包丁藤四郎(刀剣乱舞)とは (ホウチョウトウシロウとは) [単語記事]

「包丁藤四郎だぞ！

好きなものはお菓子と人妻！　よろしくー！」

包丁藤四郎(刀剣乱舞)とは、ニトロプラスが原作・キャラクターデザインを手掛けるブラウザゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』に登場する刀剣男士である。

イラストレーター：汲田／CV：宮田幸季

概要かぁ～活躍したらご褒美欲しいな！

粟田口吉光作の短刀。藤四郎兄弟のひとり。
武家にとって吉光の短刀は最上級の贈物。それが徳川家康の元にひと時でもあったものとなれば更に意味は増す。そして、彼の嗜好が誰譲りのものかは言うまでもない。

公式Twitterの紹介文より

2016年10月18日から開催された第17回目のイベント「地下に眠る千両箱」の地下50階到達報酬として、先行登場した短刀の刀剣男士。
前髪をヘアピンで留め、頭頂部左側にある双葉のようなアホ毛が特徴。他の兄弟同様に粟田口の制服に身を包み、パステルカラーの防具を装着している。背面については先行登場記念の書き下ろしイラストを見るとわかる。

性格は幼く、無邪気で小生意気。ご褒美やお菓子を審神者にねだってきたり、中傷以上の手入れではふて寝したり、見た目通りの子供らしい言動がある。
多くの刀剣男士の例に漏れず内番は苦手なようで、“包丁”藤四郎だからと畑当番を任せると「包丁藤四郎だからって、食べ物関連任せるって安直だよ！」と良いリアクションをくれる。表情差分のピーナッツみたいな口がかわいい。
お菓子が大好きで、肩から下げている鞄にもお菓子が沢山入っており、中傷グラフィックでは鞄からアメなどがこぼれ出す。

だが、特筆すべきは幼い見目に反したもう一つの嗜好。ドロップでの自己紹介通り彼は人妻も大好きなのである。
どれくらい好きかというと、本丸での3種の台詞全てに人妻への言及があるほど。
「俺、人妻好き！大好き！あ～、人妻の天国に行きたい……」と熱く語っている。人妻の天国とはいったい……。
さらには、遠征を任せると人妻との出会いを期待する、兄・一期一振(刀剣乱舞)との手合わせでは人妻にモテモテになるためならばと頑張る、中傷時には「くっそー……人妻に撫でてもらわないとやってられないぞ」とこぼす……など、かなりの域である。
人妻好きは前の主徳川家康譲りのようだが、家康の場合と違って彼が人妻を好きな理由は「人妻は頭撫でてくれるし、お菓子くれるし、最高だよね」というなんとも微笑ましいもの。

どうだ！　生まれ変わった俺の姿！

2017年7月25日、極が実装。

ややオーバーサイズの白銀色の甲冑に身を包んだ、凛々しい……というより、より可愛らしい姿で帰還を果たした。
釘のような大きな後立が特徴的な兜は、徳川家康が着用したと伝えられる「一の谷形大釘後立兜」が元ネタ。釘は固いものを貫く力を持ち、戦場において縁起が良いものとされ、変わり兜の中でもよく用いられたモチーフである。
更にパステルカラーのストライプのマントも追加。五月人形のように愛らしい一方、見ようによってはレジャーシート呼ばわりされる事もしばしば。

修行先はやはり徳川家康のいる江戸城……だったのだが、手紙の内容はしんみりしたものではなく「いかにすれば人妻にモテるのか、その秘密を探りに行く」という、一切のブレがないしろもの。手紙を受け取った審神者を脱力、或いは爆笑させたのであった。
「え？　強さ？　人妻にモテるんなら別にいらないや」と言いつつも、最終的に家康が人妻にモテたのは権力者だったからという結論に到達。「内からにじみ出る魅力を高めたい」包丁にとっては全く参考にならないという顛末に。それでも独力で修行を終わらせ、審神者の許に帰還を果たしたのであった。
これほど安心して帰還を迎えられた子は初めてではなかろうか。

ステータスは打撃が極短刀の中でも２位で、刀装・馬によって100を超える事が可能。改めてアタッカーとして優秀な存在となった。

台詞のほとんどを人妻が占めるブレなさは健在。
「毎日人妻からお菓子をもらうだけの生活がしたいな～」という夢を語りつつも、中傷を負えば「人妻なら、頭を撫でて「痛かったね」って言ってくれるのに！　うぅ、主ときたら……！」とかわいらしい愚痴をこぼす。なおこの時の「痛かったね」の言い方は必聴。
また畑当番でも「野菜を切らして困ってる人妻が偶然にもやってこないかなあ」と夢を見ている。この究極の男所帯に何を求めているのやら。

