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ブレスオブファイア

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『ブレスオブファイア』とは、カプコンから発売されたRPGシリーズである。略称はBOF、ブレス。
英語の表記だと、「Breath of Fire」となる。

この記事ではシリーズ初代作品「ブレスオブファイア~竜の戦士~」の解説するほか、のちのシリーズについても簡単に触れていく。

概要

1993年にカプコン初の本格RPGとしてスーパーファミコン用に発売。以来シリーズを重ねて通算販売数300万本以上の実績を作った。初代「竜の戦士」は、歴代主人公リュウ、ヒロイン・ニーナの基本イメージが決められた記念すべき作品でもある。この主役二人が手塚漫画のスター・システムのごとく、設定やデザインを変更されながらも全シリーズ統一して登場することはよく知られているが、そのほかのキャラクターも幾人かのちの作品に登場している。

世界観はRPGによく見られる中世ヨーロッパ風の趣こそあるが、エルフやドワーフといった種族に代わって獣の顔や尻尾、翼をもついわゆる獣人たちが登場。キャラクターをはじめトータルデザインを担当した吉川達哉の力強さと愛嬌を兼ね備えた絵の魅力もあって、こうしたBOF独自の世界観は多くのファンタジーファンを呼び込んだ。

またBOFは各タイトルごとに独創的なシステムやミニゲームを搭載する試みが行われており、初代では合体、狩り、釣りなどが挙げられる。特に釣りは好評で、BOFシリーズの名物としてマイナーチェンジを繰り返し、「Ⅳ」ではとうとう釣りコンへ対応するにまで至ったが、大幅な世界観の変更が行われた「Ⅴ」では残念ながら廃止されてしまった。

2001年にはゲームボーイアドバンス用としてリバイバル移植され、その際にインターフェイスなどが後継作品である「Ⅱ」と統一されるなど細部の改変が行われた。

物語

数千年前、人々に望むものを与え争わせる邪悪な女神ミリアが現れた。彼女の力を巡り、強大な力を持つ竜族が黒竜族と白竜族の二つに分かれて戦う「女神戦争」が勃発。しかし白竜族から現れた勇者たちの尽力によりミリアは封印され、竜族もまた自分たちの行いを悔いてその力を封じた。

年月は流れ、白竜族の住まう村ドラグニールに突如として火の手が上がった。世界征服を図る黒竜族がミリア復活の手始めに、邪魔な白竜族を根絶やしにすべく動いたのだ。村の元締めであるおばばの家へ避難した住人は抗戦を主張するが、おばばは竜族の力はとうに捨てたと彼らを制止する。そんな中、村の娘セイラが皆を守ろうと魔法で自分以外の村人を石化し、ひとり黒竜族へ立ち向かった。しかし力及ばず、彼女は黒竜族に連れ去られてしまう。

石化の解けた村人たちの前には、黒竜族もセイラの姿もなく、ただ廃墟だけが残されていた。セイラの弟リュウは、姉をとりもどし、黒竜族の野望を打ち砕くために旅立つ。

キャラクター

リュウ
白竜族の少年である主人公。封印を解くことにより強力な戦闘力を持つドラゴンに変身できる。戦士系として高いパラメータを持ち、頼れる前衛として活躍できる。固有アクションの釣りで手に入れられる魚は、様々な効果を持つアイテムとして使用可能である。

ニーナ
飛翼族ウィンディアの王女。黒竜族の陰謀によって倒れた父を救うためリュウの仲間に加わる。レイピアを使う魔法剣士風の装備だが、後述のディースと並ぶ魔法使いとしての素養があり、主に後方からの回復や支援が役目となる。

ギリアム
森の民(狼)族の狩人。礼儀正しい性格で弓の名手。狩りのミニゲーム担当であるほか、彼がいないとフィールド上の森を通過できない。戦闘メンバーとしては頼りになる方だが、盾を持てないため防御に若干の不安がある。

ダンク
盗賊見習いの少年。武器はナイフで、素早さを生かした抜群の先制、回避力で戦う。扉の開錠や罠の回避といった個人アクションを持つ。ネタバレにつき反転→実は合体能力を持つ種族の末裔であることが後半明らかとなるが、以降のシリーズではモブですら彼と同種族が登場しない。絶滅してしまったのか……?

マニーロ
金に汚い魚人族の出身で、商売手口のあくどさから元締めに破門された問題児。個人アクションはフリーマーケットでアイテムを高く売り出すことができる。水中では役に立つが、地上での戦力としては弱い。しかしそのがめつい個性はひときわ強く、「Ⅱ」以降からお馴染みの商売人キャラとしての立ち位置を獲得。「Ⅳ」まで欠かさず登場するが、すべてが同一人物かは不明。

ビルダー
鍛冶屋の職人集団「鉄鬼衆」のひとり。気は優しくて力持ちの愛妻家。見た目通りのパワーファイターで、素早さこそ低いが壁役や攻撃の要として重宝する。多少の魔法も使えるが、APが低いのであまり頼りにはできない。個人アクションでヒビの入った壁をぶちやぶれる。

モグ
地中で暮らす土喰(モグラ)族の少年。黒竜族により夢の中に閉じ込められていたが、リュウたちに助けられて仲間に加わる。個人アクションの穴掘りは、屋外でなら確実な逃走が見込める。攻撃力が高い強みはあるが、体格の小ささゆえに防御力とHPが低く、長期戦には不利な面も。

