宇宙英雄ペリー・ローダンとは、ドイツ語で書かれた「推定世界で2番目に長い小説シリーズ」、ギネスブック認定の「売上世界一の小説シリーズ。10億冊」である。
ドイツでは1961年にシリーズが開始されて以後、複数の作家によって何十年も週刊で刊行され続けている。日本でも早川書房のハヤカワ文庫SFで「宇宙英雄ローダン・シリーズ」として翻訳版が刊行され続けている。
2016年7月10日現在のドイツ語版最新刊は第2863号「Die Finale Stadt: Unten」で、日本語版最新刊は第524巻「アトランの帰還」。
アメリカ合衆国の人類初の有人月ロケットパイロットであるペリー・ローダン空軍少佐が1971年の6月に月に向けて出発した所から、延々と地球を守るために、あるいは地球が陥落したり滅びたり人類が消失してもそれらが復活して人類から追放されても、めげずに「私は博愛主義者なんです」と言いながらも相対的な不老不死となってまで10万年間戦うために描かれるジャングル小説。
金星や隣の恒星系やアルコン帝国やアコン帝国やブルー帝国やアンドロメダ銀河や、隣の時空平面のドルーフ宇宙とか、グルエルフィン銀河とか、ソンブレロ銀河とかのジャングルで遭難しまくる。
そして、強大な敵から新技術をゲットして大発展を遂げると、「文明リセット」「カタストロフィ」により、崩壊した(あるいはしかけた)地球や故郷銀河系を何とかするために、ソ連(北方連邦)も中華連邦もアメリカも滅ぼして、太陽系帝国の大執政官になったペリーローダンが奔走する。
時には10万年前の過去とか、色んな所に行くが、何せ、作者も数十人いる連作小説なので、設定はあちこちでほころびが見られている。
余談ながら、ドイツ本国では「スペースアドルフ」というアダ名がついていたり、「ペリーローダン症候群」という精神病(偉大なるペリーローダンに忠誠を尽くします!とか叫ぶらしい)まで出現するほど、親しまれて?いる。
アニメやゲームにもなっているそうであるが、日本ではメッタにお目にかかることが出来ない。
各国語に翻訳されており、「世界最長の翻訳小説シリーズ」である。
翻訳進行状況により、どの言語版が世界最長翻訳版となるかは入れ替わりうる。
日本語版は1971年に早川書房から発売開始された。ドイツ語版の2号を1冊にまとめる形で刊行されている。
翻訳ペースがドイツ本国版の執筆ペースに追いついていないことで知られる。
記事冒頭にも記したように2016年7月10日現在の日本語版最新号は第524巻「アトランの帰還」だが、これはドイツ語版での第1047号と第1048号を1冊にまとめたものである。これらはドイツでは1981年に出版された号であり、つまり約35年遅れである。まだドイツでベルリンの壁が現役真っ盛りだった頃の号を翻訳しているところなのだ。
当初は日本語版は年に数冊刊行であり、初代翻訳者は第3巻のあとがきで「光子ロケットをプロペラ機で追いかけていくようなもの」と喩えている。徐々に翻訳ペースは上がっており、途中から月1冊刊行となり、さらに2010年からは月に2冊刊行となり本国版と同等近いペースになった。だがそれでも「近い」だけであって、まだわずかに本国版のペースより遅い(月に2冊、4号分なので年に48号分が翻訳される。しかしその間に週1回刊行の本国では年に約52号が執筆される)。
仮に日本語翻訳が今後もこのペースで継続されるとすると、今ドイツ本国で発行されているローダンの最新刊を日本語版で読めるのは実に約38年後である。そして仮にドイツ本国での執筆も現在のままのペースで進んでいればその38年の間にドイツ本国のローダンは2000号近く進んでいる計算になる。
全国の本屋さんの間では「ああ、ローダンって死ぬまでに終わらないんだよねえ」と嘆き、実際に亡くなられる紳士を見送って一人前、という嘘か本当か分からない冗談が存在する。
2016年には、日本語版の「500巻出版達成」に対して第47回星雲賞(自由部門)が贈られている。
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最終更新:2025/12/24(水) 06:00
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