これはだめかもわからんねとは、先行きがもうない、絶望的状況に陥るときに用いられる言葉である。
語源は1985年(昭和60年)に発生した日航機墜落事故での機長が発した台詞。
後部圧力隔壁が破損し垂直尾翼と油圧系が機能しないという最悪の状況下でも約30分の飛行を懸命に続けたが墜落が近づいた際に発せられた台詞がボイスレコーダに残っており、これが報道されたことで有名な言葉となった。
飛行機はこの台詞の後、御巣鷹山に接触、空中分解し墜落。4名が奇跡的に生存したが、他の乗客乗員は犠牲となった。詳細は日本航空JAL123便墜落事故の項目を参照。
自動車でどこか広い原野にでも行って、十分にスピードを出したあと、ハンドルとブレーキペダルとハンドブレーキを破壊してアクセルペダルのみを使って(=油圧系が全滅していたため、エンジン以外の制御が不能でした)、途中にどんな障害物があろうとも時速100kmを保ったまま(航空機では失速=墜落です)、原野のどこかにあるらしい駐車場に(地上から見ると広大な空港も、空から見ると小さな点でしかありません)、どんぴしゃで車庫入れ(航空機の操縦でもっとも繊細な操作を求められます)を行って下さい。その際、大切な家族友人知人に同乗を求める事も忘れずに(機長と副機長は乗員乗客計524名もの命を預かっていたのです)。
まあ、どうしようもなく絶望的ですね。
そもそも、常人ならパニックに陥ってもおかしくない状況だったと思われますが、JAL123便のパイロット達は「これはだめかもわからんね」のような言葉を吐きつつも、始終冷静に制御不能の機体の操縦を試み、エンジン制御のみで30分間機体姿勢を維持しするという神業をやってのけました。奇跡の生還者4名はそうして救われたのです。
類似的な言葉には逮捕寸前に書きこまれ、そのインパクトから名言のひとつとなった「もうだめぽ」があり、同じ軽い雰囲気で使用するものも居るが、語源の絶望感・悲壮度は相当乖離するもので、また、当事者に対する強い不当な悪意をもって使われた言葉でもあるため、安易に使うべき台詞ではないと考えられる。
軽い内容で使用するネットユーザーはそもそもこの語源を知らない年齢層と思われ、これを機にこの言葉は軽いものではないことを認識してほしい。
なお、その他「どーんといこうや」という言葉などもボイスレコーダに記録されているが当然ながら山腹にどーんと墜落することを指しているのではなくスロットルを空けろという意味であった、が当時はその意味を理解しない報道各社などに「山腹にどーん」という意味で扱われ機長・クルーやその家族に相当の非難が向けられたという。
この事故の3年前に、着陸中に機長が錯乱して異常操縦を行い多数の死傷者を出すという事故があったため(機長は心神喪失により不起訴)、この事故でもパイロットの異常操縦や操縦ミスを疑う向きがあり(実際は事故発生時点で操縦不能)、事実無根の激しい誹謗中傷がなされる事となった。その中で「これはだめかもわからんね」の言葉も操縦の責任放棄であると悪意を持って曲解され、それがさかんに報じられたために有名となったのである。
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最終更新:2025/12/06(土) 17:00
最終更新:2025/12/06(土) 16:00
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