキヤマ」の商標「ミルちゃん」、九州では同地方の生協での商標「パンちゃん」が強いという。 |
チュロス | チュロ、チュロッキー、チュリトス | スペインやポルトガルの揚げ菓子。日本では日清製粉ウェルナが商標を持っているため、同社から仕入れたものだけ「チュロス」として販売することができる。山崎製パンは「チュロッキー」、ジールハウスは「チュリトス」として販売している。 |
ディスケット | フロッピーディスク | 現在では一般名称のフロッピー共々忘れられた感が強いが、全盛の頃にはIBMの商標「ディスケット」で呼ばれることも多かったという。 |
デジカメ | デジタルカメラ | デジタルカメラの略称だが、商標は三洋電機株式会社(現在はパナソニック傘下)が所持している。しかしデジタルカメラの総称として「デジカメ」を用いることは許可されているため、一般名称化している。 |
テトラパック | 三角パック | 三角錐の形をした飲料パック。商品名であると同時に社名でもあり、テトラパック社は創業はスウェーデンだが現在はスイスに本社を置いている。 |
テトラポッド | 消波ブロック、波消しブロック、消波根固ブロック | 護岸のためにおかれる四脚のコンクリートブロック。株式会社不動テトラの登録商標。 |
テプラ | ラベルプリンター、ラベルライター | 入力した文字をそのままラベルに印刷できるプリンター。キングジムの登録商標。 |
テフロン | ポリテトラフルオロエチレン | フッ素樹脂の一種。アメリカのデュポン社の商標。 |
テロップ | 字幕スーパー | アメリカ合衆国の企業「グレイ(Gray)」社がアメリカの放送局CBSと共同開発して1949年に発売した、映像に文字などを合成する映像機材の商標「テロップ(TELOP)」に由来する。 この商標「TELOP」は「telecasting optical projector」(和訳例:テレビ放送光学投影機)の略称に由来していたとされるが、「telecasting」ではなく「television」、「optical」ではなく「opaque」だという説もある。 |
テレカ | テレホンカード | テレホンカードの略称だが、商標はNTTカードソリューションが所有している。 |
テレタイプ | テレプリンター | かつて使われたタイプライター式の電信機。アメリカのモルクラム・クラインシュミット社の商品である「テレタイプ」が成功し、同社は後に社名もテレタイプに変更した。 |
ドーラン | 油性練り白粉 | 舞台や映画の俳優などが使用する油性の練り白粉。ドイツのドーラン(Dohran)社のものがよく使われたためとされるが、異説もある。 |
ドライアイス | 固体二酸化炭素、固形炭酸 | 二酸化炭素の固体。本来はアメリカのドライアイス社の登録商標だが、一般名称化している。 |
トランポリン | 跳躍練習台 | 垂直方向への跳躍補助をメインとする運動器具。アメリカの体操選手であるジョージ・ニッセンにより命名され、その後彼の会社が商標を取得したが、世界的に一般名称化が進み、のちにニッセン社は操業停止。日本ではニッセン社と提携していたセノー株式会社が商標を所持している。オリンピックでも「トランポリン」の名前で正式種目化されている。 |
ナイロン | ポリアミド系繊維 | アメリカのインビスタ社の製品名だが、ポリアミド系繊維の総称として一般名称化している。 |
ニクロム | ニッケル合金 | ニッケルとクロムを主とする合金。電気抵抗が大きいことなどから電熱線としてよく使用された。もとはアメリカのドライバーハリス社の商標。 |
ニプレス(ニップレス) | ペイスティース、タックトップ | 乳首を隠したり保護したりするためのシート。常盤薬品工業株式会社の商標。ペイスティースはストリッパーのフェチファッションとしてのニュアンスが強く、またタックトップも株式会社ニトムズの登録商標である。 |
