口永良部島とは (クチノエラブジマとは) [単語記事]

口永良部島（くちのえらぶじま）とは、鹿児島県・屋久島の北西に浮かぶ火山島である。

概要

行政上は屋久島町に属する。人口137人、面積38.04平方km（2015年現在）。

本村（ほんむら）温泉、湯向（ゆむぎ）温泉、寝待温泉、西ノ湯温泉といった温泉が湧いている。飲食店は無いが民宿が多数ある。釣りスポットとしても知られる。

2015年の噴火

新岳（標高626m）は2014年8月3日に噴火し噴火警戒レベル3（入山規制・火口から2km立ち入り禁止）になっていたが、2015年5月29日午前9時59分にマグマ水蒸気噴火とみられる噴火を起こした。火砕流が海岸まで達し、噴煙は高さ約9000mに及んだ。

噴火警戒レベルはレベルの運用を始めた2007年12月以来全国で初めて5（避難）まで引き上げられ、所有する船で避難した人・島東部の湯向（ゆむぎ）地区住民を除く大半の島民・観光客は島北西部の高台・番屋ヶ峰（標高291m；新岳に対しては本村（ほんむら）地区などの低地を挟んでいる）のNTT旧中継局へ退避した。その日の午後1時30分頃に本村港へ到着した町営船「フェリー太陽」（定員100人だったが、全島民避難のために定員150人への引き上げが国土交通省九州運輸局に認められた）で午後3時40分過ぎに屋久島へ出発した（怪我人・体調不良者は先にヘリで屋久島へ向かった）。湯向地区の住民は番屋ヶ峰に向かうとかえって危険と思われたため、海上保安庁のヘリで屋久島に避難した。

前年の噴火のこともあり避難訓練や説明会が実施されるなど、島民の火山に対する意識が高かったことが円滑な全島民避難の成功に結びついたと言える。