井上敏樹は、日本で特撮ドラマを中心に活躍する脚本家である。人呼んで「東映の用心棒」。
代表作は「鳥人戦隊ジェットマン」、「超光戦士シャンゼリオン」など。
また、平成仮面ライダーシリーズの多くの作品に参加していることでも知られる。
参加作品が多い割にメイン担当が少なく見えるのは、準主役級のキャラクターを目立たせたい時や、
進行に遅れが目立つようになったときの調整役としてスポット参加する場合も多いためである。
1959年11月28日生まれ、埼玉県出身。
仮面ライダーシリーズ初期の脚本で活躍した伊上勝を父に持ち、小山高生が主宰する脚本家団体「ぶらざぁのっぽ」で修業を積む。
が、
単純な勧善懲悪や、大団円でハッピーエンドといった展開には懐疑的で、自身がメインライターを務める作品ではその傾向が顕著である。
恋愛関係を描くにしても、大抵は三角関係になったり、敵同士になってどちらかが絶命したりと、必ずといっていいほど報われない人物がいる。
出世作となったジェットマンが1番わかりやすいかもしれない。
仮面ライダーキバのような例外もあるが、これには武部プロデューサーの意向も絡んでいるとかいないとか。
インタビュー等でも丁寧語は使わない。良く言えば豪快、悪く言えばふてぶてしい。その影響からか、ジェットマンにおいて鈴木武幸プロデューサーが井上をメイン脚本に推した際、東映の上層部からは決して未熟だからではなく、「態度がデカイ」ため反対された。そのため、鈴木Pは「飲んで話せば悪い奴じゃないから」と、”井上君を囲む会”なる飲み会を開き、何とか決定にこじつけたという。
書道や料理はプロ級と言っても差し支えないレベルの腕前を持ち、アンチに関しては「そういうのがいい」と言ってのける良くも悪くも大ざっぱな人物像は、「カブト」の天道総司、「ディケイド」の門矢士など、仮面ライダーシリーズの登場人物の性格形成に影響を与えたこともある。
一見脚本家に見えない体格と強面が原因で新谷良子に本物の913・・・いや、893と勘違いされた事がある。
また、かなりのヘビースモーカーで、禁煙のマッドハウスの会議室で平気で煙草を吸ったり、シンガポールに旅行に行った際も禁煙タクシーで「灰皿をよこせ」と言ったというDQN・・・ゴホン、豪快な一面もある。
また、若かりし頃は非情に喧嘩っ早い事でも有名だった。
一言で言うと「大ざっぱ」。
「脚本は映像を作るときの設計図にすぎない」が持論であり、特に実写作品の場合は、せりふや動作、使用する技などが大まかに示されているだけで、細かい表情などは、現場で監督と出演者らが話し合いを重ねて決めている。
その分、プロットの段階での完成度を重視し、脱稿までの時間も早い。
作品の中心となる人物には、記憶喪失、自己中心的、協調性が強くないなど、癖のある人を置き、いわゆる常識人タイプの影は薄くなりがち。
その分、大きな挫折から(紆余曲折を経て)の復活、味方同士が衝突を重ねて団結していく様子を、パワーアップに絡めてカタルシス化させていく展開には定評がある。
悪役側も、統率、結束が取れておらず、利害が一致する部分でのみ一時的に手を組む場合がほとんど。
敵対する勢力に属する人物同士に友情、恋愛関係を持たせることも多い。
その他、主役がピンチになると池に落ちる、話を面白くするなら多少の設定改変、食事シーンが多い事でも知られる。
食事シーンが多い理由に関しては「子供向け番組ではセックスシーンが書けないから代わりに食事シーンを入れてる」とのことである。
所謂ネタキャラを生み出すのが得意としているのか、井上の手がけた平成ライダーだけでも、草加雅人、名護啓介、海東純一と言ったキャラクターを生み出し、ネット上では人気が高い(※「平成ライダーネタキャラ四天王」参照)。
大人向けの作品ではグロに走る事もしばしば。(例:メビウスギア、キューティーハニー THE LIVE)
キャスティングには口を出さず、主要な出演者が決まってもすぐには会わず、実際に出来上がった映像を見て、方向性を決めていくという。そのため、長期シリーズの途中でも人物像を変えることがある。
作品にテーマを設けていたとしても前面に押し出すことはせず、全体を見てそれとなく浮かんでくるくらいの塩梅が好み。テーマ性を過剰に求める風潮を嫌い、テーマについて問われたときは、皮肉を込めて常に「愛」だと答えている。
(ただし、仮面ライダーキバは、実際に家族愛をキーワードにして書いていた)
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最終更新:2025/12/12(金) 03:00
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