それは神が授けた、ただ一つの王の証――。
冠を持つ神の手とは小麦畑制作のフリーゲームである。ジャンルは育成系AVG。2009年6月に公開された。
回想モードなどが追加された攻略支援版も公開されているが、こちらはシェアウェア(630円)である。
「かんむりを もつ かみの て」→「かもかて」と略されている。
フリゲ2009 あなたが選ぶ今年のベストゲームにおいて2位を獲得した。
概要
額に王位継承権の証である、神の選定印を持つ主人公は、母親の死をきっかけにその存在を見出された。
父親がおらず、身寄りの無い主人公は、故郷である辺境の村から連れ出され、王城で暮らし始めるようになる。
成人を迎えるまでの1年間、狭いようで広い王城内で主人公は誰と何を成し、そして何を得るのか。
特徴的なシステムや設定に、印象度と主人公の性設定があげられる。
印象度は主人公が相手をどう思っているかという値であり、プレイヤーが自由にその値を上下できる。
印象度によってイベント時の選択肢や、相手の好感度の上がり幅などが変化することもある。
また、友情、愛情のほかに嫌悪、憎悪といった印象にすることも可能であり、友情と嫌悪、愛情と憎悪は
それぞれ対になっている。上げ方によっては「好きと嫌いの板ばさみ」や「憎しみの中の共感」といった
複雑な印象にすることも可能である。
また、印象度が一定値以上になると反転ボタンが押せるようになる。これは「とあるきっかけで人の評価ががらりと
変わるのよくあること」という、不良のアイツが雨の中ノラ子猫拾ってたの見た、結構いい奴だと思った理論を
体現したボタンであり、その名のとおり印象度を逆ベクトルに反転することができる。反転ボタンが無いと達成
できないエンディングも存在し、重要なボタンであると言える。しかし、1キャラにつき一回しか使用できず、
特に初心者はむやみやたらと押すべきボタンではない。
このゲームでは未成年者は男女の性別を持たない、未分化と呼ばれる状態である、という設定が存在する。
15歳で迎える成人の儀において、未成年者は男女どちらかの性別を選択し、その後、1月間の篭りを経てから
選択した性に固定され、以後はその性別で過ごすようになる。重要なのは主人公が未分化であり、女性と愛を
深めても男性と愛を深めても違和感がないこと。この設定によってギャルゲーと乙女ゲーを見事に融合
させており、男性でも女性でも楽しめるゲームとなっている。
また、この設定の派生として「姉、妹などの言葉自体が存在しない」、「同性を選択するのは愛情の強い拒絶」
という裏設定もある。そのため、女性キャラでも「弟」や「彼」と呼ばれていたり、薔薇、百合エンドが一部の例外を
除いて存在しない。この設定をしっかり把握しておくとゲームプレイ中に混乱することは格段に減ると思われる。
能力値や達成イベントによって最終結果(処遇)が変化し、王になったり、文官や神官になったりする。全24種類。
また、立ち絵がある主要キャラクターは11人で、その全員と大きく分けて友情エンド、愛情エンド、裏切りエンド、
憎悪エンド、殺害(死亡)エンドの5パターンのエンディングを迎えることができる。キャラエンドは、最終結果や
達成イベントなどによっても細かく分岐しており、その総数は117(1キャラあたり、約11種類のエンディング)。
ちなみに主人公が死亡したりSATUGAIされることもあり、その場合は即ゲームオーバーとなる。
主要キャラクター
主要キャラクター11人について明記する。
- ヴァイル・ニエッテ=リタント=ランテ 14歳/未分化/国王候補
- 「何だったら手伝ってあげよっか、その脱出計画。」
主人公と同じく、額に神の選定印を持つ国王候補。主人公が前例のない”二人目”の
- 国王候補であるため、その登場を面白がり、いい意味でライバル視している。豆料理が嫌い。
彼のみキャラエンドを迎えた時の立ち絵が男verと女verの2パターンある。未分化万歳!