ハイパーヨーヨー | 競技ヨーヨー | バンダイの商標。下部で空回りする「スリープ」という機構を備えたヨーヨー。1997年のハイパーヨーヨーブーム以降、この名称で定着しているが、バンダイ発売でない場合この名称は誤りである。 →ハイパーヨーヨーの偽物 |
バルカン砲 | 20mmガトリング砲 | 米空軍の要請により1946年から始まった「プロジェクト・バルカン」において、ゼネラル・エレクトリック社が開発したガトリング砲。ただし通称である「バルカン」はスイスのエリコン社の登録商標。日本では機関砲全般がバルカン砲と呼ばれることも少なくないが、誤用である。 |
バルサン | 燻煙剤、燻蒸剤 | レック株式会社が製造・販売する燻煙・燻蒸タイプの殺虫剤。 |
ハンディカム | カムコーダ、ビデオカメラ、レコード一体型ビデオカメラ | ソニー製のカムコーダ。手持ち(ハンディ)のカムコーダから、その名前がついた。 |
バンドエイド / カットバン / リバテープ / サビオ / キズバン | 救急絆創膏(絆創膏) | 「バンドエイド(BAND-AID)」はアメリカ合衆国の企業「ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)」の商標。 だが、この商品が有名であるため他の絆創膏もまとめて「バンドエイド」と呼ばれることが少なくない。 ちなみに地域差があり、絆創膏の総称が「バンドエイド」ではなく「カットバン」「リバテープ」「サビオ」である地方もある。富山県だけは「キズバン」だそうな。どれも商標。 |
ピアニカ | 鍵盤ハーモニカ | 東海楽器製造株式会社とヤマハ株式会社が製造・販売する楽器。小学校低学年の音楽の授業でよく用いられる。 |
冷えピタ / 熱さまシート | 冷却ジェルシート | おでこや腰回りなどに貼ることで体の熱を冷ます冷却シート。「冷えピタ」はライオン株式会社、「熱さまシート」は小林製薬株式会社の登録商標。 |
ビューラー | アイラッシュカーラー | まつ毛を上向きにカールさせる化粧器具。戦前、当時の啓芳堂製薬が実用新案として商標登録した「ビウラ」が元である。名前の由来は「ビューティー+カーラー」。 |
ファミコン | テレビゲーム | 1983年に任天堂株式会社が発売した家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」(略称:ファミコン)が一世を風靡したため、テレビゲーム全体が「ファミコン」と呼ばれたりテレビゲーム専門店が「ファミコンショップ」と呼ばれた時代があったという。現在ではさすがにほぼ廃れた用法か。 ただしビデオゲーム総合情報誌「ファミ通」(元の名前は「ファミコン通信」)の名称など、その名残は消え去ってはいない。 |
プチプチ | 気泡緩衝材 | ポリエチレン製の包装材。川上産業株式会社の登録商標。緩衝材の気泡をつぶす遊び「プチプチつぶし」でも有名。 |
プラッター | リーチフォークリフト、リーチ式フォークリフト | 電動の立ち姿勢で乗車するタイプのフォークリフト。物流・運送業界等では他社製のリーチフォークリフトも含めてプラッターと呼ぶ事もある。1958年に日本輸送機株式会社(ニチユ)が発売し、同社の登録商標であったが、現在は他社との合併を経て誕生した三菱ロジネクスト株式会社が「ニチユ」ブランドの製品として製造・販売しており、同社の登録商標になっている。 |
フラフープ | フープ | 腰で回して遊ぶ輪っか。1958年にアメリカ合衆国のおもちゃ会社「Wham-O」が「フラ・フープ(Hula-Hoop)」の名称で発売して大ヒットし、「フラフープ」が「腰で回して遊ぶ輪っか」の代名詞となった。ちなみにこの遊び自体はこの商品よりもかなり前から存在している。 |
プラモデル | プラスチックモデルキット | プラスチック製の組み立て模型。当初はマルサン商店が商標を有していたが、現在は日本プラスチックモデル工業協同組合が所持しており、一般に商標を開放している。 |
フリーダイヤル | 着信課金電話番号サービス、フリーフォン、フリーコール | 本来は発信者が負担する電話料金を、着信者が負担するサービス。0120や0800で始まる電話番号。NTTコミュニケーションズの商標。 |
