チャーン・インターナショナルサーキットとは、タイ王国東部のブリーラム県にあるサーキットである。
2014年にオープンした当初の名称は、現地のサッカークラブであるブリーラムユナイテッドにちなんで
ブリーラムユナイテッドサーキットという名称だったが、タイのビール企業であるタイビバレッジが命名権を購入し、
ビールの商品名であるチャーンがサーキットの名前になった。
MotoGPの主催者であるドルナとタイ政府との間で契約が結ばれ、2018年からの3年間MotoGPが開催されることになった。
毎日朝8時と夕方の6時に公共施設、公園、広場、テレビやラジオで国歌が流される。
また映画館においても映画を見る前に国王賛歌が流される。
国歌や国王賛歌が流れる間は一同起立して敬意を捧げる習わしがある。
1782年から始まったチャクリー王朝が治める立憲君主国である。
先代国王のラーマ9世は精力的に地方巡業して産業振興に力を注いでいた。
貧困に悩まされる地方へ出かけて土壌改良から始め農業を根付かせていくことを王室の経費で行った。
18歳で国王に即位してから50年以上そうした行動を積み重ねたことでタイ国民から大変に敬愛されるようになり、
外国人をびっくりさせていた。
街中至る所にラーマ9世の写真が飾られていた。
国民の95%が仏教を信仰する仏教国である。男子は一生に一度は出家しなければならないという。
タイにおいてマクドナルドのドナルド人形は仏教僧のように合掌している。
ミシュランのマスコットであるビバンダムも、合掌した姿で店先に登場している。
日本のテレビアニメ「一休さん」が何回も再放送されている。
日本人が血液型にこだわるのと同じぐらいに「生まれた時の曜日」にこだわり、初対面の相手に尋ねてくる。
曜日の色と曜日に対応した仏の名前まで決まっていて、それを答えることができると好感度が上がるらしい。
タイでは人前で叱る、人前で怒る、ということは失礼なことで避けるべきだという意識が浸透しているとのこと。
これを知らない日本人ビジネスマンが現地でトラブルを起こしてしまうこともあるらしい。
マレーシアと違ってあまり英語が通じないので、旅行者は少しだけ不便。
タイの隣にあるマレーシアはイスラム教の割合が60%で、その影響で禁酒の気運がやや強く、
ビール企業が育ちにくい。
一方でタイは仏教国で、比較的に禁酒の気運が弱く、世界に雄飛するようなビール企業が2社育っている。
その1つがタイ・ビバレッジ社で、代表的な商品は「Chang(チャーン)」であり、象のマークが入っている。
Chang(チャーン)はタイ語で象の意味。
もう1つがブンロート・ブリュワリー社で、代表的な商品は「Singha(シンハ)」であり、獅子のマークが入っている。
ブンロート・ブリュワリー社はMotoGPの公式スポンサーで、各サーキットにて「Singha」の広告を出している。
Singha(シンハ)はサンスクリット語で獅子という意味であり、仏教経典で頻出する。
ちなみに都市国家シンガポール(Singapore)のSingaも同じ語源。
農業国であり、世界一多くコメを輸出する。1993年の日本のコメ凶作のとき、タイ米が日本へ輸出された。
タイ米はインディカ米の一種で、ひょろ長い。粘り気少なくパサパサしていて炒飯に合う。
マレーシアと違ってタイ王国は「自国の自動車メーカーを育てる」という国策を採用しておらず、
1960年代頃から日本の自動車メーカーを積極的に受け入れてきた。
受け入れの際に「タイ国内で作った部品をできるだけ使ってください」という規制を掛けたことにより
タイの部品メーカーが育っていった。
自動車は数万点の部品から組み立てるので、自動車メーカーにとってはただ人件費が安いだけではダメで、
ちゃんとした部品を作れる部品メーカーが多く集積している場所に工場進出したいところである。
それゆえタイは自動車メーカーの海外進出先候補の筆頭となっている。
いまや日本の自動車メーカーにとってタイは最重要拠点となっている。
ホンダ、トヨタ、いすゞ、日産、三菱、がタイに工場を持っている。ブリヂストン、ヨコハマタイヤも進出している。
首都バンコクは米国ロサンゼルスに次いで世界で2番目に在留日本人の多い都市になっている。
首都バンコクは熱帯で、2月から5月までは気温が高くて雨が少なく、5月から10月まで気温が高くて雨が多い。
11月から1月までは気温が下がるが、それでも最高気温30度以上を維持する。
