デコのおまわりさんとは、バニラマリンPによる、「北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ」を題材にしたiM@S架空戦記シリーズ(アイドルマスター シンデレラガールズを含む)である。
「オホマス」という愛称でも呼ばれる。(オホーツク×アイマスのコラボ動画なので)
「東京湾 晴海埠頭に男の死体が上がったとの知らせを受けたあなた(=水瀬伊織)は、部下の歌鈴を連れ、現場に駆け付けたのだった…」
時は昭和62年。東京で発生した殺人事件は、やがて北海道の広域にまたがる連鎖殺人へと発展する。隠された過去の事件の影もちらつく中、果たして伊織たちは真相にたどりつくことができるのか…?
バニラマリンPのデビュー作。2013年2月連載開始。
本作は、オホーツクに消ゆのストーリーにもとづき、警察官として事件解決を目指す伊織たちの奮闘を描く長編Novelsm@sterシリーズである。
主人公は水瀬伊織。その相棒は道明寺歌鈴である。登場人物は非常に多く、アイドルマスター、アイドルマスター シンデレラガールズ、オホーツクに消ゆ、その他のアドベンチャーゲーム(ファミコン探偵倶楽部、山村美紗サスペンスシリーズなど)などから多数の人物が登場し、総数は100人以上におよぶ。
というのも、本作では、警察関係者が非常に多く登場し、その人間模様が大きな見どころとなっているのだ。一般的なサスペンス系アドベンチャーゲームでは、主人公は探偵だったり、警察官であっても探偵的な感覚で、ほぼ単独で情報収集から推理、事件解決までを成し遂げるものが多い(オホーツクに消ゆの原作も例外ではない)のに対し、本作では、オホーツク原作のストーリーを尊重しながらも、現実の警察により近い描写がされており、東京と北海道の警察が捜査本部を設置し、組織的に事件の捜査にあたっており、伊織はその中における一匹狼的な立場で、組織の論理に翻弄されながらも揺るがぬ情熱を源に真相究明を目指す位置づけである。
警視庁と北海道警、豊洲・釧路・北見・知床清里などの警察署、公安、検察などの各組織が一致団結して連鎖殺人事件の解決にあたる…はずであるが、実際には「解決」の定義は人それぞれ。独力で真相究明を目指す者もいれば、組織的な捜査を重視する者もあり、保身に走る者もあり、出世を目指す者もあり、組織全体の利益を考えて動く者もあり、政財界と癒着している者もあり、中には事情があって露骨に捜査妨害を図る人間までいる。そんな「敵は犯人だけではなく、内部にもいる」状況が生みだす、ギスギスした人間ドラマは、本作最大の見どころの一つである。
アイドルたちは警察官、民間人のどちらも、腹に一物を抱えていることが多く、見る人を選ぶかもしれない。動画各回の冒頭では、「このシリーズはアイドルが死んだり、ひどい目に遭ったり、とんでもない外道だったりする可能性がありますので、そういうのが嫌いな人は気をつけてください。」との注意書きがある。
シナリオは緻密で丁寧。オホーツク原作のクオリティの高さもあるが、バニラマリンPの創作による独自要素においても、伏線のはり方から回収まできっちり見事に行われている。一方で、アイドルマスターのネタをふんだんに盛り込んだコメディ・ギャグ要素も豊富であり、見る者を飽きさせない。
本作では警察組織の内部事情が非常に詳しく描かれており、一般人には少しわかりにくいかもしれない。本作の第二十七話・第三十七話は「解説編」となっており、そこで詳細な説明があるので、理解の助けになるだろう。ただし、それぞれの話数時点までのネタバレが全面的に含まれるため、先行して解説編だけを見ることはお勧めできない。ご注意いただきたい。
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この項目は、本編最新話までのネタバレが満載です。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
本編の主人公。オホーツクに消ゆ原作の「ボス」に相当。
豊洲警察署刑事第一課付、警視。34~35歳。独身。
有資格者(キャリア組)の警視であったが、過去の不祥事(ポートピア事件の犯人隠匿)により、兵庫県警刑事部捜査第二課理事官から警察庁刑事局付に更迭され、停職処分を受ける。退職を勧告されるが拒んだことから、警視庁管内の所轄を転々とさせられ、豊洲署に流れ着いた。そのせいか、かなりやさぐれた性格をしている。
晴海埠頭で発生した増田文吉の殺人事件の捜査を始め、道明寺歌鈴ら少人数の仲間とともに東京と北海道をまたにかけて捜査を展開する。組織の事情により同事件の捜査本部が解散した後も、組織の支援が得られない絶望的な状況ながら、ほぼ独力で捜査を続け、強い熱意をもって真相究明を目指していく。
そのせいもあって捜査手法はかなり強引であり、恫喝、脅迫まがいの聞き込みも辞さない。過去に逮捕歴があり、本編内でも無茶な捜査がもとで訓戒処分されたり逮捕されかけたり逮捕されたりする。それでも懲りずに、警察官に対しても民間人に対してもツッコミまくりである。いおりんのツッコミマジ最高!
