御城印とは、御朱印から派生したお城のコレクターコンテンツである。便宜的に、御城印帳と二次派生コンテンツの武将印、古戦場印についても解説する。
御城印は、主にお城の施設やそのお城を管理または関係する観光団体及び公益団体施設などで発行される御朱印の一種で、2016年頃から急速に発行箇所と種類が増加している。お城専門の情報サイト「攻城団」が運営している「全国御城印コレクション」という御城印データの登録サイトには、2021年8月の時点で約780城、約2000種類の御城印が登録されている。
お城以外にも、お城に関係する神社や寺院が御朱印と一緒に配布していることもある。(躑躅ヶ崎館、鶴岡城、上田城、余部丸岡城などが該当)
一般的には「御城印」と表記して「ごじょういん」と呼ばれる。ただ、一部の地域にあるお城では、「登城印」(とうじょういん)や「登閣記念符」(とうかくきねんふ)、「入場記念符」(にゅうじょうきねんふ)と呼ばれることもしばしばある。ちなみに、松本城や彦根城がこれに該当する。
御朱印の一種ではあるが、信仰的要素は一切含まれておらず、あくまでお城やその城下町、周辺地域への振興、知名度向上貢献を主目的としたコンテンツなので混同しないよう注意してほしい。なお、御朱印帳に本家の御朱印と混ぜての記帳は神社・寺院側から断られるケースがほとんどなので注意が必要である。もっとも、御城印は書き置き式がほとんどであるため、御朱印帳にのり付けして貼らなければそのような場面に遭遇しないため安心してほしい。
御城印にもルーツがあり、一番最初に発行された御城印は松本城の御城印で、1992年から配布された。配布当初は御城印と呼ばれておらず、「登閣記念符」と呼ばれていた。(現在でも、松本城においてはこの名称が継承されている。)
それから十数年後の2016年、岐阜県の郡上八幡城が同年発生の熊本県地震で被災した熊本城復興のためにと、美濃和紙で御城印を作成。販売を開始した。これが爆発的なヒットとなり、これをきっかけとして同県の岐阜城や京都府の二条城、現存天守を持つ姫路城や丸岡城、犬山城でも御城印が発売され、日本全国に御城印ブームが波及した。
また、リピーターを呼び寄せるためにプレミアムフライデー限定版や季節限定版、枚数限定版、イベント開催記念版などプレミア要素を含むデザインが入った御城印を発売するお城も現れ、御城印ブームが長続きしている要因の1つになっている。
2019年~2020年頃になると、御城印の派生コンテンツとして武将印や戦場印が登場する。これらは、お城ではなく、戦国武将の名前や戦国時代の戦場が書かれた御朱印となっている。
一般的な御城印のデザインをあげると、紙のサイズはもっぱらはがきサイズ程度が多い。使用する紙は特に決まっていないため、そのお城の地域の特色に合わせてデザインのアピールポイントの一つとなっている。例として、郡上八幡城では美濃和紙が使用されている。
そして中央に大きく「城名」、右側にその城の肩書きやうたい文句を掲載。左側には登城日付と「登城記念」など登城を証明する語句が掲載される。
そして家紋をあしらった朱印が押され、御城印のデザインの決め手の1つとなっている。
御城印の種類が増加するにつれて、その御城印を収納する御城印帳の種類も多種多様に増加した。
主流となっている御城印帳はいわゆる「ポケット式」と呼ばれるタイプで、各ページにポケットが付いおり、そこに差し入れて収納するタイプの御城印帳である。また、本家御朱印帳のような本格的な御城印帳もあり、のりを使用して貼り付けて使用する。これは、書き置き式の御城印が多いためである。
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最終更新:2025/12/09(火) 08:00
最終更新:2025/12/09(火) 07:00
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