いさぶろう・しんぺい 単語


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いさぶろう・しんぺいとは、JR九州が運行する観光列車(D&S列車)である。

概要

熊本駅・人吉駅から肥薩線を経由して吉松駅へ向かう観光列車である。下り列車は「いさぶろう」上り列車は「しんぺい」として運行されている。熊本駅から人吉駅間は特急列車、人吉駅から吉松駅間は普通列車として運行している。

列車名の由来は、人吉駅~吉松駅の建設した当時の逓信大臣「山縣伊三郎」と鉄道院総裁「後藤新平」。
1996年に運行が開始され、当初はキハ31形に畳を敷いただけの列車であったが、2004年に九州新幹線が部分開業に伴い専用車両が投入されると人気が高まり、現在では2往復(そのうち1往復は熊本駅発着)が運行されている。

特に人吉駅~吉松駅間は、ループ線&スイッチバック駅の大畑駅や日本三大車窓の一つである矢岳からの霧島連山の風景など見ることができ、鉄道ファンのみならず一般の人でも楽しめる列車である。

前述の通り、熊本駅~人吉駅間は特急列車、人吉駅~吉松駅間は普通列車である。従って、人吉駅~吉松駅間は青春18きっぷ旅名人の九州満喫きっぷでも利用可能。日中に運行されているため、鹿児島・宮崎方面に向かうには最適の列車である。ただし、座席の殆どが指定席であり、わずか7席の自由席は地元住民用であるので、乗車の際は指定席券を購入しよう。

使用車両は水戸岡先生による改造を施したキハ47形とキハ140形の2両編成。内装には木材を多く使用しており、落ち着いた雰囲気を醸し出している。が、元々普通列車用として改装された車両なので、車内設備は一般型車両もしくは往年の急行型車両レベルに留まるものであり、特急として乗車するには明らかに遜色のある乗り損列車という点は否めない。座席は4人がけのボックスシートであるので見知らぬ人と相席になることも。シートはモケットが貼られているものの、背もたれが直角であるため注意が必要。人吉駅~吉松駅間は各駅毎に休憩時間があるのでさほど問題ないが、熊本駅~人吉駅間は1時間半の間乗り続けることになるので、腰に不安のある方や特急料金を払うことに納得いかない方は「かわせみ やませみ」の乗車を勧める(ただし「かわせみ やませみ」は朝の1往復を除いて全席指定で、なおかつ人気が高いため土休日には指定券の発売日に即日完売となりやすい点に注意が必要である)。
車両の中間には展望席があり車窓を眺めることができる。車端部にはモニターが設置されており、前面展望が映し出されている。

列車の見どころ

ここでは肥薩線内(八代駅~吉松駅)の見どころを紹介する。

場所 見どころ
八代駅 肥薩おれんじ鉄道線水俣・出水方面は乗り換え
球磨川
 日本三大急流の一つである球磨川に沿って走る。車窓からは深い渓谷を眺めることができる。
人吉駅 くま川鉄道はここで乗り換え。湯前行き観光列車「田園シンフォニー」が運行されている。
駅では全国でも珍しい駅弁の立ち売りが行われており、栗めしなど購入できる。
大畑駅 日本で唯一ループ線とスイッチバックを併せ持つ駅。大畑駅から真幸駅までは各駅に5分ほど停車し、駅構内を巡ることができる。
元々蒸気機関車の給水所として開設された駅で、駅構内には給水施設が現存している。
駅舎には多数の名刺が貼られており、名刺を貼ると出世するとかなんとか。
大畑ループ線
 直径600mのループ線。ループ線の内側を眺めると、遠くに大畑駅が見える。
矢岳駅 肥薩線で最も険しい位置にある駅。駅構内にSL展示館が併設されており、D51形蒸気機関車が展示されている。ここに並べて展示されていた8620形蒸気機関車は復元され、現在はSL人吉として運行されている。
矢岳第一トンネル
 肥薩線内で最も長いトンネル。トンネルの入口には山縣伊三郎の「天険若夷(てんけんじゃくい)」、後藤新平の「引重致遠(いんじゅうちえん)」の石額が掲げられている。
日本三大車窓
 矢岳第一トンネルと矢岳第二トンネルの間に見える車窓。いい感じの所で停車してくれる。霧島連山の山々と麓に広がる京町温泉街を眺めることができる。
真幸駅 スイッチバック駅で肥薩線で唯一宮崎県内に位置する駅である。真の幸福と読むことから縁起の良い駅とされている。駅構内には幸せの鐘が設置されており、鳴らした回数に応じた幸せがやってくるらしい。
駅舎近くには地元の人による売店が営業しており、お土産などを購入することができる。
吉松駅 肥薩線霧島温泉・鹿児島中央方面・吉都線えびの・都城方面は乗り換え。特急「はやとの風」に接続していることもある。
駅前広場にはC55形蒸気機関車が保存されている。

「いさぶろう・しんぺい」データ

  • 会社:JR九州
  • 運用線区:鹿児島本線・肥薩線
  • 運転区間:熊本駅~吉松駅(1往復、いさぶろう1号・しんぺい4号)
         人吉駅~吉松駅(1往復、しんぺい2号・いさぶろう3号)
  • 車両:キハ47形・キハ140形
    専用車両は3両あるが、検査時にはキハ147形一般型気動車が自由席車として連結されたこともある[1]
    また普通列車時代にはいさぶろうしんぺい車両にキハ47一般車+キハ31形を増結したこともあった[2]が、特急化した現在では増結運転を行わなくなった。
  • 編成図
    • A編成(キハ140-2125 + キハ47-9082)
      1号車 2号車
      指定席 指 自
    • B編成(キハ140-2125 + キハ47-9082 + キハ47-8159)
      1号車 2号車 3号車
      指定席 指 自 指定席
    • C編成(キハ140-2125 + キハ47-8159)
      1号車 2号車
      指 自 指定席
    • D編成(キハ47-8159 + キハ47-9082)
      1号車 2号車
      指定席 指 自
  • 停車駅
    種別 特急 普通
    駅名






















    いさぶろう1号
    [熊本→吉松]
    しんぺい2号
    [吉松→人吉]
    いさぶろう3号
    [人吉→吉松]
    しんぺい4号
    [吉松→熊本]

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関連項目

  • JR九州
  • 鹿児島本線
  • 肥薩線
  • キハ40系
  • かわせみ やませみ・SL人吉・はやとの風
  • 鉄道列車名一覧
  • 遜色急行

外部リンク

脚注

  1. *特急いさぶろう・しんぺいにキハ147 182が連結される|2017年11月08日掲載|鉄道ファン・railf.jp
    この時はキハ140-2125が大型車との衝突事故で運用離脱、キハ47-8159が定期検査で車両が足りなくなったため一般車を連結した。
  2. *いさぶろう・しんぺい,増結運転|2009年05月06日掲載|鉄道ファン・railf.jp

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