キングとは、SNKの対戦型格闘ゲームの登場人物である。
初出は『龍虎の拳』(1992年)。SNKの格闘ゲームにおける初の女性キャラクターである。
ムエタイを操る男装の麗人。金髪碧眼の長身でスタイルの良い美女。フランス出身で、早くに両親を亡くし弟と二人で生きてきた。キングというのは偽名だが、本名は現在まで明らかにされていない。
彼女のムエタイは独学で身に付けた自己流であり、タイトルを経るにつれて肘膝の使用頻度が減ったこともあってあまりムエタイらしさは無い。コミカライズを手掛けた天獅子悦也や鷹岬諒は、作中でフランス式キックボクシングの「サバット」との関連を指摘している。
『龍虎の拳』ではサウスタウンのレストラン「ラ・モール」のバウンサー(用心棒)を務める傍ら、裏ではMr.ビッグの組織と関わりを持っていた。ストーリーでは4人目の対戦相手で、誘拐されたユリ・サカザキの行方を追うリョウ・サカザキとロバート・ガルシアに初めて有力な情報をもたらす相手でもある。
この時は性別を偽って男性として振る舞っており、必殺技以上の技でKO(ケズリでも可)すると上着が破れて女性だと判明する脱衣KOというギミックがあり、普通に女性として登場する続編以降もシリーズの恒例となった。
『龍虎の拳2』ではバウンサーを辞めて裏社会とも縁を切ったが、唯一の肉親で足の不自由な弟・ジャンの治療費を稼ぐ為に再びストリートファイトに身を投じ、ギース・ハワードが開催した第一回KOFに出場する。エンディングではかつてユリの捜索に協力した返礼としてリョウとロバートの協力を得て、ジャンの足は無事に完治した。
初登場時の年齢は21歳で『2』では22歳。リョウやロバートとは同い年でユリの4歳上、ギースの4歳下である。
『THE KING OF FIGHTERS』(以下KOF)シリーズでは第一作『'94』から客演している。
同作では足の完治したジャンと共にイギリスに渡り、バー「イリュージョン」のオーナー兼マスターとなっている。既に戦う理由を無くしておりファイターとして引退しかけていたが、不知火舞とユリ・サカザキに絆されて現役復帰し「女性格闘家チーム」を結成。ジャンの応援も受けて出場を重ねている。チームのリーダーは(最年長だから)彼女だがメンバーの変遷の激しいチームであり、キングも「龍虎の拳チーム」に移ったり欠場するなどして参加しなかったタイトルがある。
当初は舞より3歳年上の24歳(『'95』以降)とされていたが、途中から明確な年齢設定が無くなり漠然と「舞より年上」という有難くない扱いになってしまった。
こちらではリョウとの関係についてクローズアップされることが多く、彼女を慕うユリや格闘家としての実力を見込んだタクマにリョウとの結婚を望まれている。キングも満更ではない反応を見せているが、リョウがそういったことにはまるで疎いため毎回意識してしまっては赤面するキングが可愛いだけの展開に終わっている。
『'94』『'95』では彼女とユリだけ脱衣KOを再現しており、『'96』でグラフィックが描き直された際に削除されたが『XIII』で再び実装された。
初代では飛び道具の「ベノムストライク」が同作特有の弾速に加えて発生の早さや硬直の短さでも優れており強力。
『2』では気力ゲージがゼロの時に「トラップショット」を利用した連続技が非常に強く、ゲージを空にした方が強いという妙なことになっていた。同作の近距離立ち弱キック(防御前蹴り)は初めて実用的なガードポイント(打撃防御判定)を搭載した技の一つであり、KOFでも伝統的に再現されているが、現在の格闘ゲームでは近距離重視のパワーキャラに搭載される傾向にあるため、中距離タイプの女性キャラが何故持っているのか首を傾げる新規プレイヤーもたまにいる。
リーチが長く隙の少ない足技を中心とした中距離戦主体のキャラクター。連続技の爆発力では劣るが、攻撃力が高めでペースを譲らずに戦うのが得意。
飛び道具の「ベノムストライク」はタイトルによって射程が短かったり、上下段に撃ち分けられたり、空中でも撃てたりと性能は異なるが概ね使い勝手が良い。リーチが長い下段技のスライディングキック、判定が強く牽制や足払いを潰せる「トラップショット」、ガードされても反撃を受けにくい突進技の「トルネードキック」(『'95』仕様)など中距離で有効な技を持つ。
タイトルによっては無敵対空技に乏しいが、上から下に蹴り下ろすジャンプふっとばし攻撃が空対空で非常に強く、地上対空には屈C、ジャンプ防止には遠距離立ちDと通常技が優秀なのでそれほど問題にならない。
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最終更新:2025/12/07(日) 02:00
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