ソフト競馬とは (ソフトケイバとは) [単語記事]

ソフト競馬とは、日本ソフト競馬協会が主催する馬術競技である。

概要

元高崎競馬騎手の福本弘二により考案され、のちに日本ソフト競馬協会が設立された。

「安全第一」をモットーとした、競馬のような馬術競技。速さは問われないため、本当の意味での競馬ではない。主催は「国民的競馬ごっこ」を標榜する。

基本的にオンラインの動画投稿により開催され、後述のルールによりタイムが競われる。

規定タイムおよび競走名は、近年では直近の競馬レースのパロディとなっている(ただ待つのみや。記念 12.00秒など)。

引退馬の居場所作りという目的もあり、引退した競走馬が出走することも多い。
早くに引退し別の道を歩んでいるマイナーな馬も多い一方で、功労馬として余生を送るかつてのスターホースたちも参戦している。ニコニコ大百科で熱くドラマが語られている過去の名馬たちがオンラインで見られる機会でもある。

ネットでは、競走馬時代113戦0勝だったハルウララの「勝ち鞍」として有名(2019年そふと女子会)。

ルール

騎手および馬の安全を重視するため、または幅広い分野の馬や騎手が参加できるようにするため、ルールが工夫されている。

出走する馬の種類は原則として問われず、競走馬・乗馬の区別もない。
六甲山牧場の「自分をウマだと思っている牛」ランボルギーニ号にもオファーがかかっていることから、自分を馬だと思っているならば生物学的な種も問わないようである。

騎手のレベルも問われず、引き馬レベルの初心者からプロの騎手まで幅広く受け付けている。歩法も規定はなく、常歩・速歩・駈歩はもとより、馬場馬術の歩法であるピアッフェやパッサージュまでもがよしとされる。ただし、襲歩(ギャロップ/全力で走る時の歩法)はトレセンなどの競馬施設のみで行うものとされる。

それで競馬(ごっこ)になるのか、と思うかもしれないが、ソフト競馬はタイムを競いはするものの、速さを競うものではない。

そのための大原則が、「規定タイムより遅く、タイムが3番目に早い馬が1着」というルールである。
レースごとに規定タイムが決められており、1番目に早い馬は最下位、2番目に早い馬が最下位から2番目となる。3番目が1着で、以降、タイムがn番目に早い馬はn-2着が与えられ、規定タイムより早い馬は着順つかずとなる。
なお、このルールは2021年そふと桜花賞からとされており、それ以前は「タイムが2番目に早い馬が1着」であった。

距離は騎手が自分で決める。すなわち、「自分の馬が規定タイムで走破できそうな距離」を設定することが求められる。

このルールの存在により、乗馬初心者からプロまで、乗馬から引退馬まで幅広く参加できるのである。

なお、規定タイムは、直近の競馬のレースが参考にされる。例えば、2021年ただ待つのみや。記念では、直近の高松宮記念(1200m)に準じて12.00秒、同おおらか杯では、大阪杯(2000m)に準じて20.00秒である。

ほぼ同じルールで障害競走もできる。障害は基本的に障害馬術のものを使用するが、様々な年齢や品種、歩法の馬が出走するため障害の種類は問わない。「シーソー・スラローム・横木を横歩き・口でキーボードを弾く・サッカー」などなど、運動会じみた障害も登場する。

ばけん

「馬券」ではなく、払い戻しはない(やったら賭博法違反である)。

つまりは馬主や支援団体へのおひねりであり、「頑張る馬・頑張った馬達を応援・支援する権利」の略としている。ソフト競馬の目的への一つに「引退馬への支援」があり、これは金銭面での支援となる。
支援者には「ばけん」の画像が送られるほか、2020年からはレーススポンサー特典がつく。

2020年以降のシステムでは、「ばけん」の売り上げのうち75%を全馬へ均等配分することになっている。

これとは別に、YouTubeのスーパーチャットも出走馬に支援される。こちらはYouTubeへの支払い分をソフト競馬協会が負担し、100%支援される。ただし、あまりにも高額の支援が来た場合にはこの限りではないとしている。

過去に開催されたレース

日付	競走名	格付	条件	規定	頭数	1着馬(括弧は現在の名)
	第1回ソフトJCC	G2		22.00	10
2021.12.04	第1回ソフトジャパンカップ	G1		24.00	10
2021.11.24	第2回スマイルチャンピオンシップ	G1		16.00	10	アンディ
2021.11.06	第3回SBC	G1		20.00	9	アプローチミー (梵天丸)
2021.10.30	第5回天柔賞(秋)	G1		20.00	8	マキバルージュ (サザンマイルージュ)
2021.10.23	第4回そふと菊花賞	G1		30.00	6	マイネルセグレイト (アオちゃん)
2021.10.06	第1回ソフト秋華賞	G2	牝	20.00	3	スペシャルサンクス (スペさん)
2021.10.09	第2回毎日ピーカン！	G2		18.00	7	フィールドシャイン
2021.10.02	第1回ユックリンターズS	G2		12.00	8	ハセノビリーブ
2019.05.18	第1回そふと女子会	G3	牝	16.00	7	ハルウララ
2016.12.26	第1回第二有馬記念	G1		25.00	6	トップグラス