物語終盤において、事件解決後に警察を退職する意志を示した。
伊織のパートナーとなる豊洲署刑事第一課の巡査。オホーツクに消ゆ原作の黒木、シュンに近い役割を果たす。21~22歳。作者や視聴者、作中の豊洲署長からは「DMJ」とも呼ばれる。
高校を卒業後、警視庁入庁。刑事としてはまだ新米。増田殺害事件が発生した時、豊洲署で浮いた存在となっていた伊織を誘って共同で捜査に乗り出す。
捜査に臨む態度は純真でひたむき。「オホマスの癒し」ともっぱらの評判。北海道での捜査時、千早の介入を受け伊織は一度捜査をあきらめかけるのだが、真実を追い求める道明寺の必死の説得により伊織が翻意し、以降二人は支援をほぼ得られぬまま孤独で無鉄砲な捜査を行うことになる。つまり、伊織の暴走のきっかけを作ったのは道明寺ともいえる。
モバマスの歌鈴同様、ドジっ子属性があり、「ひ、ひゃい…」「ふええ…」が口癖。増田殺害事件の初動捜査において道に迷い、晴海から高田馬場まで7時間もかかるというやらかしをしている。
「みこみこ☆センサー」と呼ばれる鋭い直感を持ち、犯人像や重要な証拠品の存在などを理屈抜きで見抜くことがある。
豊洲署の刑事第一課主任。巡査部長。年齢は伊織と同じかやや上。増田殺しの初動から、署内で情報収集などを行い、捜査に参加する。
同事件の捜査本部が解散された後も、井持署長の命令を受け、伊織とともに東京で細々と捜査を続行。伊織たちにとって、数少ない貴重な戦力となった。
仕事観としては、警察は正義のヒーローではない、上の意向で捜査を曲げられたとしても他に仕事はいくらでもあるので悔しがるどころではない、とし、井持署長の立場とは一線を引きつつも、組織の都合により処罰された伊織に対しては同情的である。
あっけらかんとした性格はモバマスの早苗とほぼ同じ。
豊洲警察署長。警視正。名前はオホーツクに消ゆ原作の知床編の被害者のものだが、そちらとは名前以外は無関係。グラフィックはMSX版オホーツクの山辺。つるぴかハゲである。
本作で最も連鎖殺人事件の解決に執念を燃やしている人物の一人。北海道に捜査員を派遣するにあたり、独断で伊織を抜擢。警視庁が捜査本部を解散すると、豊洲署だけでの捜査続行を決断する。自らの辞表を藤原肇参事官に預けてまで強引に伊織に事件解決の望みを託す。伊織が困難に遭遇(逮捕されるなど)すると、彼女を救うべく力を尽くした。
孤立無援の伊織が捜査を続行できるための、数少ない後ろ盾。天海春香国家公安委員長らの圧力に屈さず、国家社会のために正義を果たそうと情熱を燃やしている。だからこそ敵も多いが…。
警察においては特異な思想を持つに至った背景に、井持が公安出身で、かつて事件を起こして逮捕されたという過去がある。
豊洲署刑事第一課の巡査長。30歳前後。オホーツク原作では東京編におけるボスの相棒であった。
早苗同様、裏方として増田殺しの捜査にあたっており、井持署長にとって数少ない手駒の一つである。
豊洲警察署刑事第一課長。警視。伊織の直属の上司にあたる。警察庁からの出向。
モバマスでは小学生アイドルだが、本作においては38歳である。こういう配役があるからオホマスは凄い。
増田殺しの捜査本部が解散された後も豊洲署だけで捜査を続けようとする井持署長や伊織たちに反対の立場であり、署長に反対意見を述べる、警察庁の新田課長に伊織逮捕を提案する、伊織と腹を割って話し合い暴走を止めようとするなど硬軟さまざまな対応を試みる。
一方で、再び北海道に派遣された伊織が道警に逮捕されると、藤原肇参事官の意向を受け、警察庁の空木に仲介を頼んでまで道警の西園寺琴歌課長補佐に渡りをつけ、伊織を弁護し釈放するよう説得を試みた。
一見相反するようであるが、どちらも自らの管轄する組織を守ろうとする行動であり、一貫しているともいえる。
警視庁(本庁)刑事部捜査第一課の管理官。警視。伊織の大学時代の後輩であり、年齢は伊織より2つ下の32~33歳(ただし、千早は院卒のため、警察官としては伊織の4期下)。増田殺しの捜査をまとめるため、北海道に派遣された。
捜査を誤導する釧路中署の思惑に乗り、増田は自殺したと結論付けて事件を「解決」した。
組織規範を逸脱した現場主義を貫く伊織とは犬猿の仲。伊織の行動はもはや捜査ではなく、よって伊織のいる場所は現場ではないと思っている。
もともと刑事法の研究者を目指していたが、挫折。警察庁に入庁し、兵庫県警に配属されたが、そこでポートピア事件に巻き込まれる。県警上層部の意を受けて犯人隠匿を企てる伊織を諌めるも、翻意させることはできなかった。その後、県警の隠蔽工作は明るみに出て、伊織は県警本部長、刑事部長らとともに逮捕される。事態を重く見た警察庁は、事件当時の県警警備部長・三浦あずさを通じて千早を強引に説得し、検察官の取り調べに対し虚偽の供述を行わせる。その結果、伊織は起訴を免れた。
これにより千早の人格・価値観は一変。理想主義的な考え方を捨て、淡々と職務を遂行する冷徹な官僚に変貌していく。そして、十年に一度の逸材、将来の長官候補と評価されるに至った。
物語終了後の藤原肇について語った。未来についての語り部は千早かもしれない。
関連リンクの「ばにらまりんのブロマガ」にて、彼女についての詳しい解説がなされている。
警視庁刑事部捜査第一課長。警視正。千早の上司。名前はオホーツク原作のボスの名前からとっている。
捜査官あがりの課長であり、日本最高の刑事かもしれない。飄々とした人柄で、井持豊洲署長のような型紙破りに対しても、櫻井桃華刑事部長のような突飛な上役に対しても、柳に風といった風情で淡々と応対する。
警視庁の警務部参事官兼刑事部参事官。警視長。42~43歳。
「うどん」の文字が書かれた額を背景に、陶器を持って仕事をしている。 なお、モバマスの藤原肇は陶芸が趣味であるが、うどんを作るという設定は無い。
福山舞課長、新田哲二課長の報告を受け、打ち切ったはずの増田の事案の捜査を続ける豊洲署の暴走を止めるべく、 いったんは伊織の逮捕を命じる。しかしその後態度を翻し、伊織はすんでのところで逮捕を免れた。
田崎が逆転ホームラン的に局長に昇進し、さらに総監にまで進む可能性を考慮し、いざとなれば春香を切り、 勝ち馬に乗ろうというのが肇の思惑である。それはかつての友人であるあずさや春香への裏切りを意味するが、 あまり気にしている様子は無い。
増田事件の新事実が発覚した際も、状況がどう転んでも問題ないように両睨みで身を処する方針で動いた。
天海春香のことは、若い頃は朗らかだったが、父親が殺されたのをきっかけに、栄達のために手段を択ばない俗悪な政治家になってしまったと評する。
