つばめ(列車) 単語

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つばめとは、国鉄JRにおける列車称である。国鉄民営化以降は、JR九州福岡博多駅)と鹿児島鹿児島中央駅)を結ぶ列車に使用している。

概要

下記の通り、戦前東京大阪神戸間を結ぶ列車にこの名前が使われたのがその始まりで、途中中断こそありながらも90年以上列車称として使われ続けている。称が付けられた列車はいずれも東京名古屋大阪広島福岡熊本鹿児島といった太平洋側の都市を最速で結ぶ特急で、特に「こだま」登場前は国鉄の、また鹿児島本線特急となってから九州新幹線全線開通までの期間はJR九州の、それぞれフラッグシップ列車としての顔も持ち合わせた。

また、「つばめ全盛期1950年国鉄関係団体の出資により創設されたプロ野球チーム国鉄スワローズ」の名前の由来ともなり、現在の「東京ヤクルトスワローズ」に至るまでこちらも一時中断こそあれど長くチーム名に使われている。

歴史

戦前~超特急「燕」~

1930年10月東海道本線にて運転を開始した。区間は東京駅神戸駅。なお、当時の表記は「」だが仮名表記もあった為「つばめ」でも間違いではない。この名称は先行していた「富士」「」と同様に一般募によって決定した名称である。

走行開放等の高速化施策により「富士」に東京大阪間の時間を2時間半短縮し、全区間を9時間で走破した為「特急」と呼ばれた。が、戦争化に伴い1943年2月東京大阪間へ短縮、同年10月止となった。

戦後~東海道本線「つばめ」~

1950年1月に、前年に登場していた特急「へいわ」を「つばめ」に改称した。この時は戦前同様に機関車牽引である。同年6月には姉妹列車として特急「はと」が登場した。

1956年11月には東海道本線全線電化に伴い東京大阪間を7時間半へスピードアップ。これを機に塗装エメラルドグリーンへ変更し「大将」と呼ばれた。

1960年には「こだま」形151系電車へ変更し、東京大阪間の所要時間が6時間半となった。この時「はと」は「つばめ」に吸収される形で消滅するも、1961年10月に再登場している。

1962年6月には山陽本線広島電化に伴い広島へ進出。が、「瀬野八」を151系が走れない事が判明した為に広島八本間はEF61形が後押しする事となった。

つばめは西へ~山陽本線・鹿児島本線「つばめ」~

1964年10月1日東海道新幹線開業に伴い運転区間を新大阪博多間へ変更。「つばめ・はと・かもめ」による九州特急が形成され、「三羽がらす」とも呼ばれた。

1965年に「つばめ」は名古屋熊本間へ運転区間を変更、同時に「つばめ・はと」は使用車両481系へ変更された。この結果、ようやく「瀬野八」の自力走行が可となった。

1968年には581系583系も充当されるようになり増発が図られるも、1972年3月15日山陽新幹線岡山開業により「つばめ」は岡山博多熊本間、「はと」は岡山下関間へ変更される。
この際、「つばめ」は5往復設定(うち熊本発着は2往復)され、同年10月2日にはエル特急定を受けた。

1973年10月には「つばめ」は西鹿児島(現:鹿児島中央)まで区間延長を行ったが、1975年3月10日山陽新幹線博多開業に伴い「つばめはと」は止された。以後、西鹿児島行きは「有明」が担当。

復活~鹿児島本線「つばめ」~

1975年止以降「この名称にふさわしい格式ある列車がない」という理由から名称の使用は見送られていた。その間は復活運転として運転されるだけであった。
※一時期、上越新幹線の速達列車で使用する案もあったが、須田寛が念の為確認したところ「新潟ツバメは飛んでこない」ということで取りやめとなった。

1987年の民営化に伴い誕生したJR九州783系の後継車両として787系開発1992年7月15日の運用開始に伴い西鹿児島発着の「有明」を「つばめ」に改称し、ここに復活した。あわせて、山陽特急時代と同様にエル特急定も受けた。
なお、「つばめ」の名称を用いる際にJR九州JR他社に対して名称使用の事前了解を得ている。なお、復活時点での運転区間は門港・博多熊本西鹿児島で、一部は787系車両数の関係から783系を充当した。

1993年3月18日には門西鹿児島間を運行していた夜行急行「かいもん」を787系「ドリームつばめ」に昇格させた。同時に門港発着便を博多発着へ変更している。

1995年4月20日熊本発着便が止され、翌1996年3月16日には全列車787系化が了。その後9両もしくは7両であったのを7両または6両に短縮。その際捻出された中間の一部が先頭改造され「有明」に充当された。

2003年2月17日にはビュッフェの営業が終了。ビュッフェの座席化が行われ、新幹線開業へ備えた。

現在~九州新幹線「つばめ」~

2003年募により「つばめ」に決定した。なお、得票数では1位は「はやと」で「つばめ」は5位であったのだが、「はやと」は鹿児島イメージが強い事や東北新幹線はやて」と紛らわしい為採用されなかった(ちなみに、「はやと」は後に肥薩線特急はやとの風」として新幹線開業と同時に登場している)。

2004年3月13日九州新幹線新八鹿児島中央間の開業に伴い800系つばめ」の運転が開始され、鹿児島本線つばめ」は「リレーつばめ」と改称した。新八代駅では対面リレーを行っており、乗り換え所要時間は3分。号数も一体化を図った他、博多駅では「鹿児島中央行き」と表示するなどしている。

なお、九州新幹線部分開業と同時に「ドリームつばめ」は熊本以南を止し「有明」に編入した。

九州新幹線博多開業後の山陽新幹線直通運転は「さくら」「みずほ」が担当し、「つばめ」は九州内発着の各駅停車タイプとしての運転となっているが、2012年3月17日ダイヤ改正に伴い新下関駅発着「さくら」の一部を「つばめ」に変更する形で新下関終着便が設定され、山陽本線時代以来の本州復帰となっている。2012年7月21日からは山陽新幹線区間に限りエクスプレス予約対応となっている(2013年3月16日ダイヤ改正で一時九州列車に戻ったが、2024年現在新下関始発便や小倉終着便が設定されている)。
なお、博多駅熊本駅間での運転が多くなり、熊本以南のでは「さくら」が停する事になり「つばめ」の運転頻度は減少している。また、筑後船小屋駅折り返し便も設定されている。 

2011年3月12日九州新幹線博多まで延伸されたことで、「リレーつばめ」は止、在来線特急としてのエル特急つばめ」の歴史は終わった。

「つばめ」データ

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