出走経験のある元競走馬等

出走経験のある馬のうち、元競走馬であるものを主な実績や近親馬と共に記す。

転用されてから改名した馬は、現在の名前も併記。
騸馬は元の性別を表記する(競走のコンセプト上大多数の牡馬が騸馬のため)。

太字はニコニコ大百科に記事あり。

下記以外にも、ポニーや元から乗馬である馬など、様々な経歴の馬が出走している。

競走馬名(現在の名)	生年	性別	主な実績	主な近親馬
アクアブルーライト	2009	牡	未勝利	アグネスデジタル(父) Storm Cat(母父)
アドマイヤジャパン	2002	牡	2005年京成杯	サンデーサイレンス(父) ビワハイジ(母) ブエナビスタ(半妹)
アプローチミー (梵天丸)	2007	牡	中央・笠松 32戦3勝 2012年岐阜新聞・岐阜放送杯 2013年弥生特別	マンハッタンカフェ(父)
ウイニングチケット	1990	牡	1993年日本ダービー	トニービン(父)
オペラシチー	2001	牡	2005年目黒記念	オペラハウス(父)
オルディーインラヴ (オルディー)	2016	牡	未勝利	オルフェーヴル(父) ディープインパクト(母父)
カフェジャイアント	2006	牡	未勝利	マンハッタンカフェ(父)
カラスカミカゼ (ジョージ)	1988	牡	(アングロアラブ) 足利 86戦7勝	ノーザンテースト(父父)
キールコネクション (十兵衛)	2012	牡	43戦3勝	ディープスカイ(父) ノーザンテースト(母父)
キョウイチ	2003	牡	ホッカイドウ・名古屋 101戦9勝	キョウトシチー(父) サッカーボーイ(父父) ノーザンテースト(母父)
キョウエイバサラ	2008	牡	2013年高尾特別
キョウエイボーガン	1989	牡	1992年中日スポーツ賞4歳S 1992年神戸新聞杯
グランスクセー (ハヤテ)	1995	牡	1999年九州スポーツ杯警察騎馬隊
ケイビイネイチャー (愛姫)	2009	牝	未勝利	スペシャルウィーク(父) マルゼンスキー(父母父) ヘイロー(競走馬)(母母父)
ゲスワット	2012	牝	名古屋競馬 104戦11勝	フジキセキ(母父)
コウキチョウサン	2013	牡	中央競馬 48戦7勝うち障害14戦3勝 2018年陣馬特別	ステイゴールド(父) シンボリクリスエス(母父) オジュウチョウサン(全兄)
ゴールドショット	2006	牡	大井競馬 68戦9勝	トウカイテイオー(父) シンボリルドルフ(父父)
サカノチビマル (かんたろうくん)	2004	牡	(輓馬) 未出走のまま登録抹消榛名湖遊覧馬車(現役)
サトノロマネ (暁)	2006	牡	2009年黄梅賞 125戦29勝	クロフネ(父) サンデーサイレンス(母父)
サンツェッペリン	2004	牡	2007年京成杯	オジジアン(母父)
サンライズボヌール	2012	牡	未勝利	エンドスウィープ(父父)
ジャンピングスター	2004	牡	未勝利	マチカネタンホイザ(父) ノーザンテースト(父父)
ショルト	2014	牝	名古屋・大井 20戦7勝 2018年山茶花賞(大井)	ハーツクライ(父)
シングンエトワール	2016	牝	未勝利
スクリーンショット	2012	牡	未勝利	スクリーンヒーロー(父) グラスワンダー(父父)
スペシャルサンクス (スペさん)	2012	牝	地方競馬 52戦1勝	カネヒキリ(父) フジキセキ(父父)
ズルフィカール	2009	牡	浦和競馬 2013年深緑特別	ダンシングブレーヴ(父父) フジキセキ(母父)
タガノバンバレラ (ハナ)	2000	牝	未出走	ピルサドスキー(父)
ダッキ (リラン)	2010	牝	大井・園田 47戦7勝	トウカイテイオー(父) シンボリルドルフ(父父)
タニノギムレット	1999	牡	2002年シンザン記念 2002年アーリントンカップ 2002年スプリングステークス 2002年日本ダービー	ウオッカ(娘)
タマゴカケゴハン (ルシエルブルー)	2006	牡	未勝利	ビワシンセイキ(父) シンボリルドルフ(母父)
ツルマルヨシカゼ (賀風)	2008	牡	未勝利	メジロベイリー(父) サンデーサイレンス(父父) マルゼンスキー(父母父)
