インフレーション(inflation)とは、物価の上昇と通貨価値の下落が継続的に発生していることを示す経済学の用語である。インフレと略される。対義語はデフレーション(デフレ)。
もともとの意味は膨張する、膨らませるという意味。「すさまじい勢いでの膨張」という意味で別の分野でも使われる(宇宙ヤバイ)。またスラングとして、「無駄に増え過ぎ」「増やせばいいってもんじゃねーぞ!」という意味でも使われる。
「インフレは需給のバランスが崩れて需要過多・供給過少になったときに発生する」という考え方と、「インフレは国内に出回る通貨の量が過剰になったときに発生する」という考え方がある。
後者はマネタリストと呼ばれ、貨幣数量説の信奉者とされる。
インフレの中で極端なものはハイパー・インフレーションという。
最古では、紀元前三世紀からインフレが確認されている。
インフレーションは、実物資産の名目価値を高め、通貨価値の目減りをもたらす。そのため、インフレーションは実物資産のある者にとってはプラスとなり、現金や当座預金などの「利子の付かない金融資産」を有する者にとってはマイナスとなる。
「年間インフレ率○%が10年続いたときに、物価がどれだけ上がり、通貨価値がどれだけ下がるか」というのを示す表を掲載しておく。
| インフレ率 | 物価 | 通貨価値 | 備考 |
| -3% | 0.74倍 | 1.36倍 | デフレ |
| -2% | 0.82倍 | 1.22倍 | デフレ |
| -1% | 0.90倍 | 1.11倍 | デフレ |
| 0% | 1.00倍 | 1.00倍 | |
| 1% | 1.10倍 | 0.91倍 | |
| 2% | 1.22倍 | 0.82倍 | クリーピングインフレ |
| 3% | 1.34倍 | 0.74倍 | クリーピングインフレ |
| 4% | 1.48倍 | 0.68倍 | |
| 5% | 1.63倍 | 0.61倍 | 高度成長期並みインフレ |
| 6% | 1.79倍 | 0.56倍 | 高度成長期並みインフレ |
| 7% | 1.97倍 | 0.51倍 | 高度成長期並みインフレ |
年間インフレ率が3%の状態が10年続くと、物価は1×1.0310=1.34392 なので1.34倍になり、通貨価値は1÷1.0310=0.74409なので0.74倍になる。
エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使っている人が、B1のセルに年間インフレ率(%)、B2のセルに年数を入れるとする。B2のセルに入れた数だけ年が過ぎたときの物価は「=(1+B1*0.01)^B2」の数式で計算される数値だけ倍になり、B2のセルに入れた数だけ年が過ぎたときの通貨価値は「=1/(1+B1*0.01)^B2」の数式で計算される数値だけ倍になる。
インフレになると通貨価値が下がるので「現金や当座預金のままにするとお金の価値が下がっていく。それなら、現金や当座預金の形態でお金を保持することを止めて、普通預金や定期預金といった『インフレ率と同じぐらいに利子が付く金融資産』に替えてしまおう」という考えが広まる。
インフレ率を正確に予測するのは難しいので「普通預金や定期預金はインフレ率よりも低い利子なのではないか」という疑いも出てくる。その疑いが強くなると、「不動産(土地・建物)や株式(会社所有権)や宝飾品(金塊、宝石)や美術品(絵画)といったモノを買おう」という考えが広まる。
インフレに強いのは不動産、株式、宝飾品、美術品である。インフレになったら同時にそれらの価格が上昇するので、全く平気と言える。ちょっと検索すると財テクに詳しい人が「○はインフレに強い」と語る文章が多数ヒットする(検索例1、検索例2、検索例3、検索例4、検索例5)。
無利子でお金を借りた後にインフレになると、借りたときより借金を返すときの方が通貨の実質的な価値が低くなっているため、返済額が同じであっても実質的には返済額が下がったのと同じことになる。そのためインフレは、無利子の借金のある者にとってはプラスとなる。
A社が無利子で100万円を借り、そのあとにインフレが起こったとする。機械が1台100万円の時に100万円を借りると、その100万円で機械を1つ買える。借金100万円を返すときにインフレになって機械が1台200万円まで値上がりしていたとすれば、金額は同じ100万円でも、実質的な返済負担は0.5倍にも減少したことになる。機械1台の借金に対して機械0.5台の返済をしたことになり、借金したA社にとっては得である。
有利子でお金を借りた後にインフレになると、「借りたときに決めた返済額」の実質的な価値が低くなっているため、「借りたときに決めた返済額」の通りに返済したとしても実質的には返済額が下がったのと同じことになる。そのためインフレは、有利子の借金のある者にとってプラスとなる。
