戦略 単語


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戦略(strategy)とは、戦争と政治を繋げる橋として機能するものであり、戦略によって戦争を使用して、政治目標を達成することが追求される。

混同されやすいもの

戦術と混同されやすいが、戦略のほうが大規模・長期的である。

 戦略  >  作戦  >  戦術  >  戦法 (小規模・個人→)

  • 戦術:基本的な戦い方、陣形、戦車を倒す方法、建物を制圧する方法・手順 …など。
    • 「目標達成するには具体的に何をどうすればいいのか?」という感じである。
    • 訓練や演習で研ぎ澄まされ、作戦のように終了することはない。
  • 戦法:戦い方そのもの。同時に狙撃、煙幕で身を隠しつつ突撃するなど。
  • 作戦:「Eの街奪還しようぜ作戦」のようなもの。(一時的なもの)
    • もちろん、作戦成功の為にどうするか?何が必要か?も考える。 戦術や戦法を使う。
    • 作戦名的に言えば、Eの街を奪還するか、断念すればそれで終了である。
  • 戦略:まずAの岬を制圧して橋頭堡を作り、B・Cの街へ攻め込む、必要物資は物資は50t …など。
    • 軍隊の階級の高い人達がやるのがこれである。
    • 「こんな流れで行こう」という目標・順序といえば、若干ざっくりめな感じである。
    • ただし大部隊を動かすなど、予算や燃料、経路や所要時間も考えなければいけない。
      • もちろん作戦通りに行くとは限らず、作戦の加筆修正を臨機応変に行うことになる。
    • 各兵科の特徴を加味しつつ、補給も考えなければ大部隊は瓦解してしまう。
      (→諸兵科連合)(→兵站)

概要

戦略とは、時代が進むに連れて、定義が発展して来た言葉である。

まず、戦略という言葉の起源は、古代ギリシャ語であり、900年頃には東ローマ帝国のレオーン6世が「ストラテギーア(strategia)」という言葉を使用している。

中世を通じて、戦略の概念は部分的に忘れ去られるが、17世紀後半から18世紀の啓蒙時代に再発見される。

ポール・ギデオン・ジョリィ・ド・マイゼロアは1777年に「シュトラテギー(Strategie)」という用語を、ジャック・アントワーヌ・ギベールは1779年に「ラ・ストラテジック(la strategique)」という用語を、それぞれ著書の中で使用している。

1837年には、アントワーヌ=アンリ・ジョミニが「戦略とは地図上において戦争を計画する技術であり、作戦地全体を包括する」と主張した。

ジョミニと同時代のカール・フォン・クラウゼヴィッツは、戦略を実践的なものではなく、概念的なものと考え「戦争とは、他の手段による政策の継続である」とし、戦略を「戦争目的のために戦闘を用いること」と定義する。

1929年、クラウゼヴィッツの定義は、バジル・ヘンリー・リデルハートにより大戦略へと拡張され「国家、もしくは国家の集団の持つあらゆる資源を、戦争の政治的な目的達成のために調整して指向すること」と定義された。

そして、1999年にコリン・グレイはクラウゼヴィッツやリデルハートなどの議論を踏まえて、戦略を「政策の目的のための軍事力の行使と、その行使の脅しに関するもの」と定義した。また、グレイは、学問としての戦略学(Strategic studies)の発展に大きな貢献を果たした。

こうした概念の発展を踏まえて、アメリカ陸軍では、戦略を「国家や同盟の軍隊を用いたアートとサイエンスであり、政策目的を武力の脅威または使用によって確保すること」としている。

関連動画

関連項目

  • 軍事
  • 戦争
  • 政治
  • 戦争論
  • 諸兵科連合
  • 軍事関連項目一覧
  • 作戦
  • 兵站 / 橋頭堡

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