娘々(とある魔術の禁書目録)とは (ニャンニャンとは) [単語記事]

娘々（にゃんにゃん、魔神娘々）とは、ライトノベル『新約とある魔術の禁書目録』に登場するキャラクターである。

初登場：新約10巻

概要

異世界・別位相である「隠世-かくりよ-」に住まう魔術の神。
娘々(にゃんにゃん)とは道教における女神の呼び名で、この子も歴とした尸解仙(不老不死の仙人)である。

青白い肌に丈の短い白いチャイナドレスを着用し、満州民族の帽子を被る。額には「符」が貼られており、万人が思い浮かべるオーソドックスな仙女からは外れたデザインかもしれない。

体格は「ネフテュス」と並べると小柄。輪をかけるように「貧乳」である。
声は幼く口調も軽快である事から、妖艶な「ネフテュス」とは違い、やはり外見相応の「少女」に映る。

例（台詞）：
「その分、好き勝手やった「オティヌス」には腹が立ってる訳よあたしィ☆」
「ジジイ、男の泥棒猫とか最悪過ぎね？そりゃ木乃伊になるまで自己を貫いたのに誰からも信仰を得られない訳だわ」

他の魔神をちゃん付けで呼称し（ゾンビちゃん等）、僧正をジジイと呼ぶ。

尸解仙とは

上士は形を挙げて虚に昇る、之を天仙と謂ふ。
中士は名山に遊ぶ、之を地仙と謂ふ。
下士は先づ死して後に蛻す、之を尸解仙と謂ふ。

根源は、道教の概念「道-タオ-」の流れを汲む永遠と不滅の神仙思想、つまり「不老不死」。

上位の人間は天仙として肉体のまま天に登る。中位は遊行し地仙となる。下位に位置する者は一度尸体になり、そこから蝉化・尸解し、晴れて「尸解仙」となる。尸解仙は仙人における階級制度の中で最下位という説もあるが、禁書において魔神娘々より上位の天仙と地仙に該当する存在が出てくるかは不明。

尸体と書いたが実際には疑死に過ぎず、厳密には「仮死状態」になっているという説も強くなっている。
尸解には物品に肉体を託す、という手法を用いる。『雲笈七籤』によると尸解仙にもさらに位があるようで、尸解仙になる際、上士は真人の宝剣を用いるが、下士は竹や木で済ませるしかないらしい。

物品を抱き棺に伏し、然るべき手順を踏んで呪文を唱え、尸解は完成する。この際、物品は自らの姿になる。
然る後、魂は肉体から解き放たれ仙人に転じ、肉体を託した物品は元の姿に戻ると云う。

闇咲逢魔が狙った原典『抱朴子』にも記されている。(アニメ2期1話のアレ)

キョンシー

ベースデザインは僵尸つまり「キョンシー」である。キョンシーは、埋葬された尸体が妖怪となった、もしくは道士が呪法をかけて動かしている存在。中国におけるゾンビの類と考えていい。
キョンシーのような容姿について、尸解仙の起源(諸説あるが天仙に近かった感じ)を考えると、実はあながち外れたデザインとは言えないかもしれない。

日本では何と言っても80年代に大ヒットし、キョンシーの名を広く知らしめた『霊幻道士』、その亜流作でありヒロインのテンテンちゃんで一躍有名になった『幽幻道士』が思い浮かぶ者も多い。
ニコニコ動画では弾幕STG『東方神霊廟』に登場するキョンシー「宮古芳香」も有名だろうか。
- ちなみに宮古芳香の操り主「青娥娘々」は、魔神娘々と同じ仙人(恐らく尸解仙)である。
デザインを担当した灰村キヨタカは『ヴァンパイア』のキョンシー「レイレイ」を想起したらしい事を、自身が運営する公式サイトで語っている。世代的に灰村はこれにあたるらしい。
だが見た所レイレイとは違って、無い。絶壁まではいかずともどこぞの電撃ビリビリ娘と同レベルか。

ぱんつはいてない

…ちなみに『娘々』さん、「ぱんつはいてない」です（←ここ、地味に重要）！

はいむらきよたかサイト「rainbow spectrum」より

繰り返す。
ぱんつはいてない

魔神「娘々」

魔神、すなわち魔術を究めた末に神様の領域に辿りついた魔術師。

娘々共に一人に限定された呼称ではなく、あらゆる宗教、あらゆる神話の魔神が存在しているようだ。作中初の魔神は北欧神話のオーディン（オティヌス）であった。

娘々いわく魔神とは“∞(無限)”の存在であるらしい。そして「世界」を自由自在に改変でき、敵の戦う理由そのものを優しく冷酷に失くす事が出来る魔神の前では、そもそも敵でいられること自体が困難である。
力量は不明だが、後述するように世界の容量を超えた無限の存在である事と、オティヌスを見下した発言から、より上位の魔神とも考えられる。

異世界・隠世-かくりよ-に住んでいた理由の一つ：
魔神は無限の存在である。
しかし現世-うつしよ-に踏み込めば、世界の方が彼女達に耐えられず、ステンドグラスのように崩壊してしまう。

フルスペックの彼女達と相対する以前の問題として、そもそも「世界」のキャパシティや強度が魔神を受け入れるには余りにも不足しており、一歩踏み入れた途端に世界がぶっ壊れるらしい。

魔術師や能力者達を億と引っさげても、現世に囚われている限りは、恐らく素の魔神の敵ではない。下手をすれば敵という認識を持つ事すらない。
ただ、世界・次元を超越した「一部の例外」は含まれないかもしれない。

鏡合わせの分割

ブードゥー教の魔神「ゾンビ少女」の生み出した魔神用の術式。

魔神とは曰く“無限”の存在だが、現世…つまり上条達の「世界」はその“無限”の存在を受け入れるほどのキャパシティには至っていない。
魔神が現世に足を踏み入れようものなら、「世界」はステンドグラスのように粉々になってしまう。異なる世界に住む魔神達の懸念でもある。

そこでゾンビ少女が提唱した、無限の存在(魔神)を無限に分割し、「世界」のキャパシティ限界まで魔神の容量を下げた上で、自己と重ね合わせて「世界」を騙す、という理論が重宝されている。

無限と呼べるわたし達の力を無限に等分する事で、この世界で許容可能なギリギリのレベルに自己を留める。 ……でもこれ、見方によっては最悪の変容じゃないかなあ？何しろこれ、殺しても殺してもキリがない。　マトリョーシカやタマネギみたいに、わたし達を完全に殺すには永遠に等しい戦闘を繰り返さなくちゃならなくなったんだから

新約とある魔術の禁書目録12巻　魔神娘々の発言を抜粋

つまり、現世に入る為に「レベル∞」を「レベル99999999999999999(ry」に下げたようなもの。しかしそれを無限に近い回数分倒さないと、魔神は殺せないのだ。
娘々の言う通り、レベルを下げたと思ったら、何故か余計に絶望感に苛まれる存在になっている。

術式により、現世に入りはしたが…。