プリクラ | プリントシール、写真シール | セガとアトラスが共同開発したプリントシール機「プリント倶楽部」の略称。現在はプリントシールやプリントシール機全般をプリクラと呼ぶ傾向にある。 |
フリスビー | フライングディスク | 「フリスビー・パイ・カンパニー(Frisbie Pie Company)」というメーカーのパイを食べ終えた後に残る、同社の名前が刻印された金属皿を投げて遊んでいた人々がいた。 それに着想を得て、このパイメーカーの社名をもじった名前「フリスビー(Frisbee)」の名称でアメリカ合衆国のおもちゃ会社「Wham-O」が1957年に販売を開始した。ちなみにそれ以前から、同社は投げて遊ぶディスクを別の名前で販売してはいたようだ。 この「フリスビー(Frisbee)」がバカ売れしたことから、「フリスビー」が「投げて遊ぶディスク」の代名詞となった。 上記の「スーパーボール」「フラフープ」と合わせて、「Wham-O」社の影響の多大さがうかがえる。 |
プリマコード | 導爆線 | 爆轟を伝えるためのロープ。当初はアメリカのエンシング・ビクフォード社が商標を有していたが、商標の売却により現在はダイノ・ノーベル社が所持している。一般には聞き慣れない言葉だが、爆破作業従事者間では導爆線=プリマコードとなっているらしい。 |
ヘロイン | ジアモルヒネ、ジアセチルモルヒネ | 1898年にバイエル社から鎮痛・鎮咳薬として発売された際の商標が「ヘロイン(Heroin)」。その後、天国のような多幸感と地獄のような依存性から違法薬物として悪名高くなった。現在の違法に流通しているジアモルヒネは当然バイエル社の製品ではないのだが、「ヘロイン」の名称が広まりきっているためこの名称で呼ばれることが普通である。 ちなみに、バイエル社は1899年に解熱鎮痛薬「アスピリン」の商標を登録したがこちらも普通名称化しており、日本でも一般名として扱われている。 |
ベンベルグ | キュプラ、銅アンモニアレーヨン | 銅アンモニア溶液を用いて作られるセルロースの再生繊維。洋服の裏地などに使われる。特許を取得したドイツのJPベンベルグ社に由来するが、日本では同社と提携した日本ベンベルグ絹糸、後の旭化成の商標となっている。かつてはドイツの他にアメリカやイタリアなどでも製造されていたが、海外メーカーは全て撤退し現在では旭化成1社のみが生産する繊維となっている。 |
ボウガン / ボーガン | クロスボウ、洋弓銃 | 矢を板ばねの力で射出する武器。bow(矢)とgun(銃)とを組み合わせた和製英語で、株式会社ボウガンの登録商標。 |
VOCALOID / ボカロ | 音声合成、合成音声、ソフトウェアシンガー | ヤマハ株式会社が開発した音声合成技術、ならびにその応用製品の総称。ニコニコ動画のカテゴリ/ジャンルの一つであり、UTAU・CeVIO AI といった非ヤマハ製の音声合成ソフトウェアでも「VOCALOID」のカテゴリ/ジャンルで設定されることが多い。 |
ホームシアター | なし? | 家庭内に小型映画館のような設備を組むこと。またはその設備の総称。当初は富士通ゼネラル株式会社が商標を有していたが、現在は無償開放されている。 |
ポケットベル(ポケベル) | 無線呼出用携帯受信機、無線呼出 | 1980年代後半から1990年代前半にかけてブームになった携帯型通信端末。NTTが商標を有しているが、特許庁により普通名称化したと判断されている。2019年9月、東京テレメッセージのページャーサービスが終了し、国内の個人向け無線呼出サービスはすべて終了した。 |
ポスト・イット | 付箋、糊付き付箋 | アメリカの3M社が開発した糊付き付箋紙。メモ、本の栞などに用いられる。 |
ホッカイロ / ホカロン | 使い捨てカイロ | 鉄粉の酸化反応時の発熱を利用した、使い捨てタイプの防寒グッズ。ホッカイロは興和株式会社、ホカロンは株式会社ロッテが商標を有している。 |
