フォーエバーヤング (Forever Young) とは、2021年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2023年: 全日本2歳優駿 (JpnⅠ)、JBC2歳優駿 (JpnⅢ)
2024年: 東京大賞典(GⅠ)、ジャパンダートクラシック (JpnⅠ)、UAEダービー (G2)、サウジダービー (G3)
父リアルスティール、母*フォエヴァーダーリング、母父Congratsという血統。
父は2015年クラシック世代で、クラシック三冠では2着、4着、2着と善戦マンに終わったが、4歳でドバイターフを制して血統を証明した良血馬。全妹にラヴズオンリーユーがいる。2019年に社台SSで種牡馬入りし、初年度産駒からレーベンスティールを輩出するなどしているが、2024年からは日高のブリーダーズ・スタリオン・ステーションに移動することになった。フォーエバーヤングは2年目の産駒。
母はアメリカの馬で、GⅡサンタイネスSの勝ち馬。ノーザンファームに輸入され、フォーエバーヤングは第4仔。3代母*ローミンレイチェルはゼンノロブロイの母である。
母父コングラッツはアメリカのA.P. Indy産駒。自身は2005年のGⅡサンパスカルHを勝利し、同年のドバイワールドカップ5着の実績がある程度だが、種牡馬としてGⅠを3勝したTurbulent Descentなどを送り出している。
2021年2月24日、ノーザンファームで誕生。2022年のセレクトセール1歳の部で、4000万円からスタートし、サイバーエージェント代表・藤田晋に税別9800万円で落札された。(下記動画の126:00あたりから)
ちなみに誕生日はサイバーエージェントの子会社・Cygamesのゲームアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』のリリース日である。
馬名意味は「曲名より」。同名の楽曲は数多くあるが、藤田オーナー曰く由来となっているのは自身が原案を務めたドラマ「会社は学校じゃねぇんだよ」の主題歌である、AK-69の「Forever Young feat. UVERworld」とのこと[1]。
父と同じ栗東・矢作芳人厩舎に入厩。デビューは2023年10月14日、京都・ダート1800mの新馬戦となった。鞍上は坂井瑠星。4.2倍の2番人気に支持される。
レースはスローペースの流れを4番手の好位で進めると、直線では前の間を割ってあっという間に抜け出して4馬身差で圧勝デビュー。坂井騎手は「キックバック、馬混み、抜け出すところまで新馬戦としてはいろいろ勉強しながら。その中で勝てたのはよかったです」とのコメント。
続いて門別へ向かい、JBC2歳優駿 (JpnⅢ) へ。単勝2.2倍の1番人気に支持されたが、内の2枠3番からスタートで出負けして後方からのレースになってしまう。坂井騎手も「ちょっと焦った」というが、落ち着いて末脚を信じて3コーナーから進出を開始。直線では大外から一気に前を呑み込み、先行抜け出で粘り込みを図った2番人気サンライズジパングを並ぶ間もなくかわして、1馬身半差で勝利。2連勝で重賞制覇を飾った。リアルスティール産駒はこれがダート重賞初勝利。
というわけでダート2歳王者決定戦、川崎の全日本2歳優駿 (JpnⅠ) へ。兵庫ジュニアグランプリを勝ってきたイーグルノワールと人気を分け合ったが、2.1倍の1番人気に支持される。
今回は大外枠から積極的に押していき先行策。2番手につけてレースを進めると、3コーナー前でもう逃げ馬をかわして先頭へ。2番人気イーグルノワールと轡を並べての進出となったが、直線であっさり振り落とすとあとは完全な独走態勢。終わって見れば7馬身差の圧勝で3連勝、ダート2歳王者に輝いた。
7馬身差は交流重賞となってからでは最大着差記録。坂井騎手は「ここまで離すとは思っていなかったですし、最高の気分です」、矢作師も「自信はありましたけど、小回りと1600メートルは向いていないと思っていたので、こんなに強いのかと驚いています」と陣営もびっくりの圧勝ぶりだった。藤田晋オーナーは嬉しいGⅠ級初制覇。父リアルスティールも産駒GⅠ級初勝利となった。
後に発表されたレーティングでは113と、それまで同レース最高レートだった2017年勝ち馬ルヴァンスレーヴの111を更新した。
海外遠征に定評のある矢作厩舎ということもあり、2024年から始まる3歳ダート三冠と海外路線のどちらを選ぶかが注目されたが、年明けに陣営は「招待が来れば」と、国内三冠ではなくサウジダービー→UAEダービー→ケンタッキーダービーの海外ダービー転戦ローテを進むことを表明。無事に招待を受け、サウジダービー (G3) に向かうことになった。