A社が有利子で100万円を借り、そのあとにインフレが起こったとする。機械が1台100万円の時に100万円を借りると、その100万円で機械を1つ買える。利子を付けて借金120万円を返すときにインフレになって機械が1台200万円まで値上がりしていたとすれば、実質的な返済負担は減少したことになる。A社は金を借りる前に「機械1.2台の返済をするのか・・・」と思っていたが、実際は機械0.6台の返済で済んだ。
将来的にインフレ率の上昇が予想される場合、上記理由により返済価値の実質的な減少が見込まれるため、「お金をドカンと借りて投資や消費をした方が得だ」と考えるようになり、家計の消費や企業の投資を活発化させる。
お金を貸す業者にとってインフレ率を予測するのが重要な課題となる。
先程の例でいうと、A社にお金を貸すとき「100万円を貸すので120万円を返せ」という契約だとインフレで大損し、「100万円を貸すので200万円を返せ」という契約だとインフレになっても損得無しで収まり、「100万円を貸すので220万円を返せ」という契約だとインフレになっても利益を出せる。
インフレ率を正確に予測するのは難しいので、お金を貸す業者にとってインフレ予測の作業は心理的な負担が大きい。
インフレーションでは、物価の上昇に伴い賃金も上昇するが、物価の上昇に比べると賃金の上昇は遅れ、また上昇幅も少ないため、労働者の実質賃金は低下する。
労働者の実質賃金が低下するため、雇用側としては新たに人を雇いやすくなり、失業率は低下する。
そのため、インフレーションは現在失業中の者にとってはプラスとなり、既に安定した職についている者にとってはマイナスとなる。
インフレが進んで、安定した職に就いている者が損をした例は、第一次世界大戦の好景気に伴うインフレである。ヨーロッパ諸国から軍需物資の注文が殺到し、造船業などの分野で空前の好景気となって一気に経済成長が進んだが、インフレになり、物価が上がり、賃金労働者は生活苦となった。大戦景気というWikipedia記事には、インフレによる生活苦が記述されている。
インフレにおいては、債権者や安定した職に就いている者が損をして、債務者や失業者が得をする。勝ち組が苦しみ、負け組が勝ち組に追いついていく。
このため、国内の経済格差がじわじわと縮小していき、格差社会が解消されていく傾向がある。
供給が一定であるのに対して需要が増加し、需要に対して供給が追いつかないために生じるインフレをデマンド・プル・インフレーションという。
世界のどこかで戦争が起きて軍需物資の注文が殺到することで発生するのが典型例である。日本では、第一次世界大戦や朝鮮戦争のときにそのインフレとなった。
官公需(政府や地方公共団体の需要)を高めつつ民需を抑制せずに国内の需要を高める、という政策をとるとこのインフレになる。2017年1月以降のアメリカ合衆国がその政策を採用しており、2017年~2019年の3年間は2%前後のクリーピング・インフレとなった(資料)。
需要が一定であるのに対して供給が減少し、需要に対して供給が追いつかないために生じるインフレをコスト・プッシュ・インフレーションという。
人件費(賃金)や原材料費のコスト(費用)上昇率が労働生産性の増加率を上回り、供給量が減ることによって発生する。
コスト・プッシュ・インフレーションは人件費・プッシュ・インフレーション(賃金インフレ)と原材料費・プッシュ・インフレーション(資源インフレ、原材料インフレ)に分けることができる[1]。
原材料費・プッシュ・インフレーションの典型は原油価格の上昇によるものである。石油はあらゆる製品の原材料となっており、物価への影響が大きい。日本では第1次オイルショックや第2次オイルショックのときにこのインフレとなった。
デマンド・プル・インフレーションや人件費・プッシュ・インフレーションは、政府が意図的に促進したり抑制したりすることができる。
国産でまかなえる原材料によって発生する原材料費・プッシュ・インフレーションは、政府が意図的に促進したり抑制したりすることができる。米や野菜や牛乳といった原材料を一部廃棄して販売を故意に抑えて価格を上昇させてインフレ促進して農家の保護をする、米や野菜や牛乳といった原材料を一切廃棄せず販売をを故意に増やして価格を下落させてインフレ抑制して外食産業の保護をする、といったものである。
石油や鉄鉱石のようにほぼ100%を外国産でまかなう原材料によって発生する原材料費・プッシュ・インフレーションも、政府が意図的に促進したり抑制したりすることがあり得る。ある資源をA国とB国から調達しているところにB国との商取引を打ち切ってA国だけと取り引きしてA国から高値で買い入れてインフレ促進してA国に恩を売ったりB国を懲罰したりする[2]、ある資源をA国から調達しているところにB国からの調達を始めて安値で仕入れてインフレ抑制する[3]、といったものである。
外国産でまかなう比率が高い原材料によって発生する原材料費・プッシュ・インフレーションは、政府が意図的に抑制することが難しい。外国の生産に影響される事象なので政府の影響力が及びにくい。外国産でまかなう比率が高い原材料による原材料費・プッシュ・インフレーションを抑制するための手段は、政府の自国通貨買い為替介入や中央銀行の利上げで自国通貨を切り上げて輸入を拡大するというものに限られる。
