地獄堂霊界通信(じごくどうれいかいつうしん)とは、香月日輪による小説シリーズ。通称・地獄堂。
1994年、ポプラ社から刊行開始。(イラスト:前嶋昭人)
2008年より、講談社ノベルスから修正・加筆を加えた完全版が刊行中。既刊8巻。(イラスト:みもり)
2008年からは「good!アフタヌーン」にて、みもりによる漫画版が連載中。既刊3巻。
概要
今作が香月日輪のデビュー作。小学生3人組が霊的事件を解決していくホラーファンタジー作品。
1995年には、このシリーズ第1作「地獄堂霊界通信 ワルガキ 、幽霊にびびる!」で第27回日本児童文学者協会新人賞を受賞している。
読んでいると忘れがちだが、ジャンルとしてはライトノベルではなく児童文学である。
ストーリーはあるが、1話完結。一見ほのぼのとしているように見えるが、事件の真相に迫るごとに雰囲気が少しずつ殺伐としていく。同作者の中でも戦闘シーンが多く、主人公が小学生とはいえ、時には血みどろの戦いになる事がある。
同作者の「妖怪アパートの幽雅な日常」とは世界観がリンクしており、今作で登場した地名などがチラホラ登場する。実はあちらの"龍さん"と地獄堂の"蒼龍"が同一人物だという話が…あったりなかったり。
実はOVAと実写映画が存在するらしいのだが…うわなにするやめr
あらすじ
てっちゃん、リョーチン、椎名の3人は、上院町では『イタズラ大王三人悪』(通称:三人悪)として名高い有名人。
ひょんなことから薬屋『極楽堂』(通称:地獄堂)の店主・おやじと顔見知りになった三人悪だったが、彼らに待ち受けていたのは不思議な怪事件の数々だった。
それらを目の当たりにした彼らは、おやじより"力"を授かり、術師として生きていくことを決意。いくつもの霊的事件を解決していくことになるのだが…。
主な登場人物
※【】の巻数は、完全版の巻数。
三人悪
- 金森 てつし(かなもり てつし) - 11歳
- 三人悪のリーダー。通称・てっちゃん。『上院のてつ』とも呼ばれている。
芯が強く、根性も男気もある熱血漢。他の2人と比べて頭は少々悪いが、喧嘩だけは強い。その強さを持ってして、同級生にちょっかいをかけた中高生に悪戯をしかけるなど、仲間思いの一面もある。兄の竜也にとても懐いている。
- 新島 良次(にいじま りょうじ) - 11歳
- 三人悪の右腕。通称・リョーチン。『向かいん家のリョーチン』とも呼ばれている。
極度の怖がり&泣き虫であり、ちょっとでも何かあろうものなら凄まじい速さで逃げ出す。しかし慈悲深く、誰よりも優しい心の持ち主。あまりの足の速さから、韋駄天と言われている。日課は愛犬・まるの散歩。
- 椎名 裕介(しいな ゆうすけ) - 11歳
- 三人悪の参謀。通称・椎名。『一組の椎名』とも呼ばれている。
切れ長の美形、頭脳明晰、物凄い金持ちという要素を兼ね備えてはいるが、ちょっと変人。無表情・無感動・無愛想の"三無主義"。大人だろうとなんだろうと、発言には容赦がない。しかし、小学生らしい一面も一応ある。
仲間達
- 亜月 カンナ(あづき かんな) - 11歳 【3巻~】
- 明るく元気な女の子。大体、日向と一緒にいる。
心はとても広いが、怒ると三人悪ですら敵わないほど怖い。そして女子でありながら、良次と並ぶ運動神経の持ち主である。征将とは幼馴染であり、小さい頃からその力を見てきた為、霊的な物に偏見が無い。
- 日向(ひなた) 【3巻~】
- カンナを護る霊獣。正確にはイヌガミと呼ばれる妖怪。登場当初は敵だった。
基本的に気性は荒いが、カンナに対してはとても優しい。現在はハクビシンとしてカンナ家に居候中。どんなものにでも変身が可能だが、普段の見た目はボサボサ茶髪の兄ちゃんである。