レース本番は海外ブックメーカーでも1番人気に支持されて迎えたが、レースはスタートで出遅れ、まず序盤の位置取りで坂井騎手の手がグイグイ動く。超前傾ラップの超ハイペース展開の中、キックバックを避けるために3コーナーから4コーナーにかけても大外を回されて手応えも悪く、前潰れで3番手まで上がってきたものの直線に入って前を行くBook’Em DannoとBentornatoに突き放される。どう見ても良くてこのまま3着……という展開だったのだが、なんとそこからさらにぐんぐん脚を伸ばし、残り200mでBentornatoをかわすと、粘り込みを図るBook’Em Dannoを猛追。最後にアタマ差捕らえきったところがゴール板だった。
勝ちタイムは従来のレコードを1.8秒近くも更新する1:36.17。およそ弱点を全部露呈したようなグダグダなレースぶりだったが、それでも勝ちきるという「着差以上に強い内容」とかなんかもうそういうレベルではない意味不明な勝ち方で、藤田オーナーに海外重賞初勝利を贈った。ちなみにサウジダービーの日はフォーエバーヤング自身の誕生日でもあり、この勝利はバースデーウィンでもあった。
続いてケンタッキーダービーへの出走ポイントを取りにUAEダービー(G2)へ。大外11番枠となったが、日本のみならず各種海外ブックメーカーでも単勝1倍台という圧倒的支持を受けた。
レースはスタートで若干出負け気味も、外枠を活かして押して前に出て行き5番手を確保。キックバックを避けてそのまま枠なりに外の好位につけた。4コーナーから進出を開始し前を早めに捕まえにかかると、直線ではアルゼンチンのAuto Bahnとの一騎打ちとなったが、残り300m過ぎでかわすと、そのまま悠々と振り切り、3着以下を大きく突き放してゴール板を駆け抜けた。
前評判通りの完勝できっちり出走ポイント100を獲得し、ケンタッキーダービー出走権を無事に確定。
このままアメリカに渡り、いよいよ本番ケンタッキーダービー(GⅠ)に挑戦することになった。米国勢はフロリダダービーを13馬身差で圧勝したフィアースネスが最大のライバルとして立ちはだかる他、日本からは伏龍Sを制したテーオーパスワードが合流。無敗で中東2か国のダービーを制した事を評価され、JRAオッズではフィアースネスに次ぐ2番人気、現地でも3番人気に推される。
そして本番。スタートで少しもたついて出遅れてしまい15番手付近(20頭立てである点に注意)になってしまう。外を回して直線を向き、Sierra Leoneと併せ馬で上がっていく。最後はMystik Danと3頭並んでゴール板を駆け抜け、結果はMystik Dan1着、Sierra Leoneがハナ差2着、フォーエバーヤングはそこからさらにハナ差の3着に終わった。そして彼とテーオーパスワード(5着)は日本馬として初めてケンタッキーダービーで掲示板内に入賞した馬となった[2]。
当初はそのまま二冠目のプリークネスステークスに継戦する予定だったらしいが、結局この1戦で帰国。夏休みを挟み、3歳秋はブリーダーズカップ・クラシックを目標に定め、そのステップとして3歳ダート三冠最終戦のジャパンダートクラシック(JpnⅠ)から始動することになった。
東京ダービーを圧勝したラムジェット、レパードSを快勝してきたミッキーファイト、芝ダート二刀流サンライズジパングら中央勢に、地方勢からもサントノーレやフジユージーンが参戦する豪華メンバーとなる中、本番はBCということでメイチの仕上げではないこと、1枠1番で出遅れが怖いことなどが若干不安視されたものの、1.7倍の1番人気に支持される。
レースはスタートで若干躓いたものの出遅れることなく、逃げるカシマエスパーダを2番手で追走する好位を確保。外からサンライズジパングにがっつりマークされ、ラムジェットが後ろから捲り気味に進出してきたが、気にすることなくレースを進めたフォーエバーヤングは、直線でカシマエスパーダを捕まえて抜け出すと、追い込んできたミッキーファイトの猛追を全く寄せ付けず、1と1/4馬身差という着差以上の完勝。横綱相撲でその実力を示し、新設ダート三冠の一角に名を刻むとともに、本番のBCクラシックへと弾みを付けた。
なお勝ちタイムはJDD時代含め良馬場では最速の2分4秒1。白砂に変わって時計の掛かる馬場になった大井競馬場でも破格のタイムを叩き出している。そして翌日には同じリアルスティール産駒のチカッパが東京盃を制し、今後の世代交代にも弾みをつける結果となった。
BCクラシックでは前売り2番人気。1番人気はオブライエン厩舎悲願のBC制覇がかかる英ダービー馬・City of Troy。他にもその「City of Troyに5馬身差で勝つ」宣言を出したトラヴァースステークス馬Fierceness、因縁のSierra Leoneら、KYダービー組との再戦に。