以上のことをまとめると次のようになる。
| 名称 | 状態 | 政府の促進 | 政府の抑制 |
| デマンド・プル・インフレーション | 需要増加 | 促進しやすい | 抑制しやすい |
| 人件費・プッシュ・インフレーション | 供給減少 | 促進しやすい | 抑制しやすい |
| 外国産でまかなう比率が低い原材料による 原材料費・プッシュ・インフレーション |
供給減少 | 促進しやすい | 抑制しやすい |
| 外国産でまかなう比率が高い原材料による 原材料費・プッシュ・インフレーション |
供給減少 | 促進することは 一応あり得る |
抑制が難しい 通貨切り上げで輸入を増やすしかない |
複数の要因でインフレが引き起こされることがある。
日中戦争から太平洋戦争まで、すなわち大東亜戦争の時の日本は、デマンド・プル・インフレーションとコスト・プッシュ・インフレーションの両方が合体して発生したと考えられる。軍隊の活動により日本国内の企業へ軍需物資の注文が殺到し、ABCD包囲網による禁輸措置で原材料の調達が難しくなった。
人々の収入が増加して消費や投資を活発化させることを好景気という[4]。
人件費・プッシュ・インフレーションとデマンド・プル・インフレーションが連動する状態を好景気ということができる。
外国産でまかなう比率が低い原材料による原材料費・プッシュ・インフレーションは、その原材料を生産する人々の収入を増加させるので、その人たちが消費や投資を活発化させる可能性があり、そこから国内の好景気が波及する可能性がある。
外国産でまかなう比率が高い原材料による原材料費・プッシュ・インフレーションは、その原材料を生産する人々の収入を増加させるが、その人たちは海外に住んでいるので、そこから国内の好景気が発生する可能性が少ない。むしろ人々の購買力を押し下げて不景気をもたらすだけになりやすい。
スタグフレーションとは、賃金が一定を保ったり下落したりするのに物価が上昇していく現象のことをいう。多くは不景気を伴う。
コスト・プッシュ・インフレーションの一部の「外国産でまかなう比率が高い原材料による原材料費・プッシュ・インフレーション」であると考えてよい。
第1次オイルショックや第2次オイルショックのときに日本やアメリカ合衆国やイギリスといった先進国諸国がスタグフレーションになった。
ハイパー・インフレは、先述の通り、インフレ率が予測不可能な勢いで急激に上昇していく現象のことである。
ハイパー・インフレは、「外国に占領されて今の政府が消え去るんじゃないか」とか「革命が発生して今の政府が消え去るんじゃないか」といったように通貨発行主体の継続性が疑われた場合に発生しやすい。同時に、戦争などで国土が荒廃したり経済封鎖を受けて輸入が止まったりして、市場に供給される物資そのものが決定的に不足している場合が多い。
このような状態では通貨の信用がほとんど消失し、誰もが通貨を受け取ろうとしなくなり、誰もが「通貨をさっさとモノに交換しておこう」と考えるようになる。しかも物資が決定的に不足しているため、通貨価値がどんどん下落する。そういう状況でも政府は公務員や軍人を雇い続けねばならないため、大量の紙幣を印刷して公務員や軍人に給料として渡す。
こうして、天文学的額面の紙幣が発行されたり、紙幣の重量を測って取引を行うような事態が出来する。画像検索すると、ハイパーインフレ名物ともいえる札束の画像が見つかる(検索1、検索2、検索3)。
これは同時に政府の統治能力が極端に低下していることを意味しており、社会全体が荒廃する結果さらに経済の荒廃が進行する。このような状態ではヤミ経済が横行し物価統計自体が推測に頼らざるを得なくなるようなことも多い。
ハイパーインフレの正式な定義は、アメリカの経済学者フィリップ・ケーガンによると「月率50%」となる。月率50%が1年間続くと年率で1万2975%になるので、「年率1万3千%がハイパーインフレ」といわれることが多いのだが、それは正しい表現ではない。
また、国際会計基準ではハイパーインフレを「3年以内に累積100%、物価がちょうど2倍になる」と定義している。例えば、年率26%のインフレが3年続くと、(1×1.26×1.26×1.26=2.000となるので)累積100%となる。ある年が年間15%、次の年が年間20%、その次の年が年間45%となると、(1×1.15×1.20×1.45=2.001となるので)累積100%となる。「年率26%程度のインフレが3年」と憶えておいても良いだろう。
フィリップ・ケーガンの定義は瞬間的な速さを重視するもので、月率のインフレ率データを作成しなければその定義に該当する現象が起きているかどうか分からない。
国際会計基準の定義は3年間通しての持続性を重視するものである。年率のインフレ率データさえあれば、その定義に該当する現象が起きたかどうかを把握できる。
ハイパーインフレの例としては第一次世界大戦後のドイツ・ワイマール共和国が有名である。
1914年7月から1918年11年まで続いた第一次世界大戦の間でずっと英国や米国やフランスとの貿易が止まっており[5]、ドイツ国内の物資が不足して供給が弱まっていた。ドイツ本国には外国軍隊の砲弾が落ちてくることがなく、ドイツの工業地帯は無傷だったが、いかんせん物資不足だった。