トウカイビアンカ (ビアンカ)	2016	牝	中央・高知・笠松・名古屋 51戦0勝	タイキシャトル(母父)
トウカイフェスタ	2010	牡	116戦7勝	トウカイテイオー(父)
トップグラス	2008	牡	大井 33戦11勝	サウスヴィグラス(父) エンドスウィープ(父)
ナイスネイチャ	1988	牡	有馬記念 1991-1993年 3着 1991年小倉記念 1991年京都新聞杯 1991年鳴尾記念 1994年高松宮杯	ナイスダンサー(父) ウラカワミユキ(母)
ナガラオリオン	2009	牡	地方・中央 65戦14勝	サンデーサイレンス(父父)
ナグラーダ	2016	牡	未勝利	サンデーサイレンス(母父)
ノーリーズン	1999	牡	2002年皐月賞相馬野馬追北郷騎馬隊	ブライアンズタイム(父)
バジガクラフィーネ	2014	牝	未勝利
ハセノビリーブ (春風)	2003	牡	未勝利	ステイゴールド(父)
ハリスキャスケード	2009	牡	未勝利	グラスワンダー(父) ラムタラ(母父)
ハルウララ	1996	牝	高知競馬 113戦0勝	ニッポーテイオー(父)
ヒルノダムール	2007	牡	2010年若駒ステークス 2010年皐月賞 2着 2011年産経大阪杯 2011年天皇賞(春) 2011年フォワ賞 2着	マンハッタンカフェ(父)
フィールドレイ	2016	牝	未勝利	ロードカナロア(父) ダイワメジャー(母父)
フィールドシャイン	2007	牡	2011年長浜特別 2012年越後ステークス	サクラバクシンオー(父) ブライアンズタイム(母父)
ブランレーヌ	2013	牝	未勝利	エンドスウィープ(父父)
プレシャスシチー (プレシャス)	1996	牡	25戦1勝
プロディージュ	2006	牡	大井競馬 52戦9勝	エンドスウィープ(父父)
ヘルシーキング (トリトニー)	2001	牡	金沢競馬 129戦11勝	フサイチコンコルド(父)
マイネルウーノ	2007	牡	中央競馬 14戦2勝	オペラハウス(父) ミスターシービー(母父)
マイネルセグレイト (アオちゃん)	2004	牡	浦和競馬 1勝	ブライアンズタイム(母父)
マイネルフレスコ (コータロー)	2011	牡	中央競馬 54戦4勝	ステイゴールド(父) リアルシャダイ(母父)
マウントミッチェル	2012	牡	未勝利	ハービンジャー(父) フジキセキ(母父)
マキバルージュ (サザンマイルージュ)	1992	牡	未勝利
マチカネオンガエシ (茶太郎)	1994	牡	中央 15戦1勝
ミントキャンディ (ミントしゃん)	2001	牝	競走未登録	ピルサドスキー(父)
メイショウナルト	2008	牡	2013年小倉記念 2014年七夕賞	ハーツクライ(父)
メジャードレッサー	2011	牝	金沢 20戦0勝	スウィフトカレント(父) サンデーサイレンス(父父) ノーザンテースト(母父)
メジャーヘンリー (ヘンリー)	2013	牡	門別笠松名古屋金沢大井 45戦4勝	タイキシャトル(父) アグネスタキオン(母父)
メジロジャクソン	2007	牡	未勝利	サクラバクシンオー(父)
メテオレイン	2009	牝	中央 35戦1勝	ゴールドアリュール(父) ブライアンズタイム(母父)
ヤマニンバッスル	2006	牡	2009年小野川湖特別 2010年鋸山特別	トウカイテイオー(父) サンデーサイレンス(母父)
ユメハマサユメ (ユメタロウ)	2011	牡	中央 1戦0勝園田 12戦2勝	ローエングリン(父)
ライゼンダー	2011	牡	未勝利
ライトニングロアー	2011	牡	船橋競馬 1勝	ステイゴールド(父)
ラッキーハンター	2011	牡	大井競馬 2勝	ハーツクライ(父)
リリー	2016	牝	(輓馬) ばんえい競馬 43戦5勝
ローズキングダム	2007	牡	2009年東京スポーツ杯2歳S 2009年朝日杯FS 2010年神戸新聞杯 2010年ジャパンカップ 2011年京都大賞典	キングカメハメハ(父) サンデーサイレンス(母父)
ロードシンフォニー (響輝)	2003	牡	未勝利	サクラユタカオー(母父)
ローレルアウェイク	2009	牡	中央 7戦0勝大井 3戦2勝	キングヘイロー(父)