ただし、戦に臨んでは「かっこよさ」を追い求める姿勢を見せる。刀装を装備した時には審神者に対して「かっこいいって言え～！」とアピールし、真剣必殺では「もう怒った！　俺を怒らせたんだから覚悟しろ！」と凛々しい所を見せる。

そんな包丁藤四郎だが、刀剣破壊では「もっと……優しく、してほしかったな……もっと、っ……もっと……傍で……」と切ない本心を吐露して散ってゆく。
こうした、甘えたがりで寂しがり屋の思わぬ本音を聞いて涙した者も少なくない。人妻はそう簡単に用意できないにせよ、お菓子を準備して十全に可愛がりたくなるキャラクターである。

史実よりお菓子がいいなぁ

現存しておらず、享保名物帳には焼失の部門に記されている。
記述によると、長さは8寸6分（約26.1cm）。目釘孔2個。平造。刃文は直刃、帽子は沸え崩れ、尖り心に少し返る。中心は少し区送りか。「吉光」二字銘。

室町幕府、京都侍所所司代を務めた近江国の多賀高忠は、故実にも通じた文化人でもあり料理もよくした。ある日政敵から鶴の料理を依頼されるが、その男は高忠に恥をかかせようと企んで鶴の腹の中に「鉄箸」を忍ばせていた。高忠はそれを察し、包丁藤四郎を使い鶴を鉄箸ごと断ち切り、喝采を浴びたという。

のちに堺の町人所持となっていたのを鳥飼宗慶が買い取り所持。子の与兵衛宗精に伝えた。この時に本阿弥光心が押形をとっている。この後、豊臣秀吉が召し上げ、上杉景勝が拝領する。秀吉のもとにあった時に本阿弥光徳が押形を取り、慶長16年2月に埋忠寿斎が金具を作っている。
のちに徳川秀忠に献上。秀忠は家康に贈り、紀州頼宣に与えたが、頼宜は再び将軍家に献上している。
将軍家では一之箱に納め御腰物帳の6番目に記載。

明暦3年1月18日(現在の1657年3月2日)から1月20日(3月4日)にかけて江戸で発生した火災・明暦の大火にて焼失。
刀剣破壊ボイスでの「火事で焼けるよりは……ずっと、かっこいい死に方だけどね……」は、この火事で焼けたことを指しているのだろう。言い方から焼けた時の記憶はあるようだが、言及するのは最期だけというのがまた悲しい。
明暦の大火は江戸時代でもっとも被害の大きかった大火災であり、多くの刀剣が罹災した。実装済の刀剣男士の中では骨喰藤四郎(刀剣乱舞)・宗三左文字(刀剣乱舞)がこの火災で焼身となり、彼らはのちに再刃されている。

「包丁藤四郎」と「庖丁藤四郎」

「ホウチョウトウシロウ」と読む刀は「包丁藤四郎」と「庖丁藤四郎」の二振りあるが、記録によると明らかに長さが異なり、前者には樋がないが後者には樋ある等、違いがあるために別物とされている。
ゲーム内の戦闘グラフィックをよく見ると、刀に樋が描かれていないため前述の焼失した「包丁藤四郎」とわかる。（同じ汲田氏が担当する鳴狐(刀剣乱舞)の刀には樋が描かれている）

料理を行う際に使われる刃物である「ホウチョウ」は旧来は漢字表記を「庖丁」としており、現在「庖」が常用外の字であるため、「包丁藤四郎」も江戸時代の史料では「庖丁藤四郎」と表記されている。

もう一方の「庖丁藤四郎」は現存しており、前述の焼失した短刀とはまた別の来歴や逸話をもっている。
「御家名物」とされ、享保名物帳には載らない。尾張徳川家に伝来したもので、同家の記録によれば駿府御分け物、つまり徳川家康薨去後の形見分けの品で、もとは大谷吉継が所持していた。関ヶ原の合戦で討死した時、分捕ったものであろう。以後同家に伝来し、現在は徳川美術館に所蔵。重要美術品。
長さは7寸2分（21.8cm）。表裏に刀樋と連れ樋彫り物。平造り、庵棟、表裏角止めの刀樋に連樋がある。連樋は研ぎへって僅かに残る。寸詰まり重ね薄く身幅広し。鍛えは小板目つんで地沸えつく。裏元にフクレ破れがある。刃文は直刃に小乱れ交じり、刃ぶちこまかに沸えつく。中心少し磨上げ、もとの鑢目右手下がり。目釘孔3個。中心少し磨上られ尻近くに「吉光」二字銘がある。