そして総力戦の戦争だったので限られた物資は軍隊に優先して回されており、その間は民需が満たされなかった。1918年11月に戦争が終わって軍需が消えたが、大きな民需が国内に残っていた。
1919年6月に締結されたヴェルサイユ条約と1921年5月の賠償会議で第一次世界大戦の戦勝国から巨額の賠償金を課された。ドイツは不換銀行券の自国通貨を発行しつつ外国為替市場で自国通貨売り・基軸通貨買いを行って外貨を獲得し、その外貨を賠償金として支払うことになった。1921年はそうやって必死に賠償金を払ったが、このせいで自国通貨安・基軸通貨高となり、輸入を行うのが難しくなり、国内の原材料が不足して供給が弱まり、インフレ圧力が掛かった。
そんな中で1923年1月にフランス軍とベルギー軍がドイツ屈指の工業地帯であるルール工業地帯を占領した。これに抗議するためドイツ政府は労働者たちにストライキすることを呼びかけ、ルール工業地帯の生産がぴたりと止まった。
この生産停止をきっかけに猛烈なハイパーインフレが始まった。ドイツ政府はストライキに参加する労働者に対して紙幣を支払って報酬を与えたので、ドイツ国内に紙幣が溢れかえることになった。パン一個が1兆マルクに達した、本を買うのに札束をスーツケースにつめていったなどと逸話には事欠かない。
1918年11月までのドイツは皇帝ヴィルヘルム2世が統治する帝国だったが、1918年11月になって皇帝はオランダへ逃亡していて、帝国が崩壊していた。そういう状況だったので、ドイツ国民に「今の政府が消え去ってしまうかもしれない」という疑心暗鬼も生じていた。
「大きな民需」と「供給能力の決定的な喪失」と「通貨発行主体の継続性への懐疑」が合わさって1923年のハイパーインフレとなった。
史上最も激烈なハイパーインフレに見舞われたのは第二次世界大戦後のハンガリーであるとされており、このときには10垓ペンゲー紙幣が印刷されている(発行はされていない。発行されたのは1垓まで)。
最近ではジンバブエやベネズエラが有名。
ハイパー・インフレが進むと通貨単位が大きくなりすぎて計算するのに不便となる。このため、新たに通貨の計算単位を作ってそれまでの単位と切り替えることがある。これをデノミネーションとかデノミという。
1923年のドイツのハイパー・インフレにおいても「1兆パピエルマルクを1レンテンマルクに交換する」という宣言がなされた。
ちなみにデノミネーションは平時に提案されることがある。福田赳夫総理大臣は1977年10月19日の参議院予算委員会で[6]、また1978年1月4日の恒例の伊勢神宮参拝の際の談話で、デノミに対して前向きな発言をした。「円をデノミネーションして、『1ドル=240円』という状況を『1ドル=1円』ぐらいにして計算しやすくしよう」という提案で、こういうものは国威発揚のデノミと扱われる。
近代化以前の日本において、しばしばインフレーションが発生した記録が残っている。有名なものは江戸時代に荻原重秀が貨幣を改鋳して起こした「元禄・宝永のインフレ」である。
近代化してからもしばしばインフレとなった。この記事で1902年以降の日本のインフレ率が掲載されているので、それに基づいて表を作成する。
| 年 | 年間インフレ率 | 解説 |
| 1946年 | 289.2% | 敗戦直後のインフレ。空襲で生産設備に打撃が与えられ、需要に対して供給が追いつかない状況だった。それに加え、円建てで発行された戦時国債を新規通貨発行で返済していったため、これだけのインフレとなった。 |
| 1918年 | 33.2% | 第一次世界大戦の好景気に伴うインフレ。ヨーロッパ各国から日本に軍需物資の注文が殺到し、需要に対して供給が追いつかなくなってインフレになった。米価も上昇し、大正米騒動が勃発した。 |
| 1974年 | 23.1% | 第1次オイルショックのインフレ。第4次中東戦争の末に産油諸国がOPECを結成し、原油価格を釣り上げた。石油価格が急上昇し、世の中の生産力に打撃が与えられた。 |
| 1951年 | 17.2% | 朝鮮特需のインフレ。1950年に朝鮮戦争が勃発し、朝鮮半島で戦うアメリカ軍からの発注が急増し、需要に対して供給が追いつかなくなった。 |
| 1980年 | 7.8% | 第2次オイルショックのインフレ。産油国イランで革命が起こって原油輸出が止まり、石油価格が急上昇し、世の中の生産力に打撃が与えられた。 |
主なインフレは以上の通りである。「ハイパーインフレは年間26%が3年続くなどして3年以内で物価が2倍になる状態」と国際会計基準が定義しており、それによると敗戦直後のインフレと、1917~1919年のインフレが、ハイパーインフレに該当する。
1940~1942年の3年間は物価が1.94倍、1942~1944年の3年間は物価が1.88倍なので、ハイパーインフレに該当しない。
高度経済成長期のインフレ率は5~7%の範囲に収まっている。昭和末のバブル景気のインフレ率は2~3%と、極めて穏当な水準で推移していた。