- 拝 征将(おがみ ゆきまさ) - 11歳 【3巻~】
- どこか浮世離れした少年。実家は資産家なので金持ち。
元々拝家自体が霊能力者の家系である為、生まれながらにして霊能力者としての道を歩んでいる。カンナの事を大切に思っているが、椎名からは「日向に盗られんよう、がんばれよ」と思われている。
- 鳴神 流華(なるかみ るか) - 11歳 【3巻~】
- フランスから転校してきた帰国子女。本名は鳴神・アタリ・流華。
気が強く高慢な一面もあるが、本来は至って普通の女の子。カンナとは親友。蒼龍のことを慕っている。グラディオラ家の血を引き継ぐ魔女であり、黒魔術を軽々扱うことが出来る。使い魔ゾディアックとは生まれた時から一緒。
地獄堂・協力者
- 妖怪おやじ
- 薬屋・地獄堂(極楽堂)の店主。「ひひひ」と笑い、いつも膝にはガラコを抱いている。
確実に異世界の人間なのだが、一体何者なのかは不明。やたら妖怪の類に詳しい。三人悪に力を授けた張本人であり、毎度何かある度にアドバイスしてくれる。ただ、直接助けに来るなんて事は一切無い。
- ガラコ
- いつも地獄堂にいる、黄色い目をした黒い化け猫。稀に人の姿となって、てつし達を助けに来てくれる。
- 藤門 蒼龍(ふじかど そうりゅう) - 49歳 【2巻~】
- 容姿端麗、全身黒ずくめの術師。良次だけ「ソーちゃん」と呼んでいる。
登場当初は敵だと思われていたが、今では三人悪の師匠的存在に。しかし一方で、三人悪におっさん扱いされたり、いじられる事も。「妖怪アパートの幽雅な日常」シリーズに"龍さん"として出演しているとかなんとか言われている。
上院町の住民
- 金森 竜也(かなもり りゅうや) - 14歳
- てつしの兄。上院中の番長。通称・上院の竜。
三人悪にとってはよき兄貴であり、よき理解者。趣味は夜の散歩(深夜徘徊)だが、代わりに朝は重い低血圧状態になる。どう見ても半病人。端正な顔立ち、不言不動でクールな性格から女子人気は凄いらしい。
- 三田村 豪(みたむら ごう) - 25歳
- 上院駅前派出所の名物警官、通称・ミッタン。暴走族の元ヘッド。祥子という彼女がいる。牧原とは高校からの親友。
性格はかなり短気。三人悪(特にてつし)とは相性が悪いらしく、会う度に喧嘩を繰り返している。ただし、兄の竜也には凄く甘い。霊感はないが、射撃に関しては全国一に輝くほどの凄腕。
- 牧原 宗士(まきはら そうし) - 25歳
- イラズ神社の新米神官。通称・マッキー。趣味は骨董。
三田村とは親友だが、別に自分も不良だったわけではないらしい。性格は比較的温厚。霊能力は無いが、三人悪が術師である事を知った最初の人物。
- 如月 麻子(きさらぎ あさこ) - 年齢不明 【2巻~】
- 上院小の保険医。可愛くて美人。三人悪には呼び捨てにされている。
三つ編みのツインテールで、眼鏡を掛けている。性格はとにかくポジティブで明るいが、言動は一言多く、ついつい手が出ちゃったりする。でもそこら辺は仕様である。霊感はない。
関連商品
原作1~5巻がファーストシーズン、6巻~8巻がセカンドシーズンとなっている。
原作
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漫画版
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OVA・映画
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関連項目
- 妖怪アパートの幽雅な日常
- 小説作品一覧
- ライトノベル
関連リンク