はつかり (列車)

はつかりとは、国鉄→JR東日本・JR北海道で運行していた列車名である。

概要

東海道・山陽区間のエース特急がつばめなら東北区間のエース特急はこのはつかりであろう。はつかり運行前までの国鉄特急は昼行が東京～大阪間のつばめ・はと・京都～博多間のかもめ、夜行が東京～博多間のあさかぜ・東 京～長崎間のさちかぜだけと東海道・山陽区間以外では走っていなかった。東京以北を走る初めての特急列車として、北海道連絡を主な使命として上野昼発青森深夜着・青森早朝発上野夕方着というダイヤで上野～青森間に設定された。ちなみに上野～仙台間は15km程短い東北本線経由では無く、勾配が緩く複線化区間が長い常磐線経由とされた。

運転当初は東北・常磐線共に非電化区間がまだまだあったので蒸気機関車が牽引する客車特急で所要時間はきっかり12時間で運行されていた。これにより青函連絡船の深夜便を利用して24時間以内で東京から札幌に着けるようになった。一方蒸気機関車牽引で一部区間のみ複線、客車もかもめのお下がりである旧型客車を使用するなどを設備・時速共に同時期に運行開始した東海道本線電車特急こだまに比べると同じ特急列車としては劣っていた。それから新車として日本初の気動車特急としてキハ81系が開発される事となり、完成してからは上野～青森間のスピードアップに貢献した。しかしながら日本初の気動車特急という初めての試みであり開発時間も短かった事から事故や故障を連発し、マスコミには「特急がっかり」「はつかりがっかり事故ばっかり」等と揶揄されてしまった。特に奥中山を越えがネックになり、前後の御堂駅と小鳥谷駅で停車し、エンジンの点検を行うなどして安全対策をとるようになった。

努力の末に軌道に乗るとキハ81系の改造型であるキハ82系が整備され、俗にサンロクトオと呼ばれるダイヤ改正で非電化区間に投入され全国に特急が大増発された。このダイヤ改正で設定された大阪方面から来る特急白鳥と共に青函連絡船を通じて、これまたこのダイヤ改正で設定された旭川行の特急おおぞらと連絡するダイヤになり東京～札幌間の所要時間は更に短縮された。

俗にヨンサントオと呼ばれるダイヤ改正では東北本線が全線電化され、電車特急である583系が使用された。また同時期に従来の常磐線経由ではなく沿線人口の多い東北本線経由となった。が、ダイヤ改正直前に車両が配備されたため、ほんの３週間ほどだが常磐線を走る５８３系はつかりを見ることができた。次第に本数を増やしていき最大6往復運転されるまでになったが、東北新幹線盛岡開業ではつかりの運行区間は新幹線連絡特急として盛岡～青森間に短縮されてしまった。

青函トンネルが開業すると一部のはつかりが津軽海峡の向こうの函館発着となったが、基本的には東北新幹線八戸開業で廃止されるまで運行区間は盛岡～青森間であり、一部の速達型はスーパーはつかりと名乗っていた時期もあった。ちなみに上野～青森間のはつかりと盛岡～青森間のはつかりの運行年数は余り大差が無い。（前者1958年10月～1982年11月の24年・後者1982年11月～2002年10月の20年）

列車名の由来

北から初めて飛来してくる冬鳥の雁から。

変遷

上野～青森間のはつかり

1958年10月　昼行急行みちのくの格上げで上野～青森間に常磐線経由の特別急行として1往復設定される。

1968年10月　東北本線全線電化が完成し、常磐線経由から東北本線経由に変更すると共に、2往復に増発。

1970年8月　盆の帰省客の為に上り下り共はつかり51号という名称の臨時昼行特急が常磐線経由で運行される。

1970年10月　急行八甲田の格上げで3往復に増発。

1970年12月～1971年1月　年末年始の帰省客の為に臨時昼行特急常磐はつかりが運行される。

1972年3月　1往復を東京駅始発とする。

1973年3月　485系使用の臨時列車を1往復増発し、計4往復となる。

1973年4月　1往復あった東京駅乗り入れを中止。

1973年10月　臨時列車を定期化すると共に1往復増発し、計5往復となる。

1978年10月　6往復に増発されると共にエル特急に指定される。また、自由席を設置。

1982年6月　大宮～盛岡間に東北新幹線が開業するも、本格稼働していない為はつかりの運行状況に変化は無かった。

盛岡～青森・函館間のはつかり

1982年11月　大宮～新潟間に上越新幹線が開業したため東北新幹線も本格稼働し、はつかりは盛岡～青森間の新幹線連絡エル特急として11往復設定される。

1986年11月　2往復増発されて13往復となる。

1988年3月　青函トンネル開業に伴い2往復を函館発着とした。

1993年12月　583系が定期運用から撤退。

2000年3月　はつかりの一部を速達型のスーパーはつかりの名称で運用開始。新型のE751系が使用された。また、エル特急の指定を解除される。

2002年12月　東北新幹線八戸延伸につき、はつかり・スーパーはつかりの名称廃止。八戸～青森・弘前間はつがるに、八戸～函館間は白鳥・スーパー白鳥となる。

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関連項目

• 鉄道列車名一覧
• 東北本線・常磐線・津軽海峡線
• キハ80系・485系・583系