2013年3月に日本銀行総裁に黒田東彦が就任して異次元金融緩和を行ったら2014年のインフレ率が2.6%にまで上昇したが、2014年4月に消費税が8%に引き上げられたからか2015年以降のインフレ率が伸び悩んでいる。インフレターゲットを年率2%に設定しているが、達成できていない。
インフレーションを抑制する政策には様々なものがある。本項目では政府と国会が行う政策を解説する。
財政政策は、国会(立法府)と内閣(行政府)が共同で行う。国会は予算議決権や租税を法定する権限があり、内閣は予算編成権・予算執行権や租税を徴収する権限がある。
国債の発行を減らして、国債市場に売却する国債を減らし、政府の財源を減らして、政府の支出を減らし、官公需を減らす。
政府の支出を減らして、公共事業費を減らし、官公需の中の公共事業需要を減らし、公共事業関連の民間企業の売り上げを減らす。こうした政策を緊縮財政と呼ぶ。
政府の支出を減らして、軍事費を減らし、官公需の中の軍需を減らし、軍備を削減する軍縮を行い、軍需関連の民間企業の売り上げを減らす。
所得税の累進課税を弱体化させ、売り上げが増えた民間企業が労働者に富を広く分配せずに経営者や株主へ利益を集中させるようにして、労働者の賃金が上がらないようにして、個人消費を沈静化させて、民需を減らす。
消費課税を増税して消費の沈静化を図る。消費課税とは財・サービスの消費に対して科される租税で、消費税・酒税・ガソリン税などである。なかでも消費税は消費活動に対する総合的な罰金であり、消費を冷え込ませて民需を削減する強力な力を持っている。
消費を沈静化させて民需を削減するため、消費を活発に行う若年層・新婚世帯・子育て世帯への支援をとりやめるか、縮小する。高校教育有償化、大学教育有償化、大学学費の引き上げ、奨学金の金利引き上げ、奨学金の返済義務の免除の停止、結婚した世帯への支援金(結婚新生活支援事業費補助金)の減額、児童手当(子ども手当)の減額、など。
労働者の賃金を引き下げることで、労働者の消費を減らして民需を抑制する。
公務員の雇用を減らしたり、政府機関を民営化したり、軍隊を減員したりして、安定した収入を持つ人を減らし、消費の沈静化をはかる。
公務員の給与を引き下げる。公務員の給与を引き下げることで、世の中の大企業の給与を引き下げる効果がある。中央政府や地方公共団体は、就職市場において大企業と競合しており、優秀な高学歴学生を奪い合っている。中央政府や地方公共団体が公務員給与を引き下げることで、大企業は「我々も給与を引き下げることができる。そういうことをしても、優秀な学生が公的職場に流れることはないだろう」と安心するようになり、大企業の賃下げが進んでいく。
労働に対して賃金を与えないことを政府が率先して行い、世の中の企業に範を示す。災害の後片付け業務に参加した人や、国際的スポーツイベントの観戦に訪れる外国人観光客に対して案内を行う業務に参加した人や、国際的スポーツイベントの観戦に訪れる外国人観光客や参加選手に対して医療サービスを提供した医師・看護師に対して、政府が謝礼金を支払わず、ボランティアのままにする[7]。そうすることで世の中の企業に「労働者にタダ働きをさせてもよい、やりがい搾取をしてもよい」という気風が生まれ、企業が労働者にサービス残業を強要する風潮が生まれ、賃下げの流れが生まれることが期待できる。
(以下のことは政策というよりは単なる容認・黙認だが、とりあえず本項目に記述しておく)
経団連のような大企業の集まりが「賃下げをすることで企業の国際競争力が高まる」「労働者は滅私奉公の精神を持ち、国際競争力を高めるための賃下げを受け入れるべきだ」と言いだしても政府がそれに反論せず[8]、企業が賃下げをすることを容認する。
成果主義を導入した企業経営者が従業員に対して「成果が伴わない労働には賃金を支払わなくてよい」という態度を示すようになっても政府がそれに反論せず、企業が賃下げするのを容認する。
「企業は株主の所有物であり、株主の利益になるような行動をとるべきである。従業員の賃金を減らして株主の配当に回すべきである」という思想を株主至上主義(株主資本主義)というが、そういう思想が広がっても政府がそれに反論せず、企業が賃下げするのを容認する。
国内の人々の労働時間を操作する労働政策には、インフレを抑制する効果がある。
労働政策によって長時間労働を国内に蔓延させれば、「仕事が忙しくてお金を使うヒマがない」という状況になり、人々の消費意欲が減退していく。
公務員の雇用を減らし、公的職場を人手不足にして、公的職場の長時間労働を増やし、公務員の余暇を減らし、消費を沈静化させる。
中央政府や地方公共団体は、就職市場において大企業と競合しており、優秀な高学歴学生を奪い合っている。中央政府や地方公共団体が公務員の余暇を減らすことで、大企業は「我々も従業員の余暇を減らすことができる。そういうことをしても、優秀な学生が公的職場に流れることはないだろう」と安心するようになり、大企業の長時間労働が増えていく。
労働基準監督署の人員を減らして世の中の企業への監視が行き届かないようにして、企業の長時間労働を増やし、労働者の余暇を減らし、消費を沈静化させる。
