このマンガがすごい! 単語


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このマンガがすごい!とは、宝島社が発行するマンガ紹介誌である。

概要

もともとは不定期に刊行されていた「別冊宝島シリーズ」の一つであったが、近年は毎年12月に刊行されるようになった。タイトルには翌年の西暦がつけられる(例:「このマンガがすごい!2009」は2008年12月に刊行された)。2006年・2007年版はオトコ編・オンナ編と分割して発行されていたが、2008年版より統合して1冊の本として販売されている。500円ちょっとというお手ごろ価格なのも嬉しい。

その1年で発行されたマンガ単行本(前年10月1日~本年9月30日発行のもの)に対し、ランキングを発表することで知られている。様々な分野の70名以上の審査員が面白かったマンガを6位まで選び、点数を重み付けして集計するという方法が用いられる。なお、統合後もオトコ編・オンナ編の別々に集計が行なわれている。

同様の企画を行なっているムックや雑誌などは他にも存在するが、その中でも本誌の与える影響はひときわ大きい。その理由にはいくつかあるが、ランキングの結果があまりオタク的でなく、売上や話題性のある作品が上位に上がりやすいことは無関係ではないだろう。もちろん、コアなマンガ読みでないと知らないような作品が上位に来ることもあり、本書に掲載されたことでブームが到来するケースもある。一般に知名度の低いレディースコミック誌などは特にその傾向が強い。

本書が発行されると、該当作品の帯に「このマンガがすごい!20XXで○位獲得!!」の文字が躍る。

問題点

よく指摘される問題点を以下に示す。

結果に偏りが見られる
審査員の年齢層が高いなどの理由により、集計結果に偏りが見られることがある。特によく指摘されるのが、オトコ編に少年誌系コミックがほとんどランクインしないことである。
オトコ編・オンナ編分割の問題
これだけマンガが多様化した現代、オトコ編・オンナ編で分けにくい作品に票が入りにくいという問題がある。大まかなルール的には、掲載誌のカラーで男女が決定しているが、稀に両方に票が分散してしまうケースがみられる。また「男性に(も)向けた少女漫画誌」であるコミックハイ!・コミックエール掲載の作品や、男女の区別のない4コマ誌の作品は非常に不利であると考えられ、実際ランキングにはほとんど登場しない。

ランキング結果(各10位まで)

このマンガがすごい!2010

2009年12月10日発売予定。
編集は12月20日くらいまでは待つようにしてください(ネタバレ防止)。

 

ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。

 

このマンガがすごい!2009

2008年12月5日発売。オトコ版に朝が来た!講談社の雑誌「モーニング」「モーニング・ツー」から10位までに5作品が入るという快挙を成し遂げる。その中でも1位の「聖☆おにいさん」はその強烈な話題性でランキングを独走、神のチカラを見せ付ける結果となった。続く「宇宙兄弟」「GIANT KILLING」の順位も順当で、モーニングがTOP3を独占することとなる。「ハチクロ」の羽海野チカが4位にいることにも注目。オンナ版は、昨年度ベスト20に2作品をねじ込んだ大物ルーキー小玉ユキの「坂道のアポロン」が制した。2位には大御所くらもちふさこ「駅から5分」、4位には昨年チャンプ椎名軽穂「君に届け」、5・6位には小玉の友人でもある岩本ナオが脅威の連続ランクインを果たすという、確かなパワーをもった実力作家が火花を散らす。もっとも、これらの作品はいずれも空気感を大切にした「落ち着いた」作品だ。その中に電光石火で切り込むのはスピード感溢れる百人一首マンガ「ちはやふる」、末次由紀の新たな世界からも目が離せない。

ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。 

順位 オトコ編 オンナ編
1位 『聖☆おにいさん』
中村光
『坂道のアポロン』
小玉ユキ
2位 『宇宙兄弟』
小山宙哉
『駅から5分』
くらもちふさこ
3位 『GIANT KILLING』
綱本将也・ツジトモ
『ちはやふる』
末次由紀
4位 『3月のライオン』
羽海野チカ
『君に届け』
椎名軽穂
5位 『深夜食堂』
安倍夜郎
『町でうわさの天狗の子』
岩本ナオ
6位 『きのう何食べた?』
よしながふみ
『雨無村役場産業課兼観光係』
岩本ナオ
7位 『アオイホノオ』
島本和彦
『ラウンダバウト』
渡辺ペコ
8位 『よつばと!』
あずまきよひこ
『夏目友人帳』
緑川ゆき
9位 『俺はまだ本気出してないだけ』
青野春秋
『結婚しなくていいですか。すーちゃんの明日』
益田ミリ
10位 『ファンタジウム』
杉本亜未
『少女漫画』
松田奈緒子

 

このマンガがすごい!2008

2007年12月4日発売。オトコ版のランキングが意外な結果を見せる。1位「ハチワンダイバー」この結果自体は十分納得のいくものであるが、それでも当時は驚きと共に迎えられた。絶対的強者の不在。前年までベスト10に入らなかった「よつばと!」が3位であることがそれを物語っている。しかし逆に考えれば、この年の上位作品は「手堅い」とも言えよう。「へうげもの」「シグルイ」「おお振り」「鈴木先生」といった前年までのランクイン作品の確かな実力を感じ取ることができる。それ以外の作品も実力でもぎ取った印象が強い。実力主義であるのはオンナ版も同様である。前年の敢闘賞「君に届け」がハチクロの後を継がんとばかりに1位に昇格。名実共に少女漫画界のトップに躍り出る。2位はビッグネーム吉田秋生が落ち着いた作品で地位を築き、3位には流行語ともなった「オトメン(乙男)」が時代の寵児としてのし上がった。4位以降はベテラン勢のいぶし銀が光る中、10位に新顔小玉ユキが登場する。

ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。

順位 オトコ編 オンナ編
1位 『ハチワンダイバー』
柴田ヨクサル
『君に届け』
椎名軽穂
2位 『へうげもの』
山田芳裕
『海町Diary1 蝉時雨のやむ頃』
吉田秋生
3位 『よつばと!』
あずまきよひこ
『オトメン(乙男)』
菅野文
4位 『シグルイ』
南條範夫・山口貴由
『フラワー・オブ・ライフ』
よしながふみ
5位 『おおきく振りかぶって』
ひぐちアサ
『うさぎドロップ』
宇仁田ゆみ
6位 『GIANT KILLING』
綱本将也・ツジトモ
『GENTE ~リストランテの人々~』
オノ・ナツメ
7位 『極道めし』
土山しげる・大西祥平
『Real Clothes』
槇村さとる
8位 『レッド』(同着7位)
山本直樹
『eensy-weensy モンスター』
津田雅美
9位 『鈴木先生』
武富健治
『高校デビュー』
河原和音
10位 『海獣の子供』
五十嵐大介
『光の海』
小玉ユキ

 

このマンガがすごい!2007

2006年12月5日発売。この年のオトコ版1位争いは熾烈なものとなった。「ジェバンニが一晩でやってくれました」伝説の最終回を迎えた「デスノート」がまさかの2位、しかしそれを抑えたのがあの「デトロイト・メタル・シティ」なのだから誰も文句を言うはずもなく「さすがはクラウザーさんだぜ」と拳を突き上げるのみであった。3位以下はインパクトより個性でじっくり読ませるタイプの作品が名を連ね、現代マンガの確かな面白さを見せつけた。1位もそうだが「ダメ男」系統が多いのが特徴か。オンナ版は比較的メジャーな作品が多い中、見事敢闘賞を勝ち取った2位の「君に届け」に注目が集まった。スッキリ読める少女漫画として男性にも好評を博し、翌年以降大きな躍進を遂げることとなる。そして同作が見送る形となった「ハチミツとクローバー」は見事な最終回でダントツの1位を獲得。連覇で格の違いを見せ付けた。

ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。

順位 オトコ編 オンナ編
1位 『デトロイト・メタル・シティ』
若杉公徳
『ハチミツとクローバー』
羽海野チカ
2位 『DEATH NOTE』
大場つぐみ・小畑健
『君に届け』
椎名軽穂
3位 『へうげもの』
山田芳裕
『のだめカンタービレ』
二ノ宮知子
4位 『鈴木先生』
武富健治
『リストランテ・パラディーゾ』
オノ・ナツメ
5位 『シグルイ』
南條範夫・山口貴由
『舞姫 テレプシコーラ』
山岸涼子
6位 『わにとかげぎす』
古谷実
『夏目友人帳』
緑川ゆき
7位 『ボーイズ・オン・ザ・ラン』
花沢健吾
『NANA』
矢沢あい
8位 『BLACK LAGOON』
広江麗威
『フラワー・オブ・ライフ』
よしながふみ
9位 『闇金ウシジマくん』(同着8位)
真鍋昌平
『暴れん坊本屋さん』
久世番子
10位 『もやしもん』
石川雅之
『高校デビュー』
河原和音

 

このマンガがすごい!2006

2005年12月1日発売。本格的なコミックランキングを開始した記念すべき最初のランキングは、男女共にビッグタイトルが多く、華々しいスタートとなった。ランキング集計の性質上、一度上位に上がったマンガは翌年以降下位に落ちやすいこともあり、初年がもっとも豪華と言える結果となっている。特にオンナマンガの上位3強「ハチクロ」「のだめ」「NANA」という3大メガトン級作品のインパクトが今見ても非常に大きい。一方オトコマンガは浦沢×手塚の神話級の作品「PLUTO」が1位となった。以下「デスノート」「失踪日記」と、セールス・評価共に高い作品が続いている。

ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。

順位 オトコ編 オンナ編
1位 『PLUTO』
手塚治虫×浦沢直樹
『ハチミツとクローバー』
羽海野チカ
2位 『DEATH NOTE』
大場つぐみ・小畑健
『のだめカンタービレ』
二ノ宮知子
3位 『失踪日記』
吾妻ひでお
『NANA』
矢沢あい
4位 『働きマン』
安野モヨコ
『バルバラ異界』
萩尾望都
5位 『鋼の錬金術師』
荒川弘
『プライド』
一条ゆかり
6位 『ホムンクルス』
山本英夫
『大奥』
よしながふみ
7位 『もやしもん』
石川雅之
『フラワー・オブ・ライフ』
よしながふみ
8位 『おおきく振りかぶって』(同着7位)
ひぐちアサ
『きせかえユカちゃん』
東村アキコ
9位 『キーチ!!』
新井英樹
『シュガシュガルーン』
安野モヨコ
10位 『団地ともお』(同着9位)
小田扉
『舞姫 テレプシコーラ』
山岸涼子

 

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