ホッチキス | ステープラー | 1903年に日本で最初期に輸入販売されたステープラーがアメリカ合衆国の「E.H.ホッチキス(E.H.Hotchkiss)」社の製品で、ボディに大きく「HOTCHKISS NO・1(ホッチキス ナンバーワン)」と刻印されていたことに由来するという。 なお「銃火器の設計者であり、フランスの軍事/自動車メーカー「オチキス(Hotchkiss)」社の創業者である「ベンジャミン・B・ホッチキス(Benjamin Berkeley Hotchkiss)」氏に由来する」という俗説があるが、これは彼とE.H.ホッチキス社との繋がりが証明されておらず不正確な説であるとされる。 |
ポテチ | ポテトチップス | ポテトチップスの略称だが、商標は株式会社湖池屋が所有している。 |
ホバークラフト | 空気浮揚艇、エアクッション艇 | 高圧の空気を地面や水面に射出することで浮揚し移動する乗り物。イギリスのブリティッシュ・ホバークラフト社の登録商標だが、空気浮揚艇の総称として「ホバークラフト」を使用することを許可しているため、現在は一般名称化している。 |
ポラロイド / チェキ | インスタントカメラ | 撮影後すぐに写真を現像できるカメラ。開発し初期には販売を独占したアメリカのポラロイド社に由来する。「チェキ」は富士フイルムの商標。 |
ポリバケツ | プラスチック製バケツ、ペール | プラスチック製のバケツやゴミ箱(ペール)。主に青色のものが有名。積水化学工業株式会社の登録商標。 |
ボンド / セメダイン / アロンアルフア / ロックタイト | 接着剤 | 接着剤の一種。ボンドはコニシ株式会社、セメダインはセメダイン株式会社、アロンアルフアは東亞合成株式会社、ロックタイトはドイツのヘンケル社が商標を有している。ロックタイトは特にねじ緩み防止用接着剤の総称として用いられる。 |
マジック / マジックインキ | マーキングペン、フェルトペン、マーカー、名前ペン | 油性のマーキングペン。株式会社内田洋行と寺西化学工業株式会社との共同開発によって誕生した。商標は株式会社内田洋行が所持している。 |
マジックテープ / ベルクロ |
面ファスナー | 「マジックテープ」は株式会社クラレの登録商標。1960年からこの名前で製造・販売しているという。着脱自在な「魔法のテープ」という意味で名付けられている。 「ベルクロ(velcro)」と呼ばれることもあるがこちらも登録商標であり、面ファスナーを発明したスイス人「ジョルジュ・デ・メストラル(George de Mestral)」が名付けて商標登録したもの。フランス語で「ベルベット」を意味する「ベロア(velours)」と「小さなフック」を意味する「クロシェ(crochet)」の合成語。 |
魔法瓶 / サーモス | 真空フラスコ | 二重構造の間を真空にして保温・保冷する瓶。「魔法瓶」は元は日本電球の商標。英語圏で呼ばれる「サーモス(Thermos)」は世界で初めて製品化したドイツのテルモス社の英語読み。 |
万歩計 | 歩数計 | 歩数をカウントする機械。山佐時計計器株式会社(YAMASA)の登録商標。 |
ヤクルト | 乳酸菌飲料 | 株式会社ヤクルト本社製の乳酸菌飲料。ちなみにヤクルトの入っている、くびれのあるプラスチック容器も立体商標として登録されている。 |
UFOキャッチャー | クレーンゲーム | クレーンやアームを操作することで景品を獲得するプライズゲーム機。株式会社セガの登録商標だが、ユーザーからはクレーンゲーム・プライズゲーム全般を指して用いられることもある。 |
ユニック | 積載型トラッククレーン、キャブバッククレーン車 | トラックの荷台に積み卸し用のクレーンを取り付けたもの。古河ユニック株式会社の登録商標。 |
ユンボ / パワーショベル | ショベルカー、油圧ショベル | 掘削機の一種。ユンボはフランスのシカム社、パワーショベルは株式会社小松製作所の登録商標。 |
