ファイナルファンタジータクティクスA2 封穴のグリモア(FINAL FANTASY TACTICS A2 封穴のグリモア)とは、2007年10月25日にスクウェア・エニックスから発売されたニンテンドーDS用シミュレーションRPGである。
封穴は「ふうけつ」と読む。略称はFFTA2。正式名が長すぎてタグ登録不可能なため、動画のタグもこれが多い。
概要
FFTAシリーズ最新作で、イヴァリース・アライアンスプロジェクトのひとつ。舞台は前作ファイナルファンタジータクティクスアドバンスと同様の「イヴァリース」だが、ストーリー上のつながりはないため、今作単品でも全く問題なく楽しめる。ファイナルファンタジーXIIのイヴァリースと同じ世界にあり、ヴァンやパンネロ、アルシドといったキャラクターも登場する。
物語は、夏休みを目前に控えた主人公の少年ルッソがイタズラの罰として図書館の片付けを言いつけられたところから始まる。そこで見つけた白紙だらけの古い本にはこう書かれていた。『空白を埋める者、その名を告げよ・・・』
ルッソは興味本位で名前を書き込んでしまうが、そのせいで本から光が放たれ、ルッソは見たこともない世界に飛ばされてしまうのであった。
基本的な流れは前作同様、パブで依頼(クエスト)を受けてそれをクリアしていくというもの。クエストにはエンゲージ(戦闘)で勝利する他に、必要なアイテムをそろえて渡すもの、必要な人材を派遣するものなどがある。メインクエストのエンゲージで負けるとゲームオーバーになってしまうが、その他のクエストは失敗してもゲームオーバーにはならない。
また、エンゲージでは前作と同じく「ロウ」と呼ばれるルールが存在するが、違反するとペナルティがあった前作とは異なり、破ってもエンゲージ後の報酬が減るだけなので遊びやすくなった(ロウを守ることがクリア条件のクエストはある)。クリアするだけなら普通のゲームと変わらないプレイ時間でいけるが、すべてのクエストをクリアしようとするとかなりやりごたえがあり長く遊べるようになっている。難易度はノーマルとハードがあるが、ストーリーに違いはない。
種族
- ヒュム族
一番バランスのいい種族で、いわゆる人間。ユニットは基本的に男性で、女性は一部の固定ユニットのみ。武器も魔法もこなせるため汎用性に優れる。もちろんどちらかに特化した育成も有効である。
- バンガ族
力自慢の男性種族で、荒々しい見た目どおり肉弾戦を得意とする。魔法はあまり得意ではなく、魔法系ジョブも少ない。男性種族だが、一部オカマも登場する(ロウ上は当然男性扱いだが)。
- ン・モゥ族
温厚で魔法が得意な種族。垂れ下がった耳が特徴で、動きはあまり早くない。今作のイベントにおけるン・モゥは温厚とはかけ離れた者が多い。
- ヴィエラ族
しなやかですらりとしたスタイルの女性種族。武器も魔法もいけるが最大の特徴はスピードで、速さを生かしたジョブが多い。グリアと比較すると大人系の女性といった感じで、アイドルグループ(ラブリーボイス)まで存在する。
- モーグリ族
小柄で器用な種族。かわいらしい姿とは裏腹に、この世界の機械はモーグリたちによって支えられているといえるほど優秀なエンジニアが多い。ジョブも特殊なものが目立つ。
- シーク族
FFXIIにも登場した、豚のような姿の男性種族。ン・モゥ族同様鈍そうな体をしているが、意外と動きは機敏。ただ、頭のよさは見た目どおりよくない。新登場のシーク族とグリア族のジョブは各4種類で、既存種族より少なめである。
- グリア族
初登場のドラゴンの翼と尻尾が生えた女性種族。最大の特徴は飛行能力で、地形をほぼ無視できる分他の種族より機動力に優れる。ラブリーボイスメンバーの半分はこのグリア族で、その魅力に取り付かれた他種族のおっかけが各地で目撃されている。
主な登場人物
- ルッソ・クレメンズ
主人公の少年。明るく元気いっぱいで、かなり前向きな性格。両親はいないらしく、おばさんの家に預けられている。お化けが苦手。メインストーリーのエンゲージでは主人公らしく強制出撃となる。
