ファーム日本選手権とは、日本プロ野球の二軍(ファーム)の年間日本一を決める試合である。
毎年10月上旬ごろ、みやざきフェニックスリーグの開催前にサンマリンスタジアム宮崎で開催される。イースタン・リーグとウエスタン・リーグの優勝チームが対戦する。
一軍の日本シリーズと違い、1試合のみの一発勝負。延長戦は回数制限なしのため引き分けはないが、雨天などのコールドゲームで引き分けになった場合は予備日に再試合となる。ホーム側は奇数年がイースタン、偶数年がウエスタン。DH制の採用はファーム公式戦同様、各球団の判断による。
出場できる選手は、以下の条件を満たした選手に限られる。
8月31日時点で支配下または育成選手として引き続き登録されており、下記のいずれかの条件を満たす者
①本年度支配下または育成登録された新人選手
②本年度1度も出場選手登録されていない選手
③本年度出場選手登録された選手の出場規定は10月1日(出場資格者名簿提出前日)時点で下記の規定のいずれかを満たしている選手
本年度ファーム公式戦において、
ア)打者=規定打席(チーム試合数×2.7)×0.3
投手=規定投球回数(チーム試合数×0.8)×0.3
イ)出場試合数が20試合以上の選手
※チーム試合数は、同一リーグ内の試合数とファーム交流試合の数を合算した数
※小数点以下切り捨て
要するに、①その年のルーキー、②一軍昇格がなかった選手、③ある程度その年の二軍戦に出場している選手、のいずれかのみ出場資格が与えられる。つまり、二軍戦に全く出ていないバリバリの一軍の主力をファーム日本選手権に出すことはできない。逆に言えば、怪我や不調で二軍暮らしが長ければ主力級の選手やベテランでも出場できる。
なお、育成選手の出場は通常の二軍公式戦同様に5人まで(育成選手制度の導入当初はそもそも育成選手には出場資格がなかった)。外国人選手は、同時に出場させられるのは投手1名野手3名まで。
試合後には勝利チームからMVPが1名、また両チームから優秀選手賞が1名ずつ選出される。MVP賞金は50万円、優秀選手賞は20万円。またホームランを打った選手にはホームラン賞として賞金が出る。
なお二軍戦は観戦無料の球場もあるが、ファーム日本選手権は出場チーム・開催球場にかかわらず有料なので注意。
イースタン・リーグとウエスタン・リーグは1950年代から始まっていたが、ファーム日本選手権が始まったのはそれよりだいぶ遅く、1987年から。最初は「ジュニア日本選手権」という名前で、1996年はなぜか開催されず[1]、1997年に再開してから現在の「ファーム日本選手権」という名前になった。2005年に一度だけセゾンカードが冠スポンサーになり「《セゾン》カード プロ野球ファーム日本選手権」という名前で開催されたことがある。
ちなみに一軍の日本シリーズは「にっぽんシリーズ」だが、こっちは「ファームにほん選手権」。紛らわしい。
| 年度 | 優勝チーム | スコア | 相手チーム | 開催球場 | MVP |
|---|---|---|---|---|---|
| 1987年 | 巨人(イ) | 9-0 | 中日(ウ) | 平塚球場 | 加茂川重治 |
| 1988年 | 巨人(イ) | 5-2 | 中日(ウ) | 西京極球場 | 松原靖 |
| 1989年 | 巨人(イ) | 3-0 | オリックス(ウ) | 平塚球場 | 橋本清 |
| 1990年[2] | 中日(ウ) | 6-4 | 巨人(イ) | 東京ドーム | 清水雅治 |
| 1991年[3] | 巨人(イ) | 8-7 | 広島(ウ) | 平塚球場 | 呂明賜 |
| 1992年 | 巨人(イ) | 3-2 | 中日(ウ) | 川崎球場 | 杉山直輝 |
| 1993年 | 巨人(イ) | 3-0 | 中日(ウ) | 福井県営球場 | 松谷竜二郎 |
| 1994年 | オリックス(ウ) | 6-4 | 巨人(イ) | 相模原球場 | 戎信行 |
| 1995年 | 巨人(イ) | 1-0 | 近鉄(ウ) | 富山市民球場アルペンスタジアム | 門奈哲寛 |
| 1996年 | 開催せず | ||||
| 1997年 | 日本ハム(イ) | 1-0 | オリックス(ウ) | 宜野湾市立野球場 | 大貝恭史 |
| 1998年 | ヤクルト(イ) | 4-1 | 阪神(ウ) | 宜野湾市立野球場 | 五十嵐亮太 |
| 1999年 | 阪神(ウ) | 7-3 | 日本ハム(イ) | 浦添市民球場 | 濱中治 |
| 2000年 | 中日(ウ) | 4-2 | 巨人(イ) | 浦添市民球場 | 筒井壮 |
| 2001年 | 西武(イ) | 5-0 | 阪神(ウ) | 坊っちゃんスタジアム | 三井浩二 |
| 2002年 | 阪神(ウ) | 16-3 | 西武(イ) | 坊っちゃんスタジアム | 藤原通 |
| 2003年 | 阪神(ウ) | 3-0 | 日本ハム(イ) | 長野オリンピックスタジアム | 早川健一郎 |
| 2004年 | 中日(ウ) | 4-3 | 日本ハム(イ) | サンマリンスタジアム宮崎 | 土谷鉄平 |
| 2005年 | ロッテ(イ) | 7-5 | 阪神(ウ) | スカイマークスタジアム | 辻俊哉 |
| 2006年 | 阪神(ウ) | 6-0 | ロッテ(イ) | 山形県野球場 | 中村泰広 |
| 2007年 | 中日(ウ) | 7-2 | 巨人(イ) | 山形県野球場 | 吉見一起 |
| 2008年 | ソフトバンク(ウ) | 5-1 | ヤクルト(イ) | 長崎ビッグNスタジアム | 岩嵜翔 |
| 2009年 | 中日(ウ) | 2-0 | 巨人(イ) | 富山市民球場アルペンスタジアム | 鈴木義広 |
| 2010年 | ロッテ(イ) | 6-5 | 阪神(ウ) | HARD OFF ECOスタジアム新潟 | 細谷圭 |
| 2011年 | 中日(ウ) | 4-3 | 日本ハム(イ) | サンマリンスタジアム宮崎 | 前田章宏 |
| 2012年 | ロッテ(イ) | 4-0 | ソフトバンク(ウ) | 坊っちゃんスタジアム | 塀内久雄 |
| 2013年 | ソフトバンク(ウ) | 4-3 | ヤクルト(イ) | サンマリンスタジアム宮崎 | 田上秀則 |
| 2014年 | ロッテ(イ) | 6-4 | ソフトバンク(ウ) | 大嶺翔太 | |
| 2015年 | ソフトバンク(ウ) | 2-0 | 巨人(イ) | 岩嵜翔 | |
| 2016年 | 巨人(イ) | 6-2 | ソフトバンク(ウ) | 岡本和真 | |
| 2017年 | 広島(ウ) | 5-2 | 巨人(イ) | 坂倉将吾 | |
| 2018年 | 阪神(ウ) | 8-4 | 巨人(イ) | 熊谷敬宥 | |
| 2019年 | ソフトバンク(ウ) | 6-3 | 楽天(イ) | 二保旭 | |
日本シリーズとファーム日本選手権の組み合わせが同一になったのは、2005年のロッテ対阪神のみであり、どちらもロッテが勝利している。なんでや!阪神関係ないやろ!
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/06(土) 19:00
最終更新:2025/12/06(土) 19:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。