クリスエヴァート 単語

クリスエヴァート

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クリスエヴァート(Chris Evert)とは、1971年生まれのアメリカの競走馬である。

ニューヨークトリプルティアラを達成するなど優秀な競走成績を残したが、繁殖牝馬としても名牝系の祖となった。

概要

父Swoon's Son、母Miss Carmie、母父T.V. Larkという血統。
父スウォーンズサンは年度表彰こそ一度も受賞出来なかったが2歳から5歳まで毎年20万ドル以上を獲得する安定した活躍を続け、最終的に51戦30勝という成績であった。
母ミスカーミーは現役時代11戦3勝。
母父ティーヴィーラークはワシントンDCインターナショナル勝ちなど71戦19勝、1961年の米国最優秀芝馬である。

本馬は1歳時のキーンランドセールで3万2000ドルという価格で購買された。落札したカール・ローゼンは、自身が経営していたピューリタンファッションズという衣類会社(現在はカルバン・クラインに吸収合併されている)のスポーツウェアを使用していた若手テニスプレイヤーの名前をそのまま取って本馬に付けた。
テニスファンならお気づきかもしれないが、本馬の名の由来となったのは本馬のトリプルティアラ達成と前後して頭角を現し、4大大会女子シングルス18勝・女子ダブルス3勝、全仏オープン女子シングルスでは未だ歴代1位の7勝を挙げた「アイスドール」ことクリス・エヴァートその人である。

競走成績

2歳9月にデビューし、初戦と一般競走を連勝したものの、中3日で出走したフリゼットS(GI・1マイル)ではバンドラーという馬に半馬身差で敗れ2着となった。しかし翌月のゴールデンロッドS(GIII)でバンドラーを破って勝利すると、続くデモワゼルS(GIII)も勝利し、5戦4勝でシーズンを終えた。

約半年の休養を取り、3歳時は5月のカムリーS(GIII)で今後の主戦となるジョン・ヴェラスケス騎手との初コンビで始動したが、ここでは3着であった。10日後のエイコーンS(GI・1マイル)は分割競走となり、本馬は前走の勝ち馬クリアコピーや前年エクリプス賞最優秀2歳牝馬のトーキングピクチャーと同じグループに編成されたが、クリアコピーを3/4馬身差で破って勝利した。

マザーグースS(GI・9ハロン)ではデビュー戦で本馬の2着に敗れた後に3歳4月のアッシュランドS(GIII)を圧勝したモードミュラーを半馬身差で退けて勝利し、トリプルティアラ最終戦のCCAオークス(GI・12ハロン)も3馬身半差で完勝。史上3頭目のニューヨークトリプルティアラ達成馬となった。

トリプルティアラを達成した後、この頃西海岸で活躍していたミスマスケットという同世代の牝馬の陣営が、本馬の陣営に対して10万ドル出し合い勝者総取りのマッチレースをやろうと持ちかけてきた。本馬の陣営はこれを承諾し、この話を聞いたハリウッドパーク競馬場が更に15万ドルを出すことで決まり、CCAオークスの4週間後にハリウッドパーク競馬場のダート10ハロンでマッチレース「ハリウッドスペシャルステークス」が開催されることになった。当時のアメリカの最高賞金を上回る合計35万ドルの賞金がかかったこのマッチレースだったが、結果的にはクリスエヴァートが50馬身という大差を付けて圧勝した。

拠点の東海岸に戻って3週間後のアラバマS(GI・10ハロン)に出走したクリスエヴァートだったが、マザーグースSで3着に破ったケンタッキーオークス馬クワジキルトにクビ差で敗れ2着だった。続けて連闘で牡馬相手のトラヴァーズSに出走したが流石にハードルが高かったか3着に敗れ、しばらく休んだ後大晦日のレースに出て勝利しシーズンを終えた。この年はエクリプス賞最優秀3歳牝馬を受賞した。

4歳時は再び西海岸に遠征してサンタアニタパーク競馬場で2戦したが、この年から新設された初戦のラカナダSは勝ったものの続くサンタマルガリータハンデキャップ(GI・9ハロン)では8着と生涯唯一の大敗を喫し、これを最後に引退した。通算成績は15戦10勝・GI3勝だった。

繁殖成績

馬主のローゼンの基礎繁殖牝馬として、当時の新興牧場であったケンタッキー州スリーチムニーズファームで繁殖入りしたクリスエヴァートは、生涯5頭の仔を産んだが、その後は不受胎や死産が相次いで1頭も仔を出せず、1988年に米国競馬の殿堂入りを果たした後の1990年に繁殖を引退して功労馬となった。直仔はステークスウィナーが2頭いた以外は良い成績を残せず、ちょっと期待外れの感もある成績であったが、この馬に関しては産駒たちが繁殖に上がってからが本番であった。なにせ5頭の牝馬全てが仔か孫からステークスウィナーを出しているのだ。

まず、三冠馬セクレタリアトとの間に産まれた初仔、その名もシックスクラウンズ(六冠)の仔にはBCジュヴェナイル、トラヴァーズSなどGI6勝を挙げたチーフズクラウンとGI2勝を挙げた*クラシッククラウンがおり、*クラシッククラウンは日本に輸入されて孫からリーチザクラウンなどを出している。

4番仔ニジンスキースターの子孫にはロバート・フランケル師が最高の牝馬と惚れ込んだサイトシーク(米国でGI6勝)、英仏1000ギニーをいずれも繰り上がりで勝利したスペシャルデューティなどがいるし、GI馬こそ出ていないが2番仔トーナメントスターの牝系からはスプリングボックス(小倉サマージャンプ)、3番仔ウィンブルドンスターの牝系からはサウンズオブアース(GI2着3回)が出ている。クリスエヴァートの牝系は各国に広まり、確固たる勢力を維持しているのである。

こうして世界的な名牝系の祖となったクリスエヴァートは、2001年に老衰のため死亡した。30歳という長寿であった。

血統表

Swoon's Son
1953 鹿毛
The Doge
1942 黒鹿毛
Bull Dog Teddy
Plucky Liege
My Auntie Busy American
Babe K.
Swoon
1942 栗毛
Sweep Like Sweep
Lady Braxted
Sadie Greenock Greenock
Silk Lady
Miss Carmie
1966 鹿毛
FNo.23-b
T.V. Lark
1957 鹿毛
Indian Hemp Nasrullah
Sabzy
Miss Larkfly Heelfly
Larksnest
Twice Over
1956 黒鹿毛
Ponder Pensive
Miss Rushin
Twosy Bull Lea
Two Bob

クロス:Bull Dog 3×5×5(18.75%)、The Porter 5×5(6.25%)

  • 母ミスカーミーの牝系は大きく発展し、本馬を通さないラインにもウイニングカラーズ、タップダンスシチー、ディープスカイなどがいる。

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関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • リーチザクラウン - 玄孫

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