ヨーヨー | リターントップ / バンダロアー | 「ヨーヨー」は、Flores Yo-Yo Manufacturingおよびそれを買収したDuncan Toys Companyの商標だった。その後登場した類似品がYo-yoの語を使用したことで法的措置に出たが、普通名詞化したとして1965年に無効判決が確定。ダンカン倒産の主要因となった。カナダなど、現在も商標である国ではReturn Topなどと言い換えられる。 |
ラジコン | ラジオコントロール、RC、無線操縦 | 無線により模型の自動車などを遠隔操作する玩具やシステム。増田屋コーポレーションが登録商標を所持している。 |
ラフター | ラフテレーンクレーン | 運転操作とクレーン操作が一つの運転席で行える自走クレーン車。株式会社加藤製作所の登録商標。 |
ルームランナー | トレッドミル、ランニングマシン | ベルトコンベア上を走る健康器具。「ルームランナー」はカタログハウスの前身、日本ヘルスメーカーの商品名だった。 |
レゴ | プラスチック組み立てブロック | プラスチック製の組み立て模型。デンマークの会社、ならびにそのブランド名。「レゴブロック」や他社の類似製品を「レゴ」と呼ぶことが多い。 |
ローラーブレード | ローラースケート、インラインスケート、ローラーシューズ | 靴底に車輪を取り付け、滑走できるようにしたもの。アメリカのローラーブレード社の登録商標。 |
ロックアイス | かち割り氷 | 小さく割って使いやすくした純氷。「ロックアイス」は小久保製氷冷蔵の登録商標。 |
Wi-Fi | 無線LAN、ワイヤレスLAN | 無線LANの規格の一つ。業界団体であるWi-Fi Allianceが商標権を有しており、同団体が実施する認定試験に合格した機器だけがWi-Fi対応のロゴを表示できる。本来であれば無線LAN⊃Wi-Fiであるが、現在はほぼ同じ言葉として扱われている。 |
ワセリン | 保湿クリーム | 保湿用のクリームで、化粧品・医薬品として用いられる。イギリスのユニリーバ社の商標だが、世界各国で一般名称化しており、日本国内でも他社から「ワセリン」の名称を含む製品が販売されている。 |
固有名詞 | それ以外の表現 | 解説 |
---|---|---|
アーベル群(abelian group) | 可換群(commutative group) | ノルウェーの数学者ニールス・ヘンリック・アーベル(Niels Henrik Abel)が分類したことから「Abelian group」と大文字で書くべきところだが、可換群の素性がとてもよく、扱いやすく頻出するので「abelian group」と小文字で、つまり固有名詞ではなく一般名詞として書かれるようになった。日本語でも可換群のことを指してアーベル群と言う。 |
アールグレイ | ベルガモットのフレーバーティー | イギリスの首相も務めた第2代グレイ伯爵チャールズ・グレイに由来するとされることが多い(「アール」は「伯爵」の意味)。グレイ伯爵と絡めた様々な逸話が語られているものの、その多くが史実や時系列を鑑みるに作り話である可能性が高いという。彼の息子である第3代グレイ伯爵に由来するとする説や、そもそもグレイ伯爵家とは何の関係もないとする説もある。 |
カーディガン | 前開きのニット | クリミア戦争で活躍したイギリスの貴族「カーディガン伯爵(Earl of Cardigan)」(第7代)に由来する。保湿のために重ね着したセーターを、戦場で負傷した際に脱ぎ着がしやすいように前開きにすることを伯爵が考案したとされるが、単に彼が愛用したからとする説もある。 |
カルパッチョ | なし? | 肉や魚の薄切りに、ソースなど調味料をかけたイタリア料理。イタリアの画家ヴィットーレ・カルパッチョに由来するが、その見た目が彼の作風と似ていたからとも、彼がこの料理を好んだからともされる。 |
コンテ | カーボンチョーク | 顔料を粉末にし、粘土などで固めて角棒状にした画材。デッサンやクロッキーに使用される。フランスの画家・化学者のニコラ=ジャック・コンテによって発明され、彼が設立した「コンテ社」の製品を指したが、現在ではデッサン用の画材が総称して「コンテ」と呼ばれている。 |
