この項では、ヨーヨーの構造について解説する。
ヨーヨーの基本構造は、ボディ(本体)・アクセル(軸)・ストリング(ヒモ)からなる。
現在のヨーヨーは、回転をスムーズにするベアリングと、重量配分を調整するためのリムウェイトが搭載されていることが多い。
競技ヨーヨーは80年以上の歴史を誇るが、その間に劇的な進化を遂げた。
分解可能なヨーヨーやオートリターン、ボールベアリング搭載ヨーヨーなどが登場したのは1980年代後半-90年代前半だが、この項では第1期ハイパーヨーヨーブームがあった1990年代後半との比較で論じる。
2000年代に入って、公式戦においてストリング部門とルーピング部門(後述)が完全に分離した。そのため、双方にオールマイティなヨーヨーは初心者向けに絞られ、競技用はどちらかに特化して進化するようになった。
ストリング用は、重心を外よりにしてスリープ時間と安定性を増すようになった。2000年代はプラスチックボディに金属の外周(リム)を取り付けたものが主流だったが、2010年代は金属加工技術の向上により、すべて金属製のヨーヨーや、アルミボディにステンレスのリムをとりつけたバイメタル機種がそれらを駆逐していった。
スリープ時間だけでなく、ストリングにヨーヨーを乗せて動かす際のすべりが重視されるようになったため、大型のベアリングが搭載されるようになった。
最も改良されたのはスリープ時間である。90年代はボールベアリング搭載機種でも3分台が限度だったが、その後どんどん改良され、2006年の東日本大会では13分台を叩き出す主婦が登場するまでになった。
2016年現在のロングスリーパー世界記録は、30分28秒30である(2012年世界大会での記録)。
なお、ハイパーヨーヨー時代と異なり、キャッチは不要である。
また、ヨーヨーの安定性も向上し、ちょっとやそっとでは傾かなくなった。そのため、ヨーヨーを横倒しにしたまま延々コンボをし続けることも可能になり、ホリゾンタルと呼ばれるトリックが流行する要因にもなった。
一方、ルーピング用は細やかなフィーリングが要求されるため、保守的な進化をしている。
というよりも、2000年代を通してトッププレイヤーの間ではヨメガ・レイダー(ハイパーレイダー/ストームタイガー)を改造したものが使われ続け(ヨメガ・ファイヤーボールをレイダー仕様にしたものを含む)、他のヨーヨーは他メーカー所属のプレイヤーか、レイダーの改造(ナイスペ化)ができないプレイヤーが使うにとどまっていた。レイダーは今なお現役である。
現在は他社のヨーヨーも使われるようになったが、形状は大多数がレイダー型を踏襲している。
90年代と大きく変わったのはギャップ(溝)の幅で、ストリングプレイを考慮しなくてよいためスリープが可能な範囲で、極限まで狭められるものが主流となった。前述のレイダーナイスペ化も、要はスリット幅を極限まで狭める改造である。
90年代を知るプレイヤーにとって嬉しい変化として、価格がある。
第1期ハイパーヨーヨーでは、ボールベアリング搭載機種はもれなく5000円だったが、現在では価格改定により半額程度で買うことができるようになった。例えば、レイダーは現在2500円程度であるし、他のボールベアリング機種の中には2000円を切るものもある。
ハイエンド機は総金属製が主流になったことから、1万円~1万5000円程度を見る必要があるが、それがなければ大会で戦えないということはない。廉価機種の性能が向上しているため、例え2000円のヨーヨーでも遜色ないプレイが可能である。自分の腕と財力に合わせて選ぶとよいだろう。
目安として、
プラスチック…2000-4000円程度
金属リム…4000-7000円程度
フルメタル…3000-1万5000円程度
→シグネイチャー・モデル
ミニ四駆やビーダマンなど、他のホビーではつきものだった、マンガの登場人物オリジナルモデル。
ヨーヨーでは現実にそれができる。
メーカーのチームに所属すると、そのメーカーからプレイヤーのシグネイチャーモデルが出ることがある。
ヨーヨージャムが始めた制度だが、その後他のメーカーも追随するようになった。
これは他のホビーにはない特徴であり、ヨーヨーがマンガを越えた唯一のホビーと言われる所以である。
メンテナンス性も考慮されるようになった。かつては戻り具合の調整やベアリングの脱脂・注油が必要だったが、現在ではストリングの交換以外ほとんど気にしなくてよくなっている。
→ボディ(ヨーヨー)
→ベアリング(ヨーヨー)
→ストリング(ヨーヨー)
→レスポンスシステム
→リム(ヨーヨー)
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最終更新:2025/12/07(日) 04:00
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