「ご冥福をお祈りします」とは、仏教などで用いられる死者を弔う文句である。
字義通りに捉えれば「死後の幸福があるように」、より仏教的に言うなら冥土の旅を終えて良い世界に転生できるように、という願いを込められた言葉であると言える。
誰かが死んだときに自分の礼儀正しさを誇示するために便利に使える紋切り型の表現として広まっているが、一般に仏教由来の用語と認識されているため、キリスト教など他宗教の人には安易に使わないほうがよい。
この言葉は本来(かなり昔だが)仏教用語ではない。原理的には死後の運命はすでに決まっていることであって、死んではもはや左右されないためである。言葉自体は仏教伝来以前から存在するものであり、儒教・道教・土着信仰的な理念と仏教が融合して今日に至ったと思われる。このため浄土真宗では、この言葉を非仏教的で故人を侮辱するものとして嫌っている。(「浄土真宗の弔辞の例文」参照) また、キリスト教やイスラム教でも宗派によるがまあ近い感じの考えのようである。
現代日本では、宗教的な意味合いも薄れて単に弔辞の言葉として捧げられることが多い。しかし気になる人もいるので、浄土真宗や仏教以外の人に対する場合、あるいは相手の宗教が分からない場合は、「謹んで哀悼の意を表します」や「お悔やみ申し上げます」と言ったほうが無難である。
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最終更新:2025/12/06(土) 21:00
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