「……ひっく。俺は不動行光。
織田信長公が最も愛した刀なんだぞぉ!
どうだ、参ったかぁ~」
不動行光(刀剣乱舞)とは、ブラウザゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」に登場する刀剣男士である。
イラストレーター:minato/CV:阪口大助
刀種は短刀。
2016年2月12日に公式ツイッターで実装が発表。同時に、舞台刀剣乱舞「虚伝 燃ゆる本能寺」への出演発表もされた。(初報では役名のみ伏せられていた)
2016年2月16日からのイベント「戦力拡充計画 其の弐」で先行実装。現在本実装はされておらず、時々開催されるイベント以外に入手手段がない。
乱れた長い黒髪を高く結い上げ、ネクタイやシャツを少々だらしなく着崩した少年。が、何より目に付くのは若々しい見目にそぐわない赤ら顔。目もジト目気味で据わっている。片手には「甘」の字の入った甘酒らしきカップ酒を携帯しており、常にしゃっくりあげるほどの酔っ払い状態なのが特徴。
少年の見目のわりに飲酒している(といってもおそらく甘酒だが)ことに関しては「なんだよ、呑んでちゃ悪いのか?こう見えて云百年生きてんだ」と開き直っており、放置ボイスでは「酒だぁ!酒持ってこいよぉ!」とふてぶてしく酒を求めてくる。
酒飲みキャラは既に次郎太刀と日本号が居るが、彼らと違って不動行光はダウナー系の酒飲み。
横暴な振る舞いをしたり、自身を「ダメ刀」と称しつつ気位の高い言動が多い。
織田信長が最も愛した刀であることを誇っており、刀帳では自信満々に自分を語っている。一方で、本丸では「俺は愛されたぶんを主に返すことが出来なかったダメ刀だよ……」と自嘲もしている。
審神者の指示に対しては何かと反抗的であり、斜に構えたつっけんどんな態度。内番を任命しても終いには馬小屋で寝ようとする。悪気なくサボる者は居たがここまで仕事態度の良くない者は初だろう。
隊員に任命した際には「なんだぁ?隊長じゃないのかよ」と不満気に言うが、隊長に任命すると「ひっく…いいのか?ダメ刀を隊長にしてさあ」と言い、遠征に出せば「へへっダメ刀には戦は任せられないってかぁ?」と難色を示す。じゃあ戦に出すかと出陣させれば「戦かぁ…戦ねぇ…」と乗り気ではない。
しまいに鍛刀では「あぁ…?新入りか。ちょっとここ座れ」と新人に絡みだすなど、かなり面倒くさい大変手のかかる子である。
普段の言動に加えて、修行に旅立つ仲間を見送る台詞「あいつはいいよなあ……愛してくれる主がまだいてさあ!」からすると、審神者は未だ彼に「主」とは認められていないようだ…。「“まだ”居て」という言い方が物寂しい。
とは言え、一周年&二周年記念ボイスでは、長きにわたりつとめを果たした審神者の事を認める旨の発言も行っている。直後に「それにひきかえ俺は酒を呑むだけ……っと」と、相変わらずの様子ではあるが。
一方、戦闘に於いては強気であり、負傷時には敵になめられまいと激昂する場面もあり負けん気が強い。
窮地の状況で発動する真剣必殺では「ここでやられちゃあ信長公の沽券にも関わるか!」と奮起している。
普段は素行の悪い酔っ払いだが、ところどころのボイスではシラフっぽくなり過去への悔恨を口にしている。
戦闘で誉を取ると喜ぶどころか「あの時、これができてれば……」と悔やみ、
錬結を与えても「強くなってもさぁ……」と芳しくない反応。
ランクアップでなら少しは喜ぶかと思いきや「今更強くなってもなあ……ううっ……」と悔し気に嘆き、
中傷以上で手入れすると「俺だけ……俺だけ直ってもさぁ……」と意味深に呟く。
......といったように、強い未練の念が散見される。
また策敵やボス到達では本能寺の変を意識した台詞を発する。
へし切長谷部(刀剣乱舞)と一緒に本能寺に出陣すると回想イベントが発生。
不動行光が刀剣破壊で発する「一度(ひとたび)生を得て…滅せぬ者のあるべきか」は、織田信長が好んだとされる謡曲「敦盛」の一節。回想の中でへし切長谷部が不動行光に説いた言葉もまた、その敦盛の一節になぞらえている。引用元は『人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。一度生を享け、滅せぬもののあるべきか』。意味は「人の生の五十年は下天の時間の流れからすると夢や幻のように一瞬だ。この世に生まれて死なない者などいるはずがない」。
また、信長が敦盛と並んで愛唱した小唄に「死のうは一定、偲び草には何をしよぞ。一定、語り起こすよの」がある。
意味は「人は生まれてきた以上は、死ぬ定め。自分の死後にも語り継がれる事をする為に何をしようか。何か残すことが出来れば、その「偲び草(生きた証)」をもとに、後世の人は自分のことを思い出し、語り継いでくれるだろう」。