所得税の累進課税を弱めて、労働意欲を刺激して、「仕事すればするほど金を稼げる」とみんなが欲張る状況にして、仕事中毒(ワーカホリック)の人を増やして、長時間労働を好む社会的風潮を作り上げ、労働者の余暇を減らし、消費を沈静化させる。
国内の人々の「財テクに費やす時間」を操作する政策にも、インフレを押さえ込む効果がある。
株式や債券といった証券の売買や、先物取引や、外国通貨の売買(外国為替証拠金取引)や、暗号資産の売買に、個人が簡単に参加できる体制を作り上げる。
キャピタルゲイン税(株式等譲渡益課税)やインカムゲイン税(株式等配当課税)について、累進課税を弱体化させたり、一律課税にしたり、一律課税にしてから税率を引き下げたりして、「やればやるほど稼げる」と考えさせる[9]。
そうすると、「寝ても覚めてもお金を増やすことばかり考えていて、消費をしようとしない人」の割合が増えて、余暇と消費を重視する気風が消滅し、国内の消費が沈静化していく。
間接金融を弱体化させて直接金融への転換を図る。直接金融は企業が株式や社債で市場から資金調達する金融システムで、間接金融は企業が銀行からの借り入れで資金調達する金融システムである。具体的には、株式の最低購入数を引き下げて個人投資家が簡単に株式を購入できるようにしたり、NISA制度[10]で株式投資へ勧誘したりする。そうすることで、国内の人々の「財テクに費やす時間」を増加させて消費の余裕を削減して消費を沈静化させることができる。また、株主至上主義を強化することができ、株主が「従業員の給与を減らして株主への配当を増やせ」と要求するようになり、従業員の賃下げを進める気運が広まり、国内の消費が沈静化し、民需が小さくなり、インフレが抑制されていく。
貿易のあり方を決める通商政策にも、インフレを押さえ込む効果がある。
インフレを抑制するには、供給の増大を図ればいい。日本の家電業界では時が経つにつれて生産技術が向上して大量生産が可能となり、商品の値段が次第に下落していくことが多い。それと同じことが一国の経済全体でも起こるとインフレ抑制となる。
最も手っ取り早い供給の増大は、自由貿易の促進である。関税を下げて安価な海外製の製品を大量に輸入すれば、供給が一気に増大してモノが満ちあふれ、物価が下がってインフレが抑制されていく。
関税を低くして自由貿易を促進すると、企業経営者たちは、従業員に向かって「君たちは比較的に高賃金を得ているが、発展途上国の低賃金労働者と同じような働きをしている。君たちを雇用することをやめて、工場を低賃金の発展途上国へ移転して、発展途上国の低賃金労働者を雇用して、海外で作った製品を国内に輸入しようと思う」と宣告して、実際にそういう行動をとるようになる。
「自分たちの仕事が海外に流出するかもしれない」と従業員が考えるようになり、従業員は自信を喪失し、賃上げを要求する意気を持つことができなくなる。国内の各企業で賃下げの傾向が強まり、国内で安定した給料を得る人が減り、国内の個人消費が冷え込み、インフレが抑制されていく。
関税を低くして自由貿易を促進すると、民間企業において企業の従業員の給料を減らす方向に物事が進んでいきやすい。このため、自由貿易は賃下げ貿易と表現することができる。
本項目では中央銀行(日本なら日銀、アメリカ合衆国ならFRB)が単独で実行する政策を解説する。中央銀行は早くて機動的な行動をとることができる。
中央銀行が資金吸収オペレーションをして、短期金融市場に出回る余剰通貨の量を減らし、短期金利を上げて利上げすると、つまり金融引き締めすると、デフレ圧力がかかりインフレが抑制される。
日銀が短期金利を上げて利上げすると、市中銀行が企業・家計に貸し出す際に掛けられる「市中の短期金利」も上がる。市中銀行は短期金融市場のインターバンク市場(銀行間取引市場)で借り入れる金利よりも高い金利で企業・家計に貸し出して利鞘(利ざや)を稼いでいるからである。このため企業・家計は借り入れが難しくなり、消費が抑制され、デフレ圧力がかかってインフレが抑制される。
また短期金利が上がると、市中銀行は短期金融市場で日銀当座預金を借りにくくなり、市中銀行は日銀当座預金の額を増やしにくくなり、貸し出し限度額を増やしにくくなり、企業・家計に貸し出ししにくくなる(準備預金制度の記事で解説されている。ただ、近年はバーゼル合意に基づく自己資本比率規制で銀行の信用創造を制限するのが主流なので、この説明はやや古い)。
中央銀行が資金吸収オペレーションをして、短期金融市場に出回る余剰通貨の量を減らし、短期金利を上げて利上げし、アメリカ合衆国の短期金利よりも高くなると、国際的に活動する機関投資家が「アメリカ合衆国でアメリカ合衆国ドルを借りて入手し、アメリカ合衆国ドルを日本円に交換して日本円を入手し、日本円を持って日本の短期国債市場へ行き、日本の短期国債を購入しよう」と考えるようになり[11]、外国為替市場で円買いドル売りが進んで円高ドル安になる。
