完全最下位とは、ある事物が特定範囲における複数のランキング全てで最下位になってしまうことである。
ここでは日本プロ野球(NPB)での事例について述べる。
2005年以降は、NPB全12球団の順位が出る競技会として
の4つ[1]が挙げられる。この4つ全てで最下位になってしまえば完全最下位ということになる。
だが通常、最終結果が出るのはオープン戦は3月末、交流戦は6月中旬、1・2軍公式戦は10月の頭。絶望的な戦力差があった黎明期のプロ野球ならともかく、21世紀においてこれほど長い期間チームの不振が続くことはなかなかないことである。また、低迷続きだったとしても他に11球団がいるオープン戦や交流戦で最下位になる確率は(優勝同様に)小さい。
実際、完全最下位が起きたのは2016年の1回のみで、リーチで終わった事例も1つしかない[2]。「完全最下位」という単語が使われ出したのも2016年からで、初出は不明だが最終戦に敗れた翌日のニュースではすでに使われていた模様。
2010年の横浜ベイスターズは抑え候補の新外国人であるクリス・ブーチェックが大乱調。さらに三浦大輔が不振、山口俊も序盤に調子が悪く、ことごとく投手陣の誤算に見舞われた。その結果オープン戦・交流戦はともに最下位で、シーズン成績も借金47の95敗に達するぶっちぎりの最下位となる。
だが2軍の湘南シーレックスはよく戦い、イースタン・リーグ3位になったことで完全最下位は免れた。とはいえこの成績はフロントにも相当堪えたようで、いよいよ球団の売却交渉が本格化することになる。
2016年のオリックス・バファローズは金子千尋と西勇輝の両エースが不安定で、打線も繋がりを欠き得点力が伸び悩む。助っ人外国人のエリック・コーディエ、ブライアン・ボグセビック、ブレント・モレルも総じて活躍できず、特にコーディエは守護神候補として期待されながらセーブ失敗を繰り返して戦犯扱いされた。
オープン戦はDeNA・中日と同率ながら最下位。ペナントレースでは5月に一時4位に上がったが、交流戦でヤクルト以外全球団に負け越す惨状で最下位になり、リーグ順位も再び下落。8月に西武の急落で5位になるも、復活する西武と逆に借金を増やし続けた結果、最終的に最下位に終わった。またこの年は2軍の戦いぶりも悪く、最終勝率3割台の惨状でこちらでも最下位に。史上初の完全最下位が交流戦開始12年目にして起こってしまった。
その後のオリックスは完全最下位こそ繰り返さなかったが、2021年に優勝を決めるまで低迷期が続くことになった。
ここまで書いてきた完全最下位と逆に、全てで優勝する「完全優勝」も理論上はあり得る。しかしこれを成し遂げるには、先述の4つに加えて
を優勝(日本一)とする必要があり、よほど戦力が整ったチームでなければ達成は困難である。
…のだが、実は完全最下位よりも早い2015年に福岡ソフトバンクホークスが達成済み。こちらはリーチ事例も一つも存在しないため、この年のソフトバンクの無双っぷりが際立つ結果となっている。
この動画は比較的ポジティブにまとめられている。
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最終更新:2025/12/09(火) 00:00
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