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シーザスターズ

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シーザスターズ(Sea The Stars)とは、2009年生まれのアイルランドの競走馬である。

2009年にGⅠ6連勝を挙げ、超が付く良血に恥じない活躍を見せた。主戦騎手はマイケル・キネーン。

概要

現役時代

父はマイルGⅠ1勝のみながら種牡馬として活躍したCape Cross、母は13番人気で凱旋門賞を制したUrban Sea、兄に英ダービー、キングジョージなどを制したガリレオを持ち、ほかの兄弟姉妹にもGⅠ馬や重賞馬がゴロゴロいる世界でも最高レベルの良血。

2歳7月のデビュー戦こそ4着と敗れるが、その後未勝利戦、GⅡを2連勝。血統も手伝い3戦2勝ながらクラシックの有力馬に数えられ始める。

その後7か月余りの長期休養を挟み英2000ギニーへ直行。有力馬が多数出走しており、戦歴の少ないシーザスターズは6番人気どまりだったが、中団から直線で1番人気のDelegatorを差し切り優勝。GⅠ初制覇を果たした。

英ダービー出走に関しては、短距離馬だった父Cape Crossのイメージからか距離不安がささやかれ、陣営も馬場が悪化したら回避する可能性もあるとしていたが、最終的には出走を決定。2000ギニー馬のダービー参戦は6年ぶりであったというから、この挑戦がいかに難しいものであるかうかがい知れよう。

そんな不安の中で参戦したダービーだったが、インコースの中団前目で追走すると直線で手ごたえ抜群に脚を伸ばし、最後は追ってきたFame and Glory以下を封じ込めて完勝。Nashwan以来20年ぶりの英国二冠馬となった。

この後アイリッシュダービーを馬場悪化で回避すると、陣営は古馬中距離戦線へ舵を切ることを決定。英国三冠?なにそれ美味しいの?手始めにエクリプスSに参戦する。前年のBCターフ馬Conduit、後にGⅠ3勝を挙げるRip Van Vinkleなど有力馬が揃ったが、内ラチ沿いからまたも強烈な末脚を繰り出し勝利。古馬相手にも全く見劣りしない能力を見せつけた。

この後シーザスターズは4頭立ての英インターナショナルSに参戦。最後方からレースを進めると直線で粘るMastercraftsmanを差し切りレコードで勝利。続く愛チャンピオンSは英ダービーの後アイリッシュダービーを圧勝したFame and Gloryと再戦するが、添え物にもならないような強さで完勝。勇躍凱旋門賞へ駒を進める。セントレジャー?バカ言うんじゃないよ。

この凱旋門賞、これまで戦ってきたConduitやFame and Gloryのほかにも6戦無敗の3歳牝馬Stacelita、2年連続凱旋門賞2着のオルフェ枠Youmzainなど多くの有力馬が集まっていたが、シーザスターズはその中でもオッズ2倍を切る圧倒的人気を集めた。

本番、シーザスターズは行きたがる素振りを見せるがどうにか中団のインで落ち着く。そのまま直線に入ると最内に進路を取り馬群を突破。最後は力尽きたStacelitaを避けて牝馬2頭の間から抜け出し、そのまま2馬身差をつけてゴール。GⅠ6連勝で凱旋門賞を制した。英2000ギニー・英ダービーの二冠馬が3歳で凱旋門賞を勝つのは史上初。また、母Urban Seaと史上2組目の母子凱旋門賞制覇も成し遂げた。ちなみにその後ろでYoumzainがしれっと3年連続2着という珍記録を成し遂げた。ナイスネイチャ枠だったか……。この勝利を最後に引退。アメリカ遠征も計画されたが叶わなかった。

通算9戦8勝、GⅠ6勝。負けはデビュー戦の1度きり。着差こそ大きくはなかったが、常にそれ以上の強さと安定感を見せ続けた。

ガリレオ、モンジュー、ジャイアンツコーズウェイなど数多くの名馬に乗り、この年を最後に引退したマイケル・キネーン騎手をして「生涯最高のパートナー」と言わしめた。また、シーザスターズとのコンビでは、相手の作戦を看破し、なおかつ仕掛けを1ハロン遅らせるという神業を見せた英インターナショナルSや、引っ掛かった彼を中団に抑え、直線で巧みな進路どりを見せた凱旋門賞など、キネーン騎手の好騎乗が数多く見られた。最高の馬と最高の騎手が出会った結果、稀代の名馬が生まれたと言えるだろう。

ちなみにシーザスターズはアイルランドの競走馬だが、管理していたのはシンダー、アラムシャーなどを手掛けたジョン・オックス調教師である。そのためかシーザスターズはアイルランドで無敵を誇る名伯楽エイダン・オブライエン陣営に徹底マークを受けた。4頭立ての英インターナショナルSは本馬を除く全馬がオブライエン厩舎、愛チャンピオンSには3頭のラビットを含む5頭を送り込んだというからその執念がうかがえよう。しかし何をどうしてもシーザスターズに勝てなかった。オブライエン涙目。まあこの時オブライエン厩舎からシーザスターズにぶつけられたFame and GloryやRip Van Vinkleなどは後にいくつもGⅠを制するので、決して弱いわけではなかったのだが・・・相手が悪すぎたと言うほかない。

種牡馬として

これだけの成績を残したシーザスターズには、当然大きな期待を寄せられ、初年度の相手には凱旋門賞馬ザルカヴァ、日本でGⅠ7勝し引退後アイルランドに渡っていたウオッカなど世界的名牝が集まった。

こうして2013年にファーストクロップがデビューした・・・のだが、重賞ホースこそ出たもののいまいちパッとせず、「まさか期待外れか!?」と思われた。

ところがどっこい、2014年になると外ラチまでぶっ飛びながらドイツダービーを11馬身差で圧勝したシーザムーン、無敗でキングジョージを制した牝馬タグルーダらが大活躍し、2世代のみでサイアーランキング12位を記録し一躍種牡馬としての評価を高めた。その後しばらくGⅠ馬が現れずファンや関係者をやきもきさせたが、2016年にHarzandが英ダービーを制し親子制覇を達成。スタッドインして2,3年目は種付け数が減り産駒の質も落ちる時期なので、彼の本領発揮はこれからとも言える。

血統・実績・実力・人気いずれも文句のつけようがなく、すでに6度の英愛リーディングサイアーに輝きこの世の春を謳歌する兄ガリレオと共に、これからの欧州競馬を背負って立つ1頭と言えるだろう。

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ほろ苦いデビュー

クラシック戦線での活躍

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凱旋門賞での雄姿

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関連項目

  • 競馬
  • ガリレオ(競走馬)
  • オブライエン涙目
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