十進法 単語


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ジュッシンホウ

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十進法とは、現在広く用いられている数の数え方である。「ジュッシンホウ」とも読む。
ちなみにMS-IMEでは「じっしんほう」でないと変換できません。

概要

0~9の10個の数字を用い、0から始まって9の次は位が1つ上がって10となる。
10数えるごとに位が上がるので十進法。

なお、「10進法」と言う表記が時々あるが、これは厳密に言えば間違いである。
漢数字で「十」と書けばこれはかならず「九の1つ次の数字」を意味するが、「10」だと9の次の数なのか、1の次の数(二進法)なのか、Fの次の数なのか(十六進法)がはっきりしないため、表現としては不適当と言える。

世界各国の言語における数の数え方

現在、各言語における数詞は、少なくともある程度以上の人口が話している大言語では殆ど全てが十進法を用いている。
英語では11や15など、10から20までの数も1語で表されるが、数の数え方としては十進法である。

大言語において十進法で物を数えない例外としてはフランス語がある。
フランス語は「ニ十進法」であるが、1から全ての数をニ十進法で数えている訳ではない。1から60くらいの数までは普通に十進法で物を数えるが、例えば80を「quatre-vingts(4×20)」と表記する。しかし100になるとまた十進法に戻る(100を表す単語が存在する)など、一部にニ十進法の面影が残っている程度である。
話者数の少ない言語も含めると、フランス語と似たような体系を持つ言語はアイヌ語やグルジア語など、世界各地にそれなりにある。

日本語はもちろん1から全ての数において十進法である。

由来

十進法が考えられる基となったものは、人間の指である。
人間が物の数を数えるに際してまず最初に使うであろう指標が10本の指であるため、自然と10を1つの単位として扱うようになった。

現在ある十進法が完成したのは、ベルギーのとある商人・シモン=スティヴンによって、17世紀初頭に小数の概念が発明された時である。小数の概念が生まれた事によって、あらゆる数を十進法で統一して表現する事が出来る様になり、これ以降急速に十進法が普及していく事となる。

しかし十進法の概念自体はもっと古くから使われており、一部の地域を除いた中国語では10世紀よりも前から十進法によって物を数えていた。先述の通り、1よりも小さい数を表現するのに不都合はあったが、日常生活の中ではそんな機会はあまり多くなく、実用的な範囲ではこの時点で既に十進法は出来上がっていたものと思われる。
この「実用的な範囲での十進法」の完成はと言うと、7世紀ごろのインドの数学者・ブラーマグプタによって「0」の概念が発明された時と言える。それよりも前の時代でもゼロと言う数字のようなものはいくつか存在したが、単に六十進法などにおいてある位が空位である事を示す記号として使われるに留まり、それ自体が計算の対象になるような「数字」としては扱われていなかった。ブラーマグプタはこの「0」の扱いを論じ、「0÷0は0である」と言う点を除いて現代の0の概念とほぼ同じレベルの理論を作り上げ、0を数字として確立した。(ちなみに、現代数学において0÷0は「定義されない」となっている。考え方によってあらゆる数が当てはまるとも言えるし、答えは1つも無いとも言えるからである)

十進法に含まれる進法

根本の数え方としては十進法の範疇であるが、数の表記方法などで一部特殊な方式を含む数え方である。

  • ニ五進法
    日本の文化の中では主にソロバンなどで見られる。
    数を数えていき、5になった時点で5と言うまとまりを1つ作り、また1から数を数え始める。そして、5が2つ溜まると10となり位を1つ上げるというやり方。
    ただし数の計算自体は十進法であり、文字やソロバンの上で数を表現・記録する方式が二五進法なだけである。文字の表現としてはローマ数字が有名。(数の分だけ「I」を付け足して行くが、5を「V」と表す。ただし4を「IV(5-1)」と表現するなど独特の部分もある)
  • 万進法
    日本語において1万の1万倍の数は1万万とは呼ばず、「1億」と呼ぶ。同様に1億の1万倍はいちおくまん1万億とか言わずに「1兆」と呼ぶ。
    このように1万倍ごとに固有の名称を付けているのが(漢字文化圏の)万進法である。
  • 千進法
    主英語などに見られる表記法。上記の万進法と同じように、こちらはthousand(1000)の1000倍をmillion(100万)、さらに1000倍をbillion(10億)と呼ぶもの。
    世界の大半の学問が英語をベースにしていること、科学などで使われる「キロ」「メガ」と言った表現も千進法の部類である事から概念は広く取り入れられており、アラビア数字で4桁ごとにカンマ(,)を入れるのもこれに由来する。
    日本語にも一部で千進法を取り入れようと言う動きがあるが、こちらは万進法よりも文字数が多くなってややこしくなってしまうからか、あまり普及していない様子。

人類は十進法を採用しました

 「十進法 採用」でググるとこの見出しの文句がHITするが、歴史においてこのような宣言をどこかの国が行ったりした事は無い。
ポーズとして両手を大きく横に広げ「十」の文字を表す、などと言う説明がなされる場合が多いが、「十」は漢数字であるため漢字文化圏でしか通用せず、人類全体の宣言とは言えない。

じゃあこの文句は一体何なのかと言うと、検索で引っかかるページの殆どは、同人ゲーム「東方紅魔郷」1面ボスのルーミアと、自機キャラクターの1人である霧雨魔理沙の戦闘前の会話の中の一言に関するネタである。

魔理沙 「で、何でそんな手広げてるのさ」

ルーミア 「『聖者は十字架に磔られました』っていっているように見える?」

魔理沙「『人類は十進法を採用しました』って見えるな」

この会話によってルーミアは十進法ポーズを好むもの、と言ったようなイメージが一部で出来上がっている。
google先生も「十進法」とだけ入れて検索すると関連として「十進法 ルーミア」と教えてくれる。

そして、上記の魔理沙の台詞の元ネタは、森博嗣の短編集『まどろみ消去 MISSING UNDER THE MISTLETOE』に収録されている「誰もいなくなった Thirty Little Indians」の一節のジョークである。

近づいて、フカシとヨーコが手を振ると、西之園萌絵は、両手を顔の横で広げてみせた。人類は十進法を採用しました、というジェスチャではない。

元ネタである西之園萌絵のポーズと、ルーミアのポーズは異なっているのだがそんなことはトゥリビアル(瑣末なこと)だろう。

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関連項目

  • 数学
  • インド
  • 二進法
  • 十六進法
  • ニ十進法
  • 六十進法
  • プログラミング
  • ルーミア
  • 大石は十進法を採用しました
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