如月千早に対しては、規則や指示を守らずに行動するイレギュラーな存在(例えば伊織)がいたほうが組織に良い結果をもたらす場合もあると諭した。
物語終了後は香川県警本部長に異動となり、未来には内閣府、防衛庁などで要職を務める。
警視庁の刑事部長。警視監。49歳。
正義感が強く、連鎖殺人事件の真相究明に積極的。
増田の事案に関し、当初は捜査リソース不足のためやむをえず、自殺と認定しての幕引きと捜査本部解散を認める。だが後に天海春香国家公安委員長と綾城完治警視総監の圧力がかかると、それに屈さず、一度解散した捜査本部を再度設立してまで事件を解決するよう主導する。ちなみに、伊織逮捕後の釈放に一役買ってもいる。
一政治家の圧力で殺人事件の真相が隠蔽されたという事実を作ってはならないと主張するが、先鋭的な正義感は現場の事情を省みないものとして一部の部下からは煙たがられてもいる。
永福丸事件をネタに春香が脅迫されたことが増田殺しの発端となったかどうかを捜査によって明らかにすべきと綾城警視総監に進言する。あらゆる事件の捜査は公安でも検察でもなく、刑事警察によってなされるべきだとの自説を主張したが、受け入れられなかった。
北海道警刑事部捜査第一課の理事官。警視。45歳。本作のもう一人の主人公とされる。
刑事部のエースとして、10年以上にわたり捜査一課で勤務した後、41歳で警視に昇任。監察官、小樽警察署長等を歴任した後、理事官として古巣の捜査一課へ復帰した。驚異的なスピードで昇進を重ねる「道警のニュージェネレーション」の一人である。
戦争で両親を亡くし、経済的事情で高校進学を断念。16歳で警察官になった。智絵里という娘がいる。
飯島幸男、高木順一朗の連続殺人事件が発生したしばらく後に、迷走する捜査本部を立て直すために道警本部から北見に派遣される。
増田を自殺とする警視庁の方針に沿うか否かで当初の捜査本部長だった本田未央と対立し、未央を更迭、以後は自らが捜査の現場を取り仕切る。
13年前の天海秀雄代議士死亡・坂口秘書殺害おいて捜査に当たり、浦田容疑者の取り調べを行い、用意されたストーリーに沿った自白を引き出す。さらに当時の捜査資料は公安に情報を奪われないために焼却処分した。
上役である三浦あずさと天海春香大臣の癒着を知ると、あずさの捜査への介入を防ぐための工作も行っている。
野村源次による飯島・高木殺害の容疑が固まったとあずさに報告し、あずさが政治的判断で源次の逮捕を見送る意向を示すと、淡々とそれに従った。(なお源次は末期ガンで動けないと判断し、マークを外すことにした。)西園寺と未央への待遇面の配慮をあずさに進言し、自らは、捜査一課長への昇進を内示された。
倫理や感情よりも、組織全体の利益を考えて動くタイプだが、それで強い警察を作り、検挙率アップなどの実績をあげてきたことも事実である。指導力もあり、部下からの人望も厚い。
北海道警刑事部刑事総務課の巡査部長。渋谷凛の副官的な役割で、凛の意向に沿って動き回る。生真面目な性格。
増田殺しの捜査のために伊織が北海道で動き回ったり、知床五湖の事件に釧路中署が介入したりするのに対し、凛の密命を受け、彼らの動きを監視、牽制するために派遣された。
新人時代は現釧路中署の山辺の部下だった。後に小野とく子が五湖の事件で逮捕されると、彼女の自供に対し批判的な意見を述べた。
その後は凛の懐刀として、飯島・高木事件の捜査(昭和20年代の事件の調査など重要秘密事項)にあたった。
その後、捜査一課への転属が決まる。凛、西園寺に続くエース候補と期待されている。
北海道警の警務部長、兼札幌市警察部長。すなわち道警のナンバー2。警視長。44歳。
官僚としての業務手腕に長け、政界との関係も深く、他省庁にも顔が利く実力派。
部下に対しては温情のあるふるまいを見せるところもあるが、意に沿わない部下に対しては冷酷と評されている。
天海春香国家公安委員長、警視庁の藤原肇参事官とは昔から交友がある。
連鎖殺人事件の関係者である(と目される)春香との私的な会合を写真に撮られ、 田崎の怒りを買って事件への介入を禁じられた。
その後、麻薬密輸事件の責任を取り田崎が辞任すると、道警本部長の職務を代行することになった。
警務部長に着任して半年未満であったため、麻薬密輸事件に関する責任は問われていない。
警察組織を守るための職務を忠実にこなしており、ポートピア事件の際に千早に警察を守るような供述をするよう 説得したり、麻薬密輸事件の際に未央に麻薬を使用していた部下(処分対象)を特定するよう指示したりしている。
野村源次による飯島・高木殺害の容疑が固まったと凛から報告を受け、その背後にある天海春香大臣のスキャンダル(あずさ曰く源次の妄想)は避けるべきとの政治的配慮から源次の逮捕見送りを決断した。この判断をしやすい環境を作った凛を厚遇している。一方、麻薬密輸事件等を検察にリークした聖來には激怒し、彼女の逮捕を検討している。
関連リンクの「ばにらまりんのブロマガ」にて、彼女についての詳しい解説がなされている。
北海道警の本部長、すなわちトップ。警視監。着任2年目。56歳。
生まれが貧しく、大変な苦学をして東大を卒業し、キャリア警察官になった。
約20年前、新左翼のテロで妻・美優と娘・仁奈を殺されている。自宅に送られた小包爆弾が爆発したというもの。 この事件の犯人は結局捕まらなかった。
その過去もあり、性格は堅物で正義感が強く、仕事には妥協を許さない。 おっとりした性格のエリートであるあずさとは、性格的にそりが合わない。 融通が利かないため、一部の部下(凛など)からは老害的な人物と見られている。
連鎖殺人事件の捜査に対する天海春香国家公安委員長の横槍を、毅然とした態度でつっぱねた。
その後発覚した道警の組織ぐるみの麻薬密輸事件(春香の仕込み?)の責任を問われ、無念の思いを抱えながら辞任の意思を伝えた。
「ばにらまりんのブロマガ」で解説がなされている(アイドル以外では初)。
道警の刑事部長。警視正。
飯島・高木殺人事件の捜査本部の最高責任者であるが、札幌にいて捜査に関する報告を受けているだけである。
渋谷凛は彼の代理として北見に派遣され、捜査の指揮を執っていた。
道警の保安部長。警視正。
薬銃課の麻薬密輸事件が発覚すると、当時の課長補佐であった本田未央を呼び出し、厳しい態度で詰問、糾弾を行った。
厚生省からの出向であり、半ば「外部の人間」である。そのため組織ぐるみの麻薬密輸事件を隠蔽しようとする警察組織に反発し、事件を明るみに出すことを目指して行動している。
