スミス・アンド・ウェッソンとはアメリカの銃器メーカーである。略称は頭文字を取ったS&W。世界的に著名な銃器メーカーの一つだが、なにかとネタに事欠かない会社としてもつとに有名である。
概要
名前の通り、スミスさんとウェッソンさんが1852年に起こした。拳銃製造では、WW2前から戦後に至るまでリボルバーを中心に事業を行っており、警察の制式拳銃として多くの機関に採用された。WW2後にセミオートピストルにも手を出す。公的機関の採用にあっては、どちらかというと軍事方面より警察方面に強い。日本の警察はなにかと同社の拳銃を採用している。またコルトのM1911やM4ベースの銃の製造も行っている。
製品の中には傑作にふさわしいものがある一方で、「どうしてこうなった?」と思われるものがないではない。
諸悪の根源は、技術開発部門であり高品質・高価格商品に位置づけられるパフォーマンスセンター。他社との競争に打ち勝つため「高価格・高品質・独自性」を打ち出した結果、傑作が生まれる一方、迷作も多数生み出された。
同社のサイトでは製品に合致する用途が紹介されている。用途は競技用、護身用、自宅警備用、法執行用、軍用、遊戯用、狩猟用で、自分の目的に銃があっているかどうかが分かりやすい。
ネタ
- ずっとリボルバーを作っていたが、「どうも今後はセミオートピストルが主流になるらしい」と思いM39を開発したものの、最初の頃はイマイチな評価がされた。
- 10mmオートが不評だからと.40 S&W弾を作ってみたが、9mm用の構造をあまり直さず流用した銃を使って発表したために、欠陥呼ばわりされかけた。
- ポリマーフレームが流行りだからとシグマを開発したら、グロックから特許侵害で訴えられた。
- ワルサーのポリマーフレーム拳銃であるP99をライセンス生産したが、さっぱり売れなかった。
- 迷走経営をしてた頃、「やっぱり世界最強の拳銃作ろっか!」という事でM500を作ったら、バカ売れして経営が持ち直した。(でも撃って怪我しても知らないよん。)
- 最終鬼畜・全部Military & Police
- 近年では、銃身交換可能な近代的先込め式銃で有名なトンプソン・センター社を買収、ネタ度合いに拍車を掛けている。今時、先込め式て、趣味も大概にしろよ。
- 数年前に散弾銃の市場に再参入した。製品はよりにもよって、20番ゲージの水平二連散弾銃。自動式に比べ実用性に劣る反面、伝統を重んじる上流階級向けに、一丁云万ドルもする高級品がひしめくジャンル。そこへ大衆向けメーカーが参入するて、どんな判断だ。
- 押しも押されぬ世界的トップメーカーでありながら、よく他社製品をパクる。前述のシグマをはじめ、M586、40S&W弾、SW1911、スカンジウムリボルバー、ガバナー。しかも元ネタより良くなってるから、始末に負えない。強くなりたくば喰らえ!!!
傑作銃
営利企業だけに、注目をあびる優れた製品を作れなければ生き残れない。ここではそんな製品を紹介する。
リボルバー(回転式拳銃)
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M10 M&P
- 軍や警察で広く使われた.38口径弾を使用する6連発の回転式拳銃。M&P(ミリタリー・アンド・ポリス)という愛称がそれを良く表わしている。また、派生モデルとしてM14『マスターピース』やM15『コンバットマスターピース』などが存在する。
1899年設計。
現在も4インチモデルが生産中の模様。
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M19 コンバットマグナム
- ルパン三世でお馴染みの次元大介が使うリボルバー
ウィリアム・“ビル”・ジョーダンという人の意見が取り入れられ、.取り回しがいいけれど、357マグナムを撃てるっていうんで当時はかなり売れていたらしい。
1955年設計。
現在は生産終了しているが、姉妹モデルのM66は現在も生産中。(M66は材質がステンレス)
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M29
- .44マグナム弾を使用する6連発リボルバー。ダーティーハリーの銃として有名。ぶっちゃけ、こんな威力のある銃を使って人を撃と うとしても扱いづらいだけで、狩猟のサイドアーム以外にはさしたる使い道もない。というか、そもそも当人らは狩猟用として開発した。ダーティーハリーが使わなければ、マニアックなハイパワー銃として終わっていたかも知れない。
1955年設計。
現在も派生モデルのM629(材質がステンレス)と共に生産中。
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M36 チーフススペシャル
- 小型のリボルバーなので、非番の時のお供に持って来い!ってな感じのリボルバー
日本警察が採用している…
「ニューナンブ M60」(M36を元に設計)
「M37 エアウェイト」(M36の派生モデル)
「M360J SAKURA」(同上)
など、意外と日本人にも馴染みのある拳銃だったりする。
1950年設計。
現在もクラシックラインで生産されている拳銃の1つ。
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M500
- 上記の通り、世界最強を名乗るべく作られた。
.500 S&Wマグナムを使用する化け物のような狩猟用リボルバー。
弾が大きすぎてシリンダーに5発しか入れられない。
ジャブロカを大量に摂取して変異した、ニューカマーの犯罪者を撃つには良いかも。
2003年設計。
その後、2005年には派生モデルのM460(45口径)
2006年には、スーパーレッドホーク アラスカンのパクリと似たコンセプトのM500ES(Emergency Survival "エマージェンシー・サバイバル")を世に送り出している。
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M686 ディスティングイッシュト・コンバットマグナム
