叡王戦 単語


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叡王戦(えいおうせん)とは、将棋のタイトル戦である。ドワンゴ主催。2015年より一般棋戦として始まり、2017年の第3期よりタイトル戦となった。タイトル戦の中での序列は竜王・名人に次ぐ3位。

概要

叡王と挑戦者による七番勝負が4月〜6月に開催される[1]。持ち時間は1時間、3時間、5時間が各2局ずつ、6時間が1局で、順番は対局者によって決められる。詳しいルールは公式サイトを参照のこと。

予選は段位ごとに棋士を分けて行なうトーナメント方式で実施され、本選トーナメント出場者16名を決定する。予選枠は九段4名、八段・七段・六段3名、五段2名、四段1名の計16名。持ち時間はチェスクロックの1時間、切れたら1手1分。1日に2〜3局の対局が行なわれる。女流棋士1名、アマチュア棋士1名も四段予選に参加する。

予選通過棋士16名と予選免除棋士8名の計24名による本戦トーナメントは10月~翌2月にかけて開催される。持ち時間はチェスクロックの3時間、切れたら1手1分。挑戦者決定戦となる決勝のみ三番勝負となる。なお、予選免除棋士は前期ベスト4、タイトル保持者などから決められる。こちらも詳しい条件は公式サイトを参照のこと。

予選トーナメントの注目局と準決勝以上の対局、そして本戦トーナメントと七番勝負はニコニコ生放送で生中継される。

開催〜第1期・第2期

様々な物議と論争を巻き起こした電王戦FINALの終了より2ヵ月後、2015年6月に「電王戦に関する新展開」が発表された。

その内容は、

  • 現役プロ棋士よりエントリーを募り、段位ごとに棋士を分けて予選を実施。予選トーナメントを勝ち抜いた棋士が本戦トーナメントに出場し、その優勝者に“タイトル”を与える新棋戦を行なう。
  • 新棋戦優勝者は、コンピュータプログラムのチャンピオンを決める“電王トーナメント”の優勝プログラム、“電王”との第1期電王戦二番勝負に挑む。
  • 新棋戦の名称は、一般公募とする。

というものであった。かつて取り沙汰されていた“電王戦タッグマッチ”の公式戦化ではなく、プロ棋士がタイトルを懸けて戦う新棋戦という形になり、併せて谷川浩司・森内俊之の両永世名人、佐藤康光永世棋聖、現役タイトルホルダーとして糸谷哲郎竜王のエントリーなども発表された。

その後、6月18日に新棋戦名として“叡王戦”が棋戦候補名から投票にて選ばれた。

これに勝ったものは電王と戦うのだから、人間の王と意味にしたい。ならば、人間しか持たない、知恵や叡智を競う将棋の頂点に相応しい称号を考えた。「叡」という字には、明らか、聡明、物の道理に通じた、という意味(ニコニコ大百科による)がある。将棋の道理を人間とコンピュータがどちらが理解しているか、という意味もこめて。(埼玉県 32歳 男性)

優勝者は“叡王”を冠し、翌年の春頃に開催される電王戦の人類代表としてコンピュータ・プログラムの代表、“電王”との二番勝負に臨む。予選枠は九段が4名、八〜五段が各2名、四段が1名を基本枠とし、タイトル保持者数を勘案して決められた。第1期は九段6名、八段3名、七段・六段・五段2名、四段1名。本戦トーナメントも決勝以外の持ち時間は予選と同じで、決勝は持ち時間5時間(昼・夕休憩あり)の三番勝負。

第1期には159名のプロ棋士中154名が参加。この棋戦のみ、称号ではなく段位で呼称された(例:郷田真隆王将ではなく郷田真隆九段)。

優勝賞金などは非公表だったが、日本将棋連盟の棋戦情報ページでは一般棋戦の中で一番上に記載されており、優勝賞金1000万円(当時)の朝日杯将棋オープン戦よりも高額であることが示唆されていた。

公式タイトル戦へ

2017年5月20日に行なわれた第2期電王戦第2局終了後の記者会見において、叡王戦が全棋士参加の公式タイトル戦に昇格することが発表された。タイトル戦の誕生は1983年に昇格した王座戦以来34年ぶりであり、新聞社以外が主催するタイトル戦は史上初めてである。

第3期は、第2期までの形式を引き継いだ形で段位別予選と本戦が行なわれたが、この期より女流棋士、アマチュア棋士が四段予選に参加することになった。

クラウドファンディングの開始

第四期叡王戦では見届人制度が採用されたが、
第五期叡王戦ではクラウドファンディングが開始された。

募集サイトは「CAMPFIRE」、目標金額は200万で2019/05/14~2019/06/14まで。
200円~100万までと幅広い支援内容となっている。
詳細はこちらのプロジェクトページを参照のこと。

歴代結果

赤色が番勝負勝者。
開催年度 優勝者 準優勝者
1 2015年 山崎隆之 郷田真隆
2 2016年 佐藤天彦 千田翔太
3 2017年 高見泰地 金井恒太
開催年度 前期叡王 挑戦者
4 2018年 高見泰地 永瀬拓矢
5 2019年 永瀬拓矢

関連動画

関連チャンネル

関連項目

  • 将棋
  • 将棋電王戦

関連リンク

脚注

  1. *タイトル戦としての第1回となる第3期のみ、本戦トーナメントの決勝が七番勝負となる。

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