そのために学生時代の後輩である釧路地検の水本ゆかり次席検事に会い、麻薬事件が天海春香大臣と萩原組の仕込みであること、代々木一が北竜会に借金があったことなどを主張して、釧路地検が捜査・立件を行うようたきつけた。
さらに公休中の田崎本部長に会い、上記の事実を伝え、不正な行政執行を糺すためとして協力を要請した。
このことを知った三浦あずさ警務部長は激怒し、聖來を逮捕できないかと息巻く。細田総務部長と勝参事官も聖來を説得したが、腹をくくった聖來は頑として聞き入れなかった。
彼女については「ばにらまりんのブロマガ」にて詳しく解説されている。
道警の警務部参事官、監察官室長、主席監察官。警視正。
麻薬密輸事件を受け提出された本田未央の辞表を受理せず、未央に「元部下に売られている」現状を告げる。
三浦あずさのことは「意に沿わない部下に対しては冷酷」と評する。
道警の総務部長。つまりナンバー3。警視長。
やはり三浦あずさに対しては含むところがある模様。
勝参事官とともにあずさの怒りを聖來に伝え翻意するよう説得したが、受け入れられなかった。
北見方面本部所属の刑事。巡査。愛称はシュン。オホーツク原作では北海道編でのボスの相棒役。
北海道まで捜査に来た伊織に懐いて、本来は別組織の人間であるにもかかわらず、伊織をボスと呼び全面的に協力する。
伊織が北海道で逮捕され、後に釈放されると、直属の上司である西園寺琴歌の計らいで、監視という名目で伊織に同行することになり、正式に伊織一味の仲間入りを果たした。
事件関係者である野村真紀子に好意を抱いており、恋愛感情を隠そうともしない。FC版、MSX版など、さまざまなシュンのグラフィックがオホマスでも用いられており、真紀子が現れると急にイケメンに変貌したりもする。
真紀子が失踪したと知ると、状況から誘拐と断定し、夕張中央炭鉱まで救出に向かうよう伊織を強く説得して同行した。真紀子を救出した後も、彼女を守り犯人を挙げるため、あえて西園寺に報告しなかった。後にその件で西園寺に叱責されると、道本に不審を抱いていたことを告白しつつ素直に謝罪した。その後は真紀子の意識が回復するまで彼女の警護にあたった。
伊織一行のボケ役であり、癒し…かもしれない。
北見方面捜査課長補佐。警部。42歳。飯島・高木殺しの捜査本部(未央更迭後)の現場のナンバー2(凛に次ぐ地位)。
凛が直接動く場合を除いては、西園寺が実働部隊のトップである。
伊織は萩原組土建などの関係者に対し、こちらが持っている情報をつきつけたりカマをかけたりして揺さぶりをかけ、反応を見て情報を引き出す捜査手法を多用していた。そのとばっちりを最も受けたのが西園寺であり、後から萩原組を調べようとしてもこちらの手のうちが全てバレてしまって空振りに終わるという状態に陥った。
そのため伊織を強く嫌っており、その心象風景は「鉄錆び包丁」をもって表現されるほど。警視庁の千早の承諾を得て、捜査権限が無いと見なした伊織(捜査中)を住居侵入罪で逮捕するという強硬手段に出る。その後、伊織との会話、福山舞課長の説得を経て態度を軟化させ、伊織を釈放させた。
捜査終盤、被疑事実の固まった野村源次の逮捕を凛に提言するが、受け入れられなかった。捜査終了後、功績が評価され、警視・留萌警察署副署長への昇進が内示された(凛の推薦による)。
北海道警・北見方面本部長。警視長。渋谷凛の上役であり、捜査会議の出席者の中ではトップである。
服装規定をガン無視した和装。
実直な性格のようで、凛たち部下の捜査がスムーズにいくよう環境を整えようとしている。天海春香大臣と三浦あずさ警務部長の癒着を知ると、あずさを捜査から排除するために手を回した。
あずさが道警本部長の代理になると間もなく、本部長更迭が内示されるが、その後留任が決定した。
網走警察署長。警視。道警のニュージェネレーションの一人。
寡婦であり、拓海という娘がいるが、その自由奔放さに手を焼いている。
飯島・高木の連続殺人事件を受けて捜査本部長となるが、指導力も人員も不足し、証拠保全、初動体制の確立に失敗。派遣されてきた渋谷凛と捜査方針をめぐって対立すると、捜査本部長を更迭された。
伊織たちに対しては協力的であり、捜査情報を積極的に提供している。
正義感が強く、清廉・潔癖を旨とするが、警察の実情に比べ潔癖すぎ、結果として組織の運営に支障をきたすこともある。それほどまでにクリーンさにこだわるのは、かつて徹底的に汚れた場所にいたからだった。
前所属は道警薬銃課の課長補佐。戸塚課長の指示のもと、組織ぐるみで麻薬密輸による裏金作りを行っていた。未央自身はそれに反対していたが、止めることはできなかった。後にそれが明るみに出て、監督責任を問われる。様々な要因が重なり精神的に追い詰められた未央は遺書を残し、飛び降り自殺を図った。
知床清里警察署長。警視。道警のニュージェネレーションの一人。
警務畑の出身、すなわち人事マン。捜査実務には疎いが、組織管理や調整の能力に長けた優秀な署長。
知床五湖で殺人事件が発生すると、堀裕子を初動捜査に派遣する。その後、釧路中署や伊織たちなどの協力(介入)を受けるが、最終的に事件は早期に解決した。
伊織を捜査から遠ざけたい釧路中署の意向を受け入れて、無意味と知りつつ伊織を函館へ派遣するが、一方で伊織が函館へ最速で到着できるような配慮も見せた。
地元の有力者とのコネクション(≒癒着)もあり、その関係者による事件のもみ消しなども行っている。
伊織やおよねからは「狸」と評される、腹の底の見えない人物。
知床清里署刑事係の巡査。自称、サイキック☆刑事・ユッコ。
知床五湖の殺人事件の初動捜査を担当するが、初経験のユッコはオロオロするばかり。その場に居合わせた伊織のツッコミを受けまくった。その後も伊織たちと同行することで、どうにか捜査を進める。
最終的に野付半島で犯人の小野とく子を発見、サイキック☆ボスケテでいおりんの精を召喚して指示を仰ぎ、事件を解決に導いた。その功績が認められ、後に本部長賞を受け、道本捜一への異動が決まっている。
経験は足りないが行動や判断に間違いが無く、何気なく真相っぽいことを言い放つこともあり、卯月からは大物になると評されている。
知床清里署副署長。警視。元キャラは京都龍の寺殺人事件に登場する女中さん。
捜査実務に疎い署長、経験の足りないユッコらに囲まれた知清署は、およねさんでもっていると評する視聴者もいる。
新人時代の渋谷凛を指導した先輩刑事。その後、13年前の天海秀雄死亡事件において、秀雄の司法解剖を主張するが、遺族(春香)の反対にあい果たせなかった。また、同事件と坂口達雄殺害事件に関する捜査資料を焼却処分する(情報を公安に渡さないため)渋谷凛と口論になったことがある。