円高ドル安になると、輸出企業は輸出が難しくなるので国内への出荷を目指すようになり、輸入企業は輸入しやすくなる。国内のモノの供給が増え、国内需要よりも国内供給が優勢になり、デフレ圧力がかかり、インフレが抑制される。
本項目では政府の指示を受けた中央銀行が実行する政策を解説する[12]。
ある国が固定相場制や管理変動相場制[13]を採用している場合、自国通貨の切り上げをするとデフレ圧力が働く。
自国通貨の切り上げというのは自国通貨高・基準通貨安のことであり、アメリカ合衆国ドルが基準通貨であることを踏まえると自国通貨高・ドル安のことになる。日本でいうと円高ドル安である。
日本なら、政府の指示を受けた中央銀行が外国為替市場に為替介入し、外貨準備高を減らしながら円買いドル売りをして、円高ドル安に導いていく。
円高ドル安になると、先述のようにデフレ圧力がかかり、インフレが抑制される。
ある国で年間5%のインフレになったとする。この状態が続くのは望ましくないので、年間3%のインフレに誘導しようということになった。この場合、国によって対応が変わってくる。
一切の対外貿易をせず一国のみの閉鎖経済ですべてをまかなっている国なら、輸入でインフレ率を変化させることができない。そのまま年間5%のインフレが続いてしまうのもまずいので、政府が増税したり中央銀行が利上げしたりして国内の需要を減らして年間3%のインフレに押さえ込む。
対外貿易を行って国際経済に参加する国なら、年間5%のインフレを解消するため、輸出を減らし、輸入を増やす。それが続くと国内のモノの供給が増えていくので年間3%のインフレに落ち着かせることができる。需要そのものを傷つけず、供給だけを増やすことが可能となる。
輸出を減らして輸入を増やすことの継続力は、国によって異なる。
対外貿易を行って国際経済に参加する国は、3種類ほどに分けることができる。「固定相場制や管理変動相場制を採用していて外貨準備高が多い国」と、「固定相場制や管理変動相場制を採用していて外貨準備高が少ない国」と、「変動相場制の国」である。
固定相場制や管理変動相場制を採用していて外貨準備高が多い国は、政府が外貨準備高を減らしつつ自国通貨買い・ドル売りの為替介入を行い、通貨切り上げを行って、自国通貨高・ドル安にする。そうすると輸出が減って輸入が増える。
輸出が減ることで「ドルを稼いだので自国通貨に交換しよう」と考える業者が減り、外国為替市場で自国通貨買いドル売りの勢いが弱まる。輸入が増えることで「自国通貨をドルに替えてそのドルで海外の物資を購入しよう」と考える業者が増えて、外国為替市場での自国通貨売りドル買いの勢いが増える。こうして自国通貨売りドル買いが主流となり、自国通貨安ドル高の圧力がかかり、通貨が切り下がっていく。
通貨が切り下がると輸入が減ってしまうので、再び政府が外貨準備高を減らしつつ自国通貨買い・ドル売りの為替介入を行い、通貨切り上げをする。
これがどんどん続くと、政府が所有する外貨準備高が減っていく。
「固定相場制や管理変動相場制を採用していて外貨準備高が多い国」において需要を拡大して輸入を活用すると、需要の大きさに比例して外貨準備高の減少速度が決まる。
需要を極度に拡大して輸入を活用すると、外貨準備高が減るペースが速くなるので「需要の拡大をやめよう、政府が増税したり中央銀行が利上げしたりして需要を減らそう」という意見が大勢になる。
需要をほどほどに拡大して輸入を活用すると、外貨準備高が減るペースが遅くなる。「政府が増税したり中央銀行が利上げしたりして需要を減らそう」という人もいるし、「需要をこのまま維持すれば人材の育成になる。その人材が将来に外貨準備高を増やす力となる」と論ずる人も出てきて、議論が拮抗する。
固定相場制や管理変動相場制を採用していて外貨準備高が少ない国は、通貨切り上げのため自国通貨買いドル売りの為替介入をすると、すぐに外貨準備高が底を付いてしまう。
外貨準備高を回復させるため、アメリカ合衆国ドル建て国債を発行して、それを市場に売るようになる。
アメリカ合衆国以外の全ての国にとって、アメリカ合衆国ドル建て国債は債務不履行(デフォルト)の危険があるものである。アメリカ合衆国ドル建て国債を返済できなくなったら、アメリカ合衆国政府やIMF(国際通貨基金)に土下座して支援を頼むことになる。IMF(国際通貨基金)に土下座して支援を受けるとその代償として徹底的に内政干渉され、自主的な経済政策を実行できない国に成り果ててしまう。
固定相場制や管理変動相場制を採用していて外貨準備高が少ない国のなかでアメリカ合衆国ドル建て国債を発行することを絶対に避ける国は、変動相場制に移行することになる。
変動相場制の国で輸出が減って輸入が増えると、「ドルを稼いだので自国通貨に交換しよう」と考える業者が減り、外国為替市場で自国通貨買いドル売りの勢いが弱まる。輸入が増えることで「自国通貨をドルに替えてそのドルで海外の物資を購入しよう」と考える業者が増えて、外国為替市場での自国通貨売りドル買いの勢いが増える。
こうして自国通貨売りドル買いが主流となり、自国通貨安・ドル高が進む。そうなると輸入が難しくなり、国内の生産業者は「国内に出荷して自国通貨を稼ぐよりも、海外に輸出してドルを稼いだ方が得をする」という誘惑に負けて輸出をするようになる。