キャラクターの紋は森家の家紋と不動明王の梵字を合わせたもの。
織田ゆかりの薬研藤四郎(刀剣乱舞)・宗三左文字(刀剣乱舞)・へし切長谷部(刀剣乱舞)と手合わせを行わせると、通常とは違う台詞が見られる(相手は通常台詞となっている)。
ステータスについては、初期値では必殺が同刀種内で2位と高いものの、打撃・衝力・必殺以外のステータスは低めで、偵察・隠蔽が同刀種内でワースト。
また、短刀では唯一Lv25で特にランクアップする。
連結MAXにすると、短刀の中では打撃・衝力・必殺が2位、機動が9位にまで上がる。隠蔽は変わらずワーストだが、成長すればステータスが平均的に高くなる晩成型の短刀である。
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この項目は、ネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
このようにかなり特異なキャラクターの不動ではあるが、舞台『刀剣乱舞』~虚伝 燃ゆる本能寺~においては物語のキーパーソンとなっている。
かつての主・森蘭丸と織田信長を「今度こそ」守りたいと臆面もなく口にし、それは「本来の歴史を守る」刀剣男士には許されないと指摘されて戸惑う。回想において多くの刀剣男士が直面した「かつての主を守りたい」という悩みの一端を垣間見せる。
また甘酒を飲んで酔っ払うのも、辛い事を忘れようとしている節がある。後ろめたさから及び腰になる自分への景気づけも兼ねているらしい。
織田にいた頃の事は「楽しい事があった」くらいしか覚えておらず、また織田にいた時期が重なるか重ならないか微妙なへし切長谷部(刀剣乱舞)には「あんた!......誰だっけ?」と首を傾げ、長谷部も信長の話を繰り返す不動に苛立つなど、初手から対立。長谷部にとって痛いところを突いてくる不動と口論になり、間に挟まれた宗三左文字(刀剣乱舞)が思わず手を挙げてしまうに至る程、普段見せる事のない感情を露わにする事となった。
終盤、自らの想いをどうしても諦めきれず、刀剣男士、明智軍、時間遡行軍が入り乱れる中で蘭丸を守ろうとするが……その物語の結末は、是非本編で。
鎌倉の刀工、藤三郎行光(とうざぶろうゆきみつ)の作。
相州正宗の父とされ、五箇伝のひとつ・相州伝に山城伝の影響を与えた人物。在銘の太刀は皆無ながら、無銘の極めものとされている。
短刀のうち一振が国宝、一振が御物となっている。その他にも多くの作が重要文化財指定を受け、徳川家に伝来した「矢目行光」「綾小路行光」など在銘の著名作がある。
号は、表の櫃の中に不動明王とその眷属である矜羯羅(こんがら)・制多迦(せいたか)の両童子を浮彫にしている事に由来。
織田信長が所有し、これを非常に自慢していた。
酒に酔って気分が良くなると、膝を叩きながら「不動行光、つくも髪、人には五郎左御座候」と歌ったという。ゲーム内でも不動はこの歌を口ずさんでいる。
「つくも髪」とは名物茶器の「九十九髪茄子」茶入、「五郎左」とは丹羽長秀(五郎左衛門尉)のこと。この逸話は不動国行にも同様のものがあるが、本来どちらのものだったかは判然としない。
その後、信長が小姓・森蘭丸に下賜。その由来については次のような逸話が残っている。
信長が厠に立つ時に蘭丸に不動行光を持たせた折、蘭丸は待っている間に拵えの刻(きざみ)の数を数えていた。
ある時信長が「拵えの刻の数を言い当てた者にこの刀をやろう」と言うと、皆が思い思いの数を言う中で、蘭丸だけが黙っていた。その理由を問いただすと蘭丸は先の事情を話し「先に数えて知っている事を、知らぬ振りをして言い当てるのは宜しくありません」と答えた為、信長はその奥ゆかしさと正直さを褒めて不動行光を与えたという。
その後、蘭丸は本能寺の変で信長に殉じたため、本刀も焼身となった。
後に再刃されて豊前小倉藩初代藩主・小笠原忠真(博多藤四郎の所有者)が入手、以後小笠原家に伝来。
昭和4年(1929年)3月の第一回日本名宝展覧会では小笠原長幹伯爵から出品されており、この時三日月宗近、江雪左文字、にっかり青江、大倶利伽羅、太鼓鐘貞宗らと共に一つの会場で展示された。
戦後に同家を離れたと見られており、現在は個人蔵。
この先、「極」のネタバレがあります。
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不動行光の様子がいつもと違うようだ。
「あー……その、なんだ。ちょっとな……」
不動行光が修行に旅立ちたいようです。
修行に行かせますか?