知床五湖の殺人事件の解決に役立った(犯人の写真を提供)伊織の恩に報い、(また、島村署長の癒着ぶりにあきれ、)二度にわたり13年前の事件の情報を伊織に提供する。
北見方面監査官室長。内部の不正を取り締まる役目。警視。
伊織への捜査情報提供を積極的に行っていた本田未央網走署長に対し、網走署内から捜査妨害との声があったとして 日頃の行状に注意を与えた。
元薬銃課の井村が自殺して麻薬使用が判明すると、最初は釧路地検の高森藍子に対し、ことを穏便に済ませるよう 頭を下げていた。しかし薬銃課の組織ぐるみの麻薬密輸が明らかになると、自らの力では握りつぶせないとして、 元薬銃課の未央に出頭を命じた。
北見警察署・防犯課係長。警部補。
道警本部の薬銃課に所属していたことがあり、そこで麻薬の横流しや自己使用に手を染めていた。その件が発覚して検察の取り調べを受け、薬銃課の組織的関与を認める遺書を残し、川沿いで自殺した。
釧路中署刑事課の巡査部長。25歳。昇任試験を一発でクリアした有望株で、近い将来の栄転も決まっている。
釧路中署長の密命を受け、北海道まで来た伊織たちに同行し、その捜査に協力する。だがそれは見せかけであり、間違った方向へ誘導しようとする「スパイ」であった。もっとも本人にはあまり演技にやる気が見られず、伊織から「大根役者」と呼ばれる始末。
署長との電話が盗聴され、伊織たちに捜査妨害がバレると、素直に謝罪し、その後は心を入れ替えて(?)本心から伊織たちの捜査に協力するようになる。釧路中署長から「任務」の終了を宣言されないのをいいことに、長期間にわたって伊織と同行を続け、のうのうとメインキャラクターの座を射止めてしまった。
事件を通して思うところがあり、より自由に生きたいとして、事件解決後に警察を辞職する意思を示した。公休を取り、事件の顛末を見届けると言って伊織たちに同行する。
どんなときも飄々とし、その場のノリで生きる人物。メタネタを多用する、伊織一味のボケ&ときどきツッコミ担当。
氏名は不明。警視正。姿は井持豊洲署長にソックリだが、頭頂部の毛が1本あるところだけ異なる(波平ヘアー)。増田事件に対するスタンスは井持署長と正反対。
萩原組とその系列のヤクザと深い癒着関係にある。ヤクザに金をたかっていたが、やりすぎて民事訴訟を起こされてしまった過去がある。
萩原組の意向を受け、増田殺害事件の捜査をするために北海道にやってきた伊織たちに、高垣楓を監視・誤誘導役のスパイとして付け、証拠の捏造を行い、捜査妨害を執拗に行っていた。
部下に対しては公平で寛大なところがある。楓との電話では自分を「王様」と呼べ、と言うなどおちゃめな一面もある。
萩原組のバックアップを受け、次の釧路市長選に出馬する予定。いったんは釧路から異動されるが、三浦あずさ警務部長の判断により、釧路中署長に返り咲いた。
律子死亡後、萩原組土建を仕切っていたのは律子であり、自分は萩原雪歩や黒井ら北竜会のヤクザとは面識が無いと述べている。
釧路中署の警務課長。警部。オホーツク原作にもチョイ役で登場している。
彼もまた萩原組と癒着しており、女性関係で多額の借金を抱えて昇進の道を絶たれている。釧路中署長とともに、伊織たちの捜査の誤導を行った。知床五湖の殺人事件が発生すると、自ら出向いて伊織たちに会い、五湖の事件が一連の連鎖殺人に関係あるかのようなミスリーディングを行っている。
能力的には有能との評価もあり、五湖の事件が解決して犯人の小野とく子が自供した際には優しく諭してもいる。政治的思惑により警視に昇進し、釧路から引き離された。
後任の釧路中署長。警視正。
もと道本の薬銃課課長であり、おとり捜査を装った警察による麻薬の密輸、裏金作りを主導していた。自らも裏金を着服し、金におぼれていたという、本作に登場する警察官の中でも屈指の悪党。
事が露見して釧路地検に逮捕されそうになると、釧路中署内でピストル自殺を遂げてしまった。
警察庁長官。すなわち警察組織のトップ。
当初は天海春香国家公安委員長の圧力を苦々しく思い、春香に対して田崎道警本部長のふるまいに関してとりなす姿勢を見せていたが、一連の麻薬密輸不祥事発覚を受け、田崎の辞任を認めた。本件に関しては自らの管理責任も認め、春香の意向に逆らえなくなってしまった。
警視総監。すなわち警視庁のトップであり、警察の最高幹部である。
天海春香国家公安委員長にべったりという評判であり、実際に、道警本部長の田崎が春香の意向に逆らった際には、進んで田崎の更迭を浦部警察庁長官に提言した。
13年前の天海秀雄死亡の事案に伴う公安と道警の縄張り争いが発生した当時、警視庁公安部長だったのが綾城である。
櫻井桃華刑事部長から、永福丸事件を発端とした事件の筋が真実かどうか捜査すべきと言われると、現役の大臣に殺人に関与した嫌疑がかかるのは前例が無く、失敗は許されないため、捜査は検察に任せるべきとしてこれを退けた。
警察庁刑事局捜査第一課の理事官。警視正。
豊洲署の福山舞課長が北見の西園寺琴歌課長補佐に電話連絡して伊織の釈放を依頼する際に、両者の仲介を行った。
被害者その1。東京湾・晴海埠頭で死体となって浮かんでいるところを発見された。死因は拳銃で胸部を撃たれたこと。
もともと網走刑務所に収監されていた囚人で、出所後、奥村紀助の紹介により萩原組土建に入社し働いていた。
その後、飯島幸男から50万円を受け取っていた。また、娘の白菊ほたると、野村ゆかりを、765プロダクションに所属させるよう口をきいた(と、野村ゆかりから聞いた。by白菊ほたる)。
後に、飯島、高木、奥村をゆすった脅迫ネタは永福丸事件であったことが明らかになる。
ほたるには苦労をかけたと言って90万円を渡してもいる。自らを野村源次の弟だと、野村ゆかりに言っていたもよう。殺害の数日前に若い女と同行しているところを目撃されている。
警視庁は増田の事案について自殺と結論付けて捜査をいったん終了したが、井持豊洲署長、櫻井桃華刑事部長らが捜査の再開を画策している。
その後の警視庁の調査で、事件当日、北竜会の車に乗って丸の内(春香の定宿)に行っていたことが明らかになった。
浦田の供述によれば、天海秀雄の永福丸事件を知った増田は春香を脅すため東京に行き、逆に殺されたという。
伊織の見解では、春香を効果的に脅すためにゆかりを連れて春香を脅したのではないかとのこと。
被害者その2。北海道・北浜の浜辺で殺害された。死因は頭を鈍器で殴られたこと。年齢は死亡時で72歳。
網走市中部農協の役員であり、資産家で北浜界隈の有力者であった。また、若いころは釧路毎日新聞の記者であった。
