ボルツマン定数(Boltzmann constant)とは物理定数の一つである。通常は k または kB で表される。
ボルツマン定数 kB は、気体定数 R=8.31 J/(K mol) をアボガドロ定数 NA=6.02×1023 mol−1 で割ったもので、その値は
kB = R/NA = 1.3806503×10−23 J/K
理想気体の状態方程式は、気体定数の替わりにボルツマン定数を使えば次のように表される。
pV = NkBT
ここで N は気体の物質量(モル数)ではなく、気体分子の個数である。
定数の名は統計力学の原理を発見したルートヴィッヒ・ボルツマンに由来する。なお、最初にこの定数を k という記号で表したのはマックス・プランクである。
自然単位系ではボルツマン定数を1にとることがある。これは絶対温度をエネルギーの単位で計ることを意味する。エントロピーや熱容量など[エネルギー/温度]の次元を持つ物理量は、ボルツマン定数を1とする単位系では無次元量となる。
例えば 27℃(=300K) に相当するエネルギーは 4.14×10−21J=2.59×10−2eV である。室温27℃の部屋の中を飛び回る気体分子はだいたいこれくらいの運動エネルギーを持っている(古典統計力学によれば運動エネルギーの平均はこの1.5倍である)。
逆にエネルギーを温度単位で表すこともできる。LHCでの陽子同士の衝突エネルギーは8 TeVだが、TeVという単位は一般に馴染みがないので、ニュース等で温度換算して9京度と紹介されることがまれにある。
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最終更新:2025/12/12(金) 11:00
最終更新:2025/12/12(金) 10:00
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