不動行光からの一通目の手紙
(手が震えるのか、内容の丁寧さに反して文は激しく乱れている)
修業に行きたいなんて言い出して面食らっただろうね。
日頃酒浸りで、まともに働きもしない俺が、どの口で言うのかと。
でも、悪酔いから目が覚めて、酒が抜けると、いつも怖くなるんだ。
この本丸も、いつかまた焼け落ちてしまうんじゃないかって。
そしてそれから逃げるように、俺はいつも酒を飲んでいた。その繰り返しだ。
……俺は、この恐怖をどうにかしたいんだ。
不動行光からの2通目の手紙
(字の震えは小さくなっているが、文は荒々しく乱れている)
修行の地として向かわされたのは、尾張だった。
ああ、何ということだ。信長様も、蘭丸も、まだ、ご健在であられる。
ここで光秀めを斬ってしまえば、俺の恐怖は、きっと晴れる。
だが、それをしてしまえば、俺は敵と同じ。
すぐさま裏切り者として貴方に討ち取られることになるだろう。
……俺は、試されているのだろうか。
これは、悪夢なのだろうか。
それとも。
不動行光からの3通目の手紙
安心してくれ。俺は、裏切り者にならずに済んだ。
俺が良からぬことを考えていることを、当の信長様に非難されたよ。
もちろん、俺からは何も言っていない。でも、見透かされていた。
失った過去の代償に現在の自分を犠牲にして、それでいったい何が面白いんだ? だってさ。
そこまで言われてしまったら、もうなにもできないよ。
だから、もう過去ばかり見て、現在を無駄に過ごすのはやめるよ。
恐怖はまだ消えてない。でも逃げてちゃいつまでたってもそのままだ。
今の俺は貴方の剣。貴方の本丸が焼け落ちぬよう、どこまでも強くなってみせるさ。
「不動行光、今代の主のもとに只今帰還!
……えっ、お前は誰だって?
ひどいなあ、酒を抜いてきただけだよ!」
不動行光極とは、ブラウザゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」に登場する、不動行光の新たな姿である。
2017年5月9日のアップデートで追加された極の刀剣男士。
不動行光がレベル60以上になり、四日間の修行を終えることによってランクアップが可能になる。
ステータスが格段に向上するほか、レアリティが一段階上がり、装備スロットが2つになった。更に、「極」の特徴として昼戦でも遠戦を回避することがある。
以前は酔って赤みがかかった顔だったのが、片手に携帯していた甘酒が消え、酒を抜いてシラフの顔になっているのが大きな特徴。
言葉使いも以前は管を巻いて荒っぽかったのが、柔和で丁寧に変わり、声も柔らかくなっている。
審神者も驚いた劇的ビフォーアフターとでも言うべき衝撃的な変化だが、本来の彼はこちらだったのだろう。つまり素に戻った。
真面目な性格を表してか、服装もきっちりした身なりになり、かつての主・織田信長その人を彷彿とさせる西洋風のマントと防具が追加された。また、髪を結いあげているのも赤い結紐になった。
以前は思い出に逃げ、恐怖や不安を紛らわせる為に酒に溺れていたが、これからは思い出は今も胸に抱いたまま、悲しい過去を繰り返すことのないよう、今の主の下で働くと言う。
前の主・織田信長の思い出を「前の主はね、俺のこと酔うと歌って自慢してたんだ。今でも、それを忘れられないんだ」「思い出は今もこの胸に。でも、今の主を蔑ろにするつもりはないよ」と穏やかに語ってくれ、今の主も尊重してくれるようになった。
刀剣破壊では織田信長だけではなく森蘭丸にも想いを馳せるようになり、2人とも大切な存在であることが窺える。
審神者を主と認め、主の信頼に今度こそは応えると意気込んでおり、特に戦場ではそれが顕著。
白刃戦では「偵察をお願いする。しかる後に、機動戦にて奇襲する!」「突撃せよ!敵に立て直す機会を与えるな!」と、凛とした一面を覗かせる。
また真剣必殺では「もう二度と、主を失うわけにはいかないんだ!」と吠え、一騎打ちでは「あの時とは違う!俺次第で、状況は覆せる!」と、劣勢にも果敢に立ち向かう。
審神者の愛が届いた結果なのか、今の主に愛されていることを自覚しており、愛された分に応えようとしてくれる。
修行見送りでは、「俺たちは幸せだよね。目をかけてくれる主が、健在なんだから」という言葉まで聞ける。
このように、素に戻って見違えるほど成長した不動の姿に思わず涙する審神者が多数にのぼった。
一方で本丸で放置していると「今のうちに軽く一杯♪……いやいやいや我慢だ」と、酒を飲もうとしてやめる元の面影もある。
薬研藤四郎(刀剣乱舞)・宗三左文字(刀剣乱舞)・へし切長谷部(刀剣乱舞)と手合わせを行うと、以前とはまた異なる特殊台詞が発生。
薬研に対しては遠慮なしで張り合う様子があり、宗三に対しては気安く接しつつ気遣いをしており、長谷部に対しては良き理解者でありながら「主の一番」を競い合う好敵手でもあるようだ。
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最終更新:2025/12/08(月) 19:00
最終更新:2025/12/08(月) 19:00
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