死亡する数か月前に、高木順一朗、奥村紀助と東京で会談を持っていたもよう。
浦田の供述によれば、釧毎の紋別支局長をしていた飯島が、過去の永福丸事件を事故に見せかけてもみ消した。
被害者その3。網走港にて死体となって発見された。
死因は首を絞められたこと…とみられていたが、その後の捜査により、首を絞められ水中に沈められたことによる水死であることが判明した。水にマリゴケが含まれていたことから、屈斜路湖が殺害現場である。
アイマスの高木社長同様、全身真っ黒な姿をした765プロダクションの社長である。
戦後間もないころ北海道のウトロで行商をしていたが、ある日大金をつかんで上京し、芸能プロダクションを設立した。その一方で、白木雄九郎という本名を、戸籍を改竄してまで消し、今の名前に改名したという事実が判明しており、闇に葬りたい過去があったのではないかとみられている。事件前にはヤクザに追われていたらしいとの情報もある。
浦田の供述によれば、天海秀雄一味であり、横流しした救援物資を売りさばくことを担当していた。
被害者その4。知床五湖で死体が発見された。27歳。死因は、頸部圧迫により意識を失った後の水死。高木のそれと類似しているが、それは結果的には偶然であった。
小野とく子とは、女同士でありながら周囲から「カップル」と見られるような関係であり、阿寒湖、知床を周遊する旅行をしていた。そこで喧嘩になり、とく子をさんざんもて遊んで捨てようとした、殺そうとしたととく子に思われて、殺されてしまったというのが真相である。
当初は高木という偽名を使っていたこと、他の事件でも登場したニポポ人形が遺留品として発見されたことから、一連の事件との関係が疑われていたが、結局は無関係(ニポポは捜査誤導を意図する釧路中署の仕込み)であり、「痴情のもつれ」と断じた卯月・ユッコの判断が正しかったことになる。
時系列順でいうならば、「第0の被害者」。増田殺害事件の数日前に、その現場とほど近い場所で轢き逃げにあい死亡している。
野村源次の娘、野村真紀子の妹であり、765プロダクション所属のモデル。増田文吉から、ゆかりと白菊ほたるが765プロに入社できたのは自分の尽力があったからだと聞かされていたらしい。
増田文吉の妻。
夫が殺された後であるが、あまりうろたえておらず、警察の聞き込みに対してもふてぶてしく応対し、口を閉ざすこともある。裏では萩原組から口止め料として金を受け取っており、まだまだ搾り取るつもりでいる。ついには黒塗りの高級車を買う始末。
一方で、野村真紀子からも金を受け取っていた。
増田文吉の娘。765プロダクション所属のアイドル。
モバマスでは不幸体質アイドルであるが、本作では葬儀で活躍するフューネラル・アイドルという新境地を切り開こうとしている。
犯罪歴のある増田にとってもかわいい娘だったようで、増田の口利きで765プロに入社し、増田から金も受け取っている。
また、警察には情報を提供しないよう、萩原組部長の律子から口止めされていたもよう。
飯島幸男の息子。温和な好青年。幸男殺害事件発生時に聴取を受け、情報を提供している。
新二は幸男の生前、幸男の依頼で札幌の炉端焼き屋・コロポックリに出向き、幸男が昔世話になったというゲンさん(野村源次)と対面する。
父親の過去については詳しく知らない様子。
765プロダクションの秘書。オホーツク原作の坂口達男のポジション。
何かにつけ伊織に厳しい取り調べを受ける不憫な人。高木社長殺害の際には、現場に駆けつけるタイミングが早すぎたせいで疑われたが、急げば到着可能であることが判明して一応疑惑は晴れた。
高木社長と飯島、奥村が死亡数か月前に面会を持っていたことを供述する。
その後の調べで、①高木の死後に765プロの株を10%取得したこと、②取得額が7億円以上であったこと、③その資金は亜美の口利きで、春香と関係の深い信用金庫から融資されたことを白状した。765プロの株に関しては、萩原組が実質的に買収したと言える。
その後は765プロの社長を務めていたが、検察の手によりまたしても「任意」の事情聴取を受けるはめになる。
札幌の炉端焼き店「コロポックリ」の店員。通称・ゲンさん。増田文吉と顔がよく似ている。真紀子、ゆかりの二人の娘がいる。普段は札幌の真駒内に住んでいるが、紋別出身である。
浦田によれば、死んだ親友の息子の源次を親代わりになって育てたというが、およねの言によれば源次は孤児で13年前の天海事件の時点で浦田と同居はしておらず、奥村紀助の援助で生きていたとのこと。
増田が天海春香を脅して返り討ちにあったのと前後して、娘の野村ゆかりが轢き逃げにあい死んだことから、天海一味の飯島と高木を殺した容疑者とみられ、捜査の結果、血痕のDNA鑑定など物的証拠も固まった。最終的には三浦あずさ警務部長の政治的判断で逮捕が見送られた。
真紀子の失踪と前後して、「娘は預かった。助けたければ夕張中央炭鉱まで来い」と源次に伝えるようコロポックリに電話があった。
手稲渓仁会病院というところに入院しており、容疑者として警察官に厳しく監視されていたが、あずさが源次の逮捕見送りを決断したこと、源次自身が末期ガンで動けないと判断されたことから監視が外されることになった。だがその後、最後の力を振り絞り病院を脱出、コロポックリで包丁を手に取り札幌駅へ向かった(春香殺害が目的と思われる)。
野村源次の娘。札幌・手稲在住で、スキー・インストラクターなどの仕事をしている。
奥村紀助が、「あんたたち親子に一言詫びを言いたいと思っていた」と書かれた真紀子宛ての手紙(未送付)を残して自殺している。また事件後、増田たえに会いに行って金を渡している。
伊織が真紀子宅で聞き込みを行ったが、のらりくらりとした応対で重要な情報は渡さなかった。伊織からは女狐と評されている。
道東(釧路、紋別)から札幌に戻った翌日、北竜会系のヤクザに拉致された。秋月律子の指示により、直接的な殺害や乱暴はされず、夕張中央炭鉱にて縛られて放置されていた。
夕張中央炭鉱にて伊織とシュンに保護され、病院に入院した。
やがて意識が回復し、病室で伊織たちの聴取を受ける。父親が飯島と高木を殺したこと、春香を殺そうと思っていることを認めた。真紀子と源次は、増田が源次の弟だと信じ、永福丸事件の口封じを目的に、春香をボスとする一味が野村一族を全員殺そうとしたと思っていた、と供述した。萩原雪歩のことは知らない様子。
野村真紀子の友人で、釧路毎日新聞の記者。
オホーツク原作では、裏ワザを使うと温泉でヌードを披露してくれる女性として有名。もちろんオホマスでも…(お楽しみに!)