ディース
下半身が蛇になっている美女の魔法使い。見た目によらず(?)大雑把で豪放な性格。かつてはカンスト級の実力を持っていたが、長く眠っている間に魔法のほとんどを忘れてしまった。回復系のニーナに対して、攻撃的な魔法を得意とする。歳をとらないこともあって、共通の世界背景を持つⅠ~Ⅲまでの作品に同一人物として登場する唯一のキャラクター(ネタバレにつき反転→実はⅣにも登場するが、こちらはスター・システム的な別人)。

音楽

『ブレスオブファイア~竜の戦士~』のCMで使用された曲名も「BREATH OF FIRE」(原曲 RUNNING WILD)演奏はToshi (X JAPAN)with Night Hawks。ToshiヴァージョンはCD音源化されていないようだが(原曲 RUNNING WILDはされている)バック演奏を勤めたナイト・ホークスがアルバム「ザ・ミッドナイト・ホークス」でカヴァーし、収録されている。

また、RUNNING WILDの作詞はTOSHIだが、BREATH OF FIREの作詞は小林まさみとナイト・ホークスのヴォーカル・ギターでリーダーの青木秀一である。また、作曲も青木秀一である。

余談であるが原曲 RUNNING WILDは日本テレビ「ロックの鳴缶Ⅲ」オープニングテーマで使用されている。

シリーズの歴史

BOFは「Ⅱ」以降もリュウを主人公、ニーナをヒロインとして続くシリーズとして確立され、「Ⅳ」以降は世界観が変わるようにこそなったものの、ありがちな中世ファンタジーに陥ることなく、獣人たちが活躍するというBOFの伝統を継続した。

各作品ともストーリーの骨子は、吉川による万人受けしそうなキャラデザインと相反するようにハードであり、タイトルが意味する神のごとき力を持った「竜」を縦糸に、登場人物たちの宿命や野心を横糸として物語を彩った。その内容はコミカルな部分もあるが、悲劇的、残酷なシーンも多く、多くのプレイヤーの心をゆさぶった。

ブレスオブファイアⅡ~使命の子~(SFC、GBA)

翌1994年にスーパーファミコンで発売された続編。合体システムが練り直されたほか、主人公たちが造る街として共同体が登場。採用する職人、商人によって街の雰囲気から商人のラインナップまで変わるというもの。Ⅲ以降は妖精がこの手伝いをするようになり、これは細部の変更を繰り返しながらもVまで継承された。

ブレスオブファイアⅢ(PS、PSP)

1997年にプレイステーション用として発売。ハードの進化に合わせてフィールドがポリゴン化されるいっぽう、キャラクターは2Dに留まったが、当時のカプコンのお家芸ともいえるドットアニメーションは3Dさながらの滑らかな動きを見せた。新システムでは師匠制度を導入。パーティーメンバーが特定キャラの弟子となることで、伸びるステータスを変化させられるようになった。基本的にキャラの長所を伸ばす師匠が有利になるが、竜変身にAPを消費するリュウは魔法使い系の弟子になると長時間ドラゴンとして戦える、といった方向性も生み出せた。

本作ではCM専用のアニメーションが作られており、その印象的なCMを覚えている人も多いだろう。そして何故そのCMソングやアニメーションが本編に無かったのか嘆いたファンもいることだろう。 

ブレスオブファイアⅣ~うつろわざるもの~(PS、PSP)

2000年にプレイステーション用として発売。「Ⅲ」を区切りとして従来の世界観が廃された。「Ⅳ」ではカプコンの十八番である格闘ゲームの要素をとりこんだコンボシステムが登場。コンボを連ねるほど後に出す攻撃が強力になり、コンボ練習専用の敵も用意されていたことから、どれだけコンボ数を稼いで強力な攻撃を叩き込むか、という研究が熱中要素のひとつになった。

ブレスオブファイアV ドラゴンクォーター(PS2)

「Ⅴ」では世界観がガラリと変わったこともあり、「Ⅳ」までに登場したほとんどのサブシステム、ミニゲームが姿を消し、周回プレイを補助するSOL(シナリオ・オーバー・レイ)、100%に達するとゲームオーバーになるDカウンター、戦闘中の行動数を制限するAPS(アクティブ・ポイント・システム)、フィールド上の戦略を構築するPETS(ポジティブ・エンカウンター&タクティクス・システム)が新規導入されるという大胆な試みが行われた。これらシステムは評価こそ高いものの、プレイの敷居をあげ、また世界観があまりに暗くなったなどの理由から従来ファンが離れ、シリーズスタッフ解散という結果に至ってしまった。

ブレスオブファイア6 白竜の守護者たち(PC、スマートフォン、タブレット端末)

2015年開始予定。なぜかナンバリングタイトルがアラビア数字になってしまった第6作。旧ブレスシリーズのスタッフが一人もからんでいないこと、媒体がスマートフォンなどであることから従来ファンから失望の声があがっている。通称「お手軽タッチRPG」(誰がこんなものを出せと言った)

なお「Ⅲ」以降はハードの進化にともない、キャラクターボイスが付いているが、リュウ・ニーナは声優が固定されている。
リュウ:山口勝平 (Ⅲの幼年時代のみ高井智子が担当)
ニーナ:氷上恭子 
ほかには渡辺久美子と石塚運昇が全く別の役でⅣとⅤに連続出演している。

現在はⅤまでのシリーズ開発陣が解散してしまったこともあり、次回作の予定は未定。それでもファンからは(正当な)次回作を待ち望む声が強い。

関連項目

  • ブレスオブファイアⅡ ~使命の子~
  • ブレスオブファイアⅢ
  • ブレスオブファイアⅣ ~うつろわざるもの~
  • ブレスオブファイアV ドラゴンクォーター
  • ブレスオブファイア6 白竜の守護者たち
  • カプコン

 

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