嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん

まーちゃん、世界で一番キミを××してる。嘘だけど。

「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」とは、電撃文庫より刊行されているライトノベルシリーズである。全10巻。
著：入間人間（いるま・ひとま）　イラスト：左

本作のイメージアルバムに『幻想の在処は現実』がある。
実写映画化され、１月22日ロードショー。

概要の背景は虚実

　これは、普通の男子高校生であり主人公である僕（みーくん）と、聡明で美人でとても大切な彼女御園マユ（まーちゃん）との平凡な日常を綴っただけの小説です。過度な期待はしないでください。
　小さな街で繰り広げられる、ハートフル（hurt full）なラブストーリー。少し分かる人ならハートフルボッコとも言えるかも。ちょっとイチャイチャ多めかな。僕らは、ふかい深い不快……おっと、絆で結ばれた仲さ！　僕たちべったりバカップル！　ヒュー！
　先生とか、ジェロニモさんとか、兄妹とか、元カノとか、手帳で会話する部長とか、趣味は解剖なにもうととか、僕とそっくりな着物女とか、エキセントリックでサイケデリックな登場人物たちも交えて、僕らの青春は加速する！

　……ま、嘘だけど。

 

　語り（騙り）部である主人公の視点から、パロディと迂遠な表現を多用し、冗長とも取れる語り口で綴られている。
　作風として、意味ありげな台詞回し、それに伴う伏線、特徴的なキャラの名前（基本、愛知県の駅名から取られている）と言動、明かされない主人公の名前（途中まで）、などがある。

　人の善意、悪意、正気、狂気、価値観の相違。
　これらに端を発する事件に、主人公が巻き込まれたり、首を突っ込んだりしていく。

　その陰鬱な内容から、「第13回電撃文庫大賞の最終選考会にて物議を醸し出した問題作」との煽り文句が付いた。

　なお、全巻を通して、帯を外した裏表紙、およびカバーの裏側にちょっとした仕掛けが施してある。

まーちゃん。キミはどうやら、人間の「悪意」と両思いみたいだね。

 

人物の根幹は不測

　主要人物のみ記載。

主人公（みーくん）
　語り（騙り）部。基本的に名前は作中では明かされておらず（巻を重ねるごとに少しずつ推測が出来るようになる。外伝では明記されている）、「みーくん」や「みーさん」と呼ばれていることが多い。
　過去に巻き込まれた事件により、精神に深い傷を負っている。ドライな性格だが、御園マユに対しては割と一途。トラウマや苦手なものが多く、その最たるものは「あい」という言葉。
　主題通り嘘つきで、口癖は「嘘だけど」。多用な嘘を文面にばらまく。
　事件に首を突っ込んでは（無駄に）引っかき回すため、怪我が絶えない。

御園マユ（みその・－）（まーちゃん）
　本作のヒロイン。一見すると落ち着いた美人だが、その実は「みーくん」以外に興味を示さない徹底した生き物嫌い。
　主人公共々巻き込まれた過去の誘拐事件により、精神に深い傷を負っている。完全に心を壊してしまっており、精神的な成長をしていない。興味のない人間に対して、残酷な言動を取ることもしばしばある。主人公曰く、「人間らしい感情を嫉妬しか残していない」とのこと。
　その一方で「みーくん」とはバカップルの関係にある。ただししばしば暴力に発展する。
　いわゆるヤンデレヒロインの一種である。

坂下恋日（さかした・こいび）
　精神科医で、主人公とマユの元主治医。代々続く医者の家系の生まれで、「精神科医だけいなかったから、なった」とのこと。ただし一巻作中で辞めてしまうために、現在ではニート生活を満喫している。
　数少ないであろう主人公が慕っている人物。

上社奈月（かみやしろ・なつき）
　刑事。恋日とは古いつきあいだが、同年代とは思えないほど若々しい姿をしている。
　いつでも笑顔を絶やさず、独特のテンポ（主人公や湯女に合わせられる）で喋る。したたかな性格。
　主人公からは「ジェロニモさん」と呼ばれている。

長瀬透（ながせ・とおる）
　主人公の同級生で、元カノ。女性だが、男性のような名前をコンプレックスに思っている。そのため、「（女性のような名前の）主人公」と「名前を交換して呼び合う」という取り決めをしていた。そのため、主人公のことを「透」と呼ぶ。
　「～ッス」が口癖。一樹（いつき）という妹がいる。

伏見柚々（ふしみ・ゆゆ）
　主人公が所属している「アマチュア無線部」の部長。ちなみに主人公は副部長で、二人しかいない。
　自分の声にコンプレックスを持っているため、手帳に言葉を書いて会話する。自分の声を否定しない主人公に好意を持っている（ことが素直に明言されている）。
　一癖も二癖もある登場人物の中で、数少ない常識人・癒し系キャラ。豊満なバストを持つ。

大江湯女（おおえ・ゆな）
　曰く主人公とうり二つな、浴衣姿の女性。語り（騙り）口や思考回路が主人公と似ており、いつも飄々としている。
　ただし、ドＳという点においては真逆である。
　7巻では主人公に代わって物騙り（ものがたり）役を務めた。

花咲太郎（はなさき・たろう）
　いつも緑の帽子を被っている、動物探し専門の探偵。トウキという少女と常に行動をともにしているロリコンである。なお、花咲太郎という名前は襲名したものであり、本名ではない。
　群像劇となっている8巻での主要人物の一人。同作者の「探偵・花咲太郎」シリーズで主役を務めている。

『幻想の在処は現実』

Voltage of Imaginationプロデュースによる本作のイメージアルバム。
書き下ろし短編と歌詞を収録したブックレットが同梱されている。

先行発売のマキシシングルに『存在の正しさは不在』がある。
こちらはボーカル曲をスプリットさせ、リミックスおよびカラオケバージョンを収録している。

余談だが、作者の入間人間にとってはこの企画が自身初のメディアミックスとなった。

サウンドプロデュース：bermei.inazawa
作詞：interface
ボーカル：b、茶太
キャスト：藤原祐規、伊瀬茉莉也

01　differance　　Vo. b
02　マイナス
03　よくわかるストーキング入門
04　バカ（略）
05　先生
06　女刑事、ウソツカナイ
07　-----------------
08　ecriture　　Vo. 茶太
09　『　　　　　　　』
10　終人
11　deconstruction　　Vo. b

関連の動画は僅少

　媒体が小説であること、映像化はされていないことから、動画の数は少ない。

 

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