伊織の捜査に対し、真紀子のアリバイや釧毎、萩原組などに関する断片的な情報を提供してくれた。
棟方愛海殺害事件の犯人。愛海の項にある通り、痴情のもつれにより殺害に至った。それまで高木郁美という偽名を使っていた。
自供の内容には冷静さを欠く部分もあり、聞き取りを担当した綾瀬穂乃香と山辺から諭されていた。
網走刑務所の服役囚。13年前に天海秀雄代議士の秘書・坂口達男を殺害した罪で無期懲役刑を言い渡され、 網走刑務所に服役中。
北海道で殺された飯島、奥村がそれぞれ持っていたニポポ人形に「甚五郎」の銘が刻まれ、目に涙のような 掘り跡が残されていたことから、何か情報を知っているのではないかと見られており、 凛、伊織からそれぞれ聞き取りを受けた。
坂口達男の項にある通り、坂口殺害事件では恣意的な取り調べを受けており、警察に対してはかなりの不信感を持っている。
伊織たちに野村姉妹と写っている写真を見せられ、ついに事件の真相を白状する。大元は戦後まもなくの「永福丸事件」だった。
米軍の救援物資を横流しするなどして大儲けしていた連中が、事がばれそうになると証拠隠滅のために船を乗務員もろとも沈めてしまったというもの。一味のメンバーは、ボスの天海秀雄、船を用意した奥村紀助、物を売りさばいた白木雄九郎(高木順一朗)、事件をもみ消した新聞記者の飯島幸男。
事件で犠牲になった船頭・野村安吉の息子・野村源次を浦田は引き取り、親代わりになって育てたという。
増田と同じ房に入っていたとき、気を許してこの話をしてしまったため、増田は天海春香を脅すために東京に行き、反対に殺された。そして野村ゆかりが死に、昔の関係者が次々と死んでいった…。その供養のために、人が死ぬたび浦田はニポポに涙を彫り付けた。
以上が浦田の供述である。
これに対する伊織の見解は、浦田自身も船を沈めた天海一味の仲間である(真相を知っているから)、増田が春香一味を脅迫したのは浦田の立案である(手際が良いから。動機は昔の仲間へのやっかみ?)、金で解決できる増田の脅しに対し春香が増田を殺したのは動機が弱く疑問である、というもの。
アパレルメーカーの専務で、有名な服飾デザイナー。野村ゆかり轢き逃げ事件の被疑者であり、車両の所有者。横浜の海に沈んだ車が発見され、捜査線上に浮上した。
車は盗まれたと主張し容疑を否認するものの、盗難届は出していない、アリバイも無いという不利な状況。
萩原組土建の取締役総務部長。表に出てこない社主(はとこの萩原雪歩)に代わり、萩原組の実務を取り仕切っていた。
伊織の訪問を受け、最初は高圧的な態度をとったが、伊織が警視庁所属と知ると態度が豹変した。
普段は理知的に応対するが、奥村紀助が過去の社長であったことを隠していたことがバレたり、伊織が目の前で釧路地検に連絡をとったり、萩原雪歩社主に面会を申し入れたりすると、うろたえた表情も見せた。
しかし最終的には、何だかんだで決定的な情報は渡しておらず、警察と互角に渡り合っていた。
双海亜美、阿久津、ヤクザの黒井、神奈川ら「黒い」関係者と近しい関係にあり、やりとりに神経をすり減らしていた。
釧路地検の水本ゆかり検事の指示により逮捕される。別件逮捕だが、水本は増田・野村姉妹の殺人・同未遂容疑で律子を厳しく追及する。
さらに伊織の聴取を受け、雪歩が北竜会に対し総長任命などの強い権限を持っていること、自らは実質上においても雪歩に使われる立場にすぎないことを白状した。
以前から糖尿病の持病を持っていた律子は、釧路中署の留置場で与えられた薬を飲んだとたん苦しんで倒れ、死亡した。
萩原組土建の取締役社主。すなわちオーナー、筆頭株主。株式保有率は70%近く。
法的・経済的に考えれば、萩原組の実権を握るオーナーであるのだが、本人は経営への意欲を示さず、律子の言いなりになっているように見えた。
釧路近郊の大楽毛(おたのしけ)という場所に邸宅を構え、普段はそこで静かに暮らしている。ただし、頻繁に海外に行くなどの活動をしていた。
実際には、萩原組はもとより、もともと萩原組と同根であったヤクザ・北竜会に対しても、絶対的な権力を持っていた。永福丸事件を知られて自らの名誉を傷つけられることを恐れた雪歩が、北竜会の枝の青狼会に増田と野村ゆかりを殺すよう指示した。真紀子の殺人未遂の指示も、765プロを買収するよう律子に指示したのも、逮捕された律子を始末させたのも雪歩である。(これらの事実は、回想場面、および春香・雪歩の言葉によるものである)
ヤクザの黒井に向かって、私が何をしても見逃してくれるから警察は怖くない、怖いのは永福丸事件が知られて私の名誉が傷つけられることだ、と言い放った。
萩原組土建の代表取締役社長。
元は警察官で、捜査一課長や釧路中署長、警ら部長、北見方面本部長などを歴任した大物。渋谷凛の元上司であり、凛からは有能な上司だったと評価されている。
事件について萩原組の関与を疑われないよう、隠蔽工作を担当している。
オホーツク原作の阿久津は国会議員であったが、本作ではそれとは無関係。
萩原組土建の元社長。入社当時は珍しい(旧制)専門学校卒のエリートで、社長となり萩原組を中堅ゼネコンに成長させたが、北竜会と手を切ろうとしたために萩原社主の怒りを買い、会社を追い出される。
紋別の出身であり、地元にも多額の寄付をしていた名士であったが、暮らしぶりは質素だった。
一連の事件発生から間もなく、妻に「罪滅ぼしをしてくるかな」という言葉を残して、海に身投げをして自殺を遂げた(目撃者あり)。自殺する直前、雪歩邸を訪れていた。
浦田の供述によれば、天海秀雄の一味であり、所有する船を萩原組に賃貸して米軍の救援物資の横流しに手を染め、永福丸事件にも関わっていた。
雪歩との会話では、野村ゆかり殺害が源次の怒りに火をつけ復讐を呼んだと言ったが、永福丸事件の当事者はお前だ、死んで当然と雪歩に指摘され、自殺を決意する。
萩原雪歩邸の使用人と思われる。萩原組による犯罪も知っている。
雪歩に対し絶対の忠誠心を持っている様子であり、雪歩に逆らう者には律子であろうと黒井であろうと容赦しない。
萩原邸を訪問した伊織が警察(令状による捜索ではなく任意の聴取)と知るといったん追い返そうとするが、雪歩の意向を聞いた結果雪歩との面会を許した。
衆議院議員。自治大臣兼国家公安委員会委員長。北海道5区(釧路、網走、北見など)選出。当選4回。
前職は大蔵官僚。父の秀雄も国会議員だった。伊織や千早にとっては大学の先輩。
国家公安委員長という地位を利用し、一連の連鎖殺人事件について、その捜査を打ち切らせる方向へと、警察組織に強烈な圧力をかけている。それをはねつけた田崎道警本部長を、麻薬密輸事件の責任を取らせて更迭して、実質的に道警を乗っ取ってしまった。
政治家としては非常に強権的なタイプで、地元への利益誘導にも熱心。法律にも経済にも明るい。そのわりに地盤が弱く、選挙では大票田の釧路などで苦戦している。
浦田の供述によれば、永福丸事件をネタに増田に脅迫されたためヤクザを使って増田を殺したとみられるが、春香が亜美に言ったところでは、増田・野村ゆかり・律子を殺すよう指示したのは萩原組の雪歩とのことである。
亜美による議員辞職の勧めを受け入れず、亜美にクビを宣告。三浦あずさ道警警務部長を通して札幌高検と交渉するべく札幌に向かう。雪歩を札幌に呼び出し、SPは随伴させなかった。
天海春香大臣の秘書官(公設第一秘書出身)。金庫番であり知恵袋でもある、春香にとって不可欠の側近。
春香の地盤は網走・北見であり、地場の業者を保護するため、釧路の萩原組とは対立を続けていたが、春香としても釧路の票が欲しいため、秘密裏に手を組むことになった。その絵を描き、実現に奔走したのが亜美である。
