偏差値 単語


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ヘンサチ

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偏差値(へんさち)とは、母集団における水準を示した無次元数のことである。

概要

平均を50として、それより上か下かを数値として示せるようにしたものである。

統計において使用されるが、日本においては一般的に「学力偏差値」のことを指すことが多い。

学力偏差値

学力(試験の点数)を偏差値という形で示したもので、海外ではほとんど使用されていない、独特な学力の指標である。

しかしながら、日本においては非常に意味を持つものであり、中学受験・高校受験・大学受験と、偏差値というものに左右されている者は多いと思われる。

偏差値自体は、学校の社会的評価及び教育水準を示すものではないが、校風や教育の良し悪し、社会的評価の変化により、偏差値に影響を及ぼすこともあるため、一概に関係性を否定できるものではない。

「偏差値を○○上げる」「偏差値○○からの・・・」といったキャッチフレーズの受験指南書や参考書などがよく見られる。

大学においては、一部の例外を除いて大きな序列の変化はあまり見られないが、高等学校では偏差値に大きな変化が見られるところがある(具体例で言えば男女別学校の共学化など)。

偏差値の求め方

偏差値は次式によって求められる。

50+10×(スコア-平均)÷標準偏差

偏差値を求めるには平均と標準偏差を求めなければならない。ので標準偏差の求め方を書いておく。
仮に、100点満点のテストを100人に行ったら以下のような結果になったとする。
(テストAとする)

42,45,47,49,50,51,52,53,54,55,
55,56,56,57,58,58,59,59,59,60,
60,61,61,62,62,62,63,63,63,64,
64,64,65,65,65,66,66,66,67,67,
67,68,68,68,68,69,69,69,70,70,
70,71,71,71,72,72,72,72,73,73,
73,74,74,74,75,75,75,76,76,76,
77,77,77,78,78,78,79,79,80,80,
81,81,81,82,82,83,84,84,85,85,
86,87,88,89,90,91,93,95,98,100

平均の求め方は
(42+45+47+…+95+98+100)÷100だが、
標準偏差の求め方は
√[{(42-平均)^2+(45-平均)^2+(47-平均)^2+…+(95-平均)^2+(98-平均)^2+(100-平均)^2}÷100]
つまり、テストの点数から平均を引いたものの2乗をすべて足して、
それをテストを受けた人の人数で割ったものの平方根をとれば標準偏差となる。

ちなみに、Excelを使えばSTDEVP関数で一発で求められる。
上記の例の場合、平均は70.3点、標準偏差は約11.91点となる。

上限の誤解

人によっては偏差値は100以上ありえないとか、80ってありえるの?とか思っていたりする。
では上記の例で実際に100点を取った人の偏差値を求めてみよう。

50+10×(100-70.3)÷11.91 = 74.937...

となり、偏差値約75が上限となってしまう。
ところが、以下のような結果となったテストではどうだろうか?
(テストBとする、100点満点)

10,13,16,17,19,20,21,22,23,23,
24,25,25,26,27,27,28,28,29,29,
30,30,30,31,31,32,32,32,33,33,
34,34,34,35,35,35,36,36,36,37,
37,37,38,38,38,39,39,39,40,40,
40,41,41,41,42,42,42,43,43,43,
44,44,44,45,45,45,46,46,46,47,
47,48,48,48,49,49,50,50,50,51,
51,52,52,53,53,54,55,55,56,57,
57,58,59,60,61,63,64,67,70,100

平均40.55、標準偏差13.84点である。スコアを100点満点とすると、偏差値は92.955...
となり、偏差値約93が上限である。このように、テストによって偏差値の上限が変わってくるのである。
ここで、もう一度偏差値を算出する式を見てみる。

50+10×(スコア-平均)÷標準偏差

ご覧のとおり、(スコア-平均)が偏差値を上げ下げする要素になっているため、
平均点が高ければ高いほど偏差値は下がる。
テストの得点は上限が決まっているため、
結果としてテストAとテストBでは偏差値の上限に違いが生じる。

そもそも偏差値というのはスコアを「平均50、標準偏差10に直した結果」である。
つまり、
「もしあなたの受けたテストが平均50点、標準偏差10点のテストだったら
何点取れていたかを算出するもの」
と思っていただいて差し支えない。
現に平均50点、標準偏差10点のテストでX点をとれば偏差値Xである。
しかしながら、大抵のテストは平均が満点÷2より上(だいたい6割前後?)、
かつ標準偏差は10点前後が多いため、どうしても偏差値の上限が100未満となってしまう。
結果として、偏差値の上限が75~85程度で固定であると勘違いしてしまう人が多い。
実際は上記のように平均点や標準偏差によって偏差値の上限は変動する。

なお、本来の意味での偏差値には上限、下限がない。
スコアの上限、下限が決まっているテストの点数などでは
とりうる値の上限と下限が決まっているので、偏差値がとりうる値も上限、下限が存在するだけである。
人間の体重は上限がテストの得点よりは決まっていないっぽいので例に挙げると、
ここによれば日本人25歳男性の体重は平均66.26kg、標準偏差8.96kgであるので、
体重111.1kgの人は偏差値100となる。つまりそれ以上の人は体重偏差値100以上が実現する。

関連項目

  • 統計学
  • 学歴
  • 大学全入時代
  • 学歴コンプレックス

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