1967年公開のイギリス映画であり、日本で公開された映画の中で最も長い邦題である。早口言葉ではない。
ペーター・ヴァイス作の戯曲を映画化した作品で、英語の原題は
The Persecution and Assassination of Jean-Paul Marat as Performed by the Inmates of the Asylum of Charenton Under the Direction of the Marquis de Sade
(ザ・パーセキューション・ァンド・ァサスィネイション・ォヴ・ジャン・ポール・マラー、アズ・パーフォームド・バイ・ジ・インメイツ・ォヴ・ジ・アスィラム・ォヴ・シャレントン、アンダ・ザ・ディレクション・ォヴ・ザ・マァキー・ド・サード)
の全125文字である。あまりにも長すぎる為『マラーの迫害と暗殺』(The Persecution and Assassination of Marat)あるいは単に『マラー/サド』(Marat/Sade)と略され、英語版Wikipediaでの記事名は後者である。
なお本記事の読み仮名も、66文字というクソ長いヨミガナがニコニコ大百科の”記事のヨミガナは64文字まで”の制限にひっかかる為、略称を使用している。
原作は1964年に西ベルリンのシラー劇場で初演されたペーター・ヴァイス(Peter Weiss)の戯曲。ドイツ語での原題は
Die Verfolgung und Ermordung Jean Paul Marats dargestellt durch die Schauspielgruppe des Hospizes zu Charenton unter Anleitung des Herrn de Sade
(ディー・フェアフォルグン・ゥント・エアモーアドゥン・ジャン・ポール・マラース、ダーァゲシュテルト・ドゥォヒ・ディー・シャウシュピールグルッペ・デス・ホスピーツェス・ツー・シャラントーン、ウンタァ・アンライトゥン・デス・ヘアン・ドゥ・ザード)
監督は、1964年にロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで上演された舞台版の演出家であるピーター・ブルックが務め、イギリスでは1967年3月8日に、日本では1968年11月23日に公開された。
内容は正直なところタイトルですべて語られている。実際映画が始まると、「これは事実である」というナレーションとともにこの長いタイトルが表示されて時間をかけて一文字ずつ消されていく。スターウォーズ第4作もびっくりである。
ともあれ、タイトルだけを見ても解らない人向けに少し解説する。
院長クールミエにより精神病患者の治療の為に患者に演劇をさせていたシャラントン精神病院に、サド(サディズム)という言葉の元となった変態小説家マルキ・ド・サドは1803年から1814年まで入院しており、その際に多くの戯曲を書いた。その中のひとつに、フランス革命時の急進派過激派ジャン=ポール・マラーが美しき暗殺者シャルロット・コルデーに入浴中に暗殺されたエピソードを元にしたものがあった・・・・・・。
マルキ・ド・サドとジャン=ポール・マラーと言う相反する存在による独白のかたちで進む劇中劇は、演者である精神病患者が檻の中に入った状態で行われ、時にはその観劇している客の姿も見せていく実験映画的な側面をみせつつ進んでいき、王立シェイクスピア劇団の役者達による鬼気迫る演技の精神病患者の数々が登場する中、最後はマラーが入浴中にシャルロットに刺殺される・・・・・・という作品である。
一応注意すると、サドがマラーについての戯曲を残したという部分は完全にフィクションである。
原作のベーター・ヴァイスはこの作品の他に長い題名の戯曲を書いている。その名も
『被抑圧者の抑圧者に対する武力闘争の必然性の実例としてのベトナムにおける長期にわたる解放戦争の前史と過程ならびに革命の基礎を根絶せんとするアメリカ合衆国の試みについての総論』
Diskurs uber die Vorgeschichte und den Verlauf des lang andauernden Befreiungskrieges in Viet Nam als Beispiel für die Notwendigkeit des bewaffneten Kampfes der Unterdrückten gegen ihre Unterdrücker sowie über die Versuche der Vereinigten Staaten von Amerika die Grundlagen der Revolution zu vernichten
(ディスクアス・ユーバァ・ディー・フォアゲシヒテ・ウント・デン・フェアラウフ・デス・ラン・アンダウアンドゥン・ベフライウンスクリーゲス・イン・ヴィエト・ナーム、アルス・バイシュピール・フューア・ディー・ノートヴェンディヒカイト・デス・ベヴァフネートゥン・カンブェス・デア・ウンタドリュクテン・ゲーゲゥン・イーレ・ウンタァドリュッカァ、ゾーヴィー・ユーバァ・ディー・フェアズーヘ・デア・フェアァイニークトゥン・シュタートゥン・フォン・アメリカ・ディー・グルントラーゲン・デア・レヴォルツィオーン・ツー・フェアニヒトゥン)
原題にして『マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺』の倍ちょっとの259文字である。仮に映画化すれば恐らく映画邦題の最長記録を更新するだろうが、ネタ的に今後の映画化が難しいのが非常に惜しまれる。略称は『ベトナム総論』(Viet Nam Diskurs)
※下記に掲載した『マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺』に関連する商品はすべて個別の商品です。重複はありません。
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最終更新:2025/12/08(月) 16:00
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