ヤクザとのつながりもあり、律子や黒井とも裏で会話を重ねている。
警視庁の新田課長からは、「とんでもないワルで、人の一人や二人殺しても平気な顔をしていそう」と評されている。
真紀子の誘拐、律子の逮捕・殺害と続き、札幌高検が本格的に動いて春香の周辺が追いつめられると、765プロ買収に関する収賄の罪は亜美がかぶるので、春香は議員辞職するよう進言したが、受け入れられなかった。
北竜会総長。つまりヤクザのボス。
北竜会はもともと萩原組と源を一にしており、北海道における独立系の組では大きいほうである。 昔は武闘派の組だったが、現代的なシノギが必要になり、先代の総長が急死したのち、資金集めに長けた黒井が跡目を継いだ。
北竜会は萩原の当主、すなわち雪歩に逆らえないヤクザであり、黒井が総長になれたのも雪歩の指名によるものである。粗雑なやり口で増田らを殺害させた雪歩に諫言したが、雪歩には理解されなかった。
北竜会総本部長・青狼会会長。つまりヤクザのボス。
青狼会は、北竜会の二次団体である。インテリヤクザの黒井北竜会総長に対して神奈川は武闘派とされる。北竜会先代総長の時代には、黒井の兄貴分であった(つまり、弟分に本家の跡目を奪われた)。そのため黒井に対しては、ついていけないと感じているもよう。
萩原雪歩の言葉、および回想によれば、雪歩の指示により増田と野村ゆかりを殺害し、野村真紀子を略取した実行犯が青狼会のヤクザである。だがその手口は粗雑であり、足がつく余地を残した。
天海春香国家公安委員会委員長の父親。自らも北海道知事、国会議員を歴任した政治家であり、与党にあっては貴重なソ連とのパイプを持っていた。
13年前(昭和49年)、秘書の坂口が殺害されたのに続き、自らも札幌市内のホテルで首をくくって死亡する。
殺人事件ではないかと疑う声もあったが、最終的には自殺と結論付けられた。
この事件の捜査に関しては、公安警察(綾城ら)と道警(阿久津・京本・およね・凛・西園寺ら)が激しい縄張り争いを繰り広げ、遺恨を残している。
およねから伊織への話によれば、本件には以下のような見解がある。
天海は代議士生命に関わる醜聞をネタに秘書の坂口に脅迫されてノイローゼになっており、浦田に秘密裏の坂口殺害を依頼した。だが浦田が坂口殺害の証拠を残してしまったため逮捕されそうになり、天海に助けを求めたが拒絶されたため衝動的に天海を殺したというものである。
浦田の供述によれば、永福丸事件に関わった一味のボスである。
天海秀雄の秘書。秀雄の死の直前に殺害された。
名前はオホーツク原作の白木雄九郎(高木順一朗ポジション)の部下からとられているが、名前以外につながりはない。
その犯人は浦田甚五郎。借金の返済をめぐって坂口と口論になり、激高して刺殺した、と浦田は自供し、裁判でもそのように認定された。
だが、犯人が浦田である証拠はあるが、その動機・背景に関しては、道警の思い描いたストーリーに沿って半ば強引に自供させられたもようであり、真相は闇の中である。天海秀雄の項にあるような見解も存在する。
釧路地方検察庁の検察官。三席検事。
性格は一言でいうなら「ゆとり」。やる気が無く、上昇志向は皆無。
伊織、千早とは昔からの友人であり、一連の事件に関する情報交換も行っている。
一連の連鎖殺人事件に対しては、天海春香大臣を立件できそうならば協力する、というスタンスで伊織・道明寺たちに接している。
水本ゆかり次席検事の指示を受け、伊織から永福丸事件をはじめとする情報提供を受ける。
律子が殺害されると、水本の命令を受け、伊織とともに野村源次を聴取するため札幌に向かった。
釧路地検の検察事務官。副検事を目指して勉強中。
3年前の事件の捜査を担当した。萩原組の内部告発で、裏金を作って天海春香代議士に供与しているというものであったが、実際には当時の春香と萩原組は敵対関係にあり、内部告発は虚偽情報であった。
麻薬密輸事件の捜査に当たっては、沢田耕次、西園寺琴歌と丁々発止のやりあいを演じる。その後、同事件の主犯と目された戸塚正の逮捕に向かったが、目を離した隙にピストル自殺されてしまった。
釧路地検の検察官。次席検事。地検のナンバー2。年齢は40歳。
東京地検特捜部からの異動で釧路に着任した。いわゆる現場派のエリートで、かなり上昇志向が強い。
連鎖殺人事件に天海春香が関与しているのではないかとの情報に、(大物を捕まえたいという意味で)強い興味を示す。 楓からは、その性格をうまく利用すれば味方にできそうと評された。
また、道警による麻薬密輸事件においては、戸塚元課長の逮捕を逃した(自殺)件で美希を叱責し、 連鎖殺人事件、春香とのからみも念頭に置いて、地検の自力での立件に強い意欲を示した。
その後、水木聖來道警保安部長からも煽られ、釧路地検として本格的に動くことを決意した。
公正証書原本不実記載の疑いで秋月律子を逮捕し、増田・野村ゆかり殺人容疑で律子を厳しく追及する。
本来はそれを駆け引きの材料にして収賄容疑で春香を立件する腹だったが、釧路中署に拘留された律子が殺害されると、殺人での捜査が必要として美希を野村源次のもとに向かわせた。
釧路地検の検事正。釧路地検のトップ。氏名は不明。
ぬぼーっとした表情をしており、常時「ウィー」「ヒック」状態であるが、しらふであり、部下の報告をもとに判断、指示できる能力はそなえているもよう。
本田未央の娘。高校生。仕事一筋で家庭を省みないステレオタイプな団塊の世代の親に育てられ、達観してしまった。
アイドルを目指しており、オーディションに合格して高校卒業後に東京に行くことが決まった。
母の未央が自殺を試みると、入院中の未央と会おうとせず、札幌に行き渋谷凛の世話になることになった。未央に対しては心の整理がついていないと言っている。
渋谷凛の娘。引き取られた拓海の話し相手になる。
拓海が内心では未央を心配しているのを見抜いているようで、病院に行くよう促した。
凛からは、警察官にだけはならないでほしいと言われている。
拓海がアイドルになることを知り、自分もオーディションを受けることを志望する。
田崎敏夫道警本部長の妻。
20年前に小包爆弾事件により殺されている。
田崎敏夫道警本部長の娘。
やはり小包爆弾事件の犠牲になっている。
麻薬を譲受けて使用したとして警察に自ら出頭。その後、釧路地検の取り調べに対し、 警察官の井村から麻薬を買ったと暴露した。
一連の麻薬密輸事件の発端となった人物であるが、春香または亜美の差し金であるかどうかは現時点では不明。 自首の動機は良心の呵責と言っているが、その言葉には何か裏があるとみられている。
奥村紀助の妻。正式な名は不明。奥村が自殺する直前に渡されたニポポ人形を伊織たちに託す。
渋谷凛に暴かれた奥村の過去の罪(永福丸事件)については、凛から口止めされたこともあり、伊織たちには伝えなかった。
ポートピア事件の犯人。犯人はヤス。
両親の復讐のため、現職の警察官でありながら二人の人間を殺害した。
本作では、兵庫県警がそれをもみ消そうとして失敗し、警察全体の信用を失墜させる大スキャンダルに発展している。工作に関与した伊織が懲罰的人事で左遷されるきっかけにもなっている。
本編には未登場。第27話・37話解説編に登場し、解説役・島村卯月の相方として聞き手を務める。
編者の印象としては、一般的な視聴者と同じ一般市民的な感覚、目線でものを語ってくれているように感じられる。
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最終更新:2025/12/09(火) 02:00
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