タイに限らず熱帯の国に共通することだが、冷房をガンガンに効かせることが富の象徴と考える風潮がある。
空港などの施設の中は冷房が効きまくっていてやたらと寒い。旅行の際にはジャケットを持っていきたい。
タイの首都バンコクから北西へ直線距離で307km離れていて、クルマで6時間ほどかかる。
カンボジアとの国境からは70km程度離れている。
近くに大きな都市が無く、ホテル探しに苦労する。レース関係者にとっては少し辛いサーキットである。
サーキットの隣に、現地のサッカークラブであるブリーラムユナイテッドの本拠地スタジアムがある。
このサーキットのオーナーとブリーラムユナイテッドのオーナーは同一人物である。
ブリーラムユナイテッドはタイを代表するビッグクラブで、AFCチャンピオンズリーグの常連。
海岸線との距離は300kmで内陸部のサーキットである。サーキット周辺は緑色の木々が広がる。
サーキットの中に3つほど池がある。
サーキットの南10kmに、チョーラケーマーク貯水池とフワイタラート貯水池という大きな湖が2つある。
上下の勾配が少ないサーキットである。
メインスタンドの下にピット施設がある。
メインスタンドに座る観客はピット施設でのメカニックの動きを見て楽しむことができない。
直線区間の割合が大きくてアクセルを開ける時間が長く、燃費を意識しなければならないコースである。
電子制御で出力をカットする、できるだけ前のライダーの背後に付けてスリップストリームの恩恵を受ける、
そういう工夫をしなければならない。
熱帯の国なので気温と路面温度が高いことが多く、タイヤのグリップ力低下が問題となる。
主なパッシングポイントは3コーナーと最終12コーナー。抜きどころがやや少ないサーキット。
ヘルマン・ティルケが設計したサーキットらしく、先に緩い角度の高速コーナーを配置して、
その次にキツい角度の低速コーナーを配置する、そういう組み合わせが2ヶ所ある。
4コーナーは緩い角度でブレーキ緩めの高速コーナー、5コーナーはキツい角度でブレーキングする低速コーナー。
8コーナーは緩い角度でブレーキ緩めの高速コーナー、9コーナーはキツい角度でブレーキングする低速コーナー。
最終12コーナーから4コーナーの直前までは直線区間がひたすら続くエリアとなっている。
最終12コーナーはかなりキツい角度の低速コーナーなので、メインストレートはさほど最高速が伸びない。
1コーナーは直角に曲がるコーナーで、ブレーキを掛けすぎずスピードを残して進入する。
ここでパッシングを仕掛けるするライダーはあまり多くない。
次のバックストレートは本サーキットで最長の直線区間である。
ごくわずかに左に曲がる2コーナーがあるが、これは実質的に直線と扱われる。
2コーナーへ向かって行くあたりでわずかながら下り勾配になり、スピードが乗る。
3コーナーは低速に落ちるヘアピンカーブで、本サーキットでも最大のパッシングポイントになる。
3コーナーから4コーナーはまたしても長い直線となる。途中からわずかながら上り勾配になり、
4コーナーの直前でいきなり下り勾配になり、下り勾配のまま4コーナーに入っていく。
4コーナーから最終12コーナーまではコーナーが連続するテクニカルなエリアである。
4コーナーは緩い角度の高速コーナーで、アスファルト舗装されたランオフエリアが広い。
4コーナーから5コーナーまではすこしだけの直線で、傾いていたバイクを垂直に戻す。
5~6コーナーは左の複合コーナーで、6コーナー直後に右に切り返し、わずかな上り勾配を駆け上がっていく。
7コーナーを立ち上がるとまたしてもちょっとした直線となる。
8コーナーは緩い角度の高速コーナーで、続く9コーナーはぐるっと回り込んだ低速コーナー。
8コーナーと9コーナーの間にはちょっとした直線があり、傾いていたマシンを垂直に戻す。
9コーナー立ち上がりからはかなりの高速で左へ右へと切り返すS字区間になっていて、
各ライダーがマシン操作技術を披露する場所になっている。
最終12コーナーはキツい角度の超低速コーナーであり、パッシングポイントとなる。
最終12コーナーを立ち上がってすぐのところにチェッカーラインがある。
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最終更新:2025/12/12(金) 11:00
最終更新:2025/12/12(金) 11:00
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