- 「M19は取り回しがいいけど、.357を撃ちすぎて壊れるよ!」っていうんで、Lフレームという一回り大きいフレームを作って耐久性を向上させて、それを採用したリボルバー。
もろパイソンの対抗馬として評価されている。
なお、パイソンは1955年設計だが、こちらは1980年設計、リボルバーとしては比較的新しい部類に入る。
愛称の「ディスティングイッシュト・コンバットマグナム」ってのは全然と言っていいほど知られていない。
日本ではパイソンやM19とか、「芸術的にカッコイイし.357撃てるのならみんな同じよ!」ってな感じでマイナーな存在。
現代で.357マグナムを撃ちたいならコレがメジャー。
なお、M586とは姉妹モデルである。(M586はスチール製、M686がステンレス製。
オートマチック(自動拳銃)
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M39
- セミオートピストル。これ自体は当初は必ずしも芳しい評価は得られなかったが、その後は派生モデルが多数作られると共に、様々な警察機関で広く使われている。また、SEALsでも暗殺用拳銃として、亜音速弾やサプレッサーを用い、スライドをロックできるようにし、極限まで消音性を重視したMk.22というモデルを採用していた。
カリフォルニア・ハイウェイ・パトロールは、.40 S&W弾を使用するM4006 TSWを採用。ニューヨーク市警察は、9mmパラベラム弾を使用するダブルアクションのみのM5946を制式拳銃の一つにしているが、殆どの警察官はグロック19を選ぶと言う話。
1954年設計。
現在はM&PやSDの登場により、パフォーマンスセンター製モデルを含めカタログ落ちしている。
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シグマ
- グロックのパクリだ!と酷評されるシグマだが、グリッピングのよさには定評がある。
なんだかんだでS&Wのブランド力、安さ、そこそこの性能という事もあり、ある程度はセールスを上げていた様子。
警察向け拳銃という位置づけだが、テネシー州以外はグロックがあるためかそっぽを向かれている。
2000年代末には、アフガニスタン支援の為に同国の軍や警察、国境警備隊などに相当数供与されている。
2011年には、シグマをベースにし、M&Pの設計を取り入れた、SD(Self-Defense "セルフ・ディフェンス")シリーズが登場した。
1994年設計。
現在はカタログ落ちしているが、派生モデルのSDシリーズは現在も販売中。
何だかんだいって、結局君はしぶとく生き残るんだね。
- M&P
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- 傑作と評価していいかはまだ微妙だが、S&W社がかなり力を入れて営業しているピストル。名前の通り、軍や警察向けの販売を主たる目的としており、特に警察関係の採用を期待しているようだ。フレームはポリマー。対応する弾種は9mmパラベラム、S&W.40、.45の三種類である。
銃自体の大きさは、警官の非番携帯用や刑事用のコンパクト、特殊部隊や制服警官向けのフルサイズ、バレル長が12.7cmあるプロシリーズの三つ。プロシリーズは用途として「競技、自宅警備、遊戯」と示されているので、M&Pという名前ながら法執行官の職務向きではないようだ。
2005年設計。
余談ながら、S&Wはピストル、リボルバー、ライフルなどにこのM&Pという名前を、病気みたいにつけまくっている。
他にもあったら追記頼む
銃以外の製品・サービス
- 手錠
- 法執行官相手の商売が多いだけに、手錠も製造・販売している。手錠はモデル100系統とモデル300系統に分かれ、前者は普通の手錠、後者は鎖ではなく蝶番のようなもので左右の環を繋ぐタイプ。
- 訓練
日本との関係
日本においては警察機関御用達のメーカーだったりする。
ヤクザが出てくる人情映画の影響で「ニューナンブM60」が主力と思われがちだが、実際M60の勢力は寄る年波には勝てず縮小傾向にある。その後継として配備されているのが、M37エアウェイト、M360Jサクラという2つの拳銃だ(何故サクラって付くのかは謎)。
なお、前者は既に生産終了しており、新製配備されるのはサクラの方と言える(因みにエアウェイトはグロックに押されて売れなくなってたけど日本警察に採用されたからアメリカ人も「オー!スゴいネ!ジャコレチョウライ!」と再び人気が出て売れ始めたというネタを持つ)。
また、危なっかしいDQNを相手にする方々はオートマチックで半ば時代遅れで中二病信者は一度は持ってみたい拳銃No1のM3913(銀ピカ拳銃)を採用していたりする(今も採用しているのかは不明)。
尚、特殊急襲部隊「SAT」はSIG社製P226・P228、交番勤務の制服警官、機動捜査班「警視庁SIT・大阪府警察MAAT等」、SPは同じくSIG社製P230、一部のSATはH&K社製のUSP、警視庁のSPはH&KP2000、警視庁SATとSPはグロック19、一部の特殊捜査班はベレッタ 92 FS Vertec等、物の見事にバラバラな拳銃を装備しているので一概に日本警察=スミス&ウェッソンという訳ではないのでそこら辺注意して欲しい。
海上保安庁なども取引相手だ。
また、自衛隊もS&Wの開発した新拳銃(これについてはM&Pが有力と見られているが、上記のように日本警察向けに特注で作っている為、自衛隊向けの特注品…なんて事もあり得るので一概にM&Pと思うのは筋違い)に興味を示しており現在実地運用して試験をしていると思われる。
唯9mm拳銃が1982年に採用され実に33年もの歳月を経ている事を考えてみればサブウェポンの後継として色々試して試行錯誤していると思うのは妥当と言えよう。
(最近は89式小銃の後継選びに専念してるっぽいけど…)
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外部リンク
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