種族はヒュムで初期ジョブはソルジャー。ほとんどの固有ユニットが専用ジョブを持つ中、主役であるはずの彼にはなく、特別な能力はない。ユニットとしてはグラフィック以外ただの汎用ヒュムなのが悲しいところ。
- シド
ルッソがこの世界で始めて出逢う人物で、ガリークランのリーダー。豪胆な性格で、突然現れた得体の知れないルッソにも普通に接する。この世界ではジャッジをつけた(=エンゲージで死なない)クランは腰抜け扱いされるのだが、こんな性格のシドがジャッジをつけている理由とは…?犯罪組織カミュジャやイルーアと因縁があるらしい。
種族はバンガ族で初期ジョブはウォリアー。最初はゲスト扱いで、ユニットとして使えるのはしばらくあとになる。
- アデル
ヒロインの女の子。通称「キャット・アデル」と呼ばれ、抜け目のない性格をしている。
種族はヒュムで初期ジョブはシーフ。女性なのでヒュムでありながら女性専用装備OK、アビリティなしでリボン装備が可能、ついでに物語が進むと専用ジョブ「エアレス」になれる、など主人公以上に優遇されているような…。
- ハーディ
モンブランや前作のノノの弟で、ヴァンたちとは以前からの知り合いのモーグリ。吟遊詩人の修行中にルッソと出会い、成り行きでガリークランに入る。
種族はモーグリで初期ジョブは専用職の吟遊詩人。ただしチョコボ士にはなれない(チョコボには乗らないというポリシーがあるから?)。
- イルーア
犯罪組織「カミュジャ」に所属する、青髪の妖艶な美女。シドとは因縁の関係にあるらしく、エンゲージでシドを出すと二人の会話を見ることができる。
種族はヒュムでジョブは専用職のナイトシェイド。
- ラザフォード
数百年前にこの世界にロウとジャッジを作り出したという伝説の人物で、すでに死亡したものと思われていた。ルッソに会ってからも、その存在を他人に知られないようひっそりと暮らす。
「優れし者」と思しき人物で、ルーンマスターと呼ばれている。
- ヴァン
FFXIIの主人公で、空賊としての名前も売れてきた青年。その影響でパンネロとセットの偽者まで現れ始めた。加入イベントはメインクエストと関係がないため、加入させずにクリアすることもできる。
種族はヒュムで初期ジョブは専用職の空賊。
- パンネロ
ヴァンの幼馴染で一緒に空賊をしている(ストーリー設定のためジョブとしてはなれない)少女。踊り子として有名になった影響で偽者が出没しているらしい。ヴァン同様、加入させなくてもクリアできる。
種族はヴィエラで初期ジョブは専用職の踊り子。
- アルシド
マルガラス家の男で優秀な情報収集力を持つ一方、かなりのプレイボーイでもある。加入はクリア後のクエストにて。
種族はヒュムでジョブは専用職のエージェント(完全固定でジョブチェンジできない)。アビリティ「スカウト」は女性に関係するものばかりで、彼のヘルプの説明文は必見である。女性が多いほど有利なものが多いアルシドのために、出撃メンバーを女性で固めてみるのもありかも?
- モンブラン
ハーディの兄でモーグリ兄妹の長男。クラン・セントリオのリーダーを務めている。ハーディ曰く「しっかりものだがチョコボに乗れず、お酒も飲めない」。アルシド同様、加入はクリア後になる。
種族はモーグリで初期ジョブは黒魔道士。ハーディの言葉通りチョコボ士になれない。そのうえ専用ジョブがないため、汎用モーグリよりジョブ数が1少ない。加えて最低加入レベルが45と高いため育成の余地が少ないのも悲しい。
- フリメルダ
かつて剣聖と呼ばれた女性で、名をフリメルダ・ロティスという。ある人物に秘薬を飲まされた影響で、体が見るも無残なゾンビと化している。加入させるには連続クエストをこなす必要がある。加入させなくてもクリアは可能。
種族はゾンビ→ヒュムで初期ジョブはパラディン。専用ジョブこそないものの、アデル同様女性のため、ヒュムでありながら女性専用装備が可能&アビリティなしでリボン装備可能。さらに強力な装備を所持し、二刀流のアビリティを覚えているため即戦力にもなる。初期レベル設定がないため、低レベルプレイすれば理論上最低レベル4加入が可能。育成にこだわる人は狙ってみよう。
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