サンドウィッチ / サンドイッチ | パンに具を挟んだ料理 | イギリスの貴族「サンドイッチ伯爵(Earl of Sandwich)」の第4代「ジョン・モンタギュー(John Montagu)」に由来する。 彼が大臣だった時に「大臣なのに賭博に夢中で、賭博中でも食べられるようなパンに具を挟んだ料理を食べている。この料理には彼に由来した名が付いて流行している」と皮肉る文章が出回ったことが原因だという。 だが、この「賭博に夢中」とか「パンに具を挟んだ料理を食べていた」という記述内容が真実だという歴史的な証拠はあまり無いらしい。 |
ジャージー(ジャージ) | メリヤス生地の運動着 | 本来はメリヤス編みで編まれた伸縮性の高い布そのもの言うが、その布地を使用したフットボール等のユニフォームのことも指すようになり、日本では更に同様の生地で作られた運動着全般がこう呼ばれる。イギリス王室属領のジャージー島に由来するが、後ろの長音が取れて「ジャージ」とされることも多い。 |
シャーリー・テンプル | なし? | ジンジャーエールとグレナデンシロップを混ぜ合わせ、レモンを添えたノンアルコールカクテル。アメリカで禁酒法が撤廃された1930年代、家族連れで酒場へ来た子供向けに考案され、当時絶大な人気を誇った子役スターのシャーリー・テンプルの名前がそのまま付けられた。ちなみに、ジンジャーエールをコーラに替えたものは「シャーリー・テンプル・ブラック」と呼ばれるが、これは彼女の結婚後の名前である。 |
シャトーブリアン | 牛ヒレ肉の中央部 | フランスの作家・政治家のフランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンに由来する。彼が大使としてロンドンに着任していた時に、大使館のコックが考案したレシピを大変気に入り広めたという。元々はこの調理法の名前であったが、転じて肉の部位を指すようになった。 |
助六 | 稲荷寿司と巻き寿司の折り詰め | 元々は歌舞伎の演目である『助六』とその主役(タイトルロール)の名前。劇中の助六の愛人である花魁の名前が「揚巻」であることから、油揚げを使った稲荷寿司と巻き寿司を折り詰めたものを洒落てこう呼ぶようになった。 |
スコッチテープ法 | 極薄の薄膜の作成法 | 黒鉛(グラファイト)からグラフェンを作成する一般的な方法。開発した人がスコッチ社製のテープを使っていたことから。劈開という性質を持つ材料を粘着テープで挟み引きはがすと、両面に材料がくっついて半分に割れていく。これを何度も繰り返すといずれ1原子レベルの薄膜になる。薄膜を作成する場合は高価な真空装置や高価な基板が必要だが、劈開する材料であれば粘着テープさえあれば超極薄の薄膜を手作業で簡単に作成できてしまうのでとりあえずやってみる方法として定着した。 |
ダービー | レース、競技 | イギリスの貴族「ダービー伯爵(Earl of Derby)」(第12代)の名が冠された著名な競馬競争「ダービーステークス(Derby Stakes)」に由来して、様々な競馬競争が「○○ダービー」と名付けられている。 また、「「同じ地域内にある」などの特定の条件下にある2つのスポーツチームによる対戦試合」を「ローカルダービー(local derby)」「ダービーマッチ(derby match)」「ダービーゲーム(derby game)」あるいは単に「ダービー(derby)」と呼ぶ。これは上記の競馬レースの「ダービー」に由来するという説もあれば、それとは直接の関係は無く「イギリスの「ダービー(Derby)」の街で行われていたサッカーっぽいスポーツ「シュローヴタイド・フットボール(Shrovetide Football)」の試合に起源する」という説もある。 そしてこの競馬競争の「ダービー」あるいはスポーツ試合の「ダービー」に由来して、競争一般を「ダービー」と呼ぶことがある。「ホームランダービー」など。どちらに由来するとしても地名または貴族名が元になっていることになる。 |
