加藤一二三とは、猫とうなぎをこよなく愛する将棋棋士である。第40期名人。棋士番号64。
敬虔なクリスチャンでもあり、聖シルベストロ教皇騎士団勲章を授与されている。棋士で騎士。
1940年1月1日生まれ。福岡県嘉麻市(旧嘉穂郡稲築村)出身。
1954年に達成した14歳7ヶ月での四段昇段=プロ入りは、2016年に藤井聡太が14歳2ヶ月で四段昇段を果たすまで62年に渡って最年少記録であり続けた(しかもこの記録更新時76歳にして未だ現役であり、藤井と史上最大年齢差62歳の対局を実現した)。18歳でA級八段に到達(C2からA級到達まで、全て1期抜け達成。現行制度では他に中原誠のみ)。20歳で名人に挑戦するなど、数々の大記録を打ち立てた棋界のレジェンドのひとり。
通称は「神武以来の天才」。ちなみに本人はこの呼び名をあまり好きではないとかにゃんとか。名人1期、十段、棋王位などを獲得し、A級在籍は36期。2000年4月29日には紫綬褒章を授与された。御年77歳、棋士生活63年目となる2017年まで順位戦で長丁場を戦う、現役最高齢のプロ棋士であった。
2017年1月19日にC級2組から陥落、最年長77歳で引退が決まった。通常はフリークラスへの降格であるが定年に達しているため、引退となる。(2017年6月まで対局予定がある)
タイトル獲得は名人1期のほか、王将1期、十段3期、王位1期、棋王2期の計8期。順位戦の最上位、A級在籍は名人1期を含む36期で、大山十五世名人に次ぐ2位。通算成績は1323勝1173敗で、タイトル戦の持将棋を含む対局数は2497局(引退決定時)。局数、負け数は歴代1位。勝ち数は大山十五世名人、羽生善治王位(46)に次ぐ歴代3位。
四段であった頃は、『一二三四段』という愛称が付いていた。12310段だった事や1232冠王だったこともある。現在は1239段。
棋界ではレジェンドオブレジェンドの実績を積み重ねた大棋士だが、その喋りや挙措は非常に個性的。「一二三伝説」と言われるエピソードには枚挙に暇がない。
ファンからの愛称は「ひふみん」。第45回東急東横店将棋まつり(渡辺竜王・上田女王・豊川七段のトークショー)にて、自身が「ひふみん」と呼ばれている事を知っている事が判明。その後に開設した、ご本人も自ら更新するtwitterで「ひふみん」と使ったりするなど、こちらの呼び名はいたく気に入っている模様。
古希を過ぎニコニコ生放送などでタイトル戦の解説を務めるようになったこともあってか、公式チャンネルや前述したtwitterも開設。「プロの側からは将棋のおもしろさや深さを人々との接触を多くして伝える事」の言葉通り、ネットメディアを通してファンとの交流を積極的に図っている。
最近では囲碁・将棋チャンネルなどの専門番組だけでなく、そのキャラクターを買われて「アウト×デラックス」の準レギュラーとしてバラエティに出演していたりもする。
解説役としても活躍しており、語り口は軽妙かつ愛嬌たっぷり。思いついたことを怒涛のごとくしゃべり倒すスタイルでもあるが、ユニークな存在感で人気も高い。
特にニコニコで有名なものとして、奇跡の逆転劇が展開された羽生・中川戦の解説における珍セリフ・名台詞の数々がある。MAD素材になったり、将棋動画のお約束コメとなった「あれれ、おかしいですよぉ?」「あれ、もしかして頓死なのかな?」「これは大逆転ですねぇ!」「(΄◉◞౪◟◉‵)ひゃあ」などは将棋ファン以外にも知られるようになった。
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将棋>>317さんのピコカキコ |
と言ってネタまみれの解説ばかりな訳ではなく、第2回電王戦・船江恒平五段vsツツカナの対局では船江優勢のムード漂う中盤の展開において「まだこれは難しい」と指摘したり、中継の合間に数々のひふみん伝説検証や初心者向けの指し手講座を即席で開いていたりする。
