家畜を表す英単語一覧 単語

カチクヲアラワスエイタンゴイチラン

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ここでは、家畜を表す英単語の細かな違いについて解説する。

概要

日本では、同じRiceでも、「植物としての状態」「脱穀済み未調理の状態」「調理済みの状態」を「稲」「米」「飯」と細かく分類している。

同じように、日本より古くから畜産が盛んだった欧米では、同じ「牛」「馬」でも状態によって異なる単語を用いることがある。

基本的には、用途が異なると別の単語で呼ばれる。例えば、牛ならばオスは農耕・食肉用、メスは乳用に用いられるため、それぞれbull/ox・cowと呼び分けられている。生きている家畜と肉で分けられる場合もある。またオスの場合、去勢済みかどうかでも単語が分けられている。

一覧

ここで掲載されているのは伝統的な用法であり、ポリティカル・コレクトネスを考慮した新しい用法は含まない。また、一単語で表せるものに限る。例えば雄犬はmale dogといえるがこれは含まない。

下の表で「オス」とある場合、原則として去勢していないオスを指す。

日本語 全体 子全体 子のメス メス 子のオス オス 去勢済み 集合名詞 子の肉
(参考) human
man
girl woman boy man - people - -
四脚獣全体 beast dam sire
cow calf cow bull ox
bullock
steer
cattle veal beef
horse foal filly mare colt horse
stallion
gelding - - -
sheep lamb
hogget
ewe ram wether lamb mutton
pig
hog
swine
piglet sow boar barrow pork
dog pup bitch - -
cat kitten - -
chicken chick hen cock
rooster
capon - chicken
アヒル duck duckling duck duck
ガチョウ goose goose

動物ごとの詳しい違い

人(参考)

家畜ではないが、参考として記載する。

人はオスをman、メスをwomanで表すが、manは同時に性別を問わずヒトを表す(区別する場合はhumanという)。また、集合名詞peopleがある。

一方、去勢する習慣が(欧米では)希であることや、肉を食用としないことから、それらを意味する語は当然ながら存在しない。

基本的にオスは食肉用/農耕用、メスは牛乳用と全く異なる用途を持つ。

多くの家畜では、性別を問わない単語とオスを表す単語が同じであるが、牛に限っては牝牛を表すcowが性別を問わない場合にも用いられる。

ただし集合名詞のcattleが使われる場合もあり、例えばWikipedia英語版では「牛」全体に対する記事はcattleの項に掲載されている。

牡牛は去勢していない場合はbull、去勢済みの場合はoxだが、牛はごく一部の種牛を除いてみな去勢してしまうため、初学者向けの本には「牡牛―ox」と簡略化されている場合が多い。

肉としての呼び方では、仔牛と成熟した牛では料理のされ方も異なるため、仔牛の肉にはvealという名前が特につけられている。

用途が多岐にわたり、とくに競走馬という用途のために非常に細かな違いがある。

まず、当歳馬(0歳馬)をfoalという。

若い牡馬をcolt、牝馬をfillyという。成熟した牡馬をhorse/stallion、牝馬をmareという。

colt/fillyとstallion/mareの境界線だが、オックスフォード英語辞典ではfilly/coltの項に「less than 4 years old」とあるため、3歳までをcolt/filly、4歳以上をstallion/mareとよぶようである。

成熟した(去勢していない)牡馬であればstallionといって問題ないが、成熟した馬を去勢しない場合、多くの国では「将来的に種牡馬になる予定の馬」であることが多く、stallion自体にも「種牡馬」というニュアンスが含まれる。stallion/sireが単に牡馬のことなのか、それとも種牡馬という意味なのかは文脈から判断しなければならない(はっきり種牡馬を表す場合はstudhorseという)。

競馬では4歳から「古馬(older horse)」と呼び、大人の馬として扱う。そのため、レースは基本的に2歳・3歳限定戦と古馬限定戦に分かれるが、夏から秋にかけて年齢制限が「3歳以上」となっているレースがある[1]。これらのレースのうち、牝馬限定戦では「filly & mare」とレース名に両方の単語が記載されている場合も多い(BCフィリー&メアターフなど)。

去勢した牡馬はgeldingという。geldingは日本語でも「騸馬せんば」という別の単語があり、geldingは牡馬とは見なされないという点で他の家畜と大きく異なる[2]

これらは、ヨーロッパでは種牡馬の選定がおおむね3歳までに完了し、それまでに結果が出なければ去勢する国が多いことに由来する。そのため3歳限定戦からなるべく騸馬は除外するし、4歳以上で騸馬になっていない牡馬は「将来的に種牡馬になる予定の馬」であるため、stallionというだけで「種牡馬」というニュアンスを含むのである。

基本的に雄鶏は時報用/食肉用、雌鶏は採卵用と用途が異なる。

雄鶏はcock/roosterと呼ぶ。ただしアメリカ英語ではcockは「陰茎」の意味でもあるため、鶏のことをさすときはroosterが使われることが多い。雌鶏はhenと呼ぶ。

ひよこはchickまたはchickenという。性別を問わず鶏を表す場合、または鶏肉を表す場合もchickenというが、本来は「ひな鳥」の意味である。

去勢した雄鶏をcaponというが、鶏の去勢は極めて困難であるため、希である。しかしながら、caponの肉は地域によっては高級品扱いされるため、別の単語が存在する。

性別を問わない場合sheepという。

子羊はlambないしhoggetというが、lambとhoggetの違いは永久歯が生えているかどうかである。永久歯が0本であればlamb、1本であればhogget、2本以上生えていれば大人の羊として扱われる。辞書によっては毛を刈り込む前の子羊をhoggetとしている場合もある。

雄羊をram、雌羊をewe、去勢された羊をwetherという。ramとlambはカタカナにすると両方「ラム」なので日本人は発音に注意。羊は、食肉用とする場合、去勢しないと臭みが出てしまうため、成熟前に去勢を行う。また、去勢しておとなしくした羊に鈴をつけ、群れのリーダーとしての役割を担わせることもある。これをbellwetherといい、そこから「集団の指導者」という意味が生まれた。

羊肉は子羊と大人の羊では香りが異なり、調理法も異なるため、子羊の肉はlamb、大人の羊の肉はmuttonと区別されている。

関連動画

関連静画

関連リンク

関連項目

  • 家畜
  • 雄 (牡) / 雌 (牝)
  • 去勢

脚注

  1. *日本でいえば宝塚記念や天皇賞(秋)など。
  2. *例えば、競馬のレースで性別の欄に「牡・牝」とあった場合は、「騸馬は出走できない」という意味である。

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最終更新:2025/12/20(土) 14:00

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