年間5%のインフレを輸入で解消することが難しくなり、結局、政府が増税したり中央銀行が利上げしたりして需要を減らして年間3%のインフレに押さえ込むことになる。
以上のことをまとめると次のようになる。
| 貿易をしない国 | 固定相場制や管理変動相場制を採用していて外貨準備高が多い国 | 固定相場制や管理変動相場制を採用していて外貨準備高が少ない国 | 変動相場制の国 | |
| 国内の需要が増えてインフレが激しくなったときどういう対応ができるか | 国内の需要を減らす。輸入に頼れない | 外貨準備高を減らしつつ自国通貨切り上げをして、またはその為替水準を維持して、輸入を増やしてインフレを抑える | アメリカ合衆国ドル建て国債を売却しつつ自国通貨切り上げをして、またはその為替水準を維持して、輸入を増やしてインフレを抑える | 国内の需要を減らす。輸入に頼れない |
| その長所 | 外貨準備高について悩まなくてよい | 国内の需要と活気を維持できる | 国内の需要と活気を維持できる | 外貨準備高について悩まなくてよい |
| その短所 | 国内の需要を減らすことで国内の活気を潰す | せっかく貯め込んだ外貨準備高を減らしてしまう | アメリカ合衆国ドル建て国債という危険なものを抱えねばならない | 国内の需要を減らすことで国内の活気を潰す |
2021年現在の日本は変動相場制の国である。
とはいえ、いつでも「固定相場制や管理変動相場制を採用していて外貨準備高が多い国」に変身できる。2020年の日本の外貨準備高は1兆ドルで世界2位であり(資料1、資料2)、長期的にずっと右肩上がりに推移してきた(資料)。
変動相場制と固定相場制・管理変動相場制の違いはどこにあるのだろうか。
結論を先に言うと、変動相場制はインフレ制御をあまり正確に実行できないが外貨準備高のことを考えずに済む、固定相場制・管理変動相場制はインフレ制御を正確に実行できるが外貨準備高の変動が激しい、という違いがある。
外貨準備高が多い国なら、固定相場制・管理変動相場制を導入して、インフレ制御をより正確に実行するという選択肢がある。
外貨準備高が少ない国なら、変動相場制を選択するしかなく、正確なインフレ制御を放棄するしかない。
日本が変動相場制で、短期金利を2%から2.25%に利上げするときのことを考えてみよう。それだけ見れば貸出金利利上げによる国内需要の削減でデフレ圧力を掛けることができそうだが、アメリカ合衆国の短期金利によって為替相場が変わって輸出入の変動が起こり想定よりも異なるデフレ圧力になる。
| 日本が短期金利を 2%から2.25%に利上げし 国内需要を削減して デフレ圧力を掛ける |
米国が短期金利を 2%から2.5%に利上げ |
日米金利差のため 円売りドル買いが続き 円安ドル高になり 輸出増輸入減で インフレ圧力 |
デフレ圧力とインフレ圧力が相殺される |
| 日本が短期金利を 2%から2.25%に利上げし 国内需要を削減して デフレ圧力を掛ける |
米国が短期金利を 2%から2.25%に利上げ |
為替の変動が起こらない | デフレ圧力が狙いどおりに掛かる |
| 日本が短期金利を 2%から2.25%に利上げし 国内需要を削減して デフレ圧力を掛ける |
米国が短期金利を 2%のまま維持 |
日米金利差のため 円買いドル売りが続き 円高ドル安になり 輸出減輸入増で デフレ圧力 |
デフレ圧力が思ったよりも強く掛かる |
日本が固定相場制・管理変動相場制で、短期金利を2%から2.25%に利上げするときのことを考えてみよう。アメリカ合衆国の短期金利によって外貨準備高の増減に影響が出る。
| 日本が短期金利を 2%から2.25%に利上げし 国内需要を削減して デフレ圧力を掛ける |
米国が短期金利を 2%から2.5%に利上げ |
日米金利差のため 円売りドル買いになるが 円買いドル売りの 為替介入で相殺する |
デフレ圧力が狙いどおりに掛かるが外貨準備高が減っていく |
| 日本が短期金利を 2%から2.25%に利上げし 国内需要を削減して デフレ圧力を掛ける |
米国が短期金利を 2%から2.25%に利上げ |
為替の変動が起こらない | デフレ圧力が狙いどおりに掛かる。外貨準備高は変わらない |
| 日本が短期金利を 2%から2.25%に利上げし 国内需要を削減して デフレ圧力を掛ける |
米国が短期金利を 2%のまま維持 |
日米金利差のため 円買いドル売りになるが 円売りドル買いの 為替介入で相殺する |
デフレ圧力が狙いどおりに掛かる。外貨準備高が増えていく |
世の中は通貨以外にも様々なインフレに包まれている。
要するに、「ありがたみがどんどん減っていく」と言うこと全般を指す。
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最終更新:2025/12/10(水) 17:00
最終更新:2025/12/10(水) 17:00
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