嘘つきみーくんと壊れたまーちゃんとは (ウソツキミークントコワレタマーチャンとは) [単語記事]

まーちゃん、世界で一番キミを××してる。嘘だけど。

「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」とは、電撃文庫より刊行されているライトノベルシリーズである。
著：入間人間（いるま・ひとま）　イラスト：左

現在は本編が8巻、短編集が1巻、発売されている。
また、イメージアルバムが発売されることが決定した。

概要の背景は虚実

　普通の男子高校生である「ぼく」と、聡明で美人でとても大切な彼女「御園マユ」との平凡な日常を綴っただけの小説です。過度な期待はしないでください。
　小さな街で繰り広げられる、ハートフル（hurt full）なラブストーリー。ちょっとイチャイチャ多めかな。いや、ふかい深い不快……おっと、仲かもね！　ぼくたちべったりバカップル！　ヒュー！
　せんせいとか、ジェロニモさんとか、兄妹とか、元カノとか、手帳で会話する部長とか、趣味は解剖なにもうととか、ぼくとそっくりな着物女とか、エキセントリックでサイケデリックな登場人物たちも交えて、ぼくらの青春は加速する！

　……ま、嘘だけど。

　語り（騙り）部である「ぼく」の視点から、パロディと迂遠な表現を多用し、冗長とも取れる語り口で綴られている。
　作風として、意味ありげな台詞回し、それに伴う伏線、特徴的なキャラの名前（基本、愛知県の駅名から取られている）と言動、明かされない主人公の名前、などがある。

　人の善意、悪意、正気、狂気、価値観の相違。
　これらに端を発する事件に、「ぼく」が巻き込まれたり、首を突っ込んだりしていく。まーちゃんを守るために。

　……嘘だけど、多分。

　その陰鬱な内容から、「第13回電撃文庫大賞の最終選考会にて物議を醸し出した問題作」との煽り文句が付いた。

　なお、全巻を通して、帯を外した裏表紙、およびカバーの裏側にちょっとした仕掛けが施してある。

まーちゃん。キミはどうやら、人間の「悪意」と両思いみたいだね。

人物の根幹は不測

　主要人物のみ記載。

「ぼく」（みーくん）
　語り（騙り）部。基本的に名前は作中では明かされておらず（巻を重ねるごとに少しずつ推測が出来るようになる。外伝では明記されている）、「みーくん」や「みーさん」と呼ばれていることが多い。
　過去に巻き込まれた事件により、精神に深い傷を負っている。ドライな性格だが、「まーちゃん」に対しては割と一途。トラウマや苦手なものが多く、その最たるものは「あい」という言葉。
　嘘つき。口癖は「嘘だけど」。
　事件に首を突っ込んでは（無駄に）引っかき回すため、怪我が絶えない。

御園マユ（みその・－）（まーちゃん）
　本作のヒロイン。一見すると落ち着いた美人だが、その実は「みーくん」以外に興味を示さない徹底した人間嫌い。
　「ぼく」共々巻き込まれた過去の誘拐事件により、精神に深い傷を負っている。完全に心を壊してしまっており、精神的な成長をしていない。興味のない人間に対して、残酷な言動を取ることも多々。「ぼく」曰く、「人間らしい感情を嫉妬しか残していない」
　その一方で「みーくん」とはバカップルの関係にある。ただししばしば暴力に発展する。
　いわゆるヤンデレヒロインの一種である。

坂下恋日（さかした・こいび）
　精神科医で、「ぼく」とマユの元主治医。代々続く医者の家系の生まれで、「精神科医だけいなかったから、なった」とのこと。ただし作中で辞めてしまうために、現時点（8巻時点）ではニート生活を満喫している。
　数少ないであろう「ぼく」が慕っている人物。

上社奈月（かみやしろ・なつき）
　刑事。恋日とは古いつきあいだが、同年代とは思えないほど若々しい姿をしている。
　いつでも笑顔を絶やさず、独特のテンポ（「ぼく」や湯女に合わせられる）で喋る。したたかな性格。
　「ぼく」からは「ジェロニモさん」と呼ばれている。

長瀬透（ながせ・とおる）
　「ぼく」の同級生で、元カノ。女性だが、男性のような名前をコンプレックスに思っている。そのため、「（女性のような名前の）ぼく」と「名前を交換して呼び合う」という取り決めをしていた。そのため、「ぼく」のことを「透」と呼ぶ。
　「～ッス」が口癖。一樹（いつき）という妹がいる。

伏見柚々（ふしみ・ゆゆ）
　「ぼく」が所属している「アマチュア無線部」の部長。ちなみに「ぼく」は副部長で、二人しかいない。
　自分の声にコンプレックスを持っているため、手帳に言葉を書いて会話する。自分の声を否定しない「ぼく」に好意を持っている（ことが素直に明言されている）。
　一癖も二癖もある登場人物の中で、数少ない常識人・癒し系キャラ。豊満なバストを持つ。

大江湯女（おおえ・ゆな）
　曰く「ぼく」とうり二つな、浴衣姿の女性。語り（騙り）口や思考回路が「ぼく」と似ている。
　ただし、ドＳ。
　7巻では「ぼく」に代わって物騙り（ものがたり）役を務めた。