が、枠順抽選ではよりによって1枠1番を引いてしまう。序盤から飛ばして好位を確保するのが定石のアメリカ競馬における最内枠は、上手くスタートダッシュを決めないと馬群に揉まれたまま終わる難しい枠。瞬発力より持続力、後方一気より王道先行が得意のエバヤンとしては「最悪」(矢作師・談)の枠である。
レース本番ではスタートから果敢に走るが、1コーナー時点でFiercenessを交わせず厳しい展開に。最終直線で外に持ち出すロスもあり、Sierra Leoneから2と3/4馬身差の3着に終わった。とはいえ、ハイペースの中でも垂れることなく最後まで伸び続けた辺りは、確かな成長を示していたと言えよう。
帰国後は暮れの大井ダート大一番・東京大賞典(GⅠ)へ。この年のJRA勢は彼を含めたBC出走馬3頭が揃ったため、出走に必要な賞金ボーダーラインが2億円を超えるという状況に。そんな中で海外経験豊富なクラウンプライドやJBCクラシックを勝ちGⅠ級馬となったウィルソンテソーロ、今年は牡馬相手に戦いを挑んできた牝馬のグランブリッジ、JDC以来の再戦となるラムジェットら精鋭との対決となったが、国内前走JDCでの時計やBCクラシックでの走りを評価され、単勝1.3倍の断然人気に支持される。
迎えた本番。矢作師がアメリカで鍛えたというスタートを決めるとクラウンプライドに先頭を譲り二番手追走。途中4コーナーカーブ付近で手応えが怪しくなるが、坂井の手綱で乗り切ると直線で抜き去り先頭へ。その後上がり36秒6の末脚でラムジェットを置いていき、ウィルソンテソーロの追撃も難なく振り切り、国際GI初勝利を飾った。
3歳馬の東京大賞典勝利はオメガパフュームの2018年以来6年ぶりであり、3着に同期のラムジェットが入った事により同レースでは初めて3歳馬が複数頭馬券内に入った。そして馬主の藤田氏はこれが初の国際GI勝利に。
レース後坂井騎手曰く「前回がすごく良かったので、まだ本調子とはいかず8割くらいかなというイメージでした」との事で、遠征帰国後の検疫により緩んだ部分がありながらも古馬を一蹴しての勝利となった。
この後は4歳は再び中東へ向かい、サウジカップからのドバイワールドカップを目指す。臨戦態勢での二度目の中東遠征、2024年最高レーティングを出したLaurel Riverや香港勢初の制覇を目指すRomantic Warriorらが目指す砂の舞台で、再び世界最高峰の戦いに挑む。
リアルスティール 2012 鹿毛 |
ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
*ウインドインハーヘア | Alzao | ||
Burghclere | |||
*ラヴズオンリーミー 2006 鹿毛 |
Storm Cat | Storm Bird | |
Terlingua | |||
Monevassia | Mr. Prospector | ||
Miesque | |||
*フォエヴァーダーリング 2012 栃栗毛 FNo.2-b |
Congrats 2000 鹿毛 |
A.P. Indy | Seattle Slew |
Weekend Surprise | |||
Praise | Mr. Prospector | ||
Wild Applause | |||
Darling My Darling 1997 鹿毛 |
Deputy Minister | Vice Regent | |
Mint Copy | |||
*ローミンレイチェル | *マイニング | ||
One Smart Lady |
クロス:Mr. Prospector 4×5×5(15.63%)、Northern Dancer 5×5×5(9.38%)、Secretariat 5×5(6.25%)
掲示板
613 ななしのよっしん
2024/12/31(火) 13:33:53 ID: v8UeI/QEVJ
来年はサウジ→ドバイ→帝王賞→日テレ盃→BC→東大とかやりそうだな
614 ななしのよっしん
2024/12/31(火) 13:37:56 ID: h8yzFN1Qsx
>>613
放牧で調整するタイミングに困るから帝王賞がパスされる可能性があるぐらいでやっぱそのローテになるよな。
ダートの海外遠征ローテはこれ以外思いつかない。
615 ななしのよっしん
2024/12/31(火) 23:53:34 ID: fULX28Hc91
>>614
なんやかんやJDCや東大に出てきたし帝王賞出てくんじゃね?
急上昇ワード改
最終更新:2025/01/01(水) 12:00
最終更新:2025/01/01(水) 12:00
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