ひふみんと言えばうなぎ、うなぎと言えばひふみん。「出来上がりの時間をあまり気にすることなく確実に食べられて精もつく」と言うことで、対局時のお食事はうなぎをこよなく愛する。70過ぎて食べ過ぎで病院送りになった辺りでは少しうなぎを自重したらしいが、最近ではまた時々食べるようになったらしい。
なおうなぎを自重していた頃のブームは冷やしトマトで、お昼には視聴者が絶句する程度の量をぺろりと平らげていた。他にも板チョコ(明治製菓)をバリバリと食べ、記録係が「みかん臭いんです助けて!」と泣きを入れるレベルのみかんを大食。アウト×デラックスの食生活密着リポートの際には3L以上はあるであろう物凄い量の飲料を摂取するなど、大食漢エピソードには事欠かない。
2015年2月12日、順位戦C級2組第8局での夕食休憩にてチキンカツ定食とカキフライ定食を注文。高齢であるひふみんや注文を取る将棋連盟職員のうっかりかと思いきや、両方を頼んだ。しかも、どちらかのおかずだけを食べるのではなく両方同時に食べてたとのこと。食にまつわるエピソードにまた一つ伝説が加わった瞬間である。
無類の猫好きとしても知られ、近隣の野良猫に餌をやったり不妊手術を自腹で受けさせたりと、猫との関係は深い。それが高じ過ぎてか2008年12月には野良猫への餌やりを止めるようにと近隣住人から提訴されたことも。
ブロマガのタイトルも「ニャンとも言えない一二三伝説」だったり、twitter上で猫の引き取り手を探すツイートを積極的にリツイートしたり、同じく愛猫家のジャパネット浦野真彦八段と猫の話で交流したり、「ハロー、将棋が好きかい?」と猫に話しかけたり。ねこだいすきです。
将棋ファンにはおなじみ、ひふみんの数多の奇行数々の珍行動・エピソード群は「一二三伝説」としてひふみんの強烈なキャラクターを彩っている。正直存在してるだけで伝説とか言わない。前述の食べ物・猫関係の逸話の他、
エトセトラエトセトラ。書ききれないほどあります。いずれも強烈な印象を残すものばかりだが、将棋を愛する純粋な魂はまぎれもない…と言うことで、ファンや棋士たちにも「伝説」としておおむね好意的に受け止められている。
加藤はとにかく棒銀を多用する棋風で有名であり、プロ棋士の中でも棒銀の使用率は群を抜いている。
将棋を始めて以来、居飛車・棒銀一筋の姿勢を貫き、その姿は一部では偏愛とさえ表現されている。もちろん、棒銀戦法の扱い方においては日本で比肩する者無しとさえ言われる程の使い手である。自身が対局に負けた際、「棒銀が弱いんじゃない、自分が弱いんです。」と発言した事がある。
加藤の棋風について羽生善治は、「あそこまで同じ戦法を貫かれると不気味ですらある。普通、研究され対策される事を考えると、一つの戦法を採用し続ける事は、一つの生き方ではあれ、現実に実行する人は殆ど居ない。しかし、加藤先生に限っては、全くそれを恐れていない様だ。」と発言している。
解説においても棒銀好きは相変わらずであり、解説中、対局している棋士が別の戦法を取ると、「何で棒銀にしないんでしょうか。」「いや、ここは棒銀ですよ。」「あれれ、棒銀にすればいいのに。」と発言する等、ひたすら棒銀をプッシュする事がある。しかし、理由無くプッシュしている様に見えても、実際に加藤がこう発言する時は、大抵棒銀が有効なケースである。
また、長考している場合よりも、秒読みでの思考が鋭いと評されている。飯塚祐紀七段は「加藤先生は秒読みになると本当にすごい。一切間違えない」と評し、中原誠十六世名人は「長考よりもむしろ秒読みの時の方が読みが鋭い」、「加藤さんと秒読みで指す場合は、95点以上の手を常に指し続けないと勝てない。他の棋士は80点程度の手でもいいんだけど、加藤さんは一分の中で常に正しい手を指し続けてくる。」と話している。
動画には何故か「動物」タグが付けられる事が多い。
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最終更新:2025/12/12(金) 03:00
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