たくあん / 沢庵漬け | たくわん、大根の漬物 | 日干しにした大根を漬物に加工したもの。江戸時代の僧・沢庵宗彭が考案したことから、その名前がついたとする説が一般的。 |
ツェッペリン | 硬式飛行船 | 実用化したドイツ軍人フェルディナント・フォン・ツェッペリン伯爵および創業したツェッペリン社に由来。ツェッペリン社以外の硬式飛行船も広くツェッペリンと呼ばれることが多い。 |
デリック | 荷役装置 | クレーンと違い、本体と別に設置された動力の付いたウインチ(巻き揚げ機)でワイヤーを巻き上げることで荷を吊り上げる。落として吊るのではなく引き上げて吊る絞首刑を考案した、16世紀イングランドの死刑執行人デリックの名前が付けられた。 |
ドラキュラ | 吸血鬼、ヴァンパイア | ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』に登場する吸血鬼。転じて、現在は吸血鬼・ヴァンパイア全般をドラキュラと呼ぶこともある。 |
バラクラバ | 目出し帽 | 目元を除き、頭から首までをすっぽり覆う防寒具。クリミア戦争中、クリミア半島南部のバラクラバで起きた「バラクラバの戦い」でイギリス兵が着用したことにちなむ。 |
ビキニ | セパレート型水着 | 上下の布地が別々の女性用水着。発表された1946年当時としては露出度が高く、その破壊力が同年にビキニ環礁で行われた核実験(クロスロード作戦)に喩えられ「ビキニ」と命名された。 |
ブルマー | 女性用運動着 | 女性が運動時に着用するショートパンツの一種。名前の由来は諸説あるものの、これを雑誌で紹介した女性解放運動家のアメリア・ブルーマー(ブルマー夫人)からとする説が有力。 |
マドレーヌ | なし? | 焼き菓子のひとつ。発祥には諸説あるが、「マドレーヌという名前の女性が作った」という点では概ね一致している。 |
マルゲリータ | なし? | トマトソースの上にモッツァレラチーズとバジルが載ったピザ。イタリア王ウンベルト1世の王妃マルゲリータが気に入ったという逸話から名付けられたとされる。 |
レオタード | なし? | 空中ブランコの名手として知られたフランスの曲芸師ジュール・レオタール(Jules Léotard)の英語読みに由来する。彼は動きやすく肉体美も見せられるピッタリした衣装を考案し、これを着て演技に臨んでいた。 |
レントゲン / レントゲン写真 | X線写真 | X線を照射して透過光を撮影した写真。X線の発見者ヴィルヘルム・レントゲンに由来する。本国ドイツでは“röntgen”と一般名詞化したのち、語尾の“-en”をドイツ語の動詞の原形(不定詞)と再解釈し、“röntge”、“röntgest”、“geröntgt”……などと活用する動詞としても使われているとのこと。 |
掲示板
176 ななしのよっしん
2024/08/16(金) 00:07:02 ID: G/7AT/5c0X
「商標登録5280546」や「国際登録0881171」の称呼の欄には「ワセリン」の記載があるし
日本の商標に限った話でもないだろうから、問題ないように思える。
177 ななしのよっしん
2024/08/16(金) 23:05:39 ID: Yi3En5TvvH
>>172
古の検索エンジンまだ残ってたんだ、と思ったら全く別の商標だった。
178 ななしのよっしん
2025/03/19(水) 22:53:15 ID: G/7AT/5c0X
「クラクション」も該当しそうだけど、意外に既出じゃないのか。
“「クラクション」(Klaxon) は多くの国で自動車用ホーン全般を意味するが、元は電気機械式ホーンの商品名”
(https://
急上昇ワード改
最終更新:2025/03/26(水) 08:00
最終更新:2025/03/26(水) 08:00
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