タナッセ・ランテ=ヨアマキス 17歳/男/王子
- 「何を言ってるんだ、お前は。どうした、頭の線でも切れたか?」
現国王の息子であり、ヴァイルの従兄弟にあたる。身近な親類が皆選定印を持っている中、タナッセ自身は
選定印を持たず、そのことをコンプレックスに感じている。その為、選定印を持つ主人公を敵視している。
趣味は詩作。初期は嫌味全開だが、デレたときの凄まじいヘタレっぷりにツンヘタ王子とも呼ばれている。
何気に人気投票1位。お前はなぜ男を選択したんだ・・・!?とは誰もが一度は思うはず。
リリアノ・ランテ=リタント=ヨアマキス 36歳/女/国王
- 「正しかろうが、正しくなかろうが、時と場合が揃えば人は傷付くものなのだ。」
5代目国王陛下。3代目国王の孫でもある。公正な立場を貫き、凛然としているが、敵と見なした者は
容赦なく屠ることができる苛烈さも持ち合わせている。一人称は我。一年後に譲位を控えている。
男性プレイヤーだけでなく女性プレイヤーでさえも、思わずその豊満な胸に目がいくだろう。
ローニカ・ベル=ハラド 52歳/男/侍従
- 「どうぞご安心してお眠りくださいませ。私めが側にございます故。」
主人公のお部屋付きとなった侍従。物腰は柔らかく、主人公を第一に考える姿勢を良くも悪くも崩さない。
そのため、ローニカの憎悪ルートの攻略は最高難易度となっている。かつては4代目国王に仕えていた。
52歳とかwww主人公と38歳の年の差ってどうなのwwwなどと思う時期は誰にでもあるはず。
ローニカたんとちゅっちゅしたい貴方はかもかて上級者。
サニャ・イニッテ=コノラ 16歳/女/侍従
- 「何でもないです!何も読んでないですから、気にしないでくださいです!」
主人公のお部屋付きとなったメイド。同じく侍従であった、サニャの大叔母からの紹介で侍従となる。
特定貴族とのつながりがないので、微妙な立場である”二人目”の部屋付きとなることができた。
素朴で甲斐甲斐しく、主人公を立てる反面、おどおどしており、敬語は怪しい。針仕事が好き。
愛情ルート王配verは条件が難しく、憎悪ルートは精神的にきついです。殺害?それをするなんてとんでもない!
グレオニー・サリダ=ルクエス 19歳/男/衛士
- 「お体は大丈夫ですか?傷の具合はどうですか?」
見張りや門番などを行う衛士。5人兄弟の末っ子であり、主人公に対して兄貴風を吹かせつつも
末っ子気質が抜けきらない19歳。落としやすいと思ったらそうでもない面倒な人。自他とも認める雨男。
愛情ルートよりも殺害ルートのほうが萌えたり滾ったりするため、多分一番殺されているキャラだと思われる。
反転ボタンを押させてください。
モゼーラ・ゼネ=トカーキ 22歳/女/文官
- 「けれど、どうしてもそれが正しい方法だったとは思えないのです。」
王城の図書館にいる文官。優秀な人物だが、不正などを見過ごせない性質であり、そのため左遷された。
独身で、この世界での結婚適齢期を過ぎているということもあり、それを気にした発言が多め。
愛情度が上がりやすいため、「嫉妬」という愛情度関連のイベント回収においてよくお世話になる人。
二股プレイで見られる嫉妬イベントおいしいです。回想モードでさらにおいしいです。
ティントア・シーア=ファダー 18歳/男/神官
- 「それでも僕は期待してる。僕が君を愛し、君が僕を愛してくれること。」
王城内の神殿にいる神官。聖書の全てを暗記しているとされ、将来有望。誰もが一度は見間違う、
中性的で整った顔を持つ。寡黙で無表情だが、ただ単にマイペースなだけ。日向ぼっこが好き。
双子和解ルートでの主人公の空気っぷりはガチ。あと多分この人ヤンデレだと思う。それがいい。
- 下記の3人は他のキャラクターよりも登場条件が複雑なため、隠しキャラとして扱われる。
ルージョン・アーネ=フィアカント 18歳/女/魔術師
- 「戻れやしないよ。どんなに望んだって。お前はそれを理解しなければならない。」
ティントアの双子の”弟”。とある目的のために王城に侵入し、容姿がティントアとそっくりであることを
利用して城内をうろついている。ツンデレだが、ストレートな愛情には弱く、絆されやすくてかわいい人。
よく死にまくる(死亡パターンが一番多い)ルージョンにはぜひとも幸せになってほしい。
トッズ・??=?? 自称20歳/男/商人
- 「お前さんが俺を信頼するのと同じくらい、俺はお前さんを信頼してるよ?」
王城の中庭で開催される市に参加している、口先の軽さと胡散臭さが際立つ商人。
口先の軽さを本気にすると愛情ルート、胡散臭さを警戒すると友情ルートに進む。友情と愛情が両立できない
両極端な性格をしている。愛情エンドを迎えるころには彼の爬虫類系な顔もかっこよく見えてくる不思議。
ヘイドロパリメンフノヒタスのオツムと将来に乾杯!
ユリリエ・ヨアマキス=サナン 17歳/女/貴族
- 「貴方が茨の道を望むのならば、私は従い、裸足でそこに踏み入りましょう。」
タナッセの従兄弟であり、リリアノは義理の伯母にあたる。愛の探求者であり、本当の愛を求めて
貴族社会で浮名を流している。タナッセとは詰めたり落としたり叩いたり食べさせたりした仲。そこがいい。
愛の探求者のためか、愛情ルート派生の殺害エンドや裏切りエンドが色々とすごすぎるお方。
ユリリエが男を選択していれば乙女ゲー的に最強キャラになっただろう。そうでなくても色々と強いお方。
関連動画
関連項目