別の正義がある悪役とは、「物語内で「悪」の役を担ってはいるが、一面では正義でもある」といったキャラクターなどをさす概念。
この「別の正義」がそれなりに共感を呼ぶものだった場合、この悪役と敵対した主人公側の行動の正当性について、その作品を鑑賞したものたちの間で議論を呼ぶこともある。
類義語に「悲しき悪役」などがある。ただし「別の正義がある」ことと「悲しき事情がある」ということはイコールで結べるわけではないため、全く同一というわけではない。
例
五十音順。
自由に追加を。ただしあくまで創作作品とし、実在の人物はNG(歴史認識の議論となって不毛かつめんどくさいことになりそうなので)。
ネタバレ満載なので注意。
「美醜」の判断のように、「正義」「悪」の判断にも「傾向」はあるものの個人の感性の差も大きい。よって「このキャラクターの理念・目的は「別の正義」とは呼べないだろう」とか、「こいつは単に「主人公と敵対した」だけであって、「悪役」というわけではないのでは」といった議論を呼ぶかもしれない。
- ダオス
- ゲーム『テイルズ オブ ファンタジア』のラスボス。
- マナの枯渇で滅びに瀕した星「デリス・カーラーン」の出身で、滅びを避けるために必要な、世界樹ユグドラシルが生み出すマナの結晶体「大いなる実り」を求めて作中の舞台の星を訪れた。
- だがマナを消費する「魔科学」が広まったことによりユグドラシルは枯死しつつあり、「大いなる実り」を得るために魔科学を使う国家などに戦争をしかけた。
- 天上世界
- 漫画『ドラえもん のび太と雲の王国』に登場する勢力。
- 雲を固化する技術を用いて、地上人に知られぬままに雲の上で発展している国家。
- 地上の人類の環境汚染によって危機に陥っていることから地上の人類文明を洪水で洗い流す「ノア計画」の実行を検討しており、そのためにドラえもんらと敵対する。
- ちなみにノア計画はあくまで文明をリセットするものであり、事前に人や動物は雲の上に避難させておき、事が終われば地上に戻す予定らしい。
- ノンマルト
- 特撮テレビドラマ『ウルトラセブン』に登場する勢力。
- 元々は地球の原住民だったが、人類に追いやられたことで海底に移住したという。
- しかし海底にも地上人類の開発の手が及んだことで、怪獣や奪った潜水艦などを使用した、人類への報復の道を選択した。
- ウルトラ警備隊の潜水艦によるミサイル攻撃で海底都市を破壊されて滅亡する。
- バーン
- 漫画『ダイの大冒険』のラスボス。大魔王バーン。
- 作中では、神々の判断によって力ある種族である魔族や竜族は地底の魔界で暮らすことになっている。一方、人間などの非力な種族は太陽の光が射す地表で暮らしている。
- そのことを不満に思い、地表を吹き飛ばすことで勝手に押し付けられた貧乏くじを打破することを目的としている。
- ブゥアー
- 漫画『マップス』のラスボス。
- 作中では宇宙はそもそも「いつかは消滅する」運命にあるが、それを惜しく思ったある種族が宇宙の記録のために制作した生体コンピューター。宇宙を記録し、消滅したあとも自らの中でのシミュレートとして存続させている。生まれた宇宙が消滅した後にも別の宇宙に移動して同じことを繰り返しており、その数は兆を超えている。
- シミュレートする宇宙の数が膨大となりすぎたことでエネルギー源に困窮しており、宇宙をシミュレートして存続させるに十分なデータを揃え終えたらエネルギー源として食い潰している。ただし食い潰された宇宙もシミュレートとしては存続するようだ。
- 主人公らの宇宙が食い潰されそうになったため、主人公らの総力によって滅ぼされた。それと同時に、ブゥアー内で行われていた数兆の宇宙のシミュレートも終焉を迎えたと思われる。
- 作中では「ブゥアーの目的は銀河全ての生命より尊い」と判断したキャラクターも登場している。
- 墓所の主
- 漫画『風の谷のナウシカ』のラスボス的存在。
- 生命を操作する知識や技術を保存している「墓所」の主にして、墓所そのものの意識体?
- 墓所に保存しているその技術を人類の権力者に少しずつ提供している。
- 目的は、汚染された世界を清浄な地に戻すこと。
- 作中の現生人類そのものがそもそも汚染された世界に適応するために技術で改変された人類種であって清浄な環境では生存できないのだが、現生人類を清浄な環境に適応できるように再改変する技術も保存しているという。
- 自分の知識なくしては人類は緩慢に滅亡するといった内容も語っている。
- 主人公「ナウシカ」の価値観とは相容れなかったため、ナウシカはこの「墓所」を